2014年12月16日

近況報告 2014 (3)

11月22日(土)

   朝、レストラン・ガストK店のマネ−ジャ−から、私の携帯に電話が入った。彼は、
  私が申し入れをしたK店の女性優遇トイレ(女性専用+男女共用)の改善について、
  上司と相談をして、私に返信する約束だったのである。申し入れのときは、必ずしも
  感触は悪くなかったので、私には幾らかの期待もあったが、この日の電話では、見事
  に裏切られてしまった。彼は、K店の改善はおろか、「今後展開する店舗のトイレは、
  K店と同様、女性優遇トイレにする」などという、上司の回答を伝えてきたのである。
  止まらない女性優遇、拡大する女性優遇、私はショックであった。トイレの男性差別
  は、精神的に非常にきつい。私は気持ちが収まらず、「お客様相談室」に、長々と苦
  情の電話を入れた。受けたのは女性であったが、なぜか彼女は、職務範囲を逸脱する
  かのように私の主張に共感的なのであった。

11月27日(木)

   記事「紀伊國屋レディ−スデ−(2)」で取り上げた店舗に行った。私の居住地の
  ショッピングモ−ルにあり、人権侵犯被害申告の対象とした店舗である。そのときの
  店内掲示物には、レディ−スデ−は「2014年11月26日(水)まで」と書いてあっ
  た。26日は昨日である。だから、私の中には愚かにも、掲示物が取り外された壁面
  を期待する自分がいた。自嘲ではすまないような話である。しかし壁面には、私を嘲
  笑するかのように、次のような掲示物が貼られていた。

            レディ−スデ− 女性会員限定 
              水曜日はポイント2倍
       ご好評につき、2015年11月26日(水)まで期間延長

   思わず私は、近くのレジにいた40歳前後と思われる男性社員をつかまえて言って
  しまった。「男を差別するなよ・・・・・」。

   水曜は女性限定でポイント2倍。ポイントは金と等価のサ−ビスとして還元される。
  それが、女性限定で上乗せされるのであるから、男性差別にきまっている。しかし、
  地方法務局の人権擁護課は、つまり、結局は法務省の人権擁護局が、「法の下の平等」
  と「営業の自由」を秤にかけたとかで、「人権侵犯事実不明確」の結論を出した。「人
  権侵犯がなかったとは言っていない」などと言っても、「不明確」の結論は、企業に
  とっては、何の痛手にもならない。現実的な拘束性を発揮し得ていない男女共同参画
  関連条例と同じである。この手の男性差別を解消させるためには、企業に対して拘束
  性を持つ法の整備、「性別」という属性を利用した優遇戦略を禁じるような法整備が
  必須であるように感じてしまう。しかし、そんなこと、とても・・・・・・?
   
   しかし、法務局への人権侵犯被害申告だけではたたかいきれないと感じても、私は
  それをやめるつもりはない。法務局に対して声を上げることは、声の存在を知らせる
  ことでもあるし、世論の高まりを作るための1つの方法として、それなりの重さを持
  つと考えているからである。しかし、同様の被害申告をしている人が、何人いるのか
  な? 紀伊國屋については、私は、ほかの人を知らない。ファミリ−マ−トの場合は、
  私と、あの人と、あの人と・・・・・・・・・ もしかして、3人だけ?

11月下旬・・・・・日の記録はないが、トイレの男性差別が改善された一例である。

   私が、このブログの記事を書くのによく使っている喫茶店。落ち着いた雰囲気で、
  男性専用トイレも広く、個室の壁面に大きな鏡があって身繕いもできる店。私はそこ
  がたいへん気に入っているのであるが、その近くに、数ヶ月ほど前、セブンイレブン
  の新店舗ができた。駐車場の広い店舗で、入りたくなるような外観であるが、私の先
  入観通りの男性差別トイレの店舗で、近くを通る度に頭が痛かった。全国にはもう既
  に、膨大な数の同様な店舗があるわけで、私一人がわずかな店舗に働きかけても徒労
  の思いがあるが、その不当性を黙認することができず、この日、店に立ち寄って、店
  員さんに申し入れをした。オ−ナ−は、土曜の夜には間違いなく店に来るとのことで
  あったので、日を改めて、直接申し入れをする旨を伝えておいたが、数日前、この店
  に立ち寄ったところ、既にトイレの表示が改善されていた。今まで、「女性専用+男
  女兼用」であったトイレが、二つとも、男女兼用に変わっていたのである。私は、お
  礼かたがた、経過を聞く意味もあって、12月13日に店舗に立ち寄ったが、オ−ナ−
  の話では、彼が問い合わせをした関東事務所(本社とは言わなかった)は、「店舗の
  判断に任せる」と言ったのだそうだ。オ−ナ−は、「男性の使いづらさを考え、改善
  した」とのことであった。私は彼のような人の存在に、救われる思いであった。改め
  て、この場で感謝申し上げる。
   ところで、私が今まで、男性差別トイレの改善を直接申し入れたコンビニエンスス
  トアは、上記を含め、セブンイレブン7店舗、ファミリ−マ−ト4店舗、セ−ブオン
  2店舗であるが、その結果を、「改善あり」「改善なし」「未確認」の順に数として記
  せば、次のようになる。ただし、申し入れは、必ずしも、オ−ナ−や店長にしたわけ
  ではない。
          セブンイレブン ・・・・・・・ 3・2・2
          ファミリ−マ−ト ・・・・・ 2・2・0
          セ−ブオン ・・・・・・・・・・・ 0・2・0

12月3日(水)

   11月10日に記事として取り上げた「防災・復興における女性の参画とリーダーシ
  ップ 〜 第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加するために、東北
  新幹線で、福島市に行った。
   関連して、私は、12月4日に、「あおもり被災地の地域コミュニティ−再生支援
  実行委員会委員長(青森県男女共同参画センタ−副館長)」に、また、12月10日に
  は、青森県庁内の男女共同参画局に、要望の電話を入れている。
   シンポジウムの後は、数日間、心の状態が悪かった。これから記事を書くのも、
  重い腰をあげる感があるが、年内には報告をしたいと思う。

posted by 翠流 at 19:15| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月10日

名古屋市職員採用試験

取り上げるのが、遅くなってしまったが、
先月の中旬、知人のAさんから、(アルファベットはご本人の頭文字ではなく、順に従う表記である。)
名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)について、
男性差別の存在を示唆する資料をいただいた。
既に差別ネットワ−クのブログで取り上げられた件ではあるが、
安倍晋三の「光り輝く女性」発言や、
内閣府男女共同参画局が行っているポジテブ・アクション、
つまりは、数値目標達成を最優先とした女性割合拡大の動きが強まる中で、
特に面接試験を利用して女性にゲタをはかせる女性優遇採用が、
日本全国に広がるのではないかという懸念を、
私も強く抱いている。
教育の機会均等、受験の機会平等は、勿論以前から保障されてきたから、
もしも、女性にゲタをはかせる優遇採用があれば、
それは、「法の下の平等」に抵触する、裁かれるべき施策であり、
不正入試と同じであるが、
あわせて、内閣府が行った「学校教育の場における男女の地位の平等感調査(図4):下記【注】参照」の、下方にある図『20〜29歳を対象とした調査結果』を見れば、
            【注】http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html
学校での平等感には、既に、男女間の有意差はなくなったと感じられる。
従って、学校での性差別の事例は、恐らくは個々に対応すべき少数に近づいており、
男女平等は、制度だけでなく、生徒の感じ方から見ても確立したと言ってよい。
そういう状況の今にあって、
学校教育の到達点の1つとしての公務員採用試験の場で、
女性にゲタをはかせる優遇採用があれば、
それは明らかな男性差別であることが、一層明白となった。
平等な選考ならば合格するはずの男性が不合格となり、
不合格となるはずの女性が合格するなどという理不尽が、
許されてよいはずはない。

私がAさんからいただいた資料には、
次のような、男女別合否状況が記されていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成26年度 名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)
          一次試験・・・・・行政一般・学校事務・・・・・・・教養試験       
                 法律・経済・社会福祉・・・・・教養試験・専門試験  
          二次試験・・・・・論文試験・口述試験
合否状況
(区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数) (合格者数) 
      男性  女性   男性  女性    男性  女性    男性 女性
行政一般  1,111 601    756  408    185  78    60  44 
法  律   300 154    213  111    125  68    45  49 
経  済   202  65    150  50    101  37    42  29 
社会福祉   100  90     77   66     55  54     21  33 
(計)   1,713 910   1,196  635    466  237    168 155

 この数値から、受験者の「一次試験合格率」、及び、一次合格者の「二次試験合格率」
を男女別に算出すると、次のようになる。

        (一次試験合格率)   (二次試験合格率)           
        男 性   女 性    男 性   女 性            
行政一般    24%    19%    32%   56%            
法  律    59%    61%    36%   72%            
経  済    67%    74%    42%   78%            
社会福祉    71%    82%    38%   61%            
(全体)    39%    37%    36%   65%            

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この数値に示されているように、二次試験では合格率の男女差が非常に大きく、
女性に対する優遇措置が強く懸念される。
この問題について、12月1日の朝日新聞の「声」の欄には、
次のような、川上直也氏の投稿文が掲載された。

 「採用試験 女性優遇ではないか」・・・ 川上直也
                     朝日新聞「声」(12月1日)より引用
    私は市民団体で様々な差別について問題提起をする活動をしているが、今年度の
   名古屋市の職員採用試験の結果を見てあぜんとしてしまった。大学卒程度の第1類
   の事務系には男性1196人、女性635人が受験したのだが、合格者は男性168人、
   女性155人。受験者数は男性が女性の倍近くいるのに、合格者数は男女ほぼ同数
   に近い。
    同市人事委員会が出した「採用総合案内」には「年齢・性別・学歴・出身地・職
   歴などによる有利・不利は一切ありません。受験資格を満たしていれば、すべての
   人に平等です」と書かれている。
    だが、採用結果を細かく見ていくと、客観的で人為的な操作の難しい筆記試験で
   ある1次試験を通過した割合を計算すると、男性が39%で、女性の37%をわずか
   に上回るのに、主観的になりがちな面接と論文が課される2次試験の合格率は男性
   36%に対し、女性65%だった。これは憲法14条1項がうたう「法の下の平等」に
   反し、人為的な性差別が行われたと推認せざるを得ないのではないか。
    仮に男女に関係なく、同じ基準を適用した結果と言われても、その基準自体が一
   方の性に著しく有利にできている、いわゆる間接差別にあたるのではないか。
    ほかに能力の高い男性がいるのに、女性が優先的に採用・登録されたとすれば、
   これは男性差別にとどまらず、能力主義の否定でもあり、大問題であると思う。採
   用や登用における性差別を完全になくしたいのであれば、面接後、受験者の氏名や
   性別がわからない状態で評価を行い、選考するべきだ。

 私も、この採用試験の結果を見て、川上氏と基本的に同じ認識を持つ。特に文中の『こ
れは憲法14条1項がうたう「法の下の平等」に反し、人為的な性差別が行われたと推認
せざるを得ないのではないか。』について・・・・・。
 私は市職に就いた経験はないが、10代後半の若者とは関係を持ちながら生活してきた。
それを振り返って思うのだが、仮に、論文と口述の平均的資質が女子の方に高いと仮定し
たとしてもても、この二次試験ほどの差はつかないのではないか。しかも、二次試験の対
象者は、客観的な一次試験で選別されてきた人たちなのである。二次試験の合格率の、男
性36%、女性65%という大きな差は、女性優遇がなければ生じないのではないかと思う。
 
 あわせて、同じ名古屋市採用試験の「学校事務」の結果を見ると、興味深い違いに気づ
く。合否状況は次のようになっている。要するに、二次試験合格率に、男女差はないので
ある。名古屋市の事務系職員の男女比は調べていないが、学校事務については、私の居住
県と傾向が同じであるとすれば、恐らく、女性の方が男性より多いか、同数に近いのでは
ないかと推測する。要するに、学校事務の場合は、女性にゲタをはかせて優遇採用をする
必要がないと、推測することも可能なのである。

(区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数) 
      男性  女性   男性  女性    男性  女性    男性 女性  
学校事務   68   69    48   51    13   13     5   5 

        (一次試験合格率)   (二次試験合格率)           
        男 性   女 性    男 性   女 性            
学校事務    27%    25%    38%    38%

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Aさんからいただいた資料の中には、川上氏の指摘に対する、名古屋市人事委員会の、
次のような見解も含まれていた。
    ・・・・・ ネットニュ−ス http://www.j-cast.com/s/2014/12/01222160.html 

  ◆ 名古屋市は「性別への配慮はありません」(人事委員会)と言い切る。「合否の
   判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と説明。男女の差が
   なかったのは、あくまで「結果」という。
    市によると、「特別な取り組みをしているようなことはありませんが、ここ数年、
   女性の採用比率が上がっているのは事実です」と話す。ただ、採用試験では「そう
   いった(女性を優遇するような)判断はなく、採点で上から順番に採用していった
   結果です」と、恣意的なことはないと強調する。

 しかし、この名古屋市の見解は、川上氏への反論になっていない。人事委員会は「合否
の判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と言っているが、判定会
議以前に、たとえば面接結果を点数化するような作業があったとした場合、女性受験者に
ゲタをはかせて採点することも可能なのである。もしも、そのようなことがなされれば、
「合否判定時に性別のデ−タがなく」「採点で上から順番に採用していった」としても、
必然的に、女性優遇採用がおこる。

 内閣府男女共同参画局の、数値目標を設定したポジティブ・アクションは、安倍晋三の
「光り輝く女性」発言によって、政治の表舞台に登場した。それが、たとえば保育環境の
整備であるとか、採用や昇進段階の女性差別の排除であれば正当であるが、実際には、女
性にゲタをはかせる優遇政策として、男性差別拡大の危険性を増幅させた。
 採用試験の担当者が、たとえば面接試験の評価のような、隠蔽可能な部分で女性優遇採
用を拡大させる可能性は、日本全国に広がったように思う。

 ところで私は、このブログの記事「男女共同参画に翻弄される日々【1】」の中に、国家
公務員採用試験について、次のような文章を書いた。その根拠となったグラフ(人事院)
のURLを、下に記す。

    ・・・・・ところが、とりあえず「似非フェミニスト」という言葉を使わせていただ
   くが、そういう人たちは、採用や昇進等にあたって、女性にゲタをはかせる形の、
   女性優遇の、つまりは男性差別の選考を企図し、それは、これからだけではなくて、
   実はもう、既に行われてきたことのようでもあるのだ。例えば、「女性国家公務員
   の採用・登用の現状等:人事院」に記されたグラフ、「T種試験事務系(行政・法
   律・経済)区分の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合(昭和63年から平
   成22年まで)」を見ると、平成14年以降、採用者に占める女性の割合は、毎年、
   明らかに、合格者に占める女性の割合より高くなっている。この事実から、採用
   に関わる面接等の段階で、関係各省庁が、女性優遇の、つまりは男性差別の選考
   を行ってきた可能性を指摘できるのである。この件について、私の質問に答えた
   ある職員は、「女性が面接で優秀だったからだ。」と答えた。しかしそれは、そう
   いう発言で隠蔽可能な領域で、女性優遇採用が行われてきた結果であると、そう
   いう見方もまた、可能なのである。                     

グラフURL・・・・・・・ 国家公務員採用.T種試験事務系(行政・法律・経済)区分の 
         申込者・合格者・採用者に占める女性の割合の推移     

http://www.jinji.go.jp/saiyoutouyou/sankoushiryou/III.pdf#search='%EF%BC%89%E3%80%8C%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E6%8E%A1%E7%94%A8%E3%83%BB%E7%99%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E7%AD%89%EF%BC%9A%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E9%99%A2%E3%80%8D%E3%80%8C%E2%85%A0%E7%A8%AE%E8%A9%A6%E9%A8%93%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B3%BB%EF%BC%88%E8%A1%8C%E6%94%BF%E3%83%BB%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%83%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88%EF%BC%89%E5%8C%BA%E5%88%86'
                                         (以上)

posted by 翠流 at 02:11| Comment(3) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月19日

服装の自由と性的挑発

「人に不快感を与えすぎない範囲で」という条件はあるが、
服装は、基本的には自由だと、私は考えている。
しかし私たちの生活を見れば、
そこには、個性を無視した服装の制約があって、
私たちは、必ずしも自由ではない。

たとえばレディ−スであるとかメンズであるとか、
どこの誰が決めたのか、私にしてみれば、わけのわからない分類によって、
区別された衣料品とそれに応じたショッピングモ−ルの空間がいつのまにか用意され、
私たちは性別に応じて、
それぞれの空間で自分の買い物をしなければならない。

私は、トランスヴェスタイト(クロスドレッサ−)の人たちを気の毒に思う。
特に男性のトランスヴェスタイト。
なぜならば理不尽なことに、
男性の異装は、女性のそれより咎められやすいからだ。

もっとも、私が若かった頃に比べれば、
社会はずいぶん寛容になった。
たとえば私の居住県では、6年ほど前であったか、確か中学校で、
トランスセクシュアルの生徒が、
異性の服装で、卒業式への参列を認められた。
その背景には、県の法務局の人権擁護課の働きかけがあったようで、
それを促したのは、当時、ようやく腰を上げた法務省の、
性的マイノリティ−に対する人権擁護の動きであったと私は捉えているが、
もとより、生まれ落ちた性別によって、
その人の本質が決まるはずはなく、
人には本来、社会通念としてのジェンダ−の呪縛から、
自由になる権利があると私は思う。

1年ほど前であったか、新宿のあるクリニックで、
乳房の摘出手術を受けた FtoM(女性から男性へ)の人が死亡した。
その手術を執刀した医師は、
すでに性別適合手術を受けた MtoF(男性から女性へ)の人と聞いた。
その、叫びのような悲惨を、
私たちは受けとめ、
トランスセクシュアルの人たちの人権を、擁護しなければならない。

ところで、冒頭に書いた「人に不快感を与えすぎない範囲」での服装の自由に関わって、
私は、近年とみに顕著となった、女性の、性的挑発傾向の強い服装の、
男性に対する配慮の欠落に、
憤りと、強い疲労を感じている。
その服装の変化は、恐らくは、自己本位のフェミニズム運動の、
一つの現れと捉えて誤りはないように感じているが、
一例をあげれば、昨年の夏、私は、
オリンピックのシンクロナイズドスイミングの、ユニフォ−ムの変化を見て、
ショックで、体重が2kg減った。
それが、世界的承認のもとに開催されているオリンピックでの映像であったから、
男性に対する過度の性的刺激が世界的な承認を受けたように感じ、
一層強いショックを受けたのである。

ファッションを中心とする消費の世界での、
企業の女性優遇戦略については、たびたび記事として取り上げてきたが、
タ−ゲットとしての女性の「着る幸せ」が拡大し続ける今にあって、
それは、美しさを求める私にとっては、羨望と嫉妬の対象ではあるが、
同時に、その、ファッションの進化の中で、
性的挑発傾向の強い服装が、
男性の性的心理を知りつつもそれに配慮せず、或いはそれを意識的に利用しながら(?)
私たちの日常に流出し、
挑発は罪ではないが挑発されるのは罪であるかの如く男性を翻弄する今の時代に、
私は、強い疲労と、やり場のない怒りを感じるのである。

その、性的刺激の本来の意味を考えてみれば、
それは、性的に成熟した異性に対する生殖行動のリリ−サ−(解発因)なのであって、
愛し合う二人の間でそれをどう使うかは、
全く二人の勝手であるが、
不特定多数で構成される社会の中で、
たとえば男性が明らかに翻弄される極端なミニスカ−トであるとか、
派手な下着が透けて見えるトップスであるとか、
下着そのものが裸出されたファッションであるとか、
そういう、リリ−サ−を開放しすぎるファッションは、
私のような男性にとっては、
紛れもないセクシュアルハラスメントなのである。

ところがそれを、「男性に対するセクハラである」とは表現しない風潮が強い。
それは、「男性は過度の性的ストレスにも耐えなければならない」という、
不当な性別観の押しつけであると私は思う。
男性は、性的挑発に耐えなければならない。
性的挑発は罪ではないが、それに翻弄されるのは罪であるというような、
あたかも、自己本位のフェミニズム運動の、自己中心性の典型であるかのような、
新しい男性差別の出現である。

ちなみに、過日マスコミで話題となった某航空会社の、
女性乗務員の極端なミニスカ−トについての賛否を問うアンケ−トの集計結果の中に、
反対理由として、「乗客のセクハラを誘発する」という表現があった。
要するに、極端なミニスカ−トを、
「男性乗客に対するセクハラである」とは表現しないのである。
それは、男性を、より加害的な立場に置こうとする、男性差別の視点である。

考えてみれば、もとより、男性が女性の性的刺激に翻弄されるのは、
自然が男性に与えた宿命なのであって、
その感受性がなければ、男性は生殖に参与できない。
この、男性の不可避の弱点を知りながら、
翻弄される男性を嘲笑するかのように街を歩く女たち。
それを批判すれば、男性が悪者にされてしまうような風潮の中にあって、
理不尽なストレスは、増すばかりなのである。

ところで、以前、「差別ネットワ−ク」のブログの「女性(専用)車両問題」の記事の中に、
助役(?)が、「男性と同じ電車に乗りたくない女性のお客様もいらっしゃいますから」などと言う場面があった。
しかしそう言うのなら、
私のような、「女性の挑発的服装に疲弊する男性」に対しても、
同じ配慮を示すべきだろう。
痴漢冤罪の恐怖を抱きながら、挑発的な女の近くに乗る苦痛、
「男性(専用)車両」を設置しない鉄道会社は、
日本国憲法第14条、男女共同参画社会基本法第3条、
そして、全国各都道府県の、男女共同参画関連条例に抵触する、男性差別の加害者に他ならない。

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2014年11月10日

災害対応シンポジウム (福島) 【その1】

久しぶりに、内閣府男女共同参画局のHPを開いた。
「久しぶり」なのは、私が負けているからである。
男女局のHPを開くことが、私の精神的な負担になっている。
私にしてみれば怒濤のような、
自己本位のフェミニズム運動の拡大を前にして、
一人の国民でしかない私の、
存在の弱さを思うのである。

男女局のHPには、次のようなシンポジウムの募集要項が記されていた。

「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ        
       〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」
             http://www.gender.go.jp/public/event/2014/bousai.html

以前から、「第3回国連防災世界会議」が被災地で行われることは知っていた。
そして、私はそれを恐れてきた。
世界的なフェミニズム運動の拡大の中で、
災害対応のメッセ−ジが、
男性に対する人権無視・人権軽視のままに、
採択されてしまうのではないかと・・・・・。

標記のシンポジウムは、
来月、12月3日(水)に、福島市で行われる。
私は、内閣府男女共同参画局総務課に、
次のような要望書を送ることにした。

男性に対する人権無視・人権軽視を、放置することはできない・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                               平成26年11月10日 
内閣府 男女共同参画局 総務課 様
                                   (翠 流)  
                  要 望 書    

         「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ          
         〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」の        
       内容、および運営について。・・・「男女の人権の尊重」の視点から。    

                    記                  

 標記シンポジウムの開催にあたりましては、男女共同参画社会基本法第3条「男女の人権
の尊重」に則り、女性の人権だけではなく、男性の人権にも配慮する視点を忘れることのな
いよう、強くお願い申し上げます。会の運営にあたりましては、「男性は・・・」「女性は・・・」
というような、単純化された二項対立的視点や、過去からの性別観に囚われすぎることなく、
「人間は多様であること」をふまえた人権尊重の視点で、災害対応を検討していただきたく
お願い申し上げます。例えば、避難生活でのプライバシ−への配慮に関わって言えば、羞恥
に対する配慮が必要なのは女性だけではない。男性にも、羞恥心の強い人はいるのです。男
性に「不当な我慢」を強いるような災害対応は、絶対にやめてください。

 特に男性の人権に関わっては、避難所等における、更衣室、トイレ、物干し場、休憩スペ
−ス等の設置、入浴に対する配慮、生活支援物資の配布など、人間の尊厳、清潔、心身の健
康等に関わる重要事項について、男性に対する人権軽視・人権無視の現れることが強く懸念
され、強い不安感を捨てきれません。「男性は我慢をしなければならない」というような不当
な性別観で男性を呪縛することなく、すべての人の人権を尊重する視点に立って、誰もが、
心身共に健康に暮らせるような災害対応を実現してください。強くお願い申し上げます。 

 なお、上記のような生活支援の問題と併せて、被災者に対する精神的支援の平等性の問題
を含め、今回の要望と関連性の高い既送の要望書として、昨年の12月12日付けで、当時
の総務課のA様を窓口として送付させていただきました要望書、及び、本年8月12日付けで、
推進課のB様を窓口として送付させていただきました要望書(資料を含め全8枚)を、〖別添
え資料−T・U〗として同封させていただきましたので、併せてご覧いただきたくお願い申
し上げます。

〖別添え資料−T〗・・・・・ 平成25年12月12日付・要望書(総務課宛)
     「東日本大震災からの復興に関する男女共同参画の取組状況調査」に見られる  
    「男性に対する人権無視」の指摘と、今後の災害対応における、「男性に対する  
    人権無視・人権軽視の回避」について。                   

〖別添え資料−U〗・・・・・ 平成26年8月12日付、要望書(推進課宛)
     災害対応における男性差別、「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の、 
    男性無視の解消について。                         
                        以上、宜しくお願い申し上げます。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〖別添え資料−T〗・・・・・下記の要望書は、昨年12月12日の記事、『内閣府男女局 総務課へ
            ・・・・・「ひどすぎる復興アンケ−ト」について』の中に掲載した。

                               平成25年12月12日 
内閣府 男女共同参画局 総務課 様
                                  (翠 流)  
                  要 望 書   

      「東日本大震災からの復興に関する男女共同参画の取組状況調査」      
         に見られる、「男性に対する人権無視」の指摘と、          
    今後の災害対応における、「男性に対する人権無視・人権軽視の回避」について。 

                    記                     

 既に今月5日に、総務課のA様から、防災担当者4名の会議の結果であるとして、ご回答
いただいた件ではありますが、その内容を確認し、文書として明確な形で残したいという思
いから、改めて要望書を送らせていただきます。                   
 11月27日に、私からA様に発言させていただきましたように、本年6月7日に、内閣府男
女共同参画局ホ−ムペ−ジの「災害対応」に掲載された記事、「東日本大震災からの復興に関
する男女共同参画の取組状況調査」の45ペ−ジ、図表5-5-1「避難所運営の際に男女共同参
画の視点を反映させた取組」に記された調査項目は、下記のように、そのほとんどが女性だけ
に対する配慮に終始しており、男性に対する配慮、具体的には「男性用更衣室」「男性のニ−
ズの把握(聞き取り、意見箱等)」「男性に対する相談窓口の開設・周知」「男性専用の物干
し場」は完全に欠落しています。因みに、「物干し場」につきましては、私は現在の居住地に
来て約20年になりますが、この20年間、私は、洗濯物を干すときに、自分がスラックスの下に
身につけている1枚の下着を、人に見える場所に干したことは、ただの一度もないのです。
すべて部屋干しです。そういう男性もいるのです。                   

 【図表5-5-1:調査項目】                            
   男女別トイレ。 避難所の運営体制への女性の参画。 女性用物資(生理用品や  
   下着等)の女性による配布。 女性用更衣室。 女性のニ−ズの把握(聞き取り、 
   意見箱等)。 間仕切りによるプライバシ−の確保。 授乳室。 女性に対する相  
   談窓口の開設・周知。 乳幼児のいる家庭用エリアの設置。 女性専用の物干し場。 
   女性に対する暴力を防ぐための措置。 その他                 

 前述のように、図表5-5-1の名称には「男女共同参画の視点を反映させた取組」と書きな
がら、その調査項目には男性に対する配慮が存在しません。この、名称と内実の乖離。それ
は、男性に対する人権無視という倫理的な問題点であると同時に、男女共同参画社会基本法
第3条、そして日本国憲法第14条に抵触する内容であると考えます。          
 この私の発言につきまして、A様は、防災担当者4名の会議の結果であるとして、今後の
災害発生時には、私の発言のような要望を取り入れる形で、つまりは、「女性の人権だけでは
なく、男性の人権にも配慮して」調査項目を設定することを確認したと、回答してください
ました。しかし、人権尊重の原点に立ち帰って考えれば、それは、本来、この調査の開始時
点で考慮されるべき事項であったはずと考えます。男性にも人権はあります。男性の人権を
無視しないでください。本年5月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取
組指針」の4ペ−ジには、「避難生活において人権を尊重することは、女性にとっても、男性に
とっても必要不可欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全を
守ることが重要である。」と記されています。この精神を忘れることなく、真の「男女共同
参画の視点」から、今後の施策が実施されるよう、強く要望します。        

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〖別添え資料−U〗・・・・・今年の8月12日の記事『被災地における、女性の悩み・暴力相談
           事業(4)要望書』に掲載した。ここでは省略する。

                                     (以上)

2014年11月04日

山田昌弘さんの言葉 【その2】

前回の記事では、
ワレン・ファレルの本「男性権力の神話(久米泰介訳.作品社)」に寄せた山田昌弘さんの
推薦文の中から、
冒頭の一節を引用した。
今回は、その全文を、この記事の最後に掲載する。

山田さんの指摘のような、
「女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさは問題にされない」社会の中で、
男性差別が拡大する日本。
私の目から見れば男性たちの多くは、
社会の中で何が起こっているか、まるでわかっていないように見える。
「男女の人権の尊重(注1)」を謳いつつも、
内実はそれに離反するフェミニズム運動の拠点として、
「男女共同参画」局という「美名」の部局を手に入れた似非フェミニストたちは、
その美名で自己中心性を隠蔽するかのように、今日も明日も、
「はじめに結論ありき」の、女性優先・女性優遇・女権拡大の施策を推進する。
「かつて女性は差別されてきた」という言葉は、
恐らくは政治の場でも、奇妙な説得力を持ち続け、
全国津々浦々で、粗雑に、乱雑に使われながら、
男性差別を拡大させていくだろう。
                   (注1)男女共同参画社会基本法第三条

国民の「いのち」の問題について言えば、
内閣府男女共同参画局は、
「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」の名のもとに、
「女性だけに対する」と言って過言ではない健康支援を展開してきた。
厚生労働省は、既に以前より、
「生涯を通じた女性の健康支援」という名の施策を展開してきたが、
第三次男女共同参画基本計画は、それに上乗せをする形で、
第10分野「生涯を通じた女性の健康支援」を設定した。
しかし男性には、それに相当する支援項目がない。
内閣府男女共同参画局は「性差」という言葉を好み、
それを、女性優遇のために使う。
そして、男性は疎外するのである。
たとえば、明白な性差としての「男性の短命」に関わる健康支援は、
女性に対する手厚い健康支援に比べれば、
ないに等しいと言って過言ではない。

内閣府男女共同参画局の自殺対策も同様である。
既にこのブログでも、くり返し現状を提示してきたように、
明白な「性差」としての、「男性に多いの自殺」の問題について、
男女局は、支援の施策を展開していない。
私が、男女局の担当者にこの発言をしたとき、
彼女は「自殺対策強化月間広報啓発経費」の計上をあげた。
しかしそれだけで、自殺対策などと言えるはずもない。
第10分野「生涯を通じた女性の健康支援」に見られる女性に対する配慮に比べれば、
自殺対策としての、男性への配慮は、皆無であると言ってよいのである。

東日本大震災をめぐる災害対応についても、
被災者の男性を疎外、或いは軽視する傾向が、随所に見られた。
自殺デ−タの扱いについては、すでに前回の記事に書いたが、
被災者の生活支援について言えば、
たとえば、昨年、内閣府男女共同参画局から全国に送られた「男女共同参画の視点からの
防災・復興の取組指針」に付属した「解説事例集(注2)」の、
「p.38」「取組事例13」に記された「宮城登米えがおネット」の、女性だけに対する支
援物資の配布。
この記事には、男性に対する支援が全く存在しない。
また、「平成24年男女共同参画白書全体版(注3)」の、「本編 > 第1部 > 特集 >
第2節 被災者の状況・1:避難所の状況」には、「女性だけに与えられた着替え用テント」
の写真が掲載されており、男性のプライバシ−に対する配慮は、完全に欠落している。
要するに被災者の生活と、人間の尊厳に関わる部分について、
これらの記事には、男性に対する配慮が存在しないのである。

 (注2)(注3) どちらも 内閣府男女共同参画局のHP にある。それぞれのURLは次の通り。
 (注2) http://www.gender.go.jp/policy/saigai/shishin/pdf/jirei_01.pdf     
 (注3) http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h24/zentai/index.html 

翻って、
私たちの日常を見れば、
鉄道会社の施策にも、深刻な男性差別が存在する。
鉄道会社は、「痴漢対策」と称して「女性(専用)車両」を設置していながら、
「痴漢冤罪対策」としての「男性(専用)車両」を設置していないのである。
痴漢冤罪被害は、無実の男性の人生を、根底から破壊する。
すでに衆知の通り、原田信助さんは、
痴漢冤罪被害のために、新宿駅で自らのいのちを絶った。

「なぜ女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさは問題にさされないのだろう。」
この、山田さんの言葉の通りの理不尽さが、
日本の社会の、至る所に存在する。

次に、山田昌弘さんの推薦文の、全文を記す。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ワレン・ファレル「男性権力の神話(久米泰介訳.作品社)」 推薦文
                              中央大学教授 山田昌弘
【生きづらい男性が増えている日本社会のために必要な認識】

 なぜ女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさは問題にさされないのだろう。
本書の著者であるワレン・ファレル氏は、この問題意識から、これでもか、これでもかと、
男性が女性に比べ「生きづらい」例をあげていく。アメリカ社会では、男性の方が7歳も早
く死ぬ。自殺者も多い。戦争に駆り出される、犯罪は厳しく罰せられる。そして、お金を稼
いで妻子を支えるよう仕事をさせられ、企業は男性を使い捨てにする。ファレル氏は、この
ような男性に不利な状況を「ガラスの地下室」と呼ぶ。ガラスの天井とは、女性が経済的に
活躍したくて上を目指しても見えない壁に阻まれてしまうことを言う。一方、ガラスの地下
室は、いつのまにか見えない壁で囲まれていて、そこから出られなくなってしまう状態を表
している。しかし、男性には権力があると言われていることで、それ自体、問題にされるこ
ともない。
 読んでいて、この状況は、アメリカよりも日本によく当てはまるのではないかと思ってし
まう。日本でも、男性の平均寿命は女性より7歳短く、自殺率は高い。何よりも「男性が妻
子を養うべき」という意識は、アメリカ以上に強い。2012年の内閣府の国民生活に関する
世論調査によると、生活満足度の質問では、生活に満足していると答えた人の割合は、20代
女性の年齢層で最高で75%、最低は、50代男性で、50%である。平均小遣い額も、年々、
低下を続け、既婚男性では昼食代を含め月約3万円である。学生が、自分の小遣いよりも少
ないと驚いていた。そして、収入が低い男性は、結婚相手として選ばれないし、離婚されや
すい。また、近年そのような男性が増えているのである。確かに権力をもって、それを十分
に使い優位に立っている男性もいるだろう。しかし、権力をもっていると言われながら、社
会的に生きづらい男性が増大していることは確かなのだ。
 ファレル氏は、だから、女性差別はこのままでよいとか、昔に戻れと主張するわけではな
い。今までの運動が、近代社会で生きづらい女性を生きやすくするための運動であったなら、
今後は、男性を生きやすくする男性運動が求められている時代であることを強調する。本書
は、アメリカについて書かれたものだが、むしろ、生きづらい男性が増えており、「男は強い」
という考え方が残り続けている日本社会でこそ、本書で展開されている状況の理解が必要で
はないだろうか。


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2014年10月27日

山田昌弘さん(中央大学教授)の言葉 【その1】

このブログの記事「ファミマ・レディ−スデ−(2)」のコメント欄で、ある人から、
ワレン・ファレルの「男性権力の神話」(久米泰介訳.作品社)を、紹介していただいた。
400ペ−ジに渡る本で、読書力のない私にしてみれば、
読み終わる日がいつになるか心許ないが、
冒頭の、山田昌弘さん(中央大学教授)の推薦文に、次のような一節があり、
私の問題意識を、的確に代弁してくださっているように思われた。

  「なぜ女性のつらさは問題にされるのに、
          男性の生きづらさは問題にされないのだろう。」
                        (中央大学教授:山田昌弘)

山田さんのこの一節と共通する思いは、
たとえばこのブログでは、次のように表現してきた。

  しかし自殺者に男性が多いことは、厳然たる事実であって、
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   自殺者の男女比が、もしも逆であったら、
   日本中が大騒ぎになっているような気もする。
   女性団体はたぶん、その現実を放置しないだろう。
   保護を求める女性たち、保護を受け入れられる女性たち、
   しかし保護を求めることができずに、
   「男性」であることを背負いながら、
   孤独のうちに死んでいく男たちがいる。      【記事「男性の自殺(1)】

内閣府の自殺対策推進室が、ホ−ムペ−ジに掲載した「自殺統計の分析」という「特集」を、
私は、昨年の10月に見た。
対象年度は、「自殺死亡率が急上昇前の平成9年から直近の24年までの間」、とある。
その大部分は、男性の自殺、特に経済・生活問題を原因とする自殺の急増が主因となって、
年間自殺者数が3万人を超えた時期(H10〜H23)である。
ところが自殺対策推進室は、この「特集」の中で、
男性の自殺の実態を表現しなかった。
男女差について述べたのは、差の小さい「家庭問題」だけなのである。
          (自殺の原因別男女比は、【記事「男性の自殺(3)(4)】を参照)
私はこの件に違和感を感じ、
昨年の10月31日に、内閣府自殺対策推進室に問い合わせの電話を入れた。
電話を受けた担当の男性は、その理由を二つあげた。
一つは「男性に注目した考察を入れると焦点がぼける」
もう一つは「時間がなかった」であった。

しかし私の違和感は消えない。
「特集」に、なぜ、男性の自殺の実態を書かなかったのか・・・・・。
それは「焦点」の一つとすべき、重要な現実だったのではないか・・・・・。
たとえば次のデ−タが示すように。

   (原因・動機)  年間自殺者数(H20〜H24)   男女比 【男性:女性】 
   「経済・生活問題」  5,219 〜 8,377    【 8.3 :1 】〜【 10.3:1 】
   「勤務問題」     2,412 〜 2,689    【 6.9 :1 】〜【 8.8:1 】

もっとも、平成22年の「自殺総合対策パンフレット」には、
自殺者総数の男女差を示すグラフは記されている。
しかしだからといって、それは、「特集」で略してよい現実ではなく、
むしろ逆に、その実態を詳しく顕在化させ、
更に深く、男性の自殺に対する対策に踏み込むべきだったのではないか。

「特集」を読んで私は思う。
もしかすると、内閣府自殺対策推進室の人たちの中には、
彼らが意識するしないに関わらず、
「男性の困難はなるべく強調しないように・・・・・」という、
不当な性別観に基づく、不当な配慮があったのではないか・・・・・?

似たような事例がほかにもあった。
たとえば「男女共同参画白書・平成24年全体版」に記された、下記のような「被災者の自殺デ−タ」は、
「白書・概要版」では削除された。
「心の健康状況」を示す4項目のうち、削除されたのは、この1項目だけであった。
昨年の11月に、その理由を問い合わせた私に対して、
内閣府男女共同参画局の担当者は、次の三つの理由をあげた。
    @ ペ−ジ数に制限がある。  A ほかに重要なことがある。
    B 全国の男女比と大差はない。
しかし私は、この理由を納得できない。

   〖東日本大震災に関連する自殺者数の男女別の割合〗
                       男女共同参画白書・平成24年全体版
         本編・第1部・特集・第2節(被災者の状況)・5(心の健康状況)
                          女性    男性    計   
   震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月)   24.6%  75.4%  100%  
   全国の自殺者数(平成23年)         31.6%  68.4%  100% 
                       【記事「岩手日報に対する要望書」】

私の知人に、ある相談活動に従事する男性がいる。
ボランティアではあるが、
彼は、活動を始めた頃、私に言った。
「俺は、女性から相談を受けると、丁寧に話しを聴き、親切に対応するが、男性から相談
を受けると、『おまえは男なんだから自分でやってみろ』と思ってしまう」と・・・・・。
私は、婉曲に彼を批判した。
彼は、根はいい男性であるから、今はそのような対応はしていないようだ。
しかし彼と話しをしていると、
類似の性別観が随所に現れる。
今、彼と私の交流は途絶えている。


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2014年10月20日

近況報告 2014 (2)

10月16日(木)

  ・・・10月9日(木)に申告をした人権侵犯被害、カフェ・ド・クリエのトイレの件で、
   東京法務局人権擁護部のAさんから、私の携帯に連絡が入った。私の申告に対して、
   「調査を開始することが決まった」とのことであった。私は、「調査不開始」に対
   する恐れもあって、申告時に、かなりプライベ−トな部分にまで踏み込んだが、こ
   れで、私のような、「電話での抗議だけでは憤りを収めることができず、法務局を通
   して抗議をする人間」の存在を、カフェ・ド・クリエに知らせることができる。仮
   に最終判断で裏切られるようになったとしても、このような抗議には、意味がある
   と私は思っている。ちなみに、もしかすると私の独り合点の受け取り方かもしれな
   いが、例えば、既に記事にした、Sスポ−ツクラブ KI(アイ)店に対する被害申告
   (記事「男性更衣室(4)(5)(6)」)の後、私が通っている同クラブM店の、少なくと
   も2人のスタッフの、私に対する態度が変わった。もちろん私は何も文句を言われ
   てはいないし、言われるはずもなく、もしも言われればそれは新たな抗議の対象と
   なるが、「この人はそこまでするのか ・・・・・」という、抗議をした私に対する当惑
   と警戒が感じられるようになった。この判断が正しければ、それは、私の抗議が与
   えたプレッシャ−の証である。それは、小さくても、一つの成果ではないかと思う。

    特に今の日本の社会にあっては、男性差別とたたかうためには、できる限りの合
   法的手段を使って抗議をすべきである。それは、先回書いた「声を、声にする」と
   いう意味だけではなく、男性差別の加害者に対しては、できる限りの合法的プレッ
   シャ−を与える必要があると感じているからである。私の今までの経験からすれば、
   加害者はしたたかで、法のすき間や、男性に対する過去からの不当な性別観の上に
   アグラをかいて、男性差別を是正しようとしない。そしてそれは、今の日本の社会
   の、不当な女性優遇の拡大、たとえば、企業の、営利を最優先とした女性優遇戦略、
   そして、内閣府男女共同参画局と安倍晋三の女性優遇戦略と政策、或いは、男性差
   別是認の象徴的存在としての女性専用車両の存在、等の中にあって、日々拡大を続
   けており、その壁は厚くなりすぎて、破壊が非常に困難になっている。

10月17日(金)

  ・・・ 私の居住県の●●地方法務局人権擁護課に、次の2件について、人権侵犯被害申
   告を行った。
          T.ファミリ−マ−ト・レディ−スデ−
          U.セブンイレブン:トイレの男性差別

  ・・・ このうちTについては、既にこのブログに、関連記事として「ファミマ・レディ
   ースデー(1)(2)」を掲載した。私は、ファミマTカ−ドの会員として、被害事実
   を携えて申告した。申告時間は、今の日本の男性差別に関わる状況や、性差別を禁
   じた条例等の存在に触れながら、約1時間。

  ・・・ Uについては、近年、全国で著しく増加している「女性専用+男女共用」のタイ
   プのトイレについての、セブンイレブンに対する被害申告である。同様の件として
   記事「トイレの男性差別(2)」の後半から「同(3)」に記した「Kクリニック」
   の件があるが、これは、次に記す「人権侵犯事件調査処理細則、第7条第1項第7
   号」に該当するとして、救済手続き(調査)不開始となっている。

    「第7条第1項第7号」
     ・・・・・「当該人権侵犯による被害が生じておらず、又は生ずるおそれが
        ないことが明らかであるとき」(救済手続きは開始できない。)

    このようなトイレの男性差別は、私にとっては非常に強いストレスで、セブンイ
   レブンだけではなく、同様のトイレを見るたびに、強い不快を感じている。先日も、
   立ち寄ったレストラン「ガスト」のトイレがこのタイプで、私はマネ−ジャ−の帰
   店を待って話しをさせていただいたが、要望が実現したか否かを考え始めると、そ
   れがまたストレスで、心のあり方が非常に悪くなる。この手の要望は「女性ならば
   受け入れられやすい」という男性差別が、不当な性別観と共に根強く存在し、それ
   が営業戦略によって増幅している。それは、敏感な男性にとっては人権侵犯であっ
   て、放置することができない

    このようなトイレについては、セブンイレブン・ファミリ−マ−ト・セ−ブオン
   に、かなり前から苦情を入れてきた。セブンイレブンについては、昨年の1月と7
   月に、「お客様相談室」のBという男と話しをしたが拉致があかない。特に、7月
   の電話は感触が悪かった。私は、このトイレの件について、法務局に人権救済の申
   し立てをしたいと、かねてから考えてきたが、上記の「Kクリニック」と「第7条
   第1項第7号」の件が障壁となり、申告できない状態が続いてきた。

    しかし今年の4・5月の連休のとき、被害申告として使えるかもしれない出来事
   があった。私はA山麓の公園から市内に向かっていたが、途中でトイレを使わざる
   を得なくなり、セブンイレブンのFT店に立ち寄った。男女兼用トイレは使用中で
   あった。私は、便失禁を避けるために女性専用トイレに入った。用を足してドアを
   開けたとき、目の前には女性が立っていた。彼女は、トイレの表示板と私を交互に
   見つめながら、私に批判の視線を向けた。しかしこの件について、私はFT店に苦
   情を入れていない。また、その日がいつであったか記録していないのである。従っ
   て、法務局人権擁護課が調査に行っても、その、事実確認ができない。

    10月17日、私は、この弱さをかかえながら、人権擁護課に被害申告をした。担
   当職員の反応は良くなかった。申告時間は、これも1時間余りであったが、私は、
   わだかまりをかかえて帰宅した。そのままでは気持ちが済まなかった。私は、申告
   の補足として、下記のような【補足資料】を作り、翌日、担当係長に提出した。主
   眼は、下記、補足資料【1】の冒頭にあるAの強調。要するに、「Aも『救済手続き
   開始』の理由として評価されるべきではないか」という申告時の主張の、補強であ
   る。主張の根拠は【補足資料】の文中に詳述してあるが、要するに「法、或いは条
   例に抵触する営業戦略によって与えられる精神的ストレスは、『救済手続き(調査)
   開始』に値する『被害』として評価されて良いのではないか」という主張である。

    なお、16日の申告時に、申告の背景としての「女性専用車両問題」を口述し忘
   れた。それを、下記の文書中に「補足資料【2】」として付け加えてある。

    【補足資料】後半の【別添え資料】の文章は、全てこのブログに掲載済みである。
   従って今回は、【別添え資料】中に、その文章の所在を示す場所を記すにとどめ、
   文章自体は省略した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足資料】
                                 2014/10/17
 人権侵犯被害申告(下記T・U)に関する補足資料【1】【2】
                               申告者:(翠 流)
                           申告日:2014年10月16日
     T.ファミリ−マ−ト・レディ−スデ−
     U.セブンイレブン:トイレの男性差別

 補足資料【1】

 ◆ 16日の、口述による被害申告の中で、上記Uに関する被害事実として、下記@に
  加え、Aも取り上げてほしい旨を要望した。

     @ セブンイレブンFT店での被害。
     A 日本全国での女性優遇トイレ(女性専用+男女共用)の増加による、
      申告者(翠流)の「恒常的なストレス」の増大。

   このAの「恒常的なストレス」の証として、16日の口述内容に加え、次の引用文
  を「補足資料」として提出する。文中に16日の口述との重複もあるが、文脈の都合
  や、思いの強さの証として、ご容赦いただきたい。

     1.平成24年5月4日に、申告者(翠流)が、「情報公開・個人情報保護審査
      会」に提出した意見書からの引用文。
                        ・・・・・・・・・・・・・・【別添え資料1】

     2.申告者(翠流)のブログからの引用文
                        ・・・・・・・・・・・・・・【別添え資料2】
       (a)記事「トイレの男性差別(1)」からの引用文
       (b)記事「トイレの男性差別(2)」からの引用文
       (c)記事「トイレの男性差別(3)」からの引用文
       (d)記事「投稿原稿・・・男性の人権を守るために【1】」からの引用文

 ◆ もとより、申告した女性優遇トイレの男性差別は、口述で取り上げた、東京都と
  ●●県の男女平等(共同)参画の条例や、憲法第14条(法の下の平等)・13条(個
  人の尊重)に抵触するだけでなく、勿論、次の「男女共同参画社会基本法第3条」
  にも抵触すると考える。

  「男女共同参画社会基本法第3条」
     男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、
    男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮
    する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、
    行われなければならない。

 ◆ このような、法、或いは条例に抵触すると考えられる事実によって、被害申告者
  が「恒常的ストレス」を与えられている場合、それは「当該人権侵犯による被害が
  生じている」とみなされるべきであって、「人権侵犯事件調査処理細則、第7条第1
  項第7号」の「救済手続き不開始」には該当しないと考える。つまり、上記T・U
  は、どちらも「被害事実」として、「救済手続きの開始」の理由になるはずと考える。

 補足資料【2】

 ◆ 16日の申告の冒頭で、今回の申告(前記T・U)に関わる精神的背景として、日
  本の社会で増大し続ける女性優遇・男性差別の現状について、発言させていただいた
  が、女性専用車両問題が欠落していた。「痴漢被害対策」としての女性専用車両が存
  在していながら、「痴漢冤罪被害対策」としての男性専用車両が存在しない男性差別
  について、次の引用文を補足する。

    3.申告者(翠流)のブログ記事「投稿原稿・・・男性の人権を守るために【1】」
     からの引用文。
              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【別添え資料3】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【別添え資料1】・・・ 記事「男性更衣室(3)」の「意見書」中の「3.意見」の9行目
         「着替えであるとか・・・・・」から17行目「・・・・・数多くある。」まで。

【別添え資料2】

 (a)記事「トイレの男性差別(1)」
    ・・・ 行間を含め、1行目「排泄や・・・・・」から、44行目「存在していた」まで。

 (b)記事「トイレの男性差別(2)」
    ・・・ 1行目「近年・・・・・」から、●●行目「男性を差別しないで欲しい。」まで。

 (c)記事「トイレの男性差別(3)」
    ・・・ 4 経過・主張の (2) の (a)-3 全文。

 (d)記事「投稿原稿・・・男性の人権を守るために【1】」
    ・・・ 記事後半の「トイレの設置で女性を優遇する営業戦略は・・・・・」から、  
     この内容の最後「・・・営業利益を男性の人権より遙か上に置いている。」まで。

【別添え資料3】

  記事「投稿原稿・・・男性の人権を守るために【1】」の、女性専用車両関連部分すべて。
   ・・・・・「・・・しかし、私たちの日常を取り巻く社会事象としては、」から、    
      「男性差別是認の象徴であるかのように、今日も明日も走り続ける。」まで。

                                    (以上)

posted by 翠流 at 17:11| Comment(7) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月12日

近況報告 2014 (1)

10月2日(木)・7日(火)

  ・・・ このブログの記事、「男性更衣室(4)(5)(6)」の人権侵犯被害申告については、既
   に、東京法務局から『人権侵犯事実不明確』の決定文書を受け取った旨を記したが、
   「紀伊國屋レディ−スデ−(1)(2)」についても、同様に、『人権侵犯事実不明確』
   の文書を、県の法務局から受け取った。これらの件について、私は、『不明確』の
   理由を、10月2日と7日に、それぞれの法務局の担当者から聞いた。

  ・・・ その内容を以下に記すが、既に3年前のこととなった「Kスポ−ツクラブ」の件
   (記事「男性更衣室(1)(2)(3)」)のときは、理由説明はなされなかった。私はその
   とき、情報開示を求めても黒塗りの故に知ることのできなかった理由に苛立ち、当
   時の人権擁護課の課長に食い下がった。そして、法務省人権擁護局の、「人権侵犯
   を認める先例は作れない」という、かえって、本音かと思われる判断を聞き出した
   のである。

  ・・・ 今回については、当初、県の人権擁護課は「人権侵犯事実不明確の場合は、理由
   説明はしていない」という対応であったが、東京法務局人権擁護部の「理由説明を
   する」という対応を伝えたところ、県も東京法務局にならうこととなった。対応は、
   統一されていないようである。

  ・・・ 担当者から聞いた「人権侵犯事実不明確の理由」は次の通り。しかし、率直に言
   えば、判断を下した上層部の、本音がどこにあるのかわからない。

  ◆「紀伊國屋レディ−スデ−(1)(2)」関連

   1.紀伊國屋は、毎週水曜日に、レディ−スデ−によるポイントサ−ビスとして、
    100円につき通常1ポイントのところを、女性に対して2ポイントつけている
    ことを、調査の結果、確認した。                     
   2.企業は営業の自由を有しており、営業戦略の一環として行っている。また、自
    社の売上げ増大のため経営上の戦略をとることは、広く一般に行われているとこ
    ろである。
   3.申告事実の被害の受忍限度と営業の自由をそれぞれ比較し、レディ−スデ−の
    実施が、ただちに違法な人権侵害にあたるとまでは認めることができず、人権侵
    犯事実不明確という結果を出した。                    

  ◆「男性更衣室(4)(5)(6)」関連

   1.民間会社(公的機関と対置)であるので、財産権に基づく営業の自由、または
    企業活動(営業活動)の自由がある。従って、原則としては、スポ−ツクラブが
    どのような従業員を雇うかは、スポ−ツクラブ側の自由が認められている。ただ
    しその自由は、無制限に認められているわけではない。

   2.そこで本件については、(翠流の)主張とスポ−ツクラブ側の主張を、それぞ
    れ比較検討した。その結果、営業活動の自由と被害の受忍限度との兼ね合いを検
    討した。その結果として、人権侵犯事実不明確と判断した。
      (この判断について、担当のA氏は、「行政の判断」であって「司法の判断」
      ではない、と付け加えた。私が、その意味を問いただしたところ、彼は、司
      法なら、白・黒・和解のいずれかになるという意味合いの説明をした。) 

  ★ とりあえずこれが、人権擁護部局の理由説明である。この内容や、私が「人権侵
   犯被害申告」をくり返していることについて、このブログを読んで下さっている方
   々がどのように評価されるのかはわからないが、男性差別とのたたかいが難しい状
   況の中にあって、これらの事実の中から、たたかいのための、何らかのポジティブ
   な方向性を引き出していただけるようであれば幸いと思う。以前も書いたことがあ
   るが、私は、「声は、あげなければ声にならない」と考えて行動している。また、
   上に記した法務局の決定理由は、現在の法務省の「位置」を示している。この記事
   は、その「位置」の報告でもある。以前、このような私の取組に、コメント欄を通
   じて、ご批判をくださった方もいたが、その方は、私の取組に代わる方向性を提示
   していなかった。それでは、発展性はないと思う。生産的なアドバイスをいただけ
   れば幸いである。

10月9日(木)

  ・・・ 「トイレの男性差別(4)」に記した「カフェ・ド・クリエ」に、私は、9月21
   日(日)に行っている。トイレは「女性専用のみ」であった。私は、店外の「男性
   用公衆トイレ」を使わされた。この件について、私はその日、店長と話しをしたが、
   要するに「そういうことは本社に・・・」という対応であった。本社とのやりとりは、
   記事「トイレの男性差別(4)」に記した通り、既に済んでいる。

  ・・・ この9月21日の件について、私は10月9日に東京法務局に赴き、人権侵犯被害
   の申告をした。申告時間は約1時間。私は、自分の、かなりプライベ−トな部分、
   プライバシ−に関わる部分にも立ち入って話しをした。なぜそこまで立ち入ったの
   か。それは一重に、男性差別とたたかうためである。その内容について、このブロ
   グに書くか否かは、これから考える。書くことに意義ありと判断すれば私は書く。
   なぜ書くのか。それは、男性差別とたたかうためである。

10月10日(金)

  ・・・ 私は、某政党の、県本部に電話を入れた。安倍晋三の女性優遇政策を、主に、男
   性の自殺の実態から、批判するためである。対応してくださった男性は、誠実な人
   であった。私は10月14日(火)に改めて電話を入れ、政策担当の人と会う日を決
   める。
                               (以上、近況報告)

posted by 翠流 at 00:30| Comment(12) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月03日

投稿原稿-3 ・・・ 男性の人権を守るために 【1】

投稿は、これで3回目となる。
投稿先は、昨年の『「男女共同参画」に翻弄される日々』と同じで、
地方の小さな団体の、「●●●の窓」という季刊誌である。
社会的影響力など、ないに等しいと思うが、
ほかに、投稿先があるわけでもない。
要するに自分の思いを、ブログ以外にも発信したいという思いの帰結である。

今回は、主に以下の内容を取り上げた。
このブログを読んでくださっている方には、内容の重複があり、申し訳ないが、
投稿原稿ということで、ご容赦いただきたいと思う。

     「内閣府男女共同参画局と安倍晋三の施策」
     「女性専用車両問題」
     「企業の女性優遇営業戦略」
       ・・・ レディ−スデ−・施設拡充の男性差別・トイレの男性差別

ところで近況報告であるが、
私は先日、カフェ・ド・クリエの、新宿東新ビル店に行った。
そのときの、トイレの不利益について、東京法務局に人権侵犯被害の申告をする予定。
他にも、地方法務局に、被害申告が2件、
それは、ファミマ・レディ−スデ−と、セブンイレブンのトイレに関わる被害申告。
どなたかに、「徒労」と言われる気がするが、
ほかに、取るべき手段を思いつくわけではない。
とにかく「声」は、あげなければ「声」にならない、という思いの帰結である。
以前、記事「男性更衣室(1)」に関わって、ある弁護士さんから、
「世論の高まりが必須である」という意味の話を聞いたことがある。
同一案件について、「無数」に近いような人の「人権侵犯被害申告」があれば、
それは、「世論の高まり」として評価されるのだろうか?

ところで先日、私は「ステ−キのどん」に行った。
「どん」は、10月29日の「肉(29)の日」を、レディ−スデ−にするのだそうだ。
内容は、「女性同伴なら」、会計総額から29%の割引。
仮に一人1000円のランチを食したとすれば、
一人710円の支払いとなる。
10月に一日だけのレディ−スデ−でとはいえ、
290円の割引は、かなりの額と私は思う。

詳しくは、「ステ−キのどん」のHPに記されている。
とりあえず、連絡まで。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【投稿原稿】・・・ 男性の人権を守るために【1】

1.現状認識

 昨年私は、この「●●●の窓」に、「男女共同参画に翻弄される日々」と題した文章を、
2回に分けて掲載させていただいた。今回も、投稿の所以は同じ内発性によるものであ
るが、私の関心事は、男女共同参画の枠を越えて広がっており、題名を「男性の人権を
守るために」と変えざるを得なくなった。

 ふり返れば、昨年記したKスポ−ツクラブの件や、震災対応をめぐる女性団体の要請
行動の報道がなかったならば、私は恐らく、内閣府男女共同参画局(以下「男女局」と
略す)に関心を持つことはなく、「男女共同参画」という美名と乖離した施策が、憲法第
14条(法の下の平等)、更には、男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)
を擁するこの日本で、平然と進行していることになど、気づくはずはなかったと思う。

 私の捉え方からすれば、内閣府男女局の施策は、むしろ国民の前に顕在化しにくい形
で、その美名によって男性差別を隠蔽しながら進行してきたように感じられる。男女局
は本来、その名の通りの「男女共同参画」を推進する部局でなければならないはずであ
るが、既に昨年の投稿文にも具体例を記したように、現実には、「男女共同参画社会基本
法第3条」に明らかに抵触すると思われる施策が目立ち、内閣府男女局は、あたかも、
美名で本質を隠した、自己本位のフェミニズム運動の拠点であるかの如き存在であると、
私は感ぜざるを得ない状態になってしまった。要するに、その施策は、女性差別の解消、
男女平等の実現を逸脱して、女性優先・女性優遇・女権拡大の方向に向かう。そしてそ
の運動が、あたかも、正当、そして合法であるかの如き詭弁が、例えば「男女共同参画
社会基本法第2条」に記された「積極的改善措置(ポジティブアクション)」の悪用の
ような手法によって展開されていると感じるのである。その事例を、最近のニュ−スか
ら拾えば、恐らくは、内閣府男女局に端を発したポジティブアクションの、延長線上に
あると思われる安倍晋三の女性優遇政策の一つとして、今年の、9月13(土) の時事通
信に、次のような記事が掲載された。

「女性経営者向け補助金創設=安倍首相」(注1)

   安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれたシンポジウムで、女性が経営する企業
  の事業拡大などを支援する補助金制度を創設する意向を明らかにした。安倍政権が
  重視する「女性の活躍」促進の一環。首相は「(女性の)企業家が伸びないのは根
  本的な問題があり、ここを変えていく。女性企業家への補助金について法的な裏付
  けも含め検討していきたい」と語った。政府の男女共同参画推進本部は8月、女性
  の社会進出を目的に、対象を女性に限定した補助金制度の指針を作成している。

 この施策が提案されるとするならば、恐らくは上文中の「法的な裏付け」が、巧みな
詭弁と共に用意されるだろう。しかしこの施策は、「男性には補助金を与えない」という、
紛れもない男性差別であって、憲法第14条、そして男女共同参画社会基本法第3条に抵
触するのは明らかであると私は思う。

 関連して、私は、今の日本に見られる男性の自殺の深刻な状況を想起する。その詳細
は、今後の投稿記事として、デ−タと共に提示したいという思いがあるが、例えば2008
年から2013年までの6年間の、「経済・生活問題」を原因・動機とする自殺は、男性が、
女性の8〜10倍以上に達しており、「勤務問題」でも7〜9倍近くに達しているのであ
る(注2)。この事実を、安倍晋三という人は、いったいどのように考えるのであろうか。

 国政レベルの男性差別は、このように、安倍晋三の女性優遇政策に伴って、政治の表
舞台に、違法を合法とする詭弁を孕みながら姿を現すようになった。しかし、私たちの
日常を取り巻く社会事象としては、既に以前から、様々の男性差別が、顕在化した形と
して存在してきた。例えば、痴漢対策として設置された女性専用車両については、公共
交通機関での「専用」という言葉の持つ法的問題等を含め、やや複雑な問題があると知
らされているが、男性の人権に関わる、最も重要と思われる部分だけについて発言をす
れば、仮に、女性専用車両を痴漢対策として是認したとしても、既に社会問題として衆
知となった、男性の「痴漢冤罪被害」については、その対策としての男性専用車両を、
鉄道会社は全く設置していないのである。痴漢冤罪被害は、男性の人生を根底から破壊
する。例えば、原田信助さんは、痴漢冤罪被害のために、新宿駅で、自らのいのちを絶
った。しかし、このような深刻な現実があるにもかかわらず、鉄道会社は対策を講じて
いない。鉄道会社は、男性の人権といのちを無視した、男性差別の加害者である。痴漢
冤罪の原因には、警察や鉄道会社や司法の「疑わしきは罰する」という、原則無視の対
応にも原因があるとされ、それはまさに犯罪と同等であると私は考えるが、この対応の
是正がいつになるかわかりはしない。また仮に是正されたとしても、痴漢冤罪被害がな
くなることはない。男性の人権といのちを無視した列車、女性専用車両と一般車両だけ
の列車が、あたかも、女性優遇是認、男性差別是認の象徴であるかのように、今日も明
日も走り続ける。

 消費の世界でも、女性優遇戦略によって、男性差別が拡大を続けている。ある会社の
男性社員が、あまりの女性優遇に苛立ち、疑義を呈したところ、上司から一喝されたの
だそうだ。「馬鹿者、女性が来れば男はついてくるんだ」と・・・。ひどい話である。抗議
など、民間企業は馬耳東風である。一例をあげれば、大手コンビニエンスストア、ファ
ミリ−マ−トのレディ−スデ−。現金に等価として還元される獲得ポイントの女性優遇
の如きは、下記のような「東京都男女平等参画基本条例・第14条第1項」とその「逐条
解説」に抵触することが明らかであるにも関わらず、東京都の男女課(東京生活文化局
都民生活部男女平等参画課)が「抵触する」と発言しないために、ファミリ−マ−トは、
平然とレディ−スデ−を続けている。私が電話で話しをした「お客様相談室」の責任者
の男は、私に対して、「男女課は条例違反だと言っているんですか?」などと、くり返し
くり返し聞くのである。彼らは条例など怖くはない、「条例違反である」と認定する機関
がないのである。男女課は、条例について、「予防措置として作った」などと言っている
が、予防効果などありはしない。この件について、既にある人は東京法務局に人権救済
の申し立てをして、私にも同様の予定があるが、恐らくは「人権侵犯事実不明確」で終
わるのではないかと危惧している。実際、私が、今年の4月に被害申告をした紀伊國屋
レディ−スデ−、東京の玉川高島屋店の営業実績に端を発し、既に全国33店舗で行われ
ているレディ−スデ−の被害申告は、既に「人権侵犯事実不明確」で終わってしまった。

【東京都男女平等参画基本条例・第14条第1項】
    何人も、あらゆる場において、性別による差別的取り扱いをしてはならない。
【第14条第1項・逐条解説】
    本項の「差別的取扱い」には、その取扱いの結果として、性別による差別がも
   たらされるものすべてが含まれる。性別による差別の意図を明確に有している場
   合に限られるものではなく、種々の状況から差別を容認したと推認される場合も
   含まれる。

 民間企業の女性優遇戦略は、施設の拡充にも顕著に現れている。例えば、デパ−ト等
をはじめとする商業施設の、女性専用トイレ・パウダ−ル−ム・フィッティングスペ−
ス等の拡充。美しい空間が、女性だけを対象にして広がってゆく。こういうことを意に
介さない男性、或いは、「男性はそんなことを意に介すべきではない」というような性
別観の人たちがどれほどいるのか私は知らないが、率直に言えば、美しさを求める私の
ような男性にとっては、この女性優遇は、精神的に非常にきつい。

 トイレの設置で女性を優遇する営業戦略は、コンビニエンスストアや喫茶店等でも全
国に広がっている。店内にある二つのトイレの、一つを女性専用、そしてもう一つを男
女兼用とするのである。女性には専用トイレがあり、トイレを二つ使えるのに、男性に
は専用トイレがなく、しかもトイレを一つしか使えない。「排泄」という「人間の尊厳」
に関わる場所で、なぜこのような、男性に対する人権軽視、いや、人権無視をするのか。
私は、非常に強い被差別感を覚える。専用があるか否かについて、女性には生理がある
とか、そういう理屈を、男性に対する人権無視の正当化に使わないでほしい。トイレは
「排泄の場」なのである。それだけで、男性にとっても「人間の尊厳」に関わる場所な
のである。こういう問題に鈍感な男性がどのくらいいるのか私にはわからないが、鈍感
な人は主役ではない。羞恥に対する配慮、プライバシ−に対する配慮は、それを強く求
める人、敏感な人が主役なのである。なぜならそれが「人間の尊厳」に関わるからであ
る。もう少し踏み込んで、あえて発言する。男性には生理がなくても、排泄に関わる疾
患を持つ人たちの中には、排泄の問題で苦労をしている人たちがいる。そういう男性の
存在を考えてもらいたい。いやむしろ、そういう男性は、女性より大変なのである。な
ぜなら、男性には、そういう疾患に対する下着類が整備されていないからである。はっ
きり申し上げるが、女性ならば、対応できる下着類は、機能性や美しさと共に、社会の
中に溢れている。男性にはそれがない。そのために男性は、惨め極まりない思いをする
ことがあるのである。
 このようなトイレの問題について、ある会社の担当者は平然と言った。「うちのコンビ
ニエンスストアの利用者は男性が多いから、女性を集客するために女性優遇トイレを作
った」と。全く、あきれた話である、営業利益を男性の人権より遙か上に置いている。

 日々、日本の社会に拡大する女性優遇が、日本を変えている。それは、あたかも、是
認されるべき当然のことであるかのように広がり続けており、男性は、過去からの性別
観の呪縛にも引きずられながら、男性差別の受容を義務づけられるような位置に立たさ
れている。「かつて女性は差別されてきた」という言葉は、必ずしも「法の下の平等」を
実現するために使われるわけではなく、非常に粗雑に、乱雑に使われながら、あるとき
は、自己本位のフェミニズム運動の正当化の、詭弁の素材として使われ、またあるとき
は、例えば災害対応に見られた男性差別のように、既に過去から存在してきた男性差別
の増幅を生み出している。
 今回の投稿文には、「男性の人権を守るために【1】」という題をつけた。投稿は 今後
も続く。ふり返れば私には、この「●●●の窓」への投稿など、夢にも考えてみないこ
とであった。しかし放置できない現実があり、発信したい思いが内発性となって、私に
投稿を促している。
                                   (続く)
【インタ−ネット検索項目】

(注1)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140913-00000038-jij-pol
(注2)平成20・21・22年度における自殺の概要資料(警察庁生活安全局生活安全企画
   課)、及び、平成23・24・25年度における自殺の状況(内閣府自殺対策推進室・
   警察庁生活安全局生活安全企画課)を用いて算出。


posted by 翠流 at 21:40| Comment(4) | 投稿原稿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月24日

許せない男

◆ 「許せない男」とは、「女性経営者向け補助金創設」を計画している男、安倍晋三で
 ある。いや、「許せない」だけではすまないだろう。彼の計画は、憲法第14条、「法の
 下の平等」の破壊である。安倍晋三は憲法破壊の男である。加えて彼は、現在の日本の
 社会の中で男性が置かれている状況、それは、既載の記事「男性の自殺 (3)・(4)」(関
 連部分は、この記事の後半で再び取り上げる)に如実に反映されていると考えるが、安
 倍晋三の「女性経営者向け補助金創設」は、この、男性の深刻な状況を完全に無視した
 施策である。彼は、男性の生活といのちを無視した男性差別の男である。      

◆ この件について、まず、9/13(土) 12:37 配信の時事通信の記事を載せる。   

   「女性経営者向け補助金創設=安倍首相」                  
         http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140913-00000038-jij-pol

    安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれたシンポジウムで、女性が経営する企
   業の事業拡大などを支援する補助金制度を創設する意向を明らかにした。安倍政権
   が重視する「女性の活躍」促進の一環。首相は「(女性の)企業家が伸びないのは
   根本的な問題があり、ここを変えていく。女性企業家への補助金について法的な裏
   付けも含め検討していきたい」と語った。                  
    政府の男女共同参画推進本部は8月、女性の社会進出を目的に、対象を女性に限
   定した補助金制度の指針を作成している。                  

◆ 実は、この計画に関連した情報は、既に8/6(水)に、「差別ネットワ−ク」のブログ
 で、「安倍政権は『ダメ上司』の典型」として取り上げられていた。その中で引用され
 ている秋元祥治氏の文中に、次のような、日本経済新聞からの引用がある。     
                       http://blogos.com/article/91840/

   女性限定の補助金検討 政府、起業支援で上乗せ

    政府は社会での女性の活躍を推進するため、対象を女性に絞った補助金を2015
   年度に創設する方針だ。女性限定の補助金は憲法の「法の下の平等」の原則に反す
   ると解釈してきたが、少子高齢化の進展を背景に、女性の活力を高める措置として
   必要と判断した。                             
    5日に開く政府の男女共同参画推進本部で決める指針に盛り込み、安倍晋三首相
   が閣僚懇談会で各省庁に具体策を検討するよう指示する。各省庁は15年度予算の
   概算要求に反映する見通しだ。                       
    既存のベンチャー企業支援の補助金制度で、申請者が女性の場合に補助金額の上
   乗せを想定。農業や医療、介護分野で女性が経営する企業の事業拡大などを支援す
   る新たな制度も検討している。(日本経済新聞8月3日)           

◆ 私は8月にこの記事を読んで、非常に強いショックを受けた。男性の自殺との関連性
 は後述するとして、憲法との関わりで言えば、私が常に、最後の拠り所としてきた憲法
 第14条を、日本の首相、安倍晋三が壊そうとしている。私は、これでもう男性差別と
 たたかうことはできないと感じ、暗澹たる思いであった。             

  今まで、このブログの様々の記事で、法的な根拠として取り上げてきた「男女共同参
 画社会基本法第3条」であるにしろ、「東京都男女平等参画基本条例第14条第1項」や、
 その「逐条解説」であるにしろ、要するに「男女の人権の尊重」「性別による差別的取
 り扱いの禁止」を謳ったそれらの条文は、「法の下の平等」を定めた憲法第14条の理念
 によって支えられている。だから私たちの、男性差別とのたたかいは、様々な女性優遇
 の、詭弁による正当化に翻弄されることはあっても、いつかは必ず勝てるはずだ。そう
 思いながら、自分は塵のような一個人でしかないと思いつつも、発言をしてきた。しか
 し、安倍晋三という男が、その、最後の拠り所の憲法第14条の理念を、強引に破壊し
 ようとしている。上の時事通信の記事には、「法的な裏付けも含め検討していきたいと
 語った」などと書いてある。そんな「法的な裏付け」などあるはずはない。しかし、恐
 らくは、詭弁が得意なブレインたちが、「女性経営者向け補助金創設は違法ではない」
 などという論理を持ち出してくるのだろう。そして、「政府の男女共同参画推進本部は
 8月、女性の社会進出を目的に、対象を女性に限定した補助金制度の指針を作成してい
 る」という記事。ふざけすぎた話だ、それは、「男女共同参画社会基本法第2条(積極
 的改善措置)」を悪用した男性差別正当化の詭弁、女性優遇・女権拡大のための、自己
 本位の策略ではないか。裏切りの男女共同参画推進本部、そして、裏切りの安倍晋三。
 その施策は、次にあげる「男性の自殺」の現実と併せ見れば、一層重大な罪性を持つと
 して、社会から、強く批判されなければならないはずと考える。          

◆ 「経済・生活問題」「勤務問題」を原因・動機とする自殺者数と男女比は、下記(A)
 (B)の通りである。男女間には非常に大きい差があり、男性が、いかに深刻な状況に
 置かれているかがわかる。この事実から考えても、補助金を女性限定にしてよいはずは
 ない。男性であるがゆえに補助金を受けられず、自殺した男性がいたら、安倍さん、あ
 なたはどうするの? 責任とって、腹、切れる?

 (A) 2008年から2013年までの自殺者数と男女比。
     ・・・ 記事「男性の自殺(3)(4)」から引用。(男女比は少数第二位四捨五入)

  (1) 「経済・生活問題」を原因・動機とする自殺
       年次別    自殺者総数   男性   女性   男性:女性  
     2008(H 20)   7,404   6,686   718    9.3:1  
     2009(H 21)   8,377   7,634   743    10.3:1  
     2010(H 22)   7,438   6,711   727    9.2:1  
     2011(H 23)   6,406   5,740   666    8.6:1  
     2012(H 24)   5,219   4,660   559    8.3:1  
     2013(H 25)   4,636   4,147   489    8.5:1  

  (2) 「勤務問題」を原因・動機とする自殺
       年次別    自殺者総数   男性   女性   男性:女性  
     2008(H 20)   2,412   2,120   292    7.3:1  
     2009(H 21)   2,528   2,270   258    8.8:1  
     2010(H 22)   2,590   2,325   265    8.8:1  
     2011(H 23)   2,689   2,347   342    6.9:1  
     2012(H 24)   2,472   2,182   290    7.5:1  
     2013(H 25)   2,323   2,069   254    8.1:1  

 (B) 2013年の、「経済・生活問題」「勤務問題」による自殺を、更に細分化した原
   因・動機別に整理し、男女差の大きい順に配列したデ−タ。         
     ・・・ 記事「男性の自殺(4)」から引用。(男女比は少数第二位四捨五入) 
       表中の項目末尾の K3 は「経済生活問題」、K4 は「勤務問題」を示す。

    (原因・動機)    (男性:女性)  (男性) (女性) (計) 
     倒産:K3         45.0:1    45    1    46  
     負債:連帯保証債務:K3  20.0:1    20    0    20  
     負債:多重債務:K3    15.8:1   647   41   688  
     事業不振:K3       15.8:1   568   27   438  
     失業:K3         14.7:1   411   28   439  
     職場環境の変化:K4    12.2:1   280   23   303  
     就職失敗:K3       10.9:1   251   23   247  
     仕事疲れ:K4        9.5:1   587   62   649 
     その他:K4         8.9:1   354   40   394 
     負債:その他:K3      8.5:1   773   91   864 
     借金の取り立て苦:K3    7.8:1   47    6    53 
     自殺による保険金支給:K3  6.7:1   60    9    69 
     生活苦:K3         5.5:1  1,081  196  1,277 
     職場の人間関係:K4     4.3:1   437  102   539  
     その他:K3         4.2:1   244   58   302 

◆ 付け加えるが、女性優遇政策は上記にとどまることなく、2014/8/16(土)の「差別
 ネットワ−ク」の記事、「『男性差別策』が続々」には、次のような毎日新聞の記事(8
 月14日)が引用されている。                         

<女性>「学び直し」拡充 再就職支援拡充へ 文科省(毎日新聞 8月14日)   
   URLは http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140814-00000004-mai-soci
   であるが、記事は、既に存在しない。                     

   >文部科学省は、来年度から、出産や子育てで退職した女性がキャリアアップする
  「学び直し」施策を大幅拡充する方針を決めた。                  
   >支援体制の核となる「女性の学び応援ネットワーク協議会」(仮称)を複数の市
  区町村でモデルとして設立する。同協議会は社会福祉協議会やNPO、企業、行政な
  どで構成。「子育てが一段落し社会で活躍したい」という女性のために、キャリアア
  ップ講座の開発や活動場所の情報集約・提供に携わる。             
   >各地域で学べるプログラムは今年度48だったが、来年度からは倍増を目指し、
  女性の力で地域を活性化する原動力にもつなげたい考えだ。           
   >政府の成長戦略「日本再興戦略」は、大学・専門学校などの社会人の受講者数を
  2018年までに現在の12万人から倍増させる計画で、女性の学び直し拡充策もこ
  の一環。・・・・・・ ★

 上記★については、「差別ネットワ−ク」のブログに、次のような見解が記されている。
   ・・・ 2018年までに現在の12万人から倍増させる計画? それでいい、それだけ
    でいいじゃないですか? 「女性」も、「出産や子育てで退職した女性」も、そ
    の対象者になっているはずですよね? なぜ、「女性だけ」に、さらに、施策が
    必要なのでしょう? まさに、「屋下に屋を架す」です。          

◆ 併せて、私のブログの記事「男性の自殺(4)」の中から、就職活動失敗で自殺をし
 た20代の若者のデ−タを引用する。女性限定の優遇措置ばかりを考えている安倍晋三
 を、私は全く理解できない。                         

  就職失敗による20歳代の自殺者数と男性の割合

      年次別     総数  男性  女性  男性の割合          
     2008(H 20)   86   69   17   80.2 %          
     2009(H 21)  122   98   24   80.3 %          
     2010(H 22)  153  138   15   90.1 %          
     2011(H 23)  141  119   22   84.3 %          
     2012(H 24)  149  130   19   87.2 %          
     2013(H 25)  104   95   9   91.3 %          

◆ 更に、私のブログの記事「xavi 様(1)・・・ 男性に対する不当な性別観」に コメント
 をくださった「ジョク」さんの文章を、ここにそのまま記す。
  コメント中には、紹介記事、「置き去りにされる、“40代非正規“の貧困と孤立“」の
 URLが記されている。

  ジョクさんのコメント                            

    真剣に答えて頂きありがとうございます。                
    実際昨今の男性は消耗品として扱われています。              

    >置き去りにされる、“40代非正規“の貧困と孤立“            
             http://www.asyura2.com/12/social9/msg/494.html       

    昨今産業が空洞化してどうしようもなくなった原因は、実は下支えしていた 
    男性を使い捨てにし過ぎて打ち止めになってしまい、グローバル化して仕事が 
    無くなってしまったのも原因です。          

  ジョクさん、コメントありがとうございました。

           
 
posted by 翠流 at 01:33| Comment(7) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする