2018年06月13日

性的冤罪事件(イギリス)

昔、キリスト教会に通っていた頃、
牧師が、聖書には全てのことが書いてあると言った。
なるほど彼が言うように、
男性の性的冤罪被害も、既に旧約聖書に記されている。
それは、創世記 39章1〜20節
ヨセフは、エジプト王宮の侍従長ポティファルの妻に性的冤罪を仕組まれ、投獄された。

誠実な女性に対しては誠に申し訳ない言い回しになるが、
私がまだ若い頃、
激務の警察官を定年まで勤めあげ、表彰までされた男性が、
ある日私に、実感をこめて言った。
「女は・・・ 悪いからね・・・」

ヨセフを罪に陥れたポティファルの妻の如き女は、
今日も存在する。

今回紹介する性的冤罪は、イギリスの事件。
ロス・バロックさんは、虚偽のレイプ告発に1年間苦しみ続け、
自宅の車庫で首を吊り、命を絶った。

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【虚偽の性的暴行被害で逮捕された男性、冤罪に苦しみ命を絶つ(英)】
                        2018/3/20 20:07 Techinsight
     https://netallica.yahoo.co.jp/news/20180320-54450665-techinq

 合意の上での性関係を「レイプ」と偽られたことで、ひとりの男性が逮捕された後に命を絶った。このほどその男性に容疑をかけた警察が、虚偽の告発をした女に対して捜査を開始しているが、息子を亡くした両親は警察に対して民事訴訟を起こしている。英メディア『The Sun』『Metro』などが伝えた。

 英ウスターシャー州レディッチで2015年、ある冤罪事件が起こった。フォークリフトの運転手だったロス・バロックさん(38歳)は、同年2月に知り合った女性と性的関係を持った。その後も2人は電話で互いに気のあるメッセージのやり取りをしており、合意の上で行為に及んだことはそのメッセージからも明らかであった。

 ところが3月、ロスさんはウエスト・マーシア警察から事情聴取されレイプ容疑で逮捕された。ロスさんは警察に女性とのメッセージを見せて性行為は合意だったと主張したものの、警察はスマホ上のメッセージを証拠として認めず拒否。その後、起訴されたロスさんは保証保釈金を支払って1か月間保釈の身となった。最終的に起訴は取り下げられたものの、警察から「再び起訴される可能性もあり得る」と警告され、ロスさんは女性からの虚偽のレイプ告発に1年間苦しみ続けた結果、自宅の車庫で首を吊り命を絶ってしまった。ロスさんの変わり果てた姿を発見したのは、母親のキャロルさん(74歳)だったという。遺書には「この生き地獄から自由になる」と記されてあったそうだ。

 キャロルさんと父親のロナルドさん(76歳)は、「もし警察が息子の容疑に対してきちんと捜査をしていたら、息子は死なずに済んだ。レイプ容疑は息子の人間性を変えてしまった」として現在、ウエスト・マーシア警察に対し民事訴訟を起こし、当時ロスさんと性的関係を結びながらも別の男性と交際していたとされるこの女性を逮捕するよう要求。そしてロスさんへの対応が不十分だったことを訴えた。

 今年3月16日、同警察は「ロスさん一家には深くお悔やみ申し上げます」と声明を発表したが、「ロスさんは逮捕されたが保釈されている。この件に関しては既に終わったこと」と述べた。しかしながら、女性については捜査中であることを認めている。

 このニュースを知った人からは「虚偽の訴えをした女は逮捕されて罰を受けるべき。この女がロスさんの命を奪ったのも同然」「こういう冤罪事件ってなくならないよね。警察の捜査にも絶対に問題があると思う」「やってもいない罪をでっち上げられて命を絶った男性が気の毒。両親の気持ちを思うといたたまれない。警察を訴えるのも理解できる」「最低な女だ。さぞかし自分がしたことを誇りに思っていることだろう」「男性のためにも、正しい制裁が行われることを願う」といった声があがっている。

記事冒頭に画像がある。画像は『Metro 2018年3月19日付「Man took his own life after fake rape claim left him in ‘living hell’」(Picture: Facebook)』のスクリーンショット
                    (TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)


posted by 翠流 at 02:22| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月07日

撤去された「痴漢撲滅ポスター」

前回の記事で取り上げた「痴漢撲滅ポスター」が撤去された。
予想より早い撤去に、安堵の思いがある。
以下に、撤去の記事を掲載する。

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【記事名】 「逮捕=犯罪者? 愛知県警作製、痴漢撲滅ポスターを撤去」
                    朝日新聞デジタル 2018年6月5日 17時50分
      https://www.asahi.com/articles/photo/AS20180605003937.html

【記事全文】

 愛知県警が痴漢撲滅を訴える目的でポスターを作製したところ、インターネット上で「逮捕=有罪の確定」と誤解させる表現があるなどとして、弁護士らによる批判が相次いだ。批判的な意見はネット上で「炎上」を引き起こしており、県警は5日、「ポスターの本来の趣旨が異なる伝わり方をした」と、貼りだした500枚を撤去した。

 ポスターは、痴漢撲滅キャンペーンの一環で、1日から県内の主要駅などに掲示。県内のデザイン会社に発注し、県警鉄道警察隊と同社で内容を協議しながら作った。費用は約9万円。

 「あの人、逮捕されたらしいよ」というタイトルのポスターは、痴漢で逮捕された男性がアニメ調で描かれている。この男性に対し、女性2人がSNS上で「性犯罪者じゃん」「仕事もクビになるよね」などと、男性を犯罪者と断定してうわさ話をしている。

 この表現を巡り、ネット上で亀石倫子弁護士らが「痴漢は最も冤罪(えんざい)が多い類型の一つで、逮捕=犯罪者扱いするのは一線を越えすぎ」などと批判。県警には、5日昼までに55件の苦情や問い合わせの電話が寄せられた。

 県警は、今回のポスターの作製理由を「今風で若者受けすると判断した」と説明。ただ、「痴漢は犯罪だという認識を広めたい、犯行をとどまらせたい、という気持ちでつくったが、本来の趣旨と異なる伝わり方になった」と、撤去に踏み切った理由を説明する。

 刑事裁判では、有罪が確定するまでは「推定無罪」が大原則。亀石弁護士は「撤去は賢明な判断。捜査機関の警察が、誤解を与えるメッセージを発信するのは問題だ」と話した。
                                (井上昇、田中恭太)


posted by 翠流 at 10:28| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月04日

看過できないポスター : 痴漢冤罪関連

痴漢撲滅キャンペーンに関わって、
愛知県警鉄道警察隊が、看過できないポスターを作成し、
批判の対象となっている。
記事は次の通り。
全文は後記する。

  「あの人、逮捕されたらしいよ。」痴漢撲滅の警察ポスターを弁護士が批判。なぜ?
     https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180603-00010006-huffpost-int
                       6/3(日) 17:54配信 ハフポスト日本版

「推定無罪の原則」を無視し、
あたかも「推定有罪」を是認するかのような表現に、
愛知県警の、男性の人権を無視したスタンスがよく現れている。

このポスターを批判しているのは、亀石さんという弁護士。
亀石さんが女性であることが、今の私には救いであった。
今の日本にも、このような女性弁護士がいてくださったのかと・・・。

亀石倫子弁護士は、
愛知県警鉄道警察隊が始めたこのポスターを、
次のように論評している。

   愛知県警のポスターでは、まだ裁判すら受けていない「逮捕」されただけの段階で、
  あたかもやったに違いないという、有罪前提のやりとりが書かれ、「性犯罪者じゃん」
  とすら言われています。こんなポスターが、県警の痴漢撲滅キャンペーンで使われて
  いれば、多くの人が「逮捕=有罪」だと誤解するし、偏見が強まることを危惧してい
  ます。県警は、当然「無罪推定の原則」を知っているでしょうが、あえて無視してい
  るのだろうかと、逆に勘ぐりたくなります。日本広告審査機構(JARO)に苦情を申し
  出ようかと思っているくらいです。

もっとも私は、彼女の発言を、すべて受け入れているわけではない。
疑義を抱くのは、記事最後の8行の部分。(「逮捕」に対する誤解とは別に・・・ 以降)
彼女は、女性たちの性的挑発傾向の強い服装の、男性に対する性的刺激を、
男性は我慢し、是認し、受け入れるべきと考えているのだろうか?

痴漢の加害対象は、むしろ派手な服装の女性ではなく、
地味で大人しそうな女性に向かう、という記事を、
私は読んだことがある。
しかしそれが事実であっても、
性的刺激の強い服装の女性に翻弄された痴漢の加害対象が、
抵抗されにくいと思われる「地味で大人しそうな女性」に向かうことは、
行動のパターンとして、あり得るのではないかと思う。

女性から与えられる性的刺激に男性が翻弄されるのは、
自然が与えた消去不能の反応様式であって、
社会生活の中で、挑発の役割を演ずる女性の服装を是とし、
翻弄される男性の感受性を非とする価値観がもしも是であるならば、それは、
男性の性的感受性に配慮しない、自己本位の、女性の傲慢さであると思う。

女性たちは、男性の性欲を知識として知っているが、
実感としてそれを理解することができない。
女性は、男性の性欲の闇を知らないのである。
年齢が高くなった私は、最近感じることがある。
男性の性欲の衰退は、これほどに楽なものかと・・・。

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【記事全文】・・・ 記事名・URLは上記の通り。

愛知県警鉄道警察隊が6月1日から始めた2018年度の「痴漢撲滅 キャンペーン」のポスターに載ったキャッチコピー「あの人、逮捕されたらしいよ。」が物議を醸している。

愛知県警はホームページで、「夏を前に軽装が増えるこの時期、列車での痴漢や盗撮などの悪質な犯罪を防ぐ」と狙いを説明しているが、「誤解を招き、偏見を助長する」という批判も出ている。どんな内容なのだろうか。

ポスターで目を引くのが、「あの人、逮捕されたらしいよ」という見出し。横にLINEのような形式で、女性2人のトークが続く。

◆「性犯罪者じゃん」◆

A「聞いた? あの人、痴漢で捕まったらしいよ。」
B「えwwwwwwwww」
A「本当本当!さっきネットニュースで見た!!そんな人に見えなかったわ」
B「気持ち悪 軽蔑だわ 性犯罪者じゃん」
A「仕事もクビになるよねー 家族も悲しむだろうなあ」
B「そりゃそうだわ 私は一生関わりたくない」
A「この先どうなっちゃうんだろう...」
B「そういえば......私先月あの人と電車で偶然会ったよ」
A「そうなんだ?! 変なことされなかった?」
B「あの時は何もなかったけど」
「なんかもう、あの人のこと思い出したくもない」
A「女性の私たちも被害に遭わないよう気をつけなきゃね」

このポスターの内容について、亀石倫子弁護士が Twitterでこう指摘した。

「これはひどい。推定無罪(裁判で有罪が確定するまでは無罪と推定される)が原則なのに、誤解を与え偏見を助長する。」

亀石弁護士に、ポスターの問題点を詳しく解説してもらった。

◆ 逮捕の段階で、すでに裁判で有罪が確定したかのような表現が使われている。◆

亀石弁護士:このポスターの一番の問題点は、逮捕の段階で、すでに裁判で有罪が確定したかのような反応をする表現が、あちこちで使われていることです。

説明すると、刑事裁判で有罪が確定するまでは、たとえ逮捕されても「罪を犯していない人」として扱わなければならないのです。これは「無罪推定の原則」と呼ばれ、世界の刑事裁判の大原則です。

「無罪推定の原則」があるので、被告人は証拠によって有罪であると認定され、その判断が確定するまでは「罪を犯していない」と見なされます。

有罪が確定すれば、自由や財産、場合によっては生命をも奪う刑を受けなければなりません。刑罰というのは、それだけ個人の人権を制限することなので、「無罪推定」をくつがえすだけの十分な証拠がそろったと、裁判官が判断することが不可欠なのです。

さらに、最初の裁判(一審)で「有罪」でも、被告人には、控訴、上告と計3回の裁判を受けることが保障されています。十分な証拠がなく、有罪であるとの確信が持てない場合は、「無罪推定の原則」に基づいた「疑わしきは被告人の利益に」の原則が適用され、無罪としなければなりません。そのくらい、「有罪」は厳しい審査を経ているのです。

ですが、愛知県警のポスターでは、まだ裁判すら受けていない「逮捕」されただけの段階で、あたかもやったに違いないという、有罪前提のやりとりが書かれ、「性犯罪者じゃん」とすら言われています。

こんなポスターが、県警の痴漢撲滅キャンペーンで使われていれば、多くの人が「逮捕=有罪」だと誤解するし、偏見が強まることを危惧しています。県警は、当然「無罪推定の原則」を知っているでしょうが、あえて無視しているのだろうかと、逆に勘ぐりたくなります。日本広告審査機構(JARO)に苦情を申し出ようかと思っているくらいです。

「逮捕」に対する誤解とは別に、このポスターでもう一つ、危惧している表現があります。それは、トークの最後にある、「女性の私たちも被害に遭わないよう気をつけなきゃね」という部分です。

痴漢に遭わないように気をつけなきゃ、と言いますが、何をどう気をつければいいのでしょうか。

性犯罪でしばしば「気をつけていなかった被害者にも落ち度がある」などという批判が被害者に向けられますが、それは「二次加害」に当たります。二次加害につながるような視点も、人権侵害を助長しかねないと思っています。

                 錦光山雅子/ハフポスト日本版ニュースエディター


posted by 翠流 at 01:18| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月28日

女性専用車両問題:NHK 記事批判

   ・・・ NHKは、男性の痴漢冤罪被害と対峙しない。

◆ NHKは、3月26日に次のような記事を掲載した。

   「もし、あなたの大切な人が … 女性専用車両を考える」 (NHK NEWS WEB)
       https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180326/k10011378781000.html
              ・・・・・ 全文は、この記事の末尾に掲載。

◆ 私は、この記事について、翌日、「NHKふれあいセンター」に電話を入れ、コミニュケーターの女性と管理者(SV)の男性に、次のような内容の要望を伝えた。

   @ 記事は、女性の痴漢被害に対する配慮ばかりを強調し、男性の痴漢冤罪被害の
    深刻さや、その対策としての男性専用車両の必要性に言及していない。これは、
    余りにも一面的で、人権上の配慮として適切さを欠く。男性の危機に言及しない
    のは、男性に対する差別である。この記事を削除し、修正した記事を掲載しても
    らいたい。
   A 記事の修正ができないのであれば、今後、同様の記事を掲載する場合、@に配
    慮し、男性の痴漢冤罪被害の深刻さを、例えば原田信助さんの自殺のような具体
    的事実と共に必ず取り上げ、その対策として、男性専用車両の必要性に言及して
    もらいたい。
   B 今後、同様の問題について、テレビ・ラジオ等の番組を作成する場合は、必ず、
    上記@Aの配慮のもとに作成してもらいたい。

◆ 以下に掲載する散文は、上の要望の背景となった私の思いや、現状認識を記したものである。痴漢冤罪被害の深刻さは、実例と共に、かなり広く認識されるようになったはずと私は思うが、それにもかかわらず、鉄道会社は、男性専用車両を、まだ一両も導入していない。女性専用車両は「今や首都圏を中心に80を超える路線で導入されている」とNHKの記事にはあるが、この、人権上の配慮のアンバランスを、どのように理解すればよいのか? このような男性差別を作り出した最大の責任は、「初めに女性優遇の結論ありき」の鉄道会社幹部にあると思う。彼らは本来、社会によって糾弾されるべきなのである。

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危機や困難への配慮は、女性に対して手厚く、
男性に対しては軽んじられる傾向にある。
社会が与える配慮の性差は、
既に何回か引用した山田昌弘氏の、次の言葉の通りであって、
社会には、初めに女性優遇の結論ありきの、男性差別が存在する。

   なぜ女性のつらさは問題にされるのに、
        男性の生きづらさは問題にされないのだろう。
                      (中央大学教授:山田昌弘)

このような「配慮の性差」が作り出される背景には、
男性が、いつの間にか背負わされる「男らしさの規範」、たとえば、
「男性は強くなければならない。困難に耐えなければならない。危機を表に出してはならない。孤独に耐えなければならない。」とか、
近年の社会的な男女関係であれば、
「男性は女性を守らなければならないが、女性は男性を支えなくてよい。」とか、
或いは、特に近年一層の顕著となった女性優遇に対しては、
「男性は不満を言ってはならない」というような、
「女性優遇の是認」や「犠牲になること」を強いる性別役割の強要がある。
時代に幾許かの変化があるとはいえ、
女性が、かつての性別役割から解放されたほどには、
男性は解放されてはいないし、
女性優遇拡大の時代にあって、男性は、既に、男の子の時代から、
新しいストレスに晒されるようになっている。
                ・・・・・ 記事「女子を嫌う小中高男子」参照。
このような、男性が背負わされる性別役割は、
女性から男性への要求としても存在するが、
それよりむしろ、男性同士の人間関係の中で、
女性限定配慮を好む男たちからの、同調圧力によって強固となり、
結果として、社会には、「女性だけを守る傘」ができる。
女性優遇を好む男は、男性には配慮しない。
そして、社会の上層部には、そういう男が多い。

今回取り上げたNHKの記事であれば、
後半に登場する、明治学院大学の澤野雅樹という教授が、そういう男である。
彼の発言には、痴漢被害対策としての女性専用車両の肯定だけがあって、
男性の痴漢冤罪被害に対する配慮は存在しない。
私は、彼を前にして問い質したい。
あなたは、痴漢冤罪被害で鉄道自殺をした原田信助さんの悲惨を、どう捉えるのかと。
もしも彼に、それを受け止める心がなければ、
彼自身が痴漢冤罪被害にあい、発狂するほどに苦しみ、
死の淵をさまよい歩くべきなのである。

ところで、勿論、すべての女性がそうだと言うわけではないが、
昨今の、女性優遇ばかりが拡大する社会状況にあって、
上に述べた「女性だけを守る傘」の下に安住して、
自分たちの安心、安全、利益ばかりを求める女性が、多くなった印象がある。
彼女たちは、男性の危機や困難、不利益には、
全くと言ってよいほど関心を示さず、
男性への配慮は存在しない。
仮に配慮するような言葉があっても、それは、表面的、形式的、自己弁護的で、
後述の例もあるが、真摯な対峙は存在しない。

要するに、今の日本で拡大する女性優遇、女性限定配慮は、
本来あるべき女性差別解消とは異質であって、
女性を、あたかも特権階級であるかの如く扱うことによって、
彼女たちに内在していた自己本位性を、
無分別に、したたかに、解放してしまったと、私は強く感じている。
例えば、男女共同参画運動などは、まさにその最たるものと思うが、
それは別の記事として書いてきたことであるし、今後も書くことになるだろう。

今回取り上げたNHKの記事に戻れば、
「ネットワーク報道部」は、女性専用車両を巡る17年間の動きを辿りつつ、
痴漢被害対策としての女性専用車両の意義を強調する。
それはそれで、それ自体については、私も同じスタンスであって、
「専用」という言葉が、司法の判断としての「任意性」と乖離する偽りの言葉であることは周知されるべき事実と考えるが、
現在の車両の過密状況にあっては、女性(専用)車両以上に有効な痴漢被害対策は、
まだ誰も提示できていないと判断される今にあっては、
私も、女性(専用)という名の車両を、必要と考えるのである。

しかし、たとえそうではあっても。
専用車両問題を論ずる時、
NHKの記事のように、痴漢被害ばかりに光をあて、
痴漢冤罪被害の悲惨を取り上げないのであれば、それは、
紛れもなく、男性に対する人権無視、男性差別なのであって、
その視野狭窄を放置するわけにはいかないである。

記事は、女性専用車両が設置された契機の一つとして、
大阪市地下鉄御堂筋線事件を取り上げている。
しかし、ならばなぜ、
原田信助さんを自殺に追いやった痴漢冤罪事件を、
そして、映画化された「それでもボクはやってない」のような、人権侵犯告発のメッセージを、
なぜ、この記事で取り上げないのか。
女性専用車両が、「今や首都圏を中心に80を超える路線で導入されている」にもかかわらず、
痴漢冤罪被害対策としての男性専用車両を一両も導入していない鉄道会社の姿勢に、
なぜ、疑義を呈さないのか ?

しかも呆れたことに、NHKの記事は、
「民間の鉄道会社で作る団体の担当者」の、
「女性専用車両は男性の冤罪を防ぐ意味もある」などという、
女性「限定」専用車両の正当化を企図するかのような、自己弁護の詭弁までもを、
無分別に引用しているのである。
自意識過剰の女性であろうが、被害者意識過剰の女性であろうが、
どのような女性が女性専用車両に乗ろうとも、
一般車両が男女混合であることに変わりはなく、
「偶然の接触」「犯人間違い」「示談金目当て等の冤罪企図」の可能性は常に存在する。
だから男性は、冤罪回避のために、
両手を挙げて乗車するのである。

NHKの記事には、男性の痴漢冤罪被害と真摯に対峙する姿勢は存在しない。
NHKは、冤罪が、男性とその家族の、人生を破壊する現実を書かないのである。
担当者は、記事の最後に、痴漢被害だけを取り上げて、次のように書く。
「今まさに痴漢の被害にあっているのは、あなたの大切な娘や妻、恋人、友人かもしれません。」
しかし、この記事には、次のような文章は存在しないのである。
「今まさに痴漢冤罪の被害にあっているのは、あなたの大切な息子や夫、恋人、友人かもしれないのです。」

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【NHK 記事全文】 「もし、あなたの大切な人が … 女性専用車両を考える」

 17年前の3月27日、電車の新しい車両に関するニュースが一斉に報じられました。「のぞみ」?「はやぶさ」? いえいえ違います。東京の京王電鉄で女性専用車両の定時運転が始まったのです。今や首都圏を中心に80を超える路線で導入されている女性専用車両ですが、ある出来事をきっかけに、その存在を改めて問い直す動きがあります。これは、あなたの大切な人のことを思い浮かべながら考えてほしい問題です。(ネットワーク報道部)

女性専用車両は男性差別?

 2月16日、東京メトロ千代田線の「女性専用車両」に乗り込んだ男性3人が乗り合わせた客と言い争いになり、結果として電車がおよそ15分遅延しました。
 男性たちは「女性専用車両は鉄道会社の任意のお願いであり、男性が乗っても法的に問題がないので乗車した。すべての男性を痴漢とみなして車両から排除しようとするのは、不当な差別だ」と、鉄道会社の対応をブログなどで批判しています。

当時から反対の意見も

 女性専用車両に対する否定的な意見は導入当初からありました。導入を前に京王電鉄が行ったアンケートでは、女性専用車両に「賛成」と回答したのは女性が82%、男性は56%と、男女で大きな開きがあります。アンケートには「女性だけを優遇する差別だ」という意見も寄せられたということです。
 民間の鉄道会社で作る団体の担当者は「今も昔も反対意見があることは承知しています」としたうえで、「女性専用車両は、あくまでも利用者の皆様にご協力をいただいて成り立っているもので、痴漢被害から一時的に女性が守られる場所であると同時に、男性のえん罪を防ぐ意味もあると考えています」と話していました。

導入された背景は

 そもそも、日本でなぜ女性専用車両ができたのでしょうか。1988年、大阪市の地下鉄御堂筋線で男2人組に痴漢を注意した女性がその後、2人から性的暴行を受けるという痛ましい事件が起きました。この事件をきっかけに痴漢を許してはいけないという機運が高まり、それまで見過ごされていた電車内での性被害の実態が広く認識されるようになりました。(御堂筋線では2002年11月から女性専用車両を導入)。2001年に警視庁が公表したアンケートの結果では、回答した女性の6割が「被害にあったことがある」というのです。「電車内での痴漢は増える傾向にあり、警察と鉄道会社が協力して対策にあたる必要がある」として、警視庁が女性専用車両の導入を進めるよう鉄道会社に申し入れました。増え続ける痴漢対策に有効な手が打てず、いわば窮余の策として、運行が始まったのです。その春、京王線で女性専用車両の定時運行が始まり、やがて各地でも導入されるようになったのです。

日本だけじゃない イギリスの議論は

 痴漢など電車内での性被害は世界の大都市に共通する問題です。女性専用車両をめぐる議論があるのは日本だけではありませんが、その結論は国によって異なります。イギリスでは、電車や地下鉄での性被害の報告が2016年度に1448件あり、4年前に比べて倍近くに増えています。痴漢被害の多くが通報されない状況はイギリスも同じで、巨大な地下鉄網を運営するロンドン交通局は車内での性的嫌がらせや性犯罪の9割は表面化していないとしています。

女性専用車両は英国でも議論に

 こうした事態を受けてイギリス議会の野党議員が去年、女性専用車両の導入について「検討する価値がある」と発言し、議論を呼びました。インターネットのアンケート調査では、賛成23%、反対58%。男女別で見ても、女性で賛成したのは28%、男性だと18%にとどまりました。「女性の居場所を制限する」とか「すべての男を性犯罪予備軍のように扱う」として男性だけでなく、女性からも強い反発が出たのです。イギリスの新聞は、提案した議員の事務所に「女性が職場でハラスメントを受けたら、男女別にフロアを分けるのか」という意見が寄せられたと報じています。これは「女性専用車両を作ることが果たして『性犯罪をなくす』という根本的な問題への解決方法なのか」という、社会全体への問いかけでもありました。

被害は記者の周りでも

 かたや女性専用車両が定着した日本。導入から17年たった今、状況は変わったのでしょうか。犯罪白書によりますと、電車内以外で行われたものを含む迷惑防止条例違反の痴漢の検挙件数と電車内における強制わいせつの認知件数は、平成18年はそれぞれ4181件、420件だったのが、平成27年には3206件、278件とやや減少傾向ですが、3000件を超えています。被害を申告できない人もいて実態はさらに多いと見られていて、単純に減ったとは言い切れません。
 今回の取材にあたって、まず職場の身近な人たちに痴漢被害を受けたことがあるか聞いてみました。すると、同僚の5人ほどに声をかけただけでも「満員電車の乗ってから降りるまで体を触られ続けた」「精液をかけられた」といった被害体験を聞きました。ある女性は「私は“2回しか”被害を受けたことがないから話はあまり参考にならないかも…」と前置きをしてから話し始めたのです。性被害を受けるのは人生に1度だって多すぎるはずです。周りにいる女性の多くが痴漢の被害経験があるという、「ありふれた犯罪」であることに記者は衝撃を受けると同時に悲しくなりました。

シェルターの役割がある

 女性専用車両の導入が、痴漢被害を大きく減らす効果があったのか、実のところ、よく分かっていません。ただ犯罪社会学が専門の明治学院大学の澤野雅樹教授は「女性専用車両は痴漢被害に遭わないためのシェルター・避難場所としての役割がある。ほぼ確実に被害に遭わなくて済む車両があることは、女性の安心感につながります」と話していて、専用車両の導入の意義を強調しています。

あなたの大切な人かもしれない

 女性専用車両が導入されたことを伝える当時の日本経済新聞の記事は「男女を分断することで女性を“守る”という不自然な姿は、ニッポン社会の病巣を映し出しているかもしれない」と伝えています。話を聞いたある同僚の女性は、中学・高校の6年間、電車通学をしていたときに「最低でも月に1回は被害に遭った」と言います。この女性は「体を触られるとパニックになり、静まり返った電車内で“やめてください”なんて声は出せない。でも、それ以上に怖かったのは数え切れないほど被害に遭っているのに、周りの人たちは見て見ぬふりをして、誰も助けてくれなかったこと」と話していました。
 今まさに痴漢の被害にあっているのは、あなたの大切な娘や妻、恋人、友人かもしれません。そして、被害者は女性に限りません。車内に、もし痴漢被害を受けているとみられる人がいたら、声をかける、席を譲る、怪しい者との間に入るなどして、どうか被害者を孤立させないでほしいと思います。


posted by 翠流 at 17:07| Comment(2) | 女性専用車両 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

女性専用車両問題 : 男性専用車両の設置を求めて。

(2020年7月:加筆)

◆ 女性専用車両問題は様々の微妙な問題を含み、私はブログでの発言を控える傾向にあったが、主張の対立が社会的に顕在化し、マスコミが広く取り上げるようになっていたこの時期に、私も、改めて自分のスタンスを整理し、明示する必要があると考えるようになっていた。それが、この記事を書いた契機である。

・・・・・・・・・・・・・・・・
【1】 女性「専用」と名づけられた車両の、内実としての「任意性」については後で触れることになるが、鉄道会社が、痴漢被害対策として女性専用車両を導入してから、既に17年が過ぎた。この間、原田信助さんの自殺問題を含め、男性の痴漢冤罪被害の深刻さが社会的にクローズアップアップされたが、鉄道会社は、女性専用車両を全国に拡大させるばかりで、痴漢冤罪被害対策としての男性専用車両を全く設置してこなかった(注1)。これは、女性の危機には配慮するが男性の危機には配慮しないという、男性の人権を軽んじる男性差別であって、鉄道会社、特にその幹部は、社会的に糾弾されるべきと考える。私は、【7】で詳述するが、特に過密車両の中での痴漢被害対策としては、女性専用車両を上回る対策はないという判断から、その設置に賛成の立場であるが、一方で、男性の人生を破壊する痴漢冤罪被害の抑止としての男性専用車両を設置しない鉄道会社と、それを許容している日本社会の体質に、強い疑義、猜疑、理不尽を感じている。
    
    (注1)「女性専用車両は痴漢冤罪被害の防止にもなる」という主張(注2)が
       あるが、冤罪減少効果を主張しても、男女が共存する車両には常に痴漢冤
       罪被害の可能性が存在する。女性専用車両と同等の効果を期し、男性専用
       車両を設置すべきである。
    (注2)この主張の背後に、専用車両を女性限定にしたいという、女性の特権階
       級化願望の存在を感じる。痴漢冤罪の防止に言及するのならば、なぜ男性
       専用車両の必要性を提起しないのか。「女性専用車両は痴漢冤罪被害の防
       止にもなる」などと、男性にも配慮しているかのような表現を使いつつ、
       しかし発言者の本音は、女性の特権階級化願望にあるのではないかと、猜
       疑を禁じ得ない。

【2】 平等の原点に返って、利用料金と利用空間の平等性を考えれば、それだけでも、女性専用車両には不当性が存在する。男性は、女性と同じ料金を払っていながら、利用できる車両が少ないのである。このような不平等に関わって、男性が現実的に遭遇する不利益の一例を挙げれば、一般車両の混雑時に、体調が悪いのに着席できない男性は、女性専用車両がすいていて着席可能であっても、そして、「専用」という言葉には、実際には強制力はなく、内実は「任意の協力」から成り立っていることを知っていたとしても、男性は、女性専用車両には移動できないか、或いはしないであろう。それが一般男性の心理であることは、衆人の認識するところと考える。男性は、病いを背負っていても、女性専用車両の空席に座ることができない。その身体的・精神的負担を考えれば、それは、男性に対する人権侵犯として認識されるべきものと考える。このような主張に対して、社会には、今も、「男なら我慢すべきだ」という同調圧力が存在し、横行するが、そのような性別役割の強要は、男性に対するジェンダーハラスメントとして認識されるべきと考える。男性にも、危機や困難に配慮される権利は、倫理的にも、法的にも、女性と同等に存在するはずなのである。人権侵犯としての「男らしさの強要」は、社会的人間関係から、切り捨てられなければならない。

【3】 鉄道会社の職員の中には、女性専用車両設置の理由として、痴漢被害の回避だけではなく、「男性とは同じ車両に乗りたくない女性」の存在を挙げる人物がいるようであるが、もしも本気でそこまで言うのならば、男性専用車両の必要性に関わって、「女性とは同じ車両に乗りたくない男性」の存在にも配慮すべきである。例えば、近年の女性の中には、とみに性的挑発傾向の強い服装をする人物がいて、そういう女性に翻弄され、強いストレスを感じる男性が、例えば私のように、存在することは事実である。特に混雑した状況の中で、そのような女性と同じ車両に乗るのは、非常に不快である。女性からの性的刺激に翻弄されるのは、男性にとっては不可避の生得的宿命であって、強い性的刺激は、私のような男性にとっては、まさにセクシュアルハラスメントなのである。そういう被害から解放されるためにも、男性専用車両の設置を、強く望む。

【4】 【1】に記したような、男性専用車両不存在のもとでの女性専用車両の拡大は、公共交通機関にとどまらず、日本の社会の様々の場面で、女性限定配慮を是認させる風潮を増幅させ、女性優遇社会、女性専用化社会の拡大を牽引してきたと私は認識するが、ほぼ時期を同じくして、同様の社会的影響力を持つ事象が、私の認識する範囲だけでも、少なくとも二つ、併行的に進行してきた。その一つは、今まで、多数の事例と共にこのブログに書き続けてきた、偽りの男女共同参画運動。要するに、男女の人権の尊重を謳った男女共同参画社会基本法三条に立脚するはずでありながら、実際には、男性の人権を著しく軽んじた女性優遇配慮運動としての男女共同参画運動。そしてもう一つは、これもまた様々の事例と共に書いてきたが、消費の世界を中心として拡大した女性優遇営業戦略。性差別の禁止が法の条文としては存在するにもかかわらず、それが実質的な拘束力を持ち得ない状況の中で、女性限定サービスが、施設拡充を含め、日本全国で拡大した。要するに、このように進行してきた女性優遇、女性の特権階級化の一翼を担った、と言うよりはむしろ、その主役を演じてきたかもしれない「女性限定専用車両」の罪性を、私は強く認識するのである。

【5】 しかしこのような、男性差別拡大の過程にあって、女性専用車両反対運動は、私のような、女性専用車両を是認しつつ男性専用車両の設置を求めるスタンスを否定し、「専用」という言葉の嘘、つまりは「女性車両は男性の任意の協力のもとに成り立っている」という任意性を、司法の判断(注3)を根拠として提示しつつ、周知させる方向が主流となっていった。しかし私は、男性専用車両を否定されつつも、この任意周知活動を担ってきた人たちに対して、敬意の感情も抱いていた。要するに、公共交通機関に於いて、女性は、専用車両を与えられて男性を排除できる特別な存在ではなく、男性の協力の任意性が担保されてこその合法であるという司法の判断、結局それは、公共交通機関での女性の特権階級化、つまりは男性差別を、阻止する活動であると、私は認識してきたのである。

   (注3)判決文の一例を記す。
     ◆ 大阪市が女性専用車両を導入した際の原審
           (大阪地裁 平成15年(ワ)第8046号 平成15年9月29日判決)
       女性専用車両の実施により、女性客にも男性客にも乗車車両について運送
      契約上の義務を負わせることはなく任意の協力によって行われているので、
      優先座席と同様であり、男性が女性専用車両に乗車しても運送契約違反にな
      ることもなく、一般車両に移動する義務もないうえ、何ら罰則もない。

【6】 この、任意性確認と周知のための乗車活動は、恐らくは命がけのような側面を持っていたであろう推測する。しかしそれを、卓越した状況対応能力によって切り抜けてきた活動家たちのおかげで、「女性専用車両には男性も乗れる」という司法の判断が全国に拡散し、かなりの範囲で周知されたと私は思う。実際、私も、鉄道会社に種々の問合せ等をする中で、話題が女性専用車両に及んだ時、複数の職員から「女性専用車両には男性も乗れるんですよ」という発言を聞いている。このようにして、鉄道会社が使った専用という言葉と、司法の判断の乖離性が、広く認識されることとなった。

【7】 しかしこのような任意周知活動は、一方で、越えられない弱点を背負い続けてきたと私は思う。それは、都市の過密車両の中にあって、女性専用車両の効果を上回る痴漢被害対策を提起できなかったことにある。例えば防犯カメラの設置にしても、死角の存在を回避しようとすればプライバシーの問題に抵触する。痴漢被害は回避できないだろう。この件に関わって、痴漢は軽微な犯罪であるという主張があるが、現実には、痴漢被害の軽重は実に多様であって、軽も、勘違いも、冤罪企図も存在するが、同時に、生涯トラウマとなって心に巣食う痴漢被害も、確かに存在するであろうと私は思う。そういう現実に立脚すれば、「任意性の確認」という大前提に立脚しつつも、しかし女性専用車両は必要であるという、そういう判断が、人権上の配慮として、最も質が高いと考えるのである。

【8】 関わって、男性専用車両の必要性に言及すれば、【1】に記した原田信助さんの自殺のように、痴漢冤罪被害は、男性の命までもを奪う。仮に自殺に至らなかったとしても、無実の罪を背負わされた男性は、職場を解雇され、経済基盤を失い、生涯、消えることのない忌まわしい噂に苦しめられるだろう。本人だけではない。子供も妻も父も母も、すべて「加害者の家族」として、生涯、その重荷を背負うのである。痴漢冤罪被害を軽視する人が、その理由として、発生頻度が痴漢被害より低いことを挙げる場合がある。しかし、冤罪被害の深刻さを考えれば、たとえ1件であっても、それはあってはならないことに気付くはずなのである。もしもあなたが気付かない人物であるならば、あなた自身が痴漢冤罪被害にあい、その悲惨を味わい、発狂するほどに苦しみ、死の淵をさまよい続ければよいのである。男性専用車両の必要性の根拠は、女性専用車両と同じである。男女共存車両に於いては、痴漢冤罪被害は回避できない。

【9】 女性専用車両問題には様々の発言があり、様々の議論があるが、何を原点として対峙すべきかを改めて問われれば、それは、上述のように、痴漢被害と痴漢冤罪被害の回避であると考える。「専用」という言葉と「任意であっての合憲」という司法の判断の乖離については、都市の車両の過密が解決しなければ、その溝を埋めることはできないと思う。要するに、司法の判断を認識の基本として据えつつ、しかし、痴漢被害と痴漢冤罪被害の回避のために、実効性が最も高いと判断される女性専用車両と男性専用車両を設置するのである。それが、過密車両を回避できない現状にあっての、為されるべき施策と考える。過密が回避されれば、女性専用車両も男性専用車両も、廃止は可能となるはずである。
 
【10】 その他、様々の議論については、男女それぞれの専用車両を設置した後に、各論として為されるべきと考える。なお、【4】に記したような、近年の日本社会の、女性優遇に伴う女性の特権階級化は、女性限定専用車両の影響を含め、女性の自己中心性を解放し、是認し、結果として、男性を鬱屈した精神状況に追いやってきたと認識する。象徴的であった発言を引用すれば、東京で行われた人権絡みの集会で、壇上に立った女性都議会議員が言った。「今、電車に乗ると、女性はみんな綺麗です。男性は、みんな下を向いています」。また、生涯未婚率を最新の国勢調査(2015年)で見れば、女性は14.1%、男性は23.4%。つまり、男性のほぼ4人に1人が未婚なのである。その背景には、男性の非正規雇用の問題があるだろうが、併せて、女性であることの特権意識が強くなった女性との結婚を躊躇する男性が増えているだろうと推測する。共存するより独身の方が幸せなのである。関連して、象徴的な引用記事もブログに掲載した。例えば、「女子を嫌う小中高男子」(2018/02/05)、或いは、「AI(人工知能)と結婚」(2020/04/17)。離婚問題も含め、男女の愛が育ちにくい時代、男女の愛が壊れやすい時代。それは既に、少子化回避の大きな障壁として存在していると私は思うが、内閣府の少子化対策部局は、このような少子化問題の本質には踏み込めないのではないかと推測する。理由は、これらの問題状況を作り出す役割を演じてきた内閣府の部局が、今も同じスタンスで、男女共同参画運動という美名の仮面をかぶりながら、女性優遇配慮運動を推進しているからである。これらの二つの部局が、本質に踏み込む相互批判をするなどとは、私には、とても思えないのである。

【11】 関連して、このような状況とジェンダーギャップ指数の関係について、思うことを記す。その日本の指数は、女性差別の深刻な証しとして取沙汰され、もしも、議員数の性比だけから論ずるならば、私もその主張を支持することができるが、現在の国会議員の、性差別に関わるスタンスを見るとき、数の上では圧倒的多数を占める男性議員が、現実的には、国民生活の中に拡大を続ける女性優遇、女性限定配慮を、是認、黙認、推進してきたという事実があるだろう。男女共同参画運動であるならば、その、男性の人権を軽んじるスタンス、或いは無視するスタンスに対して、男性国会議員は抑止力として機能せず、限りなくと言いたくなるほど、女性に優しく対応してきたのである。国会議員に限ったことではない。女性限定専用車両であるならば鉄道会社幹部の、消費の世界の女性優遇戦略であるならば企業経営幹部の、そして既に医療機関にまで浸潤してしまった女性優遇配慮であるならばその経営幹部の、勿論、どこの幹部にも今は女性が存在するであろうが、数の上では圧倒的多数と思われる男性幹部が、その男女比の上では女性差別の指標として取沙汰されつつも、内実、或いは現実としては、女性優遇の、つまりは男性差別の加害者としての役割を果たしてきた、という、性差別の構図が、今の日本にはあると思うのである。


posted by 翠流 at 03:14| Comment(2) | 女性専用車両 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

女子を嫌う小中高男子

日本の社会にはびこる女性優遇は、
彼女たちの特権意識を増幅させ、
女性の持つ自己中心性を、
是認、解放してきたと、私は思う。

彼女たちは、その感情の機微と巧みな言葉の能力を、
女性たちの優越のために使い、
女性優遇の風を受けながら、男女関係のありかたを変える。
女性だけに与えられた特権を享受しながら、
我が物顔で街を歩く女たち。

半年ほど前、
私は、ある場所で、ある女性の、
凄まじい発言に出会った。
私がこういう活動をしていることなど、
全く知らない女性である。
彼女は、臆することなど微塵もなく言った。

   今、女の子が生まれたら、みんなでおめでとう!
   でも男の子だったらそうじゃない。
   男の子だったら、みんなで、ご愁傷様。

仮にこの言葉が、過去の女性差別への報復であったとしても、
凄まじすぎて、私は思わず笑ってしまう。
しかしこの、彼女の言葉は、
今の社会の男性と女性の位置を、
非常によく表現しているのではないかと思ったりする。

社会の変化は、様々な形をとって、
子供たちの世界にも影を落としているだろう。
昨年の6月、私は、インターネットの excite.ニュースで、
既に小中高生に現れている「少子化要因」を危惧する記事を読んだ。
その全文を、後半に掲載する。

例えば、男性が背負う危機や困難に支援の言葉を贈ることなく、
「光り輝く女性」発言ばかりを繰り返してきた安倍首相のスタンスは、
男女の関係を歪曲させ、
非婚・小子化問題を加速させたと私は思う。
例えば、昨年報道された生涯未婚率、
男性で23.4%、女性で14.1%、という数値の背景にあるのは、
男性の非正規雇用の問題だけではないと私は思う。

記事全文は、次の通り。

【excite.ニュース】 『女子はズルいと小中高男子に蔓延する「女子キライ」症』
             2017年6月8日 07時15分 (2017年9月4日 22時36分 更新)
     https://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170608/Toushin_3419.html

【記事全文】

■ 少子化問題の根源はここまで低年齢化しているのか

  非正規雇用、保育園不足が解消されただけでは、少子化問題は解決しそうもない。
  見えないところで蔓延しつつある少子化要因をご存じだろうか。

■ 男子と女子の戦い今昔

  問いかけたのは、都内の学習塾に勤める女性。回答者は、小学6年生男子だ。

  「一番キライなモノ、何」
  「女子!」

  このやりとりを傍で聞いていた中学1年男子が、小6男子の肩にやさしく手をのせ、
  「気持ちはわかるけど、敵にだけは回すな」となぐさめるように声をかけた。

  2人とも、かなりの成績優秀者。テレでも、皮肉でもなく、どこまでもシリアスな
  光景であり、深刻さえただよわせていたという。

  小学校時代に、男子vs女子の対立は昔もあった。大抵は男子が女子に暴力をふるった。

  男子が掃除をさぼる、デリカシーのない男子に、心を傷つけられて泣く女子という 
  構図が通り相場だった。

■ 女子の横暴に泣く小学男子

  ところが最近は、デリカシーのない女子の横暴に泣く男子という構図が多い。

  「僕はちゃんと『山本さん』と呼んでいるのに、女子は『おい、ノボル』と呼び捨て
  にしてくる」と訴える。

  ちょうどそのとき、件の「山本さん」が通りかかった。

  「ノボル、教室で待ってるぞ」と力強く背中をたたいて教室内に走り去っていく。
  「山本さん」は、「ノボル」より背が高く、声も大きく歯切れもいい。

  おとなから見ると、微笑ましく映る光景でも、小学生にとっては憂鬱のタネ。
  ノボルの表情はくもり、眉間にはシワが寄る。こみ上げる不愉快さを持て余すように、
  ノロノロとノボルは教室に入っていった。

  女子小学生をもつ母親に、この様子を話してみた。

  「男子は弱いよ」という話は女子間に飛び交っているそうだが、「キライ」というの
  は聞いたことがないとのこと。異性ギライはどうやら、男子小学生だけに起きている
  症状のようだ。

■ 男子から見て女子のどこがズルいのか

  「女子のどこがキライなの?」
  「ルールを守れないとこ」

  男子同士には、これだけは言ってはいけない暗黙のルールがあり、ケンカして負けそ
  うになっても、このルールは絶対に破らないのだそうだ。

  しかし、女子は負けそうになると何でも言う。ケンカの原因とは全く関係のないこと
  でも持ち出して攻めてくる。「だから、ケンカする気もなくなるんだ」と、口を尖ら
  せた。

  「おまけに負けそうになると、陰で悪口言いまくって、関係のない女子まで巻き込む。
  こっちが忘れたころになって、集団でかかってくるんだ・・・。女子とはなるべく口を
  きかないようにしてる。女子はほんとにズルイよ」

  男子の言い分は、尽きることなく続く。女子のいない学校に行きたい一心で、男子私
  立中学校をめざして受験勉強にいそしむ毎日だと付け加えた。中学受験の動機に「女
  子のいない学校に行きたい」というのは、そう珍しいことはないそうだ。

  一方で無事、男子中学校に入学した男子からは、「女子がいないから、とりあえず『学
  校行きたくない』ってのはなくなったな」という感想が聞こえてくる。

■ 「オレ一生、女いなくていいよ」

  女子の話題で盛り上がる光景もないではない。男子校に通う高校生だ。ようやく健全
  な姿に出合えたようで、ホッとした気分になる。だが少し踏み込んでみると、耳を疑
  うような高校生活があった。

  「女に関心のあるフリをしていないと、同性愛と間違われるから女の話をしてるだけ
  だよ。誘われてから断ると、カドが立つ。女はキライじゃないけど、好きでもないし、
  めんどくさいってのはあるな」

  「それで困らない?」

  相手は、高校生。オトナの質問を向けてみる。

  「オレ一生女いなくていいよ。二次元の女で十分だもん」

  この男子高校生も、有名大学に多数の合格者を出す高偏差値私立高校に通っている。
  しかもジャニーズばりのイケメン。モテないはずはない。

  見えないところで、少子化問題の新たな原因は着実に浸潤しているようだ。


2018年01月29日

生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件

保存しただけで記事にできていないニュースが多数あるが、
保存を繰り返しながら、
以前にくらべれば、男性の危機に目を向けた記事に、
出会うことが多くなったような気もする。
それがもしも、現実に即した改善の兆しであればと、
期待する自分がいる。
例えば、昨晩立ち上げた「YAHOO! ニュース」の中に、
次のような記事があった。
全文は末尾に掲載する。

  ◆ 生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件 ◆
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180128-00010002-fukui-l18

私は、いつものように、
怯えにも似た感情を抱きながらこの記事を読み始めたが、
それは私の杞憂であった。
福井新聞の記者は、珍しく、男性の自殺の実態に光をあて、
16歳の息子を投身自殺で失った女性、NYさんの言葉を引用しながら、
記事を次のように結んでいた。

    池田中やORさん、NKさんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは、圧倒
   的に男子が多い。

    「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を選ぶっ
   ていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

    NYさんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたちは大切
   な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。

男性は、「筋力の強さ」や「体躯の大きさ」を自然から与えられ、
その見えやすい「強さ」と、
「強くあるべき」という、義務づけられた性別役割によって、
内在する弱さや、脆さや、苦しさや、叫びや、涙を、
表現することを禁じられている。
「禁じられている」という言葉は、決して強くはないと、私は現実と照らし合わせて思う。
この私の認識が誤りならば、例えば自殺率の性差の問題は、
既に、解消の方向に向かっていたはずと思う。
危機に対する配慮、支援は、性別に対して平等ではなく、
男性は今も、社会に潜在する「男らしさの規範」に呪縛され、
救いを求める術を、女性のようには与えられていない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【記事全文】

◆ 指導契機に自殺 思春期の心 ◆
        生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE

 担任、副担任の厳しい指導叱責にさらされ続けた生徒は、周囲の理解、協力が得られないとの孤立感、絶望感を深め、ついに自死するに至った−。昨年3月14日、福井県池田町立池田中の当時2年生だった男子生徒が校舎から飛び降り自殺した問題で、調査報告書をまとめた第三者委員会はこう結論づけた。

 生徒指導をきっかけにした子どもの自殺は「指導死」と呼ばれる。

 「指導死」親の会共同代表のOTさん=東京都=は18年前、中学2年生の次男ORさん(当時13歳)を自宅マンションからの飛び降り自殺で失った。学校で友達からもらったお菓子を食べたことで、他の生徒と一緒に12人の教師から厳しい指導を受けた末だった。

 「コップいっぱいに“生きる力”という水がたまっている。それが『お前はだめだ』と言われるたびに減る。最後の一滴まで絞られ空っぽになってしまい、『生きている価値がないんだ』と感じてしまう」。OTさんは指導死に至るまでの子どもたちの心の揺れをこう例え、池田中のケースは「典型的だ」と話す。

     ■     ■     ■

 2002年3月23日未明、進学校の兵庫県立伊丹高1年生、NKさん(当時16歳)は、自宅近くのマンション屋上から身を投げた。校内のトイレで喫煙が見つかり、校長室で5人の教師から「特別指導」を受けてから9時間後のことだった。

   「君は親も教師も裏切った。人を裏切ることが一番悪いことや」「1年に2度も処分を
  受けるなんてわが校始まって以来の不祥事」

 同席を求められた母NYさんの前で、直立不動のNKさんを校長や学年主任らは厳しく叱責した。前年12月に続き2度目の特別指導。無期家庭謹慎を言い渡された。NYさんが涙ぐむと、NKさんのすすり泣きが聞こえた。

 前年12月の特別指導は期末試験での出来事だった。級友に答案を見せたことがカンニングと認定され、8教科が0点。7日間の家庭謹慎を受け、3学期が終わるまで反省日記を提出することが課された。

 NKさんは仲の良かった弟に冷たく当たったり、物思いにふけったりするようなことが多くなっていったという。

 1月の終わりごろから家でたばこを吸うようになった。学校で喫煙が見つかった直後の反省文には「ストレスがたまっていて、吸ったら、それが少し和らぐかと思った」と書き、その後、命を絶った。

 NYさんは、自分の涙が息子を苦しめたのではと悔いる一方で、「軍隊のような高圧的な指導」は間違っていると話す。「子どもなんて、周りが勝手にしている期待を、裏切って裏切って成長していくもの」だと思うからだ。

     ■     ■     ■

 教育評論家の武田さち子さんの調べでは、平成に入ってから昨年10月までの29年間で、指導死は73件(9件は未遂)起きている。73件目が池田中の事件だという。

 池田中やORさん、NKさんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは圧倒的に男子が多い。

 「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を選ぶっていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

 NYさんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたちは大切な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。


posted by 翠流 at 23:22| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月31日

男性の自殺(7) 2016年の状況

実はもう、半年ほど前のことになるが、
自殺絡みの報道に関わって、
男性の危機に目を向けた女性の文章(後述)に出会った。
それは、私にしてみれば、はなはだ珍しいことなのであって、
自殺対策に限らず、「初めに女性優遇の結論ありき」の風潮が、
日々強まる日本の社会にあって、
男性の危機や人権に関わる配慮など、皆無と言っても過言ではないような施策や、
それを取り仕切る女性や、 そしてそれを、是認、黙認、或いは推進する男性の存在に、
気づくことが多くなってしまった。
誠実な女性には、大変失礼な発言にはなるが、
女性差別解消の域を逸脱して女性優遇・女性解放が拡大する社会の中で、
社会の上層を含め、今の日本の女性たちの中には、
その自己中心性までもを、無分別に解放してしまったような人が増え、
彼女たちは、ただひたすら自分たちを、
弱者、被害者、配慮されるべき存在、特権階級とすることを好み、
自己本位の利益誘導を企図、或いはそれを当然の如く主張するか、
或いはまた、そこまで悪辣ではなくても、
女性優遇を単純に喜ぶだけの存在であると、
私は、捉えるようになってしまった。
その背景となった具体的な事象については、
既にこのブログに書いてきた通りである。

時には、このような風潮を憂慮する女性に出会うこともあるが、
彼女たちの誠意の言葉は、ひと時のつぶやきでしかないように、
今の日本を席捲する女性優遇運動の、奔流の中に消えてゆく。
法に謳われていることが明白なはずの、人権尊重の平等は、
例えば、名ばかりの男女共同参画運動や、巧みな詭弁や、
男性たちが抱える「男らしさの規範」の利用によって、歪曲され、
「いのち」への支援であるにしろ、災害対応支援であるにしろ、
男性の人権への配慮は、著しくなおざりにされてきた。
施策決定の過程で関わった男性たちは、
恐らくは、このような問題点を指摘しなかったか、
した場合であっても、僅かであっただったろう。
すれば「男らしさの規範」に反するという自己規制があるだろうし、
女性たちに嫌われたくないという、保身もあるだろうし、
目の前の現実を認識できない見識不足の男性たちや、
自分の鈍感さを、男性の感受性として不当に一般化した男たちもいただろう。

男性の中には、客観的事実としての男性の不利益を、仮に認識した場合でも、
それを不利益と言わずして女性への配慮を優先させなければならないと、
そういう性別役割を、男性に対して強要する人物は多い。
それが、男性差別を、社会の中に、温存、増幅させている。
もしも、そういう男たちを批判する女性が増えれば、
男性も変わるかもしれないと私は思うが、
それはまた・・・・・夢のまた夢 ?

自殺対策も同じことだろう。
2016年の自殺も、例年の如く、明らかに男性に多くなった。
自殺率は、男性が女性の 2.3倍となっている。(データ詳細は後述)
もしもこの性差が、男女逆であったなら、
日本中が女性を守れと大騒ぎになっているだろうと、
私は、以前書いたことがある。
「男らしさの規範」が、自殺対策にも影を落とし、
男性の自殺の実態を国民に知らせる情報発信や、
男性が置かれている状況への、自殺対策としての配慮が、
現実と乖離して弱いのである。

過日私は、ある自殺絡みの講演を聞いた。
その講師となった男性、某自治体の、自殺対策の責任者となっている医学博士の男は、
もっともらしい顔をして、女性の自殺の一部を取り上げ、それを強調し、
会場の女性は、頷くように、それを聞いていた。
しかしその医学博士の男が、
男性の自殺の実態を、「男性は・・・」という表現で語ることは、
ただの一度もなかったのである。
私が、事前に、次のデータを添えて、
自殺の性差に関わる質問5項目(略)を、
彼に提出しておいたにも関わらずである。

 ◆ 自殺者数・自殺率の年次変化と男女比 (昭和53年〜平成28年:39年間)
 ◆ 自殺の「原因・動機特定者」と「原因・動機不特定者」 (平成53年〜28年)
 ◆ 原因・動機(7項目)別データと男女比 (平成20年〜28年)
    ・9年間の概括的特徴と男女比
    ・9年間の年次別データと男女比
 ◆ 原因・動機(52項目)別データと男女比
    ・就職失敗による若者(20代)の自殺者数と男性の割合(平成20年〜28年)
    ・年次別・原因動機(52項目)別データと男女比(平成25年〜28年)

その後、数週間たって、ある研修グループの中で、その講演のことが話題になった。
二人の女性は、それを「いいお話だった」と言った。
私は、その講師を務めた医学博士の男を、「普通の男だ」と言った。
普通の男は、男性の危機を、危機通り表現しない。
表現する場合でも、それは抑制的であって、
現実と乖離するのである。

この文章の冒頭で私は、
珍しく、男性の危機に目を向けた女性の文章に出会った、と書いた。
その女性は、「河合 薫」さんである。
記事の題名とURLは、下記の通り。
私は、現実を踏まえて発言してくださった河合さんに、感謝申し上げる。
内容は、題名から察することができるが、
記事は、全文を読むにはログインが必要である。
お読みいただける方には、各自でログインをお願いしたいと思う。

【河合薫さんの記事】 『白書もスルー? 40、50代男性の自殺率の高さ』 
                 幸福度は内乱国並み、男の幸せはどこにある。
                         日経ONLINE 2017年6月6日(火)
   http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/060200107/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆ 続いて、今年3月に公表された自殺データ(2016年の状況)をもとに、例年通り整理した結果を掲載する。ご覧いただければおわかりのように、概括的傾向に変化はなく、性差の問題は改善されていない。なお、今回は、下記の項目Wの冒頭に、52項目の4年間の性差を、数値として掲載した。

【自殺データ:2016年】 ・・・ 項目は次の通り。
      T.自殺者数と男女比
      U.自殺の「原因・動機特定者数」と「原因・動機不特定者数」
      V.原因・動機特定者の「原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)」と男女比
      W.原因・動機特定者の、「原因・動機別の自殺者数(52項目)」と男女比
      X.就職失敗による若者(20代)の自殺者数と男性の割合

T.自殺者数と男女比:(  )内は自殺死亡率(自殺率)を示す。
           自殺率は人口10万人あたりの自殺者数を意味する・
     総 数        男       女      男女比【男/女】
   21,897(17.3)   15,121(24.5)  6,776(10.4)   2.23(2.35)

U.自殺の「原因・動機特定者」と「原因・動機不特定者」 
     総 数     原因・動機特定者    原因・動機不特定者
     21,897     16,297(74.4%)     5,600(25.6%)

V.原因・動機特定者の「原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)」と男女比。
  ・・・ 遺書等の、自殺を裏付ける資料により、明らかに推定できる原因・動機を、自殺者
   一人につき3つまで計上可能としているため、原因・動機特定者の、原因・動機別自
   殺者数の和と、原因・動機特定者数(16,297)とは一致しない。

    (原因・動機)  (計)  (男性) (女性) 【男性:女性】
     家庭問題     3,337  2,111  1,226  【1.72 :1】
     健康問題    11,014  6,427  4,587  【1.40 :1】
     経済生活問題   3,522  3,113   409  【7.61 :1】
     勤務問題     1,978  1,759   219  【8.03 :1】
     男女問題     764   522    242  【2.15 :1】
     学校問題     319   244    75  【3.25 :1】
     その他      1,148   819    329  【2.48 :1】

W.原因・動機特定者の、「原因・動機別の自殺者数(52小項目)」と男女比。

   ・下記【表A】の男女比は、少ない方を1として示してある。
   ・各項目が属する大項目は、表中の語尾に次の略記号で示した。
       健康問題:A  経済生活問題:B  家庭問題:C  勤務問題:D
       男女問題:E  学校問題:F    その他:G
   ・下記【表@】は、平成25年以降4年間の性差を、項目数の差として示した。

  【表@】                H25   H26   H27  H28
     男性の自殺が女性より多い項目   49    51   49   49
     女性の自殺が男性より多い項目    2    1    3    2
     男女同数の項目           1    0    0    1
        計             52   52   52   52
  【表A】
    (順位)(原因・動機)      (男 女 比)    (人 数)
                     【男性:女性】 男性  女性  計
    1 負債(連帯保証債務):B     【  ー  】   17   0   17
    2 失業:B             【14.0:1】  294   21  315
    3 負債(多重債務):B       【13.0:1】  561   43  604
    4 その他:D            【11.6:1】  269   23  292
    5 事業不振:B           【11.6:1】  337   29  336
    6 負債(その他):B        【10.0:1】  535   53  588
    7 仕事疲れ:D           【9.2:1】  534   58  592
    8 職場環境の変化:D        【8.8:1】  221   25  246
    9 自殺による保険金支給:B     【8.7:1】   35   4   39
   10 倒産:B             【8.6:1】   26   3   29
   11 借金の取り立て苦:B       【8.2:1】   33   4   37
   12 仕事の失敗:D          【8.2:1】  329   40  369
   13 犯罪発覚等:G          【7.6:1】  138   18  156
   14 就職失敗:B           【6.2:1】  175   28  203
   15 子育ての悩み:C         【1:6.2】   14   87  101
   16 学業不振:F           【6.1:1】   99   16  115
   17 職場の人間関係:D        【5.5:1】  406   73  479
   18 その他:B            【4.9:1】  251   51  302
   19 生活苦:B            【4.9:1】  849  173 1,022
   20 入試に関する悩み:F       【4.8:1】   24   5   29
   21 病気の悩み・影響(アルコ-ル依存症):A 【4.0:1】  141   35  176
   22 その他:E            【3.8:1】   57   15   72
   23 結婚をめぐる悩み:E       【3.6:1】   47   13   60
   24 その他進路に関する悩み:F    【3.4:1】   76   22   98
   25 近隣関係:G           【3.2:1】   39   12   51
   26 夫婦関係の不和:C        【3.1:1】  636  200  836
   27 その他:G            【3.1:1】  326  103  429
   28 失恋:E             【2.5:1】  187   73  260
   29 家族からのしつけ・叱責:C    【2.4:1】   76   31  107
   30 その他:A            【2.1:1】  182   84  266
   31 病気の悩み(身体の病気):A    【2.0:1】 2,315 1,112 3,427
   32 いじめ:F            【2.0:1】   6   3   9
   33 教師との人間関係:F       【  ー 】   2   0   2
   34 その他交際をめぐる悩み:E    【1.8:1】  155   82  237
   35 その他:C            【1.7:1】  207  116  323
   36 家族の将来悲観:C        【1.7:1】  335  188  523
   37 病気の悩み・影響(薬物乱用):A  【1.7:1】   21   12   33
   38 孤独感:G            【1.7:1】  285  163  448
   39 身体障害の悩み:A        【1.6:1】  164  100  264
   40 その他:F            【1.5:1】   22   14   36
   41 その他家族関係の不和:C     【1.5:1】  207  135  342
   42 介護・看病疲れ:C        【1.5:1】  151  100  251
   43 犯罪被害:G           【1.5:1】   3   2   5
   44 家族の死亡:C          【1.3:1】  253  189  442
   45 病気の悩み・影響(他の精神疾患):A【1.3:1】  738  566 1,304
   46 親子関係の不和:C        【1.2:1】  232  179  411
   47 不倫の悩み:E          【1.2:1】   76   59  135
   48 後追い:G            【1:1.1】   28   31   59
   49 病気の悩み・影響(うつ病):A   【1.0:1】 2,330 2,166 4,496
   50 病気の悩み・影響(統合失調症):A 【1.0:1】  536  512 1,048
   51 被虐待:C            【  ー 】   0   1   1
   52 その他学友との不和:F      【1 :1】   15   15   30


X.就職失敗による若者(20代)の自殺者数と男性の割合

        年次別   総数  男性   女性   男性の割合
      2008(H 20)   86   69   17    80.2 %
      2009(H 21)  122   98   24    80.3 %
      2010(H 22)  153   138   15    90.1 %
      2011(H 23)  141   119   22    84.3 %
      2012(H 24)  149   130   19    87.2 %
      2013(H 25)  104   95    9    91.3 %
      2014(H 26)  110   95   15    86.3 %
      2015(H 27)   88   81    7    92.0 %
      2016(H 28)   80   64   16    80.0 %


posted by 翠流 at 23:33| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月07日

表現を変えた某ガン対策協会

危機や困難は、女性の場合、強調して報道されることが多いが、
男性の場合は報道されないか、されたとしても抑制的である。
というようなことを、私は、特に近年の、日本の社会の様々の事象に感じ、
ブログの記事として採り上げてきた。
社会は特に、女性を選んで優しさを供給する。
それが当然であるかのような価値観が社会には存在し、
近年それは、一層の膨張を続けながら、女性たちの特権階級化に拍車をかけている。
災害対応然り、女性限定専用車両然り、ポジティブ・アクション然り、消費の世界の営業戦略然り、
そして、「いのちの支援」も、また然りである。

女性限定専用車両については、
上のような現実を示す典型的な会話が、
以前、ある人のブログに記されていた。
女性専用車両に疑問を抱いた男性が、
男の駅員(助役?)に発言をするのであるが、
受けた駅員は、男性の痴漢冤罪被害の深刻さを顧みることなく、
次のような発言をしたのである。
  「女性は社会が守らなくちゃ。男は自分で自分を守らなくちゃ・・・」
しかし周知のように、原田信助さんは、
痴漢冤罪被害から身を守り切れずに、
自らの命を、鉄道自殺で絶った。
信助さんの苦しみを、無念を、悲惨を思えば、
上の発言をした男駅員は、
自分も痴漢冤罪被害にあって、発狂するほど苦しめばよい。
そして、苦しんで、死ねばよい。

「いのちの支援」については、
既に、このブログの記事として、
明らかに男性に多い「自殺」や「悪性新生物による死亡」を取り上げ、
警察庁や厚労省のデータと、
マスコミ等を通じて流されるメッセージを含む社会的支援との関係、
要するに、危機は男性に顕著であるのに、
支援は、女性に対して手厚いという、
事実と支援の「乖離」について、
第三次・第四次男女共同参画基本計画の「生涯を通じた女性の健康支援」や、
自殺対策・ガン対策に関わるメッセージの拡散等を取り上げ、
その理不尽を指摘してきた。
私の発言は、客観的事実としての数値を踏まえており、
今の日本で拡大している自己中心的な女性優遇運動とは異質である。

ところで私は、昨年9月に掲載した記事、「健康支援の性差」の末尾に次のように書いた。

    ・・・・・・・・・ 今年の5月末のことであるが、
    私は、ガン検診関連のニュースが契機となって、
    あるガン対策協会が使っている「主要5大がん」という表現を
    気にするようになった。
    この表現にもまた、同様のメッセージが含まれているからである。
    この件については、後日、別の記事として詳述する。

この件について私は、昨年、協会や関係機関に問合せや要望の電話をしていたのであるが、
疲弊から遠ざかりたい弱さの故に、
その、ガン対策協会のホームページ(以下HP)を避けるようになってしまっていた。
ところが、つい最近、半ば気紛れにそのHPを開いたところ、
驚いたことに、私の要望が受け入れられる形で、表現が修正されていたのである。

実際には、私の働きかけとは無関係の修正であったのかもしれないが、
期待の裏切られることが殆んどのこの種の活動の中で、
幾許かの安らぎを与えられる出来事ではあった。
今回は、昨年私が、そのガン対策協会に伝えた要望と、
今年見た協会HPの修正点、等を報告する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【某ガン対策協会への要望】・・・・ 電話で伝えた。

@ HPを通して発せられるメッセージは、国民の意識を形づくり、ガン対策に影響を与える。メッセージが、死亡・罹患等の現実と乖離していれば、国民の意識も現実と乖離し、日常生活の中で、ガン対策に関わる配慮に、現実との乖離が現れる。貴ガン対策協会は、国が公費負担の検診対象(注1)としている5つのガン【肺がん・大腸がん・胃がん・乳がん・子宮がん】を「主要5大がん」と表現しているが、死亡の実態(後掲【表1】)を指標とすれば、【肺がん・大腸がん・胃がん・膵臓がん・肝臓がん】が「主要5大がん」であろうし、併せて、死亡・罹患の性差(後掲【表2・3】)、例えば、男性の肝臓がん・前立腺がん、女性の子宮がん等の実態を含め、協会の「主要5大がん」という表現は、男性のガンの軽視であり、メッセージとして適切さを欠く。表現を修正してもらいたい。

    (注1)厚労省は、検診の有効性が確立しているとして【肺がん・大腸がん・胃
      がん・乳がん・子宮がん】の5つを、国の公費負担の検診対象としている。
      死亡や罹患の状況は指標ではない。前立腺ガンのPSA検査は、研究者によ
      って評価が異なるため、国の公費負担の対象とはせず、検診対象とするか否
      かは、各自治体の判断に委ねている。因みに、私の居住地では、PSA検査
      を含め、6つのガンを検診対象としている。

A HPの欄外に「女性のガン」という項目があり、クリックすると「鋭意作成中」となっている。これは女性への支援のメッセージである。しかし一方で、ガンによる死亡・罹患が明らかに男性に多いにも関わらず、「男性のガン」という項目が存在しない。これは男性が置かれている現実の軽視である。実態に即したメッセージが必要である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【某ガン対策協会の、HPの修正点】

@ 「主要5大がん」という表現は、昨年、「がんの部位別統計」で使われていたが、この語句は削除され、代わりに「5つのがん」という表現が使われるようになった。

A 「女性のがん」だけが記されていた「欄外」は、今年のHPにはない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【追記】

◆ 昨年、私の電話を受けた人は男性で、上記@の要望については、初めから感触は悪くなかった。しかしAについては、彼は初め、こう言ったのである。「ガンが男性に多いことは周知の事実であり、ガン対策そのものが男性に対する対策であることから、あえて『男性のがん』と表記する必要はない」と。しかし、この彼の発言に対して、私が、「私の認識からすれば、『周知』は、されているとしても医療従事者の間であって、一般市民には『ガンが男性に多い』ことや、『性差の実態』は周知されてはいない。だからこそ、『男性のがん』というメッセージで、その実態知らせることが重要なのである。実際、私自身も、この活動に入るまでは、男性のガンがこれほど多いとは知らなかった」と発言したところ、彼は、多少、心が動いたようであった。
 
◆ また、「『女性のがん』という表現が、もしも、生殖系(乳がん・子宮がん・卵巣がん)を意味するのならば、「前立腺がん」の死亡率・罹患率が高いことから(後掲【表1・2・3】)、『男性のがん』という項目も、当然作るべきであろう」という発言も付け加えた。彼の返事は「検討する」であった。因みに、前立腺研究財団の昨年の言によれば、「2015.4/28 の統計白書で、前立腺がんの罹患は、男性の胃がんを抜いて、全がん中1位になった」とのことであった。

◆ 大腸がんについては、私のノートに質問の記録が欠落しているが、この件を発言しないはずはなく、書き忘れと思う。協会HPの修正点は死亡実数の加筆にあり、昨年9月のブログ記事「健康支援の性差」で取り上げた男女別の死亡実数が記載されるようになった。一方、死亡順位の表現方法は、『全ガン中、男性は3位、女性は4位』ではなく『男性では3位、女性では1位』のままになっており、違和感はあるが、死亡実数は明記された。

◆ 以上、とりあえず、今年の協会HPの、昨年の私の要望に関わる部分について、気付いたことを書いた。

◆ 今の日本の、ガン対策関連の報道に接していて感じるのであるが、特に、女性団体等による女性限定支援メッセージは、社会の前面に顕在化する機会が多いと感じる。しかし、それに比べ、男性の場合は、癌死が女性より顕著であるにも関わらず、支援のメッセージは、社会の前面になかなか顕在化しない。厚労省は、癌死・癌罹患の実態と乖離しない支援メッセージの社会的拡散に、情報提供の調整機関として留意すべきと思う。いのちの重さは、女性も男性も同じはずだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【資料:悪性新生物による死亡、及び罹患の状況】

◆ 協会の昨年(2016年)のHP、「がんの部位別統計」に年度を合わせ、死亡に関するデータは 2014年(H26)、罹患に関するデータは 2011年(H23)の数値を示す。男女を合わせた全人口の死亡率(2014年)は、厚労省の人口動態統計から引用した。

 @ 全人口の死亡率・死亡者数(2014年)を【表1】として記す(厚労省人口動態統計)。
  ・表の死亡率は、全人口10万人あたりの死亡者数を示す。ただし前立腺は男性10万人、
  子宮は女性10万人あたりの死亡者数を示す。
  ・乳癌は男性にも見られるが、下表は女性10万人あたりの死亡数を示し、男性の死亡
  率は( )内に参考として記した。
  ・表は死亡率の高い順に配列してある。「肺」は気管・気管支を含む。「大腸」の数値
  は、結腸と直腸の和を示す。「胆のう」は胆管を含む。

  【表1】 (部位)    (死亡率)  (死亡者数)
        肺       58.5     73,396
        大腸      38.6     48,485
        胃       38.2     47,903
        膵臓      25.3     31,716
        肝臓      23.6     29,543
        乳房(女性)  20.6     13,240 (男性:0.1 83)
        前立腺(男性) 18.9     11,507
        胆のう     14.4     18,117
        子宮(女性)  10.0      6,429
        食道       9.2     11,576
        悪性リンパ腫   9.2     11,480
        (以下:略)

 A 男女別死亡率・死亡者数(2014年)を【表2】として記す。
                ・・・ 厚労省人口動態統計 及び 協会2016年HP
  ・男性は早死傾向により女性より人口が少ないため、死亡者数が女性より少なくても、
  死亡率が女性を上回る場合がある。(表中の★)

  【表2】  (部位)     (死亡率)    (死亡数)
        男性:肺      86.0      52,505
        男性:胃      51.6      31,483
        男性:大腸     47.4      26,177
        女性:大腸     34.6      22,308
        女性:肺      32.4      20,891
        男性:肝臓     31.5      19,208
        男性:膵臓     26.9      16,411 ★
        女性:胃      25.5      16,420 ★
        女性:膵臓     23.8      15,305
        女性:乳房     20.6      13,240
        男性:前立腺    18.9      11,507
        女性:肝臓     16.1      10,335
        男性:食道     15.8       9,629
        男性:胆のう・胆管 14.8       9,052 ★
        女性:胆のう・胆管 14.1       9,065 ★
        男性:悪性リンパ腫 10.5       6,427 ★
        女性:子宮     10.0       6,429 ★
        (以下:略)           

 B 男女別罹患率、及び罹患者数(2011年)を、【表3】として記す。
                         ・・・ 協会2016年HP
  ・罹患率の定義は死亡率と同様、10万人あたりの罹患者数を示す。
  ・罹患率は全人口に対するデータがなく、男女別罹患率を上位から記した。
  ・死亡率と同様、男性は早死傾向により女性より人口が少ないため、罹患者数が女性
 より少なくても、罹患率が女性を上回る場合がある。(下表★)

  【表3】 (部位)    (罹患率)  (罹患者数)
       男性:胃     144.9     90,083
       男性:前立腺   126.6     78,728
       男性:肺     121.3     75,433
       男性:大腸    115.9     72,101 ★
       女性:乳房    110.5     72,472 ★
       女性:大腸     80.5     52,820
       女性:胃      63.9     41,950
       女性:肺      55.5     36,425
       男性:肝臓     46.9     29,192
       女性:子宮     40.8     26,741
       男性:食道     31.7     19,728
       男性:膵臓     27.6     17,173
       男性:膀胱     24.7     15,345 ★
       女性:膵臓     24.3     15,922 ★
       女性:肝臓     22.3     14,648
       男性:悪性リンパ腫 22.1     13,766
       男性:胆のう    19.7     12,250
       (以下:略)


posted by 翠流 at 01:05| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

「ルーツ」さんへの返信 : 「喫茶室A」の件

記事「ジェンダー・アイデンティティ(2)」のコメント欄に、
「ルーツ」さんという人が、お便りをくださった。
消費の世界は勿論のこと、国や自治体・公的機関でさえ、
女性優遇を平然と行う異常な時代にあって、
しかし取り組めば、男性差別は解消可能なのだと、そういう事例を、
ルーツさんは紹介してくださった。

喫茶室Aの件については、
私は、既にこのブログに書いたような取組みを行ってきたという理由によって、
今後の個人的な行動については、
「返信」に記すような制約があると考えているが、
基本的なスタンスは、ルーツさんへの共感であって、
それが、この記事の掲載を促すこととなった。

このブログに来てくださる皆さんはご存知かもしれないが、
今、ネットでは、男性専用車両の設置を求める署名活動が進んでいる。
評価、スタンスは様々あろうが、
そのページから、Oさんという人のコメントを引用する。
私は彼の、女性の特権階級化を懸念する思いに、強く共感する。
女性たちだけのために行われている様々の施策や利益誘導は、
紛れもない女性の特権階級化であり、
それが既に、定着の気配を見せる時代になってしまった、と私も思う。

 【引用文】 冤罪はもはや下手をすれば尊い男性の命まで奪うものとなってしまいました。
     また、同じ料金をはらっていながら、乗車車両を名目上でも制限される事は、今後
     若年者の間で、女性は特別な権利を有しているとの意識付けになってしまう可能性
     があります。男女は同権です。これから日本を支えていく若い男性たちのためにも、
     男性専用車両導入を切に願います。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ルーツさんからの便り ・・・・・(非公開)

ルーツさんへの返信

  コメントありがとうございました。
  マクドナルドK店の女性専用トイレの件、
  共用になったことは、ルーツさんのコメントで初めて知りました。
  以前、新宿の某レストランの男性差別のときも、
  同様の働きかけで、差別が解消したと記憶します。
  法務局(法務省)の判断や、男女共同参画部局の対応が、
  実質的には、「初めに女性優遇の結論ありき」のような時代にあって、
  「大量の苦情」の意義は、非常に大きいと感じます。
  ただ、私「個人」の、喫茶室Aへの働きかけについては、
  このブログに書いてきましたように、
  私の取組みの結果が、法務局から届いた「人権侵犯事実不明確」の通知であったという事実から、
  今後、私が個人としてできることは、
  もう既に、ないのではないかと思っています。
  そこでとりあえず、間接的な支援でしかありませんが、
  この返信を含めたブログ記事を、アップすることにしました。
  今の私にできることはこの程度ですが、
  もしも、この件に関わって発言の思いあれば、
  また、コメントをください。


posted by 翠流 at 03:06| Comment(1) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする