2015年02月16日

マイノリティーの人権 (1)

このブログを立ち上げる時、
私は、自分の立脚点を示すために、
憲法については14条と13条を引用して、
題名の下にブログの紹介文を書いた。
題が「男性差別とたたかう者のブログ」であるのに、
14条だけではなく13条も引用したのは、
一般的な(と、とりあえず表現するが)男性差別の問題にとどまらず、
マイノリティーに対する差別、或いは、
「男は…」「女は…」というような、個性を無視した二項対立的視点に起因する差別を、
許せない自分、受け入れられない自分が、
長い間、存在し続けてきたからである。

振り返ればその萌芽は、小学校6年の時であった。
私は、少年であるという理由によって、
あるものを求める思いを拒否され、それを手に入れることができなかった。
少女ならば何の制約もなく、それを手に入れることができたというのに・・・・・。
なぜなのだ……。なぜそうなのだ……。
私がただ、少年であるという理由によって……。

     ◆      ◆      ◆

マイノリティーの人権については、ある弁護士の言葉が印象に残る。
彼は、同性愛者に対する差別とのたたかいの中で、
「13条を拠り所としてたたかい続ければ、いつか必ず、未来の開ける日がやってくる」と
発言していた。
私は、性愛については straight(異性愛者)であるから、
その意味では被差別者ではなかったが、
彼の言葉によって、13条は忘れられない存在となった。

マイノリティーや、その対極としてのマジョリティーの位置について、
私たちの日常を素直に見れば、
マジョリティーは、例えば空気の存在を意識せずに暮らしている私たちと同じであって、
彼らは、平凡であることの幸せを、意識せずに享受している。
しかし、それができないマイノリティーの日常は、
非凡さのゆえに、恐らくは、マジョリティーの理解を越える。

平凡が、幸せの必要条件であって、
非凡は、不幸との契約であると、
心の中で反芻していた時期があった。

しかし時代の変化を見れば、
マイノリティーに対する人権擁護の気運は、今の日本では確かに高まっていて、
まだ、「自由の身なればこそ」ではあるが、
私もまた、生きやすくなった一面がある。
例えばそれは、昨年4月の記事、
「ロングカ−ディガン(カテゴリ…日記・つぶやき)」の世界のように。

しかしその、人権擁護の気運は、
例えば、法務省が、重すぎる腰をようやくあげて、
2002年から、性的マイノリティーの人権擁護を、
「おもな人権課題」の中に取り上げるようになったというような、
国の姿勢の変化、そしてその結果としての社会の変化に、
恐らくは負うものであって、
私がこのブログで訴えてきたような男性差別解消の多くは、
性別観を含め、今の日本の社会の、男性に対する不当な偏見等によって、
現在では、性的マイノリティーの人たちよりも、
むしろマイノリティーであるかもしれない位置からの、
届かない叫びのようにも思えてくる。

先日、私は、法務省の人権擁護局人権啓発課に、問合せの電話をした。
そのとき私の電話を受けた、ある人の話によれば、
法務省が、性的マイノリティーの人権擁護に踏み込んだ契機は、
当時、社民党の議員であった上田氏の、国会質問だったのだそうだ。
では、私たちは、どうすれば、
男性差別解消の思いに、実効性を持たせることができるのだろうか ?

posted by 翠流 at 01:03| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

掲載記事のカテゴリ (2014年〜2015年)

掲載記事のカテゴリを、年ごとに分けて掲載することにした。
このページには、とりあえず、2014年と2015年の一覧を記すが、
いずれ、両者は区分けする。

最近、私は、記事のアップが遅れるようになって、
それを寒さのせいにしているが、
そろそろ、第四次男女共同参画基本計画の、
パブリックコメントの準備をしなければならないと思う。
パブコメの始まる時期は定かでないが、
内閣府の男女局に聞いたところ、
春から夏にかけてのどこかで・・・・・・
というような返事であった。

既に繰り返し書いてきたような、乖離の部局、内閣府男女共同参画局。
憲法第14条の直下にあり、男女共同参画社会基本法第3条を擁するというのに、
男女局は、女性差別の解消を逸脱し、
女性優先・女性優遇・女権拡大に向かう。
その、自己本位のフェミニズム運動の、発信基地に向かって、
男女両方の人権を尊重する立場から、
発言をしなければならないと思う。

私は、自分が、塵のような一国民でしかないことを意識する。
たくさんの人たちが、
平等な人権尊重の社会をめざして、
パブリックコメントで発言をしてほしいと、
強く思う。

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掲載記事のカテゴリ(2014年〜2015年)

(2014年)

【記事名(掲載日)】                             【カテゴリ】

掲載記事のカテゴリ(2013年)(1/5)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・掲載記事のカテゴリ(2013年)
被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(1)(1/14)・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
岩手県 男女共同参画課ヘの要望(1/21)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
トイレの男性差別 (2)(1/29)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トイレの男性差別
トイレの男性差別 (3)(2/2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トイレの男性差別
国家公務員採用試験(2/10)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポジティブアクション
男性の羞恥心(1)(2/17)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男性の羞恥心
岩手日報社への要望書 (3/2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
【返信1】被災地の「市民権様」へ(1)・・・男女局の災害対応について(3/10)
                       ・・・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
【返信2】被災地の「市民権様」ヘ(2)・・・男女局の災害対応について(続き)(3/18)
                       ・・・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
【返信3】被災地の「市民権様」ヘ(3)・・・男女局の災害対応について(続き)(2014・15)
                      ・・・・・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
「女性専用車両に反対する会」入会申込書(4/8)・・・レディスデ−・女性割引・女性専用車両問題
ロングカ−ディガン(4/15)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日記・つぶやき・愛の世界をあなたに
紀伊國屋レディ−スデ−(1)申し立ての精神的背景(4/24)
                      ・・・・・・レディスデ−・女性割引・女性専用車両問題
紀伊國屋レディ−スデ−(2)経過(5/2)・・・・・・・・・・レディスデ−・女性割引・女性専用車両問題
被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(2)(5/14)・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
男性の羞恥心(2)(5/22)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男性の羞恥心
男性更衣室(4)浴室にまで【その1】(6/4)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男性更衣室
男性更衣室(5)浴室にまで【その2】(6/13)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男性更衣室
男性更衣室(6)浴室にまで【その3】(6/20)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男性更衣室
男性の自殺(4)・・・2013年の状況と、就職失敗による自殺(7/3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自殺関連
被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(3)(7/12)・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
ファミマ・レディ−スデ−(1)拡大する男性差別の中で(7/21)
                    ・・・・・・・・レディスデ−・女性割引・女性専用車両問題

ファミマ・レディ−スデ−(2)経過報告(7/30)・・・レディスデ−・女性割引・女性専用車両問題
被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(4)(8/12)・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
「高野悦子」のこと(8/17)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日記・つぶやき・愛の世界をあなたに
「カフェ・ド・クリエ」(8/24)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トイレの男性差別
xavi 様(1)・・・男性に対する不当な性別観(9/7)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人権擁護への思い
「女に生まれたかった男」様・・・男女共同参画の欺瞞(9/14)・・・・・・・・・・・・・・・・人権擁護への思い
許せない男(9/24)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポジティブアクション
投稿原稿-3 ・・・男性の人権を守るために【1】(10/3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・投稿原稿
近況報告 2014 (1)(10/12)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・近況報告
近況報告 2014 (2)(10/20)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・近況報告
山田昌弘さん(中央大学教授)の言葉 【その1】(10/27)・・・・・・・・・・・・・・・・・・人権擁護への思い
山田昌弘さんの言葉 【その2】(11/4)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人権擁護への思い
災害対応シンポジウム(福島)【その1】(11/10)・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
服装の自由と性的挑発(11/19)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人権擁護への思い
名古屋市職員採用試験(12/10)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポジティブアクション
近況報告 2014 (3)(12/16)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・近況報告
災害対応シンポジウム(福島)【その2】(12/26)・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)

(2015年) 

「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」へ(1/14)
                        ・・・・・・・・・災害対応批判・要望書(2014・15)
投稿原稿-4 ・・・男性の人権を守るために【2】(1/30)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・投稿原稿
掲載記事のカテゴリ(2014〜2015年)・・・・・・・・・・・・・・・・・掲載記事のカテゴリ(2014〜2015年)

2015年01月30日

投稿原稿-4 ・・・ 男性の人権を守るために 【2】

4回目の投稿原稿を掲載する。
今回は「男性の自殺」を取り上げた。
例によって、
このブログの幾つかの記事をまとめたものであるから、
内容の重複があるが、
ご容赦いただければ幸いと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 男性の人権を守るために【2】

2.男性の自殺

(1) はじめに

 「いのちの重さは、男性より女性の方が重い」と主張する人は、とりあえずいないもの
と仮定するが、現実的には、後述する自殺デ−タに見られる明白な性差から、男性の場合、
恐らくは既存の性別観や、男性であるために背負う性別役割等の影響のもとで、解決不能
の危機や孤独に直面し、自ら死を選ぶことが、女性にくらべ、有意の差を持って多いもの
と推察される。自殺デ−タに見られる性差から、男性のいのちは、社会によって軽んじら
れていると表現することが可能である。勿論、女性に危機や孤独がないなどと言うつもり
は全くなく、要するに、可能性や頻度の問題である。                

 時代の変化を見ると、今の日本には、「男のくせに」とか「女のくせに」とか、そうい
う表現をタブ−とする価値観が広がりつつあるようで、男らしくない私は大変喜んでいる。
しかしこの変化は、まだ、はなはだ表面的なのであって、現実的には、男性は、従来から
の男らしさの規範、男性であるが故の呪縛を、陰に陽に押しつけられるし、自分自身でも
背負うことが多いと思う。                            

 たとえば、私の知人に、ある相談活動に従事する男性がいるが、彼はあるときこう言っ
た。「私は、女性から相談を受けると、相手の気持ちに寄り添い、親切に対応しようとす
るが、男性から相談を受けると、『男なんだから一人でやってみろ』と言いたくなってし
まう」と・・・。彼は、根はいい男性であるから、今はもう姿勢を変えたと思いたいが、相
談活動はいずれにしても、彼と話しをしていると、同様の性別観、性別役割の押しつけ
が随所に現れる。要するに、何事につけても初めに結論ありきで、彼は男性に対して、
困難や孤独や我慢や被差別の受容を要求する。そして彼は、その要求が男性に与えるス
トレスを理解しようとしない。

 また、私が時折会話をする20代の女性であるが、彼女の第一子は男の子で、ある日彼
女は彼の未来について、「男の子だから強く・・・」と言った。それは、とりもなおさず彼女
の愛の一つの形であろうし、社会通念的にも受け入れられやすく、強くなるのは、本人
の人格に愛の欠落がなければ大変結構なことだと、私は性別と無関係に思っているが、
私の中の、この投稿に至る内発性の故に、表面的には頷きながらも心中穏やかではなか
った。男性であることを背負い、孤独と危機の中で疲弊してゆく男性、その背後で煩悶
を余儀なくされる母親。そういう現実は確かにあるだろう。            

 ところで先日、私のブログにきてくださったある男性が、ワレン・ファレルの「男性
権力の神話」(久米泰介訳.作品社)を紹介してくださった。その冒頭の山田昌弘さん
(中央大学教授)の推薦文に、次のような一節があり、私の問題意識を的確に代弁して
くださっているように思われた。                          

    なぜ女性のつらさは問題にされるのに、
    男性の生きづさは問題にされないのだろう。

 山田さんのこの一節と共通の思いを、私は、「男性の自殺」を取り上げた自分のブログ
で、次のように表現してきた。

   しかし自殺者に男性が多いことは、厳然たる事実であって、
   ・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・
   自殺者の男女比が、もしも逆であったら、
   日本中が大騒ぎになっているような気もする。
   女性団体はたぶん、その現実を放置しないだろう。
   保護を求める女性たち、保護を受け入れられる女性たち、
   しかし保護を求めることができずに、
   「男性」であることを背負いながら、
   孤独のうちに死んでいく男たちがいる。

(2)自殺の状況

 自殺に関するデ−タは、厚生労働省と警察庁が集計しているが、厚生労働省は、家庭
からの死亡届をもとにしているとのことであるから、より自殺の実態に近いのは、警察
庁のデータであろうと推察される。ちなみに、「年間自殺者数が14年間3万人を越えた」
という報道は、警察庁のデ−タに基づいている。                 
 警察庁のデ−タは、内閣府自殺対策推進室が整理し、ホ−ムペ−ジに掲載している。
それをもとに、主に性比に着目して整理し直したデータを、4種類の表として文末に掲
載した。(注1)                                

 その【表1】に示されているように、1978年から2013年までの36年間、毎年例外
なく、男性の自殺が女性を上回っている。それ以前も恐らくは同様であろうと推測する。
警察庁は、自殺の原因・動機を大きく7項目(表2)に分類し、更にそれを51の小項目
(表3)に分類しているが、大分類では、【表2】の通り7項目全てで男性の自殺が女性
を上回っている。特に「経済・生活問題」と「勤務問題」では差が著しく、前者では、
男性の自殺が女性の8〜10倍、後者では7〜9倍に達している。小分類では、【表3】
のように、51項目中48項目で男性の自殺が女性を上回り、女性が男性を上回るのは 2
項目。残りの1項目は同数であった。                      

 また、一昨年の春、就職活動失敗による若者の自殺の増加が報道されたが、その状況
を、この6年間について性別と共に示せば、【表4】のように、自殺者の8割から9割を
男性が占めている。                              

(2)自殺対策

 国の自殺対策としては、年間自殺者数が3万人を越えて9年目(2006年)の、自殺
対策基本法の制定であるとか、翌年の、内閣府への自殺対策担当の設置、或いは自殺総
合対策大綱の策定などが聞こえてくる。全国の取組みは自治体により差があると聞いた
が、●●県ならば●●市の自殺予防フォ−ラムに「結実した」と表現したくなるような
取組みがあったし、県としては、自殺対策アクションプランの策定があった。そういう、
温度差をかかえながらも全国に広がっていった自殺対策の成果であるのか、或いは、若
干の好転とも言われる経済状況の変化の帰結であるのか等、主因は関係者に聞いても定
かにならないが、2012年から、全国の年間自殺者数は3万人を割った。しかしこの変
化の中にあっても、変わらない事実がある。それは、自殺が男性に多いという明白な
「性差」なのである。                               

 先日私は、ある自殺対策を担当する男性に、彼の、男性に対する性別観について尋ね
た。結果は私の予想通りであった。彼は、私がこの投稿原稿の冒頭で紹介した男性相談
員のような性別観が、自分の中にあると答えたのである。そしてそれは、恐らくは決し
て珍しいことではなく、むしろ平凡で一般的な価値基準として、多くの男性の中に存在
する。男性の、男性に対する支援は弱く、その関係性は、社会の中に根を下ろしてしま
っているのである。そしてそれは、自殺対策に限らず、次回再び取り上げる「災害対応」
についても、その施策決定の過程で強い影響を与えてきたし、これからも与え続けると
推察する。男性に対して「困難や孤独や我慢や被差別の受容を要求する」性別観が、女
性の自己本位性を是認し、膨張させ、男性差別の施策が出現する。      

【インタ−ネット検索項目】                          
(注1)平成20・21・22年度における自殺の概要資料(警察庁生活安全局生活安全企
画課)、及び、平成23・24・25年度における自殺の状況 (内閣府自殺対策推進室・警
察庁生活安全局生活安全企画課)を用いて算出。
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【表1】年間自殺者数の変化と男女比(1978〜2013年:36年間)        
   ・年間自殺者数が3万人以上であるか否かによって、36年間を三つの時期に区分し、
   各時期の年間自殺者数の幅を示した。                     
   ・男女比は、各年度の女性の自殺者数を1として、男性の自殺者数の割合を数値で 
   示した。表中の(自殺率)は、人口10万人あたりの自殺者数を示す。       

     (年次)    (年間自殺者数)    (男女比)【男/女】     
                         自殺者数  (自殺率)   
   1978年〜1997年  20,434 〜 25,524   1.6 〜 2.1 (1.7 〜 2.2)  
   1998年〜2011年  30,651 〜 34,427   2.2 〜 2.6 (2.3 〜 2.7)  
   2012年〜2013年  27,283 〜 27,858     2.2   (2.3 〜 2.4)  

【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2013年:6年間)
    ・6年間の年間自殺者数の幅を、原因・動機別にした。            
    ・表の数値には、「原因・動機不特定者数」は含まれていない。         

   (原因・動機)     (年間自殺者数)    (男女比)【男/女】     

    健康問題      13,629 〜15,867     1.3 〜 1.5       
    経済・生活問題    4,636 〜 8,377     8.3 〜 10.3        
    家庭問題       3,912 〜 4,547     1.7 〜 1.9        
    勤務問題       2,323 〜 2,689     6.9 〜 8.8        
    男女問題        912 〜 1,138     1.4 〜 1.8        
    学校問題        364 〜  429      2.6 〜 3.8       
    その他        1,462 〜 1,621     2.1 〜 2.7        

【表3】原因・動機(小分類:51小項目)別自殺者数と男女比(2013年)     
    ・男女比は、自殺者数の少ない方を1として、性差の大きい順に配列した。 
    ・51の各小項目が属する大項目は、小項目名の末尾に、次の略記号で示した。
       健康問題:A  経済生活問題:B  家庭問題:C  勤務問題:D
       男女問題:E  学校問題:F  その他:G            

(順位)(原因・動機)         (男 女 比)         (人数)         
                   【 男性 : 女性 】  (男性) (女性) (計)    

1 倒産:B             【 45.0 : 1 】   45    1    46     
2 負債(連帯保証債務):B     【 20.0 : − 】   20    0    20     
3 負債(多重債務):B       【 15.8 : 1 】   647   41    688     
4 事業不振:B           【 15.8 : 1 】   568   27    438     
5 失業:B             【 14.7 : 1 】   411   28    439     
6 職場環境の変化:D        【 12.2 : 1 】   280   23    303     
7 就職失敗:B           【 10.9 : 1 】   251   23    247     
8 犯罪発覚:G           【 9.9 : 1 】   158   16    174     
9 仕事疲れ:D           【 9.5 : 1 】   587   62    649     
10 その他:D            【 8.9 : 1 】   354   40    394     
11 負債(その他):B        【 8.5 : 1 】   773   91    864     
12 借金の取り立て苦:B       【 7.8 : 1 】   47    6    53     
13 自殺による保険金支給:B     【 6.7 : 1 】   60    9    69     
14 生活苦:B            【 5.5 : 1 】  1,081   196   1,277     
15 子育ての悩み:C         【 1: 4.6 】   24   111    135     
16 職場の人間関係:D        【 4.3 : 1 】   437   102    539     
17 その他:B            【 4.2 : 1 】   244   58    302     
18 教師との人間関係:F       【 4.0 : − 】    4    0     4     
19 その他:G            【 3.6 : 1 】   462   130    592     
20 そのほかの進路に関する悩み:F  【 3.5 : 1 】   92   26    118     
21 病気の悩み・影響(アルコ-ル依存症):A【 3.5 : 1 】   163   47    210     
22 入試に関する悩み:F       【 3.3 : 1 】   23    7    30     
23 学業不振:F           【 3.1 : 1 】   102   33    135     
24 夫婦関係の不和:C        【 2.7 : 1 】   729   273   1,002     
25 身体障害の悩み:A        【 2.6 : 1 】   198   77    275     
26 家族からのしつけ・叱責:C    【 2.5 : 1 】   108   43    151     
27 失恋:E             【 2.4 : 1 】   207   86    293     
28 その他:F            【 2.3 : 1 】   25   11    36     
29 病気の悩み(身体の病気):A   【 2.0 : 1 】  2,993  1,470   4,463     
30 その他:E            【 2.0 : 1 】   36   18    54     
31 家族の将来悲観:C        【 1.9 : 1 】   384   203    587     
32 その他:A            【 1.9 : 1 】   166   88    254     
33 その他:C            【 1.8 : 1 】   217   119    336     
34 孤独感:G            【 1.8 : 1 】   339   193    532     
35 近隣関係:G           【 1.7 : 1 】   36   21    57     
36 そのほかの家族関係の不和:C   【 1.6 : 1 】   277   171    448     
37 介護・看病疲れ:C        【 1.6 : 1 】   164   104    268     
38 結婚をめぐる悩み:E       【 1.4 : 1 】   53   37    90      
39 病気の悩み・影響(薬物乱用):A  【 1.4 : 1 】   35   25    60     
40 家族の死亡:C          【 1.4 : 1 】   313   229    542     
41 いじめ:F            【 1.3 : 1 】    4    3     7     
42 親子関係の不和:C        【 1.3 : 1 】   259   198    457     
43 犯罪被害:G           【 1.3 : 1 】    5    4     9     
44 不倫の悩み:E          【 1.2 : 1 】   91   74    165     
45 病気の悩み・影響(統合失調症):A 【 1.2 : 1 】   694   571   1,265     
46 病気の悩み・影響(他の精神疾患):A【 1.2 : 1 】   721   600   1,321     
47 そのほかの学友との不和:F    【 1: 1.1 】   21   24    45     
48 そのほかの交際をめぐる悩み:E  【 1.1 : 1 】   165   145    310     
49 後追い:G            【 1.1 : 1 】   52   42    98     
50 病気の悩み・影響(うつ病):A   【 1.0 : 1 】  2,939  2,893   5,832     
51 被虐待:C            【 1 : 1 】    2    2     4     

【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2013年:6年間)

      (年次)   (総数) (男性) (女性)   (男性の割合)   

    2008年(H 20)   86    69    17     80.2 %       
    2009年(H 21)  122    98    24     80.3 %       
    2010年(H 22)  153   138    15     90.1 %       
    2011年(H 23)  141   119    22     84.3 %       
    2012年(H 24)  149   130    19     87.2 %       
    2013年(H 25)  104    95     9     91.3 %       
posted by 翠流 at 16:04| Comment(0) | 投稿原稿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月14日

「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」へ

「男女共同参画の視点」という美名を使いながらも、
女性への配慮ばかりに終始し、男性には配慮しない女たち。
たとえばガレキの処理で衣服もからだも汚れ、
心身共に疲弊して避難所に帰ってきた男たちには、
からだを休める部屋もない。
それなのに女たちには、
アロマオイルまで用意した、手厚い部屋を用意する。
その、あきれるばかりの「男性差別の視点」を、
彼女たちは「男女共同参画の視点」とよぶ。
全く、ひどい話なのである。
男性には、人権など、ありはしない。
そして恐らくはそれを受け入れるのが男性の義務であるかの如く、
女性優遇是認の規範を、男性に押しつける男たち。
或いはまた、無言のままに通り過ぎる男たち。
そういう、「女たちの自己中心性」と、男たちの「男性に対する加害性」によって、
「男性差別」が出現し、拡大していく。
その、典型の一つとして、
ここに、「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」が作った冊子、【男女共同参画の視点を取り入れた「安心できる避難所」づくり訓練ヒント集】を取り上げる。
その URL は次の通り。

http://www.aomoricombiz.co.jp/hintosyu.pdf

これをご覧いただきながら、次の要望書を読んでほしいと思う。
私は、この要望書を「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」へ送り、
その写しを、
「青森県環境生活部、青少年・男女共同参画課、男女共同参画グループ」
「青森県 防災・消防課」
「内閣府 政策統括官(防災担当)」
そして、事業を委託した、「文部科学省、生涯学習政策局社会教育課」に送る。

なお、上記の「実行委員会」には、
青森の、「男女共同参画」課の職員が含まれている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                               平成27年1月●●日
あおもり被災地の地域コミュニティ            
再生支援事業実行委員会 様
                                     翠 流
                  要 望 書

     冊子:【「安心できる避難所」づくり訓練ヒント集】 に見られる、
    男性に対する人権無視・人権軽視・誹謗表現の是正について。

       ・・・・・「男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)」、及び、
         「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の視点から。

 昨年12月3日に福島市で行われました「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ〜
第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加しました折、貴実行委員会が作成
した冊子、【「安心できる避難所づくり」訓練ヒント集】を拝見し、そこに見られる「男性に
対する人権無視・人権軽視・誹謗表現」に、非常に強いショックを受けています。    

 その冊子の作成に関わる文部科学省の委託事業、「学びを通じた被災地の地域コミュニティ
再生支援事業(平成25年度)」につきまして、文科省の担当者、生涯学習政策局社会教育課
の●●様にお尋ねしましたところ、「この事業に関わる各自治体の取組内容は、各自治体に任
せてある」とのお話しでした。従いまして、冊子の内容・表現は、全て「あおもり被災地の
地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」の決定によるものと理解しております。   

 冊子に見られる「男性に対する人権無視・人権軽視・誹謗表現」につきましては、具体的
に後述しますが、冊子の表紙に記された「男女共同参画の視点」は、とりもなおさず、「男女
共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)」に則った視点のはずで、ご存じのように、
「第三条」には、次のように記されています。

 【男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)】
   男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性
  別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保さ
  れることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

 そして更に、平成25年5月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指
針」には、上記「第三条」の精神を反映した、次のような文章が記されています。

 【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(p.4)】
  4 男女の人権を尊重して、安心・安全を確保する
   避難生活において人権を尊重することは、女性にとっても、男性にとっても必要不可
  欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全を守ることが重
  要である。                                  

 ですから、この冊子の作成に際して、「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実
行委員会」は、上記のような「男女両方の人権の尊重」を、作成の基本精神として据えなけ
ればならなかったはずなのです。尊重されるべきは女性の人権だけではない。男性にも、尊
重されるべき人権があるのです。                          

 しかし実行委員会は、その精神と乖離した冊子を作りました。この冊子には、次に記すよ
うな問題点、「男性に対する人権無視・人権軽視・誹謗表現」が存在します。それは、「男女
共同参画社会基本法第三条」や「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の精神
からの乖離なのです。冊子の表紙には、「男女共同参画の視点を取り入れた」と謳いながら、
しかし実際の内容は、「男女共同参画の視点」になっていないのです。 

【問題点】

1.「女性専用ルーム」は設置されているが、「男性用の部屋」は、全く存在しない。

  ・・・ ひど過ぎる話だと思います。たとえば、ガレキの処理で心身共に疲弊して避難所に
  帰ってきた男性は、どこで、からだと心を休めればよいのでしょうか? 冊子の「女性
  専用ルーム」の説明文には、「お茶・お菓子・ドライヤー・鏡付きの一角」等を用意する
  とまで書き、チェック項目には「身だしなみセット・洗面器」から「アロマオイル」ま
  である。しかし、男性に対する配慮は何もないのです。疲弊した、からだと心を休める部
  屋さえもないのです。これでは、男性には人権などないに等しいではありませんか。こ
  のような、男性差別をしてよいのでしょうか?。

   心の問題について言えば、冊子の「女性専用ルーム」の説明文には、「(女性たちが)
  何気ないおしゃべりから、自分が抱えている悩みを打ち明け、少し楽になれる場にもな
  る」と記されています。しかし、「男女共同参画白書:平成24年全体版(内閣府)」の
  「第1−特−27図・28図・29図・31図」にも示されているように、被災地では、女性
  だけが悩んだのではない。男性も苦しんできたのです。それは例えば、白書「第1−特
  −27図」の「アルコール依存の男性での増加」、そして「第1−特−31図」の「自殺者
  に占める男性の割合」に、明確に示されているではありませんか。「男性たちが心通わせ
  る場」としても、「男性用の部屋」が必要なのです。

2.「女性専用物干し場」の必要性は説かれているが、「男性専用物干し場」の必要性は、
  全く指摘されていない。

   男性にも「専用物干し場」が必要な理由を、具体例と共に書きます。私は、現在の居
  住地に来て、22年になりますが、スラックスの下に身に着けている下着を、人に見える
  場所に干したことは、ただの一度もないのです。すべて部屋干しです。そういう男性も
  いるのです。「専用物干し場」は、性犯罪防止だけのために作られるものではない。改め
  て言うまでもなく、それ以前に、プライバシーの問題、羞恥に対する配慮の問題がある。
  そしてそれは、女性だけの問題ではないのです。感受性は人によって違います。男性で
  も羞恥心の強い人はいるのです。羞恥心は、性別で単純にカテゴライズできるものでは
  ないのです。

   羞恥は人間の尊厳に関わる感情です。男性の羞恥心を軽視することなく、「男性専用
  物干し場」の必要性も指摘してください。私は、個人的には、同性にも下着を見られた
  くはない。しかし、被災の現実を考えれば、そこまでの配慮は困難でしょう。ですから、
  「男女別の物干し場」を作るのです。「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針
  (内閣府)」の12ページにも、次のような文章が記されているではありませんか。

  【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(p.12)】
     3 避難所 (1)避難所の開設 ・・・・・ ○ 避難所の開設当初から、授乳室や
    男女別のトイレ、物干し場、更衣室、休養スペースを設けること。

3.冊子 p.4 の「男女別更衣室」の説明文に、男性の尊厳を破壊する誹謗表現がある。

   下記の引用文の表現に、私は非常に強いショックを受けました。私は、女性の前で着
  替えをしたことなど、ただの一度もないのです。というより、着替えなどできるはずは
  ないのです。私は、あるスポ−ツクラブの男性更衣室に女性清掃員が入るのが嫌で、法
  務局の人権擁護課に人権救済の申し立てをして、合法的なたたかいを続けてきた人間で
  す。そういう感受性の男性がいるのです。しかし、下記の引用文は、そういう男性の存
  在を全く無視し、男性には、あたかも羞恥心がないかの如く表現しているではありませ
  んか。それは、私のような男性に対する、尊厳の破壊なのです。避難所に更衣室がなけ
  れば、私も「毛布の中で」着替えをします。それは、女性だけではないのです。そうい
  う感受性の、私のような男性が、人前で裸になど、なれるはずがないではありませんか。

   被災地の避難所に、下記の引用文のような着替えをした男性がいたのか否か、私は知
  りません。しかし、もしもいたとすれば、それは、常軌を逸した男性の批判されるべき
  行動でしょう。羞恥心を持つ健全な男性に、或いは良識ある普通の男性に、そんなこと
  ができるはずはないのです。引用文のような、常軌を逸した男性を、あたかも男性の代
  表であるかの如く表現するのは、絶対にやめてください。それは、男性に対する尊厳の
  破壊です。

   羞恥は人間の尊厳に関わる感情です。男性に対するプライバシーへの配慮は、羞恥心
  の強い男性を主役としてなされなければならないはずです。文章表現もそうです。常軌
  を逸した男性の批判されるべき行動だけを取り上げて、そうではない男性の尊厳を破壊
  する誹謗表現は、絶対にやめてください。

  【冊子 p.4「男女別更衣室」からの引用文】・・・(男性の尊厳を破壊する誹謗表現を含む)
     ・・・ 毛布の中や仮設トイレの中で着替えをしていた女性たちもたくさんいました。
    また、女性の前で、男性が裸になって着替えたりすることは、日常であればセクハ
    ラにつながり、それは非常時でも同じです。

4.「女性相談コ−ナ−(p.2)」や「DV被害女性支援ル−ム(p.4)」の必要性が記さ
 れている一方で、男性に対する相談・支援体制が全く存在しない。

   既に、上記1で記しましたたように、被災地で苦しんできたのは、女性だけではあり
  ません。男性も苦しんできたのです。それは、既述の通り、男性に多い自殺や、アルコ
  −ル依存の増加等に顕著に現れています。男性に対する相談体制の整備につきましては、
  【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(内閣府)】には、次のように記さ
  れています。この現実もふまえ、男性に対する相談・支援体制も整備してください。

  【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(p.19)】
     オ 相談窓口の周知(後半) ・・・・・ ○ 男性としての重圧や他人に弱音を吐くこ
    とを避ける傾向にある男性の精神面での孤立が課題となってくることから、男性に
    対する相談体制を整備するとともに、相談窓口の周知方法に工夫を行うこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆ 以上の認識をふまえ、冊子【「安心できる避難所づくり」訓練ヒント集】に見られる「男
 性差別」の是正のために、次の7点を要望します。

                    記

1.「男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)」、及び、「男女共同参画の視点か
 らの防災・復興の取組指針(内閣府)」の視点に立ち、冊子に見られる「男性に対する人権
 無視・人権軽視・誹謗表現」を是正すること。具体的内容は、以下の通り。

2.「女性専用ル−ム」だけではなく、「男性専用ル−ム」も冊子に付け加えること。また、
 「女性専用ル−ム」と同等の備品を、「男性専用ル−ム」にも用意すること。例えば、「鏡
 付きの一角」「ドライヤー」「身だしなみセット」「洗面器」「アロマオイル」等、冊子の
 「女性専用ル−ム」の説明文にある物品を、「男性専用ル−ム」にも用意すること。

3.「女性専用物干し場」だけではなく、「男性専用物干し場」も用意すること。

4.上記2・3の観点をふまえ、冊子 p.2の「レイアウト」、p.3の「準備物」等、関連部
 分を修正すること。

5.冊子 p.4 「男女別更衣室」の説明文に見られる「男性の尊厳を破壊する誹謗表現」を削
 除し、例えば次の文例のように、男女両方の人権を尊重した表現に修正すること。

【文例】・・・男性、女性それぞれの更衣室をつくることが大切です。避難所では、男女問わ
  ず、毛布の中や仮設トイレの中で着替えをしていた人たちがたくさんいました。男女の
  プライバシーを守るために、男女別更衣室をつくりましょう。

6.相談・支援体制は、女性だけではなく、男性についても整備すること。

7.冊子の全てを再度見直し、真に「男女共同参画の視点に立った冊子」、即ち、「男女両方
 の人権を尊重した冊子」を完成させること。
                               以上、強く要望します。


2014年12月26日

災害対応シンポジウム (福島) 【その2】

 12月3日(水)に、私は、東北新幹線で福島市に行き、「防災・復興における女性の
参画とリーダーシップ 〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加した。

 既に、11月10日の記事「災害対応シンポジウム(福島)【その1】」にも書いたが、
私は、来年3月に仙台で行われる「第3回国連防災世界会議」で、たとえば災害対応のメ
ッセ−ジが、男性の人権を無視、或いは軽視した状態で採択されてしまうような展開を、
危惧してきたのである。もしもそうなれば、実際の被災場面で、間違いなく男性差別に
拍車がかかると、私は、まるで脅迫観念に襲われるかのように思う。たとえば疲弊して
たどり着いた避難所で、私は男性であるために、着替えの場所がなく、トイレも充分に
与えられず、新しい下着も配布されず、プライバシ−に配慮された物干し場もなく、ガ
レキの処理から帰った避難所で休息するスペ−スもなく、というような状況、そして男
性には、それに耐えるべき当然の義務があるというような、まさに不当な、人権侵犯と
しての性別観の強要の中で、私は、収拾しきれない煩悶の中に追い込まれると・・・・・。

 男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)を擁するはずの内閣府男女局。
私をこのような不安に陥れたのは、ほかならぬ、あなたたちだ。あなたたちが行ってき
た「第3条と乖離した施策」だ。実際、昨年の3月28日に開かれた「男女共同参画の視
点からの防災・復興の取組指針(案)」の意見交換会の日までの間、あなたたちは、そう
いう災害対応ばかりを考えてきたではないか。意見交換会当日の、「有識者の意見も聞い
た」などという、吐き気を催すような発言まで携えて・・・・・。

 幸いなことに、意見交換会に続く「意見募集」の過程を経て、「指針(案)」の問題点
だけは修正された。しかし、ほかの場所に、今もたくさんの男性差別が残されているでは
ないか。私がこのブログで指摘し続けてきたように・・・・・。

 私は、シンポジウムの登壇者から「男女両方の人権に配慮する」という意味の言葉を
引き出したくて、記事「災害対応シンポジウム(福島)【その1】」に記した要望書を
男女局に送り、当日、適当な登壇者から、それに対する壇上からの見解を聞きたい旨を
伝えておいた。申込書には「登壇者に聞きたいこと」の記入欄があったのである。しか
し、この要望に正面から応える言葉はなかった。私は苛立ち、「時間がない」旨をくり
返す司会者の言葉を遮るように、2回に渡って発言の機会を求めた。私の大きい声が、
広い多目的ホールに響き渡ってしまった。

 結局、発言の機会は与えられなかった。私は苛立ちを収拾できず、コーディネーター
との面談を求めて係を呼んだ。しかし、これもかなえられなかった。

 しかし、今回、係として様々の橋渡しをしてくれた男女局のあの人は、私の要望書が
完全に無視されたわけではないと私に伝えた。それはそうさ。確かに、そうかもしれな
いと感じさせる発言はあった。それは、避難所となった「学校の体育館」での話だった
と記憶する。「大きいカーテンを持ち込んで仕切りを作り」「男女が交代で」「着替え
をした」という報告・・・・・。

 しかし男女局はどこか逃げていると私は感じる。「男女の人権の尊重」という私の要
望書の表現を、コーディネーターが使うことはなかった。それは、彼女が、問題の本質
から逃げている証ではないかと私は思う。では、彼女は、なぜ逃げるのか。それは、憲
法第14条や男女共同参画社会基本法第3条の実現よりも、ほかならぬ自己本位のフェミ
ニズム運動の貫徹を上位に置こうとする、男女共同参画局の、本質的な自己中心性の現
れではないかと私は思う。

 私には、「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ」に反対するつもりなど、
全くない。問題はそういうことではなくて、どういうリーダーが育つかにあると思うの
である。要するに、このブログでくり返し発言してきたように、人間の多様性をふまえた、
全ての人に対する人権尊重の視点を持ったリーダーが、育つかどうかが問題なのである。
当然のことながら、女性の人権だけではなく、男性の人権も同等に尊重されなければなら
ない。「男女共同参画の視点」という美しいはずの言葉を使いながら、しかしそれと乖離
して、女性に対する配慮ばかりに目を向ける人間に、リーダーとしての資格など、あるは
ずはないのである。

 ところで私は、このシンポジウムに参加する前に、展示とリレートークが行われた企画
展示室で、「あおもり被災地の地域コミュニティ−再生支援実行委員会」が作成した資料
を見て、ショックを受けていた。それについては、年が明けてから報告したいと思う。



2014年12月16日

近況報告 2014 (3)

11月22日(土)

   朝、レストラン・ガストK店のマネ−ジャ−から、私の携帯に電話が入った。彼は、
  私が申し入れをしたK店の女性優遇トイレ(女性専用+男女共用)の改善について、
  上司と相談をして、私に返信する約束だったのである。申し入れのときは、必ずしも
  感触は悪くなかったので、私には幾らかの期待もあったが、この日の電話では、見事
  に裏切られてしまった。彼は、K店の改善はおろか、「今後展開する店舗のトイレは、
  K店と同様、女性優遇トイレにする」などという、上司の回答を伝えてきたのである。
  止まらない女性優遇、拡大する女性優遇、私はショックであった。トイレの男性差別
  は、精神的に非常にきつい。私は気持ちが収まらず、「お客様相談室」に、長々と苦
  情の電話を入れた。受けたのは女性であったが、なぜか彼女は、職務範囲を逸脱する
  かのように私の主張に共感的なのであった。

11月27日(木)

   記事「紀伊國屋レディ−スデ−(2)」で取り上げた店舗に行った。私の居住地の
  ショッピングモ−ルにあり、人権侵犯被害申告の対象とした店舗である。そのときの
  店内掲示物には、レディ−スデ−は「2014年11月26日(水)まで」と書いてあっ
  た。26日は昨日である。だから、私の中には愚かにも、掲示物が取り外された壁面
  を期待する自分がいた。自嘲ではすまないような話である。しかし壁面には、私を嘲
  笑するかのように、次のような掲示物が貼られていた。

            レディ−スデ− 女性会員限定 
              水曜日はポイント2倍
       ご好評につき、2015年11月26日(水)まで期間延長

   思わず私は、近くのレジにいた40歳前後と思われる男性社員をつかまえて言って
  しまった。「男を差別するなよ・・・・・」。

   水曜は女性限定でポイント2倍。ポイントは金と等価のサ−ビスとして還元される。
  それが、女性限定で上乗せされるのであるから、男性差別にきまっている。しかし、
  地方法務局の人権擁護課は、つまり、結局は法務省の人権擁護局が、「法の下の平等」
  と「営業の自由」を秤にかけたとかで、「人権侵犯事実不明確」の結論を出した。「人
  権侵犯がなかったとは言っていない」などと言っても、「不明確」の結論は、企業に
  とっては、何の痛手にもならない。現実的な拘束性を発揮し得ていない男女共同参画
  関連条例と同じである。この手の男性差別を解消させるためには、企業に対して拘束
  性を持つ法の整備、「性別」という属性を利用した優遇戦略を禁じるような法整備が
  必須であるように感じてしまう。しかし、そんなこと、とても・・・・・・?
   
   しかし、法務局への人権侵犯被害申告だけではたたかいきれないと感じても、私は
  それをやめるつもりはない。法務局に対して声を上げることは、声の存在を知らせる
  ことでもあるし、世論の高まりを作るための1つの方法として、それなりの重さを持
  つと考えているからである。しかし、同様の被害申告をしている人が、何人いるのか
  な? 紀伊國屋については、私は、ほかの人を知らない。ファミリ−マ−トの場合は、
  私と、あの人と、あの人と・・・・・・・・・ もしかして、3人だけ?

11月下旬・・・・・日の記録はないが、トイレの男性差別が改善された一例である。

   私が、このブログの記事を書くのによく使っている喫茶店。落ち着いた雰囲気で、
  男性専用トイレも広く、個室の壁面に大きな鏡があって身繕いもできる店。私はそこ
  がたいへん気に入っているのであるが、その近くに、数ヶ月ほど前、セブンイレブン
  の新店舗ができた。駐車場の広い店舗で、入りたくなるような外観であるが、私の先
  入観通りの男性差別トイレの店舗で、近くを通る度に頭が痛かった。全国にはもう既
  に、膨大な数の同様な店舗があるわけで、私一人がわずかな店舗に働きかけても徒労
  の思いがあるが、その不当性を黙認することができず、この日、店に立ち寄って、店
  員さんに申し入れをした。オ−ナ−は、土曜の夜には間違いなく店に来るとのことで
  あったので、日を改めて、直接申し入れをする旨を伝えておいたが、数日前、この店
  に立ち寄ったところ、既にトイレの表示が改善されていた。今まで、「女性専用+男
  女兼用」であったトイレが、二つとも、男女兼用に変わっていたのである。私は、お
  礼かたがた、経過を聞く意味もあって、12月13日に店舗に立ち寄ったが、オ−ナ−
  の話では、彼が問い合わせをした関東事務所(本社とは言わなかった)は、「店舗の
  判断に任せる」と言ったのだそうだ。オ−ナ−は、「男性の使いづらさを考え、改善
  した」とのことであった。私は彼のような人の存在に、救われる思いであった。改め
  て、この場で感謝申し上げる。
   ところで、私が今まで、男性差別トイレの改善を直接申し入れたコンビニエンスス
  トアは、上記を含め、セブンイレブン7店舗、ファミリ−マ−ト4店舗、セ−ブオン
  2店舗であるが、その結果を、「改善あり」「改善なし」「未確認」の順に数として記
  せば、次のようになる。ただし、申し入れは、必ずしも、オ−ナ−や店長にしたわけ
  ではない。
          セブンイレブン ・・・・・・・ 3・2・2
          ファミリ−マ−ト ・・・・・ 2・2・0
          セ−ブオン ・・・・・・・・・・・ 0・2・0

12月3日(水)

   11月10日に記事として取り上げた「防災・復興における女性の参画とリーダーシ
  ップ 〜 第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加するために、東北
  新幹線で、福島市に行った。
   関連して、私は、12月4日に、「あおもり被災地の地域コミュニティ−再生支援
  実行委員会委員長(青森県男女共同参画センタ−副館長)」に、また、12月10日に
  は、青森県庁内の男女共同参画局に、要望の電話を入れている。
   シンポジウムの後は、数日間、心の状態が悪かった。これから記事を書くのも、
  重い腰をあげる感があるが、年内には報告をしたいと思う。

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2014年12月10日

名古屋市職員採用試験

取り上げるのが、遅くなってしまったが、
先月の中旬、知人のAさんから、(アルファベットはご本人の頭文字ではなく、順に従う表記である。)
名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)について、
男性差別の存在を示唆する資料をいただいた。
既に差別ネットワ−クのブログで取り上げられた件ではあるが、
安倍晋三の「光り輝く女性」発言や、
内閣府男女共同参画局が行っているポジテブ・アクション、
つまりは、数値目標達成を最優先とした女性割合拡大の動きが強まる中で、
特に面接試験を利用して女性にゲタをはかせる女性優遇採用が、
日本全国に広がるのではないかという懸念を、
私も強く抱いている。
教育の機会均等、受験の機会平等は、勿論以前から保障されてきたから、
もしも、女性にゲタをはかせる優遇採用があれば、
それは、「法の下の平等」に抵触する、裁かれるべき施策であり、
不正入試と同じであるが、
あわせて、内閣府が行った「学校教育の場における男女の地位の平等感調査(図4):下記【注】参照」の、下方にある図『20〜29歳を対象とした調査結果』を見れば、
            【注】http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html
学校での平等感には、既に、男女間の有意差はなくなったと感じられる。
従って、学校での性差別の事例は、恐らくは個々に対応すべき少数に近づいており、
男女平等は、制度だけでなく、生徒の感じ方から見ても確立したと言ってよい。
そういう状況の今にあって、
学校教育の到達点の1つとしての公務員採用試験の場で、
女性にゲタをはかせる優遇採用があれば、
それは明らかな男性差別であることが、一層明白となった。
平等な選考ならば合格するはずの男性が不合格となり、
不合格となるはずの女性が合格するなどという理不尽が、
許されてよいはずはない。

私がAさんからいただいた資料には、
次のような、男女別合否状況が記されていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成26年度 名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)
          一次試験・・・・・行政一般・学校事務・・・・・・・教養試験       
                 法律・経済・社会福祉・・・・・教養試験・専門試験  
          二次試験・・・・・論文試験・口述試験
合否状況
(区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数) (合格者数) 
      男性  女性   男性  女性    男性  女性    男性 女性
行政一般  1,111 601    756  408    185  78    60  44 
法  律   300 154    213  111    125  68    45  49 
経  済   202  65    150  50    101  37    42  29 
社会福祉   100  90     77   66     55  54     21  33 
(計)   1,713 910   1,196  635    466  237    168 155

 この数値から、受験者の「一次試験合格率」、及び、一次合格者の「二次試験合格率」
を男女別に算出すると、次のようになる。

        (一次試験合格率)   (二次試験合格率)           
        男 性   女 性    男 性   女 性            
行政一般    24%    19%    32%   56%            
法  律    59%    61%    36%   72%            
経  済    67%    74%    42%   78%            
社会福祉    71%    82%    38%   61%            
(全体)    39%    37%    36%   65%            

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この数値に示されているように、二次試験では合格率の男女差が非常に大きく、
女性に対する優遇措置が強く懸念される。
この問題について、12月1日の朝日新聞の「声」の欄には、
次のような、川上直也氏の投稿文が掲載された。

 「採用試験 女性優遇ではないか」・・・ 川上直也
                     朝日新聞「声」(12月1日)より引用
    私は市民団体で様々な差別について問題提起をする活動をしているが、今年度の
   名古屋市の職員採用試験の結果を見てあぜんとしてしまった。大学卒程度の第1類
   の事務系には男性1196人、女性635人が受験したのだが、合格者は男性168人、
   女性155人。受験者数は男性が女性の倍近くいるのに、合格者数は男女ほぼ同数
   に近い。
    同市人事委員会が出した「採用総合案内」には「年齢・性別・学歴・出身地・職
   歴などによる有利・不利は一切ありません。受験資格を満たしていれば、すべての
   人に平等です」と書かれている。
    だが、採用結果を細かく見ていくと、客観的で人為的な操作の難しい筆記試験で
   ある1次試験を通過した割合を計算すると、男性が39%で、女性の37%をわずか
   に上回るのに、主観的になりがちな面接と論文が課される2次試験の合格率は男性
   36%に対し、女性65%だった。これは憲法14条1項がうたう「法の下の平等」に
   反し、人為的な性差別が行われたと推認せざるを得ないのではないか。
    仮に男女に関係なく、同じ基準を適用した結果と言われても、その基準自体が一
   方の性に著しく有利にできている、いわゆる間接差別にあたるのではないか。
    ほかに能力の高い男性がいるのに、女性が優先的に採用・登録されたとすれば、
   これは男性差別にとどまらず、能力主義の否定でもあり、大問題であると思う。採
   用や登用における性差別を完全になくしたいのであれば、面接後、受験者の氏名や
   性別がわからない状態で評価を行い、選考するべきだ。

 私も、この採用試験の結果を見て、川上氏と基本的に同じ認識を持つ。特に文中の『こ
れは憲法14条1項がうたう「法の下の平等」に反し、人為的な性差別が行われたと推認
せざるを得ないのではないか。』について・・・・・。
 私は市職に就いた経験はないが、10代後半の若者とは関係を持ちながら生活してきた。
それを振り返って思うのだが、仮に、論文と口述の平均的資質が女子の方に高いと仮定し
たとしてもても、この二次試験ほどの差はつかないのではないか。しかも、二次試験の対
象者は、客観的な一次試験で選別されてきた人たちなのである。二次試験の合格率の、男
性36%、女性65%という大きな差は、女性優遇がなければ生じないのではないかと思う。
 
 あわせて、同じ名古屋市採用試験の「学校事務」の結果を見ると、興味深い違いに気づ
く。合否状況は次のようになっている。要するに、二次試験合格率に、男女差はないので
ある。名古屋市の事務系職員の男女比は調べていないが、学校事務については、私の居住
県と傾向が同じであるとすれば、恐らく、女性の方が男性より多いか、同数に近いのでは
ないかと推測する。要するに、学校事務の場合は、女性にゲタをはかせて優遇採用をする
必要がないと、推測することも可能なのである。

(区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数) 
      男性  女性   男性  女性    男性  女性    男性 女性  
学校事務   68   69    48   51    13   13     5   5 

        (一次試験合格率)   (二次試験合格率)           
        男 性   女 性    男 性   女 性            
学校事務    27%    25%    38%    38%

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Aさんからいただいた資料の中には、川上氏の指摘に対する、名古屋市人事委員会の、
次のような見解も含まれていた。
    ・・・・・ ネットニュ−ス http://www.j-cast.com/s/2014/12/01222160.html 

  ◆ 名古屋市は「性別への配慮はありません」(人事委員会)と言い切る。「合否の
   判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と説明。男女の差が
   なかったのは、あくまで「結果」という。
    市によると、「特別な取り組みをしているようなことはありませんが、ここ数年、
   女性の採用比率が上がっているのは事実です」と話す。ただ、採用試験では「そう
   いった(女性を優遇するような)判断はなく、採点で上から順番に採用していった
   結果です」と、恣意的なことはないと強調する。

 しかし、この名古屋市の見解は、川上氏への反論になっていない。人事委員会は「合否
の判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と言っているが、判定会
議以前に、たとえば面接結果を点数化するような作業があったとした場合、女性受験者に
ゲタをはかせて採点することも可能なのである。もしも、そのようなことがなされれば、
「合否判定時に性別のデ−タがなく」「採点で上から順番に採用していった」としても、
必然的に、女性優遇採用がおこる。

 内閣府男女共同参画局の、数値目標を設定したポジティブ・アクションは、安倍晋三の
「光り輝く女性」発言によって、政治の表舞台に登場した。それが、たとえば保育環境の
整備であるとか、採用や昇進段階の女性差別の排除であれば正当であるが、実際には、女
性にゲタをはかせる優遇政策として、男性差別拡大の危険性を増幅させた。
 採用試験の担当者が、たとえば面接試験の評価のような、隠蔽可能な部分で女性優遇採
用を拡大させる可能性は、日本全国に広がったように思う。

 ところで私は、このブログの記事「男女共同参画に翻弄される日々【1】」の中に、国家
公務員採用試験について、次のような文章を書いた。その根拠となったグラフ(人事院)
のURLを、下に記す。

    ・・・・・ところが、とりあえず「似非フェミニスト」という言葉を使わせていただ
   くが、そういう人たちは、採用や昇進等にあたって、女性にゲタをはかせる形の、
   女性優遇の、つまりは男性差別の選考を企図し、それは、これからだけではなくて、
   実はもう、既に行われてきたことのようでもあるのだ。例えば、「女性国家公務員
   の採用・登用の現状等:人事院」に記されたグラフ、「T種試験事務系(行政・法
   律・経済)区分の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合(昭和63年から平
   成22年まで)」を見ると、平成14年以降、採用者に占める女性の割合は、毎年、
   明らかに、合格者に占める女性の割合より高くなっている。この事実から、採用
   に関わる面接等の段階で、関係各省庁が、女性優遇の、つまりは男性差別の選考
   を行ってきた可能性を指摘できるのである。この件について、私の質問に答えた
   ある職員は、「女性が面接で優秀だったからだ。」と答えた。しかしそれは、そう
   いう発言で隠蔽可能な領域で、女性優遇採用が行われてきた結果であると、そう
   いう見方もまた、可能なのである。                     

グラフURL・・・・・・・ 国家公務員採用.T種試験事務系(行政・法律・経済)区分の 
         申込者・合格者・採用者に占める女性の割合の推移     

http://www.jinji.go.jp/saiyoutouyou/sankoushiryou/III.pdf#search='%EF%BC%89%E3%80%8C%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E6%8E%A1%E7%94%A8%E3%83%BB%E7%99%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E7%AD%89%EF%BC%9A%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E9%99%A2%E3%80%8D%E3%80%8C%E2%85%A0%E7%A8%AE%E8%A9%A6%E9%A8%93%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B3%BB%EF%BC%88%E8%A1%8C%E6%94%BF%E3%83%BB%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%83%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88%EF%BC%89%E5%8C%BA%E5%88%86'
                                         (以上)

posted by 翠流 at 02:11| Comment(3) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月19日

服装の自由と性的挑発

「人に不快感を与えすぎない範囲で」という条件はあるが、
服装は、基本的には自由だと、私は考えている。
しかし私たちの生活を見れば、
そこには、個性を無視した服装の制約があって、
私たちは、必ずしも自由ではない。

たとえばレディ−スであるとかメンズであるとか、
どこの誰が決めたのか、私にしてみれば、わけのわからない分類によって、
区別された衣料品とそれに応じたショッピングモ−ルの空間がいつのまにか用意され、
私たちは性別に応じて、
それぞれの空間で自分の買い物をしなければならない。

私は、トランスヴェスタイト(クロスドレッサ−)の人たちを気の毒に思う。
特に男性のトランスヴェスタイト。
なぜならば理不尽なことに、
男性の異装は、女性のそれより咎められやすいからだ。

もっとも、私が若かった頃に比べれば、
社会はずいぶん寛容になった。
たとえば私の居住県では、6年ほど前であったか、確か中学校で、
トランスセクシュアルの生徒が、
異性の服装で、卒業式への参列を認められた。
その背景には、県の法務局の人権擁護課の働きかけがあったようで、
それを促したのは、当時、ようやく腰を上げた法務省の、
性的マイノリティ−に対する人権擁護の動きであったと私は捉えているが、
もとより、生まれ落ちた性別によって、
その人の本質が決まるはずはなく、
人には本来、社会通念としてのジェンダ−の呪縛から、
自由になる権利があると私は思う。

1年ほど前であったか、新宿のあるクリニックで、
乳房の摘出手術を受けた FtoM(女性から男性へ)の人が死亡した。
その手術を執刀した医師は、
すでに性別適合手術を受けた MtoF(男性から女性へ)の人と聞いた。
その、叫びのような悲惨を、
私たちは受けとめ、
トランスセクシュアルの人たちの人権を、擁護しなければならない。

ところで、冒頭に書いた「人に不快感を与えすぎない範囲」での服装の自由に関わって、
私は、近年とみに顕著となった、女性の、性的挑発傾向の強い服装の、
男性に対する配慮の欠落に、
憤りと、強い疲労を感じている。
その服装の変化は、恐らくは、自己本位のフェミニズム運動の、
一つの現れと捉えて誤りはないように感じているが、
一例をあげれば、昨年の夏、私は、
オリンピックのシンクロナイズドスイミングの、ユニフォ−ムの変化を見て、
ショックで、体重が2kg減った。
それが、世界的承認のもとに開催されているオリンピックでの映像であったから、
男性に対する過度の性的刺激が世界的な承認を受けたように感じ、
一層強いショックを受けたのである。

ファッションを中心とする消費の世界での、
企業の女性優遇戦略については、たびたび記事として取り上げてきたが、
タ−ゲットとしての女性の「着る幸せ」が拡大し続ける今にあって、
それは、美しさを求める私にとっては、羨望と嫉妬の対象ではあるが、
同時に、その、ファッションの進化の中で、
性的挑発傾向の強い服装が、
男性の性的心理を知りつつもそれに配慮せず、或いはそれを意識的に利用しながら(?)
私たちの日常に流出し、
挑発は罪ではないが挑発されるのは罪であるかの如く男性を翻弄する今の時代に、
私は、強い疲労と、やり場のない怒りを感じるのである。

その、性的刺激の本来の意味を考えてみれば、
それは、性的に成熟した異性に対する生殖行動のリリ−サ−(解発因)なのであって、
愛し合う二人の間でそれをどう使うかは、
全く二人の勝手であるが、
不特定多数で構成される社会の中で、
たとえば男性が明らかに翻弄される極端なミニスカ−トであるとか、
派手な下着が透けて見えるトップスであるとか、
下着そのものが裸出されたファッションであるとか、
そういう、リリ−サ−を開放しすぎるファッションは、
私のような男性にとっては、
紛れもないセクシュアルハラスメントなのである。

ところがそれを、「男性に対するセクハラである」とは表現しない風潮が強い。
それは、「男性は過度の性的ストレスにも耐えなければならない」という、
不当な性別観の押しつけであると私は思う。
男性は、性的挑発に耐えなければならない。
性的挑発は罪ではないが、それに翻弄されるのは罪であるというような、
あたかも、自己本位のフェミニズム運動の、自己中心性の典型であるかのような、
新しい男性差別の出現である。

ちなみに、過日マスコミで話題となった某航空会社の、
女性乗務員の極端なミニスカ−トについての賛否を問うアンケ−トの集計結果の中に、
反対理由として、「乗客のセクハラを誘発する」という表現があった。
要するに、極端なミニスカ−トを、
「男性乗客に対するセクハラである」とは表現しないのである。
それは、男性を、より加害的な立場に置こうとする、男性差別の視点である。

考えてみれば、もとより、男性が女性の性的刺激に翻弄されるのは、
自然が男性に与えた宿命なのであって、
その感受性がなければ、男性は生殖に参与できない。
この、男性の不可避の弱点を知りながら、
翻弄される男性を嘲笑するかのように街を歩く女たち。
それを批判すれば、男性が悪者にされてしまうような風潮の中にあって、
理不尽なストレスは、増すばかりなのである。

ところで、以前、「差別ネットワ−ク」のブログの「女性(専用)車両問題」の記事の中に、
助役(?)が、「男性と同じ電車に乗りたくない女性のお客様もいらっしゃいますから」などと言う場面があった。
しかしそう言うのなら、
私のような、「女性の挑発的服装に疲弊する男性」に対しても、
同じ配慮を示すべきだろう。
痴漢冤罪の恐怖を抱きながら、挑発的な女の近くに乗る苦痛、
「男性(専用)車両」を設置しない鉄道会社は、
日本国憲法第14条、男女共同参画社会基本法第3条、
そして、全国各都道府県の、男女共同参画関連条例に抵触する、男性差別の加害者に他ならない。

posted by 翠流 at 18:33| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月10日

災害対応シンポジウム (福島) 【その1】

久しぶりに、内閣府男女共同参画局のHPを開いた。
「久しぶり」なのは、私が負けているからである。
男女局のHPを開くことが、私の精神的な負担になっている。
私にしてみれば怒濤のような、
自己本位のフェミニズム運動の拡大を前にして、
一人の国民でしかない私の、
存在の弱さを思うのである。

男女局のHPには、次のようなシンポジウムの募集要項が記されていた。

「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ        
       〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」
             http://www.gender.go.jp/public/event/2014/bousai.html

以前から、「第3回国連防災世界会議」が被災地で行われることは知っていた。
そして、私はそれを恐れてきた。
世界的なフェミニズム運動の拡大の中で、
災害対応のメッセ−ジが、
男性に対する人権無視・人権軽視のままに、
採択されてしまうのではないかと・・・・・。

標記のシンポジウムは、
来月、12月3日(水)に、福島市で行われる。
私は、内閣府男女共同参画局総務課に、
次のような要望書を送ることにした。

男性に対する人権無視・人権軽視を、放置することはできない・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                               平成26年11月10日 
内閣府 男女共同参画局 総務課 様
                                   (翠 流)  
                  要 望 書    

         「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ          
         〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」の        
       内容、および運営について。・・・「男女の人権の尊重」の視点から。    

                    記                  

 標記シンポジウムの開催にあたりましては、男女共同参画社会基本法第3条「男女の人権
の尊重」に則り、女性の人権だけではなく、男性の人権にも配慮する視点を忘れることのな
いよう、強くお願い申し上げます。会の運営にあたりましては、「男性は・・・」「女性は・・・」
というような、単純化された二項対立的視点や、過去からの性別観に囚われすぎることなく、
「人間は多様であること」をふまえた人権尊重の視点で、災害対応を検討していただきたく
お願い申し上げます。例えば、避難生活でのプライバシ−への配慮に関わって言えば、羞恥
に対する配慮が必要なのは女性だけではない。男性にも、羞恥心の強い人はいるのです。男
性に「不当な我慢」を強いるような災害対応は、絶対にやめてください。

 特に男性の人権に関わっては、避難所等における、更衣室、トイレ、物干し場、休憩スペ
−ス等の設置、入浴に対する配慮、生活支援物資の配布など、人間の尊厳、清潔、心身の健
康等に関わる重要事項について、男性に対する人権軽視・人権無視の現れることが強く懸念
され、強い不安感を捨てきれません。「男性は我慢をしなければならない」というような不当
な性別観で男性を呪縛することなく、すべての人の人権を尊重する視点に立って、誰もが、
心身共に健康に暮らせるような災害対応を実現してください。強くお願い申し上げます。 

 なお、上記のような生活支援の問題と併せて、被災者に対する精神的支援の平等性の問題
を含め、今回の要望と関連性の高い既送の要望書として、昨年の12月12日付けで、当時
の総務課のA様を窓口として送付させていただきました要望書、及び、本年8月12日付けで、
推進課のB様を窓口として送付させていただきました要望書(資料を含め全8枚)を、〖別添
え資料−T・U〗として同封させていただきましたので、併せてご覧いただきたくお願い申
し上げます。

〖別添え資料−T〗・・・・・ 平成25年12月12日付・要望書(総務課宛)
     「東日本大震災からの復興に関する男女共同参画の取組状況調査」に見られる  
    「男性に対する人権無視」の指摘と、今後の災害対応における、「男性に対する  
    人権無視・人権軽視の回避」について。                   

〖別添え資料−U〗・・・・・ 平成26年8月12日付、要望書(推進課宛)
     災害対応における男性差別、「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の、 
    男性無視の解消について。                         
                        以上、宜しくお願い申し上げます。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〖別添え資料−T〗・・・・・下記の要望書は、昨年12月12日の記事、『内閣府男女局 総務課へ
            ・・・・・「ひどすぎる復興アンケ−ト」について』の中に掲載した。

                               平成25年12月12日 
内閣府 男女共同参画局 総務課 様
                                  (翠 流)  
                  要 望 書   

      「東日本大震災からの復興に関する男女共同参画の取組状況調査」      
         に見られる、「男性に対する人権無視」の指摘と、          
    今後の災害対応における、「男性に対する人権無視・人権軽視の回避」について。 

                    記                     

 既に今月5日に、総務課のA様から、防災担当者4名の会議の結果であるとして、ご回答
いただいた件ではありますが、その内容を確認し、文書として明確な形で残したいという思
いから、改めて要望書を送らせていただきます。                   
 11月27日に、私からA様に発言させていただきましたように、本年6月7日に、内閣府男
女共同参画局ホ−ムペ−ジの「災害対応」に掲載された記事、「東日本大震災からの復興に関
する男女共同参画の取組状況調査」の45ペ−ジ、図表5-5-1「避難所運営の際に男女共同参
画の視点を反映させた取組」に記された調査項目は、下記のように、そのほとんどが女性だけ
に対する配慮に終始しており、男性に対する配慮、具体的には「男性用更衣室」「男性のニ−
ズの把握(聞き取り、意見箱等)」「男性に対する相談窓口の開設・周知」「男性専用の物干
し場」は完全に欠落しています。因みに、「物干し場」につきましては、私は現在の居住地に
来て約20年になりますが、この20年間、私は、洗濯物を干すときに、自分がスラックスの下に
身につけている1枚の下着を、人に見える場所に干したことは、ただの一度もないのです。
すべて部屋干しです。そういう男性もいるのです。                   

 【図表5-5-1:調査項目】                            
   男女別トイレ。 避難所の運営体制への女性の参画。 女性用物資(生理用品や  
   下着等)の女性による配布。 女性用更衣室。 女性のニ−ズの把握(聞き取り、 
   意見箱等)。 間仕切りによるプライバシ−の確保。 授乳室。 女性に対する相  
   談窓口の開設・周知。 乳幼児のいる家庭用エリアの設置。 女性専用の物干し場。 
   女性に対する暴力を防ぐための措置。 その他                 

 前述のように、図表5-5-1の名称には「男女共同参画の視点を反映させた取組」と書きな
がら、その調査項目には男性に対する配慮が存在しません。この、名称と内実の乖離。それ
は、男性に対する人権無視という倫理的な問題点であると同時に、男女共同参画社会基本法
第3条、そして日本国憲法第14条に抵触する内容であると考えます。          
 この私の発言につきまして、A様は、防災担当者4名の会議の結果であるとして、今後の
災害発生時には、私の発言のような要望を取り入れる形で、つまりは、「女性の人権だけでは
なく、男性の人権にも配慮して」調査項目を設定することを確認したと、回答してください
ました。しかし、人権尊重の原点に立ち帰って考えれば、それは、本来、この調査の開始時
点で考慮されるべき事項であったはずと考えます。男性にも人権はあります。男性の人権を
無視しないでください。本年5月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取
組指針」の4ペ−ジには、「避難生活において人権を尊重することは、女性にとっても、男性に
とっても必要不可欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全を
守ることが重要である。」と記されています。この精神を忘れることなく、真の「男女共同
参画の視点」から、今後の施策が実施されるよう、強く要望します。        

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〖別添え資料−U〗・・・・・今年の8月12日の記事『被災地における、女性の悩み・暴力相談
           事業(4)要望書』に掲載した。ここでは省略する。

                                     (以上)

2014年11月04日

山田昌弘さんの言葉 【その2】

前回の記事では、
ワレン・ファレルの本「男性権力の神話(久米泰介訳.作品社)」に寄せた山田昌弘さんの
推薦文の中から、
冒頭の一節を引用した。
今回は、その全文を、この記事の最後に掲載する。

山田さんの指摘のような、
「女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさは問題にされない」社会の中で、
男性差別が拡大する日本。
私の目から見れば男性たちの多くは、
社会の中で何が起こっているか、まるでわかっていないように見える。
「男女の人権の尊重(注1)」を謳いつつも、
内実はそれに離反するフェミニズム運動の拠点として、
「男女共同参画」局という「美名」の部局を手に入れた似非フェミニストたちは、
その美名で自己中心性を隠蔽するかのように、今日も明日も、
「はじめに結論ありき」の、女性優先・女性優遇・女権拡大の施策を推進する。
「かつて女性は差別されてきた」という言葉は、
恐らくは政治の場でも、奇妙な説得力を持ち続け、
全国津々浦々で、粗雑に、乱雑に使われながら、
男性差別を拡大させていくだろう。
                   (注1)男女共同参画社会基本法第三条

国民の「いのち」の問題について言えば、
内閣府男女共同参画局は、
「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」の名のもとに、
「女性だけに対する」と言って過言ではない健康支援を展開してきた。
厚生労働省は、既に以前より、
「生涯を通じた女性の健康支援」という名の施策を展開してきたが、
第三次男女共同参画基本計画は、それに上乗せをする形で、
第10分野「生涯を通じた女性の健康支援」を設定した。
しかし男性には、それに相当する支援項目がない。
内閣府男女共同参画局は「性差」という言葉を好み、
それを、女性優遇のために使う。
そして、男性は疎外するのである。
たとえば、明白な性差としての「男性の短命」に関わる健康支援は、
女性に対する手厚い健康支援に比べれば、
ないに等しいと言って過言ではない。

内閣府男女共同参画局の自殺対策も同様である。
既にこのブログでも、くり返し現状を提示してきたように、
明白な「性差」としての、「男性に多いの自殺」の問題について、
男女局は、支援の施策を展開していない。
私が、男女局の担当者にこの発言をしたとき、
彼女は「自殺対策強化月間広報啓発経費」の計上をあげた。
しかしそれだけで、自殺対策などと言えるはずもない。
第10分野「生涯を通じた女性の健康支援」に見られる女性に対する配慮に比べれば、
自殺対策としての、男性への配慮は、皆無であると言ってよいのである。

東日本大震災をめぐる災害対応についても、
被災者の男性を疎外、或いは軽視する傾向が、随所に見られた。
自殺デ−タの扱いについては、すでに前回の記事に書いたが、
被災者の生活支援について言えば、
たとえば、昨年、内閣府男女共同参画局から全国に送られた「男女共同参画の視点からの
防災・復興の取組指針」に付属した「解説事例集(注2)」の、
「p.38」「取組事例13」に記された「宮城登米えがおネット」の、女性だけに対する支
援物資の配布。
この記事には、男性に対する支援が全く存在しない。
また、「平成24年男女共同参画白書全体版(注3)」の、「本編 > 第1部 > 特集 >
第2節 被災者の状況・1:避難所の状況」には、「女性だけに与えられた着替え用テント」
の写真が掲載されており、男性のプライバシ−に対する配慮は、完全に欠落している。
要するに被災者の生活と、人間の尊厳に関わる部分について、
これらの記事には、男性に対する配慮が存在しないのである。

 (注2)(注3) どちらも 内閣府男女共同参画局のHP にある。それぞれのURLは次の通り。
 (注2) http://www.gender.go.jp/policy/saigai/shishin/pdf/jirei_01.pdf     
 (注3) http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h24/zentai/index.html 

翻って、
私たちの日常を見れば、
鉄道会社の施策にも、深刻な男性差別が存在する。
鉄道会社は、「痴漢対策」と称して「女性(専用)車両」を設置していながら、
「痴漢冤罪対策」としての「男性(専用)車両」を設置していないのである。
痴漢冤罪被害は、無実の男性の人生を、根底から破壊する。
すでに衆知の通り、原田信助さんは、
痴漢冤罪被害のために、新宿駅で自らのいのちを絶った。

「なぜ女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさは問題にさされないのだろう。」
この、山田さんの言葉の通りの理不尽さが、
日本の社会の、至る所に存在する。

次に、山田昌弘さんの推薦文の、全文を記す。

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ワレン・ファレル「男性権力の神話(久米泰介訳.作品社)」 推薦文
                              中央大学教授 山田昌弘
【生きづらい男性が増えている日本社会のために必要な認識】

 なぜ女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさは問題にさされないのだろう。
本書の著者であるワレン・ファレル氏は、この問題意識から、これでもか、これでもかと、
男性が女性に比べ「生きづらい」例をあげていく。アメリカ社会では、男性の方が7歳も早
く死ぬ。自殺者も多い。戦争に駆り出される、犯罪は厳しく罰せられる。そして、お金を稼
いで妻子を支えるよう仕事をさせられ、企業は男性を使い捨てにする。ファレル氏は、この
ような男性に不利な状況を「ガラスの地下室」と呼ぶ。ガラスの天井とは、女性が経済的に
活躍したくて上を目指しても見えない壁に阻まれてしまうことを言う。一方、ガラスの地下
室は、いつのまにか見えない壁で囲まれていて、そこから出られなくなってしまう状態を表
している。しかし、男性には権力があると言われていることで、それ自体、問題にされるこ
ともない。
 読んでいて、この状況は、アメリカよりも日本によく当てはまるのではないかと思ってし
まう。日本でも、男性の平均寿命は女性より7歳短く、自殺率は高い。何よりも「男性が妻
子を養うべき」という意識は、アメリカ以上に強い。2012年の内閣府の国民生活に関する
世論調査によると、生活満足度の質問では、生活に満足していると答えた人の割合は、20代
女性の年齢層で最高で75%、最低は、50代男性で、50%である。平均小遣い額も、年々、
低下を続け、既婚男性では昼食代を含め月約3万円である。学生が、自分の小遣いよりも少
ないと驚いていた。そして、収入が低い男性は、結婚相手として選ばれないし、離婚されや
すい。また、近年そのような男性が増えているのである。確かに権力をもって、それを十分
に使い優位に立っている男性もいるだろう。しかし、権力をもっていると言われながら、社
会的に生きづらい男性が増大していることは確かなのだ。
 ファレル氏は、だから、女性差別はこのままでよいとか、昔に戻れと主張するわけではな
い。今までの運動が、近代社会で生きづらい女性を生きやすくするための運動であったなら、
今後は、男性を生きやすくする男性運動が求められている時代であることを強調する。本書
は、アメリカについて書かれたものだが、むしろ、生きづらい男性が増えており、「男は強い」
という考え方が残り続けている日本社会でこそ、本書で展開されている状況の理解が必要で
はないだろうか。


posted by 翠流 at 23:32| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする