2013年10月13日

投稿原稿−1 ・・・ 「男女共同参画」に翻弄される日々 【1】

このブログの、主に、次の三つの記事をまとめて、加筆・修正し、
『「男女共同参画」に翻弄される日々』と題して、
地方の、ある団体の、季刊誌(手製)に投稿することにした。
     「男性更衣室・・・退会」
     「裏切りの男女共同参画」
     「防災・復興の取組指針・・・案から指針へ」
以前の私にしてみれば、投稿など、まるで考えてもみないことであったが、
予期せずして現れた、「誰かに伝えたい」という思いの帰結である。
投稿にはペ−ジ数制限があるということで、不本意ながら、原稿を2分割せざるを得なくなったが、
前半は、既に7月に投稿し、8月に掲載済み。後半は、今月投稿、11月掲載の予定である。
今回は、とりあえず、ここに前半を掲載する。

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「男女共同参画」に翻弄される日々 【1】
                                       ( 翠 流 )
1.はじめに

 私は長い間、大手スポ−ツクラブ「K」の全国会員であったが、2年前、ある支店の男性更衣室に「女性」清掃員が入る問題が解決されなかったために、Kを退会して、地方法務局の人権擁護課に、人権救済の申し立てをした。当時の人権擁護課の課長さんは、私の申し立てに共感的な理解を示し、次のような判断をしてくださった。         

       (翠流)さんのおっしゃることはよくわかる。Kスポ−ツクラブの対応は、    
      あなたが男性であるが故に行われた、「不当な性的偏見に基づく人権侵犯、    
      ジェンダ−ハラスメント」だ。                  

 地方法務局は、この合意に基づいて調査・検討に入る。しかしそれから半年の後、私のもとに送られてきた「処理結果」は、私の期待を裏切るものであった。文書には次のように記されていた。                                

       平成23年6月17日に貴殿から申告のありました、スポ−ツ施設における     
      性的偏見に基づく男性利用者の不当な扱いにつきましては、調査の結果、     
      人権侵犯の事実の有無を確認することができず、平成23年11月28日に、
      侵犯事実不明確の決定をしました。            

 この不当な処理結果について、私は、それが「行政処分ではない」という理由によって、「不服申し立て」をすることができなかった。「人権侵犯事実不明確」の理由を知るために開示請求も行ったが、開示されたのは私の発言や行動に関わる部分だけで、肝心の理由に関わる部分は、すべて黒塗りであった。                     
 理由を知りたいという強い思いで食い下がる私に、あるとき課長は、つぶやくように言った。「先例になってしまうからですよ・・・・・」。課長は、「上の職員とも相談した」と言った。そしてその職員は、法務省の人権擁護局の職員のようであった。
 この件があってから、私は、男性の人権擁護に取り組む団体を探すようになり、いくつかの契機から、内閣府男女共同参画局の施策に関心を持つようになった。例えば、災害対応、ポジティブ・アクション、男女共同参画分野別予算。そして私は、次第に、「男女共同参画」という「美しい言葉」の背後に、実は、あたかもその「美名」に隠されるかのようにして、男性に対する人権軽視、人権無視、差別が存在すると、日を追うごとに強く、感じるようになってしまった。                          
 ポジティブ・アクションと分野別予算については後述するが、災害対応については、上の処理結果が届いた頃、私は気になるニュ−スを聞いた。それは、ある女性団体が、内閣府に対して「災害時の、女性に対する配慮をまとめよ」という要望を出したというニュ−スであった。私はこれを聞いたとき、直感的に、災害対応マニュアルに「男性に対する、人権・プライバシ−の無視、軽視」が現れると思った。そして、この予測は、今年の3月に、見事に的中してしまうのである。                       
 内閣府男女共同参画局は、3月28日に「男女共同参画の視点からの防災・復興の取り組み指針(案)」(注1)を公開し、その意見交換会を行った。私は、内閣府に、いくつかの問い合わせの電話をする中で、偶然それを知った。参加希望を出した私に、交換会の前夜、メ−ルの形で指針(案)が送られてきた。私はそれを読んで非常にショックを受けるのである。なぜここまで、私の予測が的中しなければならないのか。今はもう、全国津々浦々にまで根を下ろした「男女共同参画」という「美しい」はずの言葉、その頂点に位置し、しかも日本国憲法第14条・第13条、そして、男女共同参画社会基本法第3条の直下にあるはずの内閣府男女共同参画局が、なぜここまで、男性の人権に対する配慮のない、軽率な指針(案)を出すのか、出せるのか、私は全く理解できなかった。指針(案)の、基本的な考え方に関わる部分については、誰かの批判で後から機械的に挿入されただけだろうと私は推測しているが、不安が溶けて消えてゆくような、次のような文章はあったのである。

      避難生活において人権を尊重することは、女性だけでなく、男性にとっても     
     必要不可欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全
     を守ることが重要である。              

 ところがこの精神は、各論の、例えば「避難所」のような、人権・プライバシ−との関わりの強い部分では、全く生きていかった。文章は、女性に対する配慮ばかりに終始し、男性に対する配慮は、完全に欠落していたのである。                
 しかし幸いなことに、この「片目の」指針(案)は、提示後の意見募集の期間を経て、男性に対する配慮を付け加える形で修正され、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取り組み指針」(注2)として5月30日に提示された。しかし、「解説・事例集」(注3)には、「指針」に従って修正しきれていない部分があり、もしも現場がそれを使えば、紛れもない「男性に対する、人権・プライバシ−の無視、軽視」が現れると予測されるのである。私は先日、内閣府と各都道府県・各政令指定都市の男女共同参画部局すべてに、この件について、意見書や要望書を送った。しかし、なぜ私がそんなことまでしなければならないのか。本来ならば、内閣府男女共同参画局が、「解説・事例集」の、指針と矛盾する部分を直ちに修正して、全国に送るべきはずなのに・・・・。             
 今、この文章を読んでくださっている方の中には、私が「男性」であるが故に、私の主張に違和感を感じる人がいるのかもしれない。しかし私の立場からすれば、それこそがまさに、私が「男性であるが故に与えられる、不当な性的偏見」なのである。そして、その偏見は、災害対応の問題だけではなく、生活の様々の場面で、日常的に、私に強いストレスを与え、私を翻弄し続けている。                        
 人間の感受性は多様である。人間を「男性」と「女性」に分け、単純化して論ずる二項対立的な視点では、説明しきれない多様性が、人間の社会にはある。比較的独立性が高いと思われる個性としては、LGBTのような人たちの存在があり、例えば、性同一性障害の人たちの性別適合手術の合法化のような人権尊重の気運は、非常に大切な希望だと私は思うが、人間の個性は、勿論そういう比較的独立性の高い人たちだけにあるわけではなくて、私たち人間の社会の中に、グラデ−ションを形成しながら、多様性として存在するのである。そして、人権の尊重には、その多様性の認識が不可欠であると私は思う。以前、人権問題の講演を聞きに行ったとき、ある講師が「差別撤廃運動は、差別された人たちの中から始まる」と言った。そして今の私は、その言葉を思い出しながら、多様性の中の、ある位置から、被差別者としての自分を意識して、この文章を書いている。     
 これから私がここに載せる文章は、3月の「指針(案)」提示から5月の「指針」提示までの間に、私が、自分のブログの原稿として綴った文章を、修正、加筆したものである。「男女共同参画」という「美しい言葉」に、人権尊重の希望を与えられるのではなくて、逆に、不安と疑念の中で、翻弄される私の文章である。ポジティブ・アクションと分野別予算に関わる疑問も含めて、私はそれを、誰かに聞いてほしいと思い、投稿させていただくことにした。

2.男女共同参画に翻弄される日々                  

(1)眠られぬ夜                                

 今年の3月下旬のことであるが、内閣府男女共同参画局が公開した「防災・復興の取組指針(案)」、正しくは、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の内容が、特にプライバシ−等の人権に関わる問題について、男性に対する配慮をあまりにも欠いていたために、私は、しばらくの間、そのショックから抜け出すことができず、「いのちの電話」の頻回通話者となっていた。酒を飲みながら、つながらない「いのちの電話」に、くり返しくり返し電話をかけ、数時間の浅い眠りの後に、また同じことをくり返す。運良くつながるも、相談員の対応に満足できず、白々と夜が明けるまで電話をかけ続ける日々が続いた。この間、もしかするとストレスによる疲弊もまた発病の一因となって、私は食事がとれなくなり、わずかの期間に体重が4s減った。このような痩せかたをしたのは、私には初めてのことである。指針案の具体的な内容については、その一部を、この文章の最後で取り上げるが、月があけて1週間程経って、私はようやく疲弊から抜けはじめ、男女共同参画局に、指針案に対する意見を送れるようになった。最後の意見を送ったのは、締切の前日である。                               

(2)逆差別                                  

 ところで私は、つい最近まで、「男女共同参画」という言葉を、好感を持って捉え続けてきた。私は、社会に存在する多様な人たちの人権が、憲法第14条と13条のもとで、或いはそれ以前に、人間としての平等の観点から、最大限に尊重される社会にならなければならないと考えてきた。だから私は、自分を男女平等論者と言ってよいのである。そして私は、この位置で捉えた「男女共同参画」という「美しい」言葉に、憲法に背く、いやそれ以前に、人間としての倫理に背く、男性差別が隠されているなどとは夢にも思っていなかった。ところが、私は、先に記したきっかけから、男性の人権擁護に取り組む団体を探して「ある団体」にたどり着き、「ポジティブ・アクション」の存在と、そこに潜む男性差別を知るようになる。何をもって具体的なポジティブ・アクションとするかは、個人や団体によって解釈や主張が異なるようではあるが、例えばそれが、女性の就労支援のための、保育環境の整備のようなアクションであるならば、それは必要なことなのである。ところが、とりあえず「似非フェミニスト」という言葉を使わせていただくが、そういう人たちは、採用や昇進等にあたって、女性にゲタをはかせる形の、女性優遇の、つまりは男性差別の選考を企図し、それは、これからだけではなくて、実はもう、既に行われてきたことのようでもあるのだ。例えば、「女性国家公務員の採用・登用の現状等:人事院」に記されたグラフ、「T種試験事務系(行政・法律・経済)区分の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合(昭和63年から平成22年まで)」(注4)を見ると、平成14年以降、採用者に占める女性の割合は、毎年、明らかに、合格者に占める女性の割合より高くなっている。この事実から、採用に関わる面接等の段階で、関係各省庁が、女性優遇の、つまりは男性差別の選考を行ってきた可能性を指摘できるのである。この件について、私の質問に答えたある職員は、「女性が面接で優秀だったからだ。」と答えた。しかしそれは、そういう発言で隠蔽可能な領域で、女性優遇採用が行われてきた結果であると、そういう見方もまた、可能なのである。                      
 「似非フェミニスト」たちは、過去の女性差別による不利益を言い訳にして、女性優遇のポジティブ・アクションを、男性差別ではないと正当化しようとする。しかしたとえば、採用試験の結果が、合格や採用のラインに達している男性が、「男性である」という理由によって不合格や不採用となり、ラインに達していない女性が、「女性である」という理由によって合格や採用になるとすれば、それはまさに、裁かれるべき不正入試と同じではないのか?、ましてや今は就職難の時代、昨年の春、「就職活動に失敗して自殺する学生が増えた」という警察発表のニュ−スが流れたが、その8割から9割が男性なのである。この事実が、たとえポジティブ・アクションと無関係であったとしても、自殺の道を選んでいった男性は、口には出さなくても、「男性」である責任を重く背負っていたのではないかと私は思う。そういう男性の特性を思うとき、私には、女性優遇採用としてのポジティブ・アクションが、二重の罪を背負う存在に見えるのである。しかし今の日本には、既にそれが、政治戦略としても使われるようになってしまった現実があると思われ、それが一層重く心にのしかかるのである。過去の女性差別の責任を、女性優遇、男性差別という形で、現在の男性に負わせるポジティブ・アクション。それは、「ある団体」の言葉を借りれば、「時空を越えた連座制」であって、差別の加害者ではない現在の男性に対する加害という側面を持つ。そしてそれは、差別撤廃運動の過程で現れる逆差別そのものであって、「報復」を是認し、「報復の連鎖」を誘発するアクションだと思う。      
                                         ( 続 く )
【インタ−ネット.検索項目】
(注1)内閣府男女共同参画局.災害対応.防災・復興の取組指針.「男女共同参画の視点からの防災・
   復興の取り組み指針(案)」についての意見募集.1:意見募集対象.「男女共同参画の視点から
   の防災・復興の取り組み指針(案)」
(注2・3)内閣府男女共同参画局.災害対応.防災・復興の取組指針.「男女共同参画の視点からの防
   災・復興の取り組み指針」
(注4)「女性国家公務員の採用・登用の現状等:人事院」「T種試験事務系(行政・法律・経済)区分
   の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合(昭和63年から平成22年まで)
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2013年10月22日

投稿原稿−2 ・・・ 「男女共同参画」に翻弄される日々 【2】

投稿原稿の後半を掲載する。
原稿中の「(3)いのちの重さ」は、5月29日に掲載した「裏切りの男女共同参画」の関連部分を見直し、加筆したものである。視点は同じであるが、改めてお読みいただければ幸いと思う。

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 「男女共同参画」に翻弄される日々 【2】
                                          ( 翠 流 ) 
      (読んでくださる皆様へ ・・・ 11月25日:記)
          投稿先の編集部のご厚意を得て、季刊誌では、下記の【はじめに】を「先号の内容
         :要約」に置き換えた。しかしこのブログでは、読みやすさを考えて、【はじめに】は
         そのまま残し、この原稿の最後に、置き換えた「先号の内容」を掲載する。

【はじめに】
     投稿にはペ−ジ数制限があるとのことで、不本意ながら原稿を二分割せざるを得なくなった。
    今回の記事だけを読んでくださる方には、私の思いは伝わりにくい。もしも、先号の「男女共同
    参画」に翻弄される日々【1】から読んでいただけるようであれば、幸いと思う。
     なお、今回の記事の(3)(4)は、先号の2-(1)(2)と共に、先号に記した「男女共同参画の視点
    からの防災・復興の取組指針(案)」が公開された3月28日から、指針(案)が修正されて、5月31
    日に「指針」が公開されるまでの間に、私が、私のブログに「裏切りの男女共同参画」と題して
    綴った記事を、加筆・修正しながらまとめたものである。

(3)いのちの重さ

 災害対応やポジティブ・アクションの問題とあわせて、もう一つ、最近気になっていることがある。それは、内閣府男女共同参画局の分野別予算(注5)。健康支援の分野項目である第10分野は、その名称が「生涯を通じた女性の健康支援」となっており、男性に対しては、これに相当する「健康支援の分野項目」が存在しない。第三次男女共同参画基本計画(平成22年12月17日閣議決定)(注6)に記された、第10分野の「基本的な考え方」には、冒頭に、「男女が互いの身体的性差を十分に理解し合い、人権を尊重しつつ、相手に対する思いやを持って生きていくことは、男女共同参画社会の形成に当たっての前提と言える」という、はなはだ妥当な平等の理念が記されているが、しかし続いて「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」という視点が登場し、女性に対する健康支援の重要性だけが強調される。具体的には、「特に、女性は妊娠や出産をする可能性もあるなど、生涯を通じて男女は異なる健康上の問題に直面することに男女とも留意する必要があり」、「こうした観点から、子どもを産む・産まないに関わらず、また、年齢に関わらず、全ての女性の生涯を通じた健康のための総合的な政策展開を推進する」という、女性に対する手厚い配慮である。しかし一方で、10分野の名称を考えれば差別的必然ということになろうが、男性が抱える健康上の問題、具体的には、毎年、明らかな「性差」のある「男性の短命」に関わる様々の問題、たとえば、国民の死亡原因の第1位である悪性新生物の、1位から4位までを占める男性のガン(肺ガン・胃ガン・大腸ガン・肝臓ガン)(注7)等に関わる予算項目は、10分野にも、他の分野にも存在しないのである。
 10分野の「基本的な考え方」は、「男女の性差に応じた健康を支援するための総合的な取組を推進する」という文章で終わる。しかし、支援の実態は、上記の如き男性軽視である。10分野の小項目としては「生涯を通じた男女の健康の保持増進」があるが、ここには、23年度も24年度も予算は計上されていないし、第三次男女共同参画基本計画の、この項目に関する「具体的施策」を読めば、女性に対する手厚い配慮の一方で、男性に対する健康支援の軽視は、歴然としているのである。予算小項目中の「ガン検診推進事業」に対応する「具体的施策」には、乳ガン・卵巣ガン・子宮ガンと併せて、前立腺ガンも対象と記されているが、厚生労働省への問い合わせによれば、前立腺ガンは、PSA検査の特質のためか、支援の対象にはなっていない。
 要するに、「第三次男女共同参画基本計画」の健康支援の予算は、「男女共同参画局」と言う名の部局が、あたかも「女性支援センタ−」であるかの如く、その大部分が、妊娠出産や女性生殖系のガン検診推進等のような女性支援に費やされており、視点が、国民全体の健康支援になっていない。もっとも、もしも仮に、厚生労働省を始めとする関係省庁の、今までの、健康支援に関わる予算配置に不備があり、女性に対する健康支援の不足、たとえば以前から「生涯を通じた女性の健康支援」に取り組んできた厚生労働省の母子保健課が、冷遇されてきたというような実態があるのならば、その不備の補填としての第10分野の内容は理解できるが、果たして今の日本で、そのような実態があったのだろうか。
 心の健康の問題として、自殺対策も気にかかる。男性に自殺が多いことは、短命と同じく世界的な傾向であるから、世界的な配慮が必要であると思うが、日本の場合、第三次男女共同参画基本計画が閣議決定(平成22年)される前年までの約10年間、男性の自殺者数は、毎年、女性の約2.5倍に達している(注8)。自殺対策としては、第3分野(男性、子どもにとっての男女共同参画)に、自殺対策強化月間広報啓発経費があるが、それが唯一であり、施策の文章表現を含めて、第10分野の女性支援と比べれば、男女の間には、あまりにも大きい落差があると感じられるのである。
 男女共同参画局は「女性支援センター」ではない。「男女共同参画局」なのである。名称と施策の乖離、憲法第14条や男女共同参画社会基本法第3条との乖離を生じないように、男女の人権、すべての国民の人権を、等しく尊重する視点で施策を行う責任があるはずだろう。現在の健康支援は、女性支援に偏りすぎた、自己中心的なフェミニズムの色彩が強すぎると思う。

(4)人権侵犯                        

 3月28日に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」に戻れば、「指針(案)」の「避難所の開設」等の項目には、女性に対しては、更衣室設置をはじめとするプライバシ−への手厚い配慮が記されていたが、男性に対しては、その配慮は皆無であった。この「男性に対するプライパシ−無視」の件について、私は、地方法務局の人権擁護課でも触れ、仮に私が被災して避難所にたどり着いたとき、女性には更衣室が用意されているのに、私に対しては、「あなたは男性だから更衣室はない」と言われれば、私は、そう伝えた人間を殴るかもしれないと、人権擁護課の新任課長に言った。そのとき課長は、もっともらしい顔をして、「(翠流)さん、どんなことがあっても、暴力は絶対にいけないんですよ・・・・・」などと言った。心を受け止める術を知らない、鈍感すぎる新任課長、あなたが「人権擁護課」の課長であるならば、もっと選ぶべき言葉があったはずなのに・・・・・。被災という極限状況の中で、心身ともに疲弊して辿り着いた避難所で、女性だけに更衣室が与えられて、私は、自分が男性であるが故に、上半身でも嫌なのに、下半身までも、更衣室のない状態で着替えをしろというのか。それで人間としての尊厳が守れるというのか。人間の感受性は、男と女を二項対立的に捉えるような、単純化された論理で説明しきれるものではない。感受性は、人間の集団の中に、グラデ−ションを形成しながら多様性として存在する。男性の中には、更衣室がなくても平気で(?)着替えができるような人がいるのだろうか? しかし少なくとも私はそうではない。私のような男性のために、男性更衣室を作ってほしい。更衣室は、女性の犯罪被害防止だけのために作られるものではない。更衣室は本来、プライバシシ−を守るために、人間としての尊厳を守るために作られるものだ。もしも私が、そういう思いを、男性であるが故に我慢しなければならないとすれば、それはまさに、不当な性的偏見に基づくジェンダ−ハラスメント、人権侵犯という「暴力」ではないのか。
 それにしても、憲法直下の、そして、男女共同参画社会基本法直下の、すべての国民の人権を守る立場に立たなければならないはずの内閣府男女共同参画局が、どうしてあのような、避難所での、男性に対するプライバシ−無視の、そして、女性に対しては限りなく手厚い配慮に満ちた片目の指針案を、提示することができたのだろう。指針(案)の実態は、意見交換会の日に配られた「解説・事例集(案)」(注9)を見ればさらに歴然とする。例えば、p.73「避難所チェックシ−ト」には、「女性や子育てに配慮した避難所の開設」というチェック項目があるが、男性のプライバシ−に関わる配慮項目は完全に欠落している。また、p.72の「備品チェックシ−ト」には、「女性用下着」はあっても「男性用下着」はない。女性には清潔な新しい下着を配るが、男性は汚れたままの下着で生活しろというのか。そして、つい最近になって気づいたのであるが、p.78には、昨年の9月6日に決定してしまった「防災基本計画(中央防災会議決定)(抄)」(注10)があり、その「第2編、第2章、第5節−2【.避難場所】(2)避難場所の運営管理」には、もう既に、今回の指針(案)を拘束したと思われる文章、つまりは、女性に対しては限りなく手厚い配慮に満ちながら、しかし男性に対しては、人権、プライバシ−に関わる配慮を完全に欠落させた、片目の文章が記されているのである。私はその背後に、自己本位の女性団体の、存在と圧力を感じる。そして中央防災会議は、そういう女性団体の、男性には全く配慮しない片目の要求を、そのまま受け入れてしまったのではないか。しかし、たとえその「防災基本計画」の拘束性を考えたとしても、男女共同参画局は、「避難所の開設」に、男性に対する配慮を付け加えることはできたはずなのである。しかし、男女共同参画局はそれをしなかった。もしも、指針(案)の(案)の文字がとれた段階で、この事実に改善がなければ、私はどうすればよいのだろう。裏切りの男女共同参画。人権、プライバシ−に対する配慮は、人間としての尊厳に関わるというのに、男性に対しては配慮をしない男女共同参画局。その指針は、実際の被災の場面で、男性に対して「不当な性的偏見に基づく人権侵犯」を発生させる。私はその「暴力」を許せない。

3.追記

 ここまでが、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」が公開された3月28日から、「指針」が公開される5月31日までの間に、私が、自分のブログの記事として綴った文章を、加筆・修正しながらまとめたものである。幸いなことに、「指針(案)」は、意見募集の期間を経て、男性の人権・プライバシ−に対する配慮を付け加える形で修正されたが、その「解説・事例集」には、今も、「指針」と整合性を欠く、男性に対するプライバシ−無視が残されている。しかしそれでも「指針(案)」は変わったのである。私は、それを知るまで、もし改善がなければ、捨て身のような思いで、内閣府男女共同参画局を提訴しようと思い、情報収集を始めていた、裁判のことなど右も左もわからない私は、地元の弁護士会の無料電話相談に問い合わせをしたり、東京弁護士会や日弁連のホ−ムペ−ジを開いたり、電話で問い合わせをしたりしていた。「あなたがしようとしている訴訟は行政訴訟でしょう。行政訴訟は私にはできない。それを得意とする弁護士を探さなければ・・・」という、ある弁護士の言葉。或いは、「(翠流)さんが考える訴訟は、二つの条件のいずれかを満たさなければ成立しないのかもしれない。(翠流)さんの場合、果たしてその条件にあてはまるかどうか・・・」という、今はもう、感受性の溝を感じて、関係の断裂を意識するようになってしまった地方法務局のある職員の言葉。裁判に無知な私が、憲法第14条・13条、そして男女共同参画社会基本法第3条の直下にあるはずの、内閣府「男女共同参画」局に対して、なぜ提訴を考えなければならなかったのか、なぜそのような現実が現れなければならなかったのか、私は今も、全く納得できないのである。指針(案)の意見交換会の日、男女共同参画局の担当者は「有識者の意見も聞いた」などと言った。しかし、いったいどんな有識者であったのか。私はこの発言を思い出して、今も、あきれるばかりなのである。
 ところで、政治の舞台に明確な姿を現すようになった「ポジティブ・アクション」に関わって、5月に「女性管理職50%」を数値目標として掲げたイオンは、7月に、女性登用を推進する「ダイバ−シティ−推進室」なるものを設置したのだそうだ。それが、女性の就労環境の整備を行うのならよいが、実力主義であるべき昇進が歪曲されて、不当な男性差別の、女性優遇昇進が企図されるのではないかと危惧している。教育の機会均等が保証されている今の日本にあって、採用や昇進にあたって配慮されるべきものは、憲法に則った機会平等と平等な選考であるはずと考えるが、女性優遇を正当化するかの如き詭弁が、様々の場面で弄されている。以前、九州大学数学科には、入試に女性枠を導入しようとする計画があったが、その、男性に対する差別性が批判されて、廃案になったと聞いた。同様の働きかけが、女性優遇としてのポジティブ・アクションに対しても行われ、男性差別は駆逐されなければならないと思うのだが、そういう「正論」が、逆に、巧みな詭弁によって駆逐されてしまうかの如き「逆差別」が、日々進行する時代になってしまったような気がする。
 ところで、昨年は、年間の自殺者数が3万人を割った。しかし、男性の自殺者が多いことに変わりはない(注11)。特に、経済生活問題が原因の自殺者は、その約9割(89%)を男性が占める(注11から算出)。更に細分化された項目を年齢別に別に見れば、20代で就職の失敗が原因で自殺をした149名のうち、130名が男性なのである(注12)。こういう現実を、内閣府の男女共同参画局や、自殺対策推進室は、どのように捉えるのであろうか。雇用情勢が今も厳しい現実の中にあって、自分が「男性である」ことの呪縛から逃れられない男性が背負わなければならない現実は、男性差別を孕むポジティブ・アクションと、全く別の世界にあるわけではないだろうと私は思う。

【インタ−ネット.検索項目】

(注5)内閣府男女共同参画局.男女共同参画に関係する予算.平成24年度予算の概要.平成24年度
   男女共同参画基本計画関係予算額(分野別内訳表)(表の単位は千円)
(注6)内閣府.第三次男女共同参画基本計画
(注7)第3次男女共同参画基本法が閣議決定(H22)される前の5年間(H17〜21)の、次の統計資料
   による。・・・・・ 厚生労働省.統計情報・白書.各種統計調査.厚生労働統計一覧.人口動態調査.
         統計表一覧.確定数.死亡.年次.2012(H24)
(注8)警察庁生活安全局生活安全企画課.「平成21年中における自殺の概要資料」を用いて算出.    (注9)先号の(注1:下記)で検索した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針指針(案)」
   の下に(参考)として記されている。1〜4のPDF形式。     
    ・・・・・(注1)内閣府男女共同参画局.災害対応.防災・復興の取組指針.「男女共同参画の
         視点からの防災・復興の取り組み指針(案)」についての意見募集.1:意見募集
         対象.「男女共同参画の視点からの防災・復興の取り組み指針(案)」  
(注10)内閣府男女共同参画局.災害対応.防災・復興の取組指針.「男女共同参画の視点からの防災
   ・復興の取組指針」.(解説・事例集)の、2【PDF形式】      
(注11・12)内閣府.共生社会政策.自殺対策.自殺の統計.各年の状況.平成24年の状況.付録1
   (年齢別、原因・動機別自殺者数)・・・・・ 内閣府の自殺統計は、警察庁のデ−タをもとに作成
   されている。
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【先号の内容】・・・ 上記の【はじめに】と置換した文章。

 投稿にはペ−ジ数制限があるとのことで、不本意ながら原稿を二分割せざるを得なくなった。後半だけを読んでくださる方には、私の思いは伝わりにくい。できるなら、先号の「男女共同参画」に翻弄される日々【1】から読んでいただきたいと思うが、必ずしもそうはいかないだろう。だから私は、ここに、先号の内容を要約させていただくことにした。
 私が男性の人権問題に取り組むようになってから、もうすぐ二年半になるが、その契機は、ある大手スポ−ツクラブの男性更衣室で、私に対してなされた人権侵犯、詳しくは、私が「男性であるが故に与えられた不当な性的偏見に基づく人権侵犯」であった。尤も、それが「人権侵犯である」と認定してくださったのは、地方法務局の人権擁護課であって、半年の後には、この判断が、「人権侵犯事実不明確」に退行して私のもとに連絡された。私は、当時の人権擁護課の課長との接触の中で、判断を覆したのは、東京の法務省の職員であろうと推測している。(先号「1.はじめに」前半)
 この件があってから、私は、男性の人権擁護に取り組む団体を探しながら、内閣府男女共同参画局の施策に関心を持つようになったが、その男女局が、今年の3月28日に、私にとっては、まさに「男性であるが故に与えられる不当な性的偏見に基づく人権侵犯」そのものであるかのような、男性に対するプライバシ−無視の「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」を公開したのである。それから約10日間、私は、精神的に非常に不安定な状態にあった。それが、先号の「2.男女共同参画に翻弄される日々」の「(1) 眠られぬ夜」である。プライバシ−無視の内容については今回の記事で触れるが、それは、私にとってみれば、「男女共同参画」という「美名」とは、とても結びつくはずのない内容であった。
 「美名」と施策の乖離は、「防災・復興の取組指針(案)」だけではなく、実は、様々な場面に存在すると、私は、裏切られながら、次第に強く認識するようになってしまった。例えばその一つ、採用・昇進にあたって、女性に「ゲタをはかせる」形の女性優遇採用・女性優遇昇進は、既に政治の表舞台に姿を現し、今、日本中を揺り動かしている。この「ポジティブ・アクション」に関わる記事が、先号の「2−(2)逆差別」であった。
 ところで私は、上に書いた「男性の人権」に関わって、人間の「感受性の多様性」について発言しておかなければならない。わかりやすい例をあげれば、性同一性障害の人たちの性別違和感は、多様性の一つの典型であると思うが、その人たちの人権が、性別適合手術の合法化によって尊重されるようになったのは、非常に大きな進歩だと私は思っている。そして、同様の配慮が、「典型」の人たちだけではなくて、男性と女性の間に広がる、感受性のグラデ−ションの領域に対しても、なされなければならないというのが、私の主張である。多様な感受性は、「男性」と「女性」を二項対立的に捉えるような単純な視点では説明しきれない。二項対立論の単純さは、人権軽視、人権無視、人権侵犯を生む。そして、「防災・復興の取組指針(案)」の、男性に対するプライバシ−無視は、まさにその典型のようであった。たとえば、指針(案)の「避難所の開設」の項目には、女性に対しては、更衣室設置をはじめとするプライバシ−への手厚い配慮が記されていたが、男性に対しては、その配慮は皆無だったのである。このような発言をすると、私が男性であるが故に、この主張を否定的に捉える人がいるだろう。しかしそれこそがまさに、「男性であるが故に与えられる不当な性的偏見」なのである。ジェンダ−フリ−と言われつつも、「男性である」が故の呪縛、圧力、偏見が、社会には、根強く存在する。それを破壊して、多様性の認識のもとに、すべての人の人権を尊重するという確かな視座を、日本の社会に確立してほしいという願い、それが、この文章を投稿するに至った私の契機の、重要な一つである。性的偏見は、日常の中に、様々な形で存在する。別の例を一つあげれば、私は、自分が男性であるが故に、長い間、心の底に封印し続けなければならなかった本当の自分を、今から18年前、あることを契機に引き出して、モダンダンス(モダンバレエ)の世界に足を踏み入れたが、それは、小心な自分や、私を取り巻く人たちの偏見との、怯えながらのたたかいであった。それは、私に言わせれば、まさに、ジェンダ−の呪縛の悲惨なのである。
 以上が、先号の内容と、それに関わる事項である。今号は、男女共同参画という美名と施策の乖離として、3例目の、「健康支援」に関わる記事、「2−(3) いのちの重さ」から掲載する。先号を含めて、「2−(1)(2)(3)(4)」は、「防災・復興の取組指針(案)」が公開された3月28日から、指針(案)が修正され、5月31日に「指針」が公開されるまでの間に、私が、私のブログに、「裏切りの男女共同参画」と題して綴った文章を、加筆・修正しながらまとめたものである。
posted by 翠流 at 02:14| Comment(0) | 投稿原稿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月03日

投稿原稿-3 ・・・ 男性の人権を守るために 【1】

投稿は、これで3回目となる。
投稿先は、昨年の『「男女共同参画」に翻弄される日々』と同じで、
地方の小さな団体の、「●●●の窓」という季刊誌である。
社会的影響力など、ないに等しいと思うが、
ほかに、投稿先があるわけでもない。
要するに自分の思いを、ブログ以外にも発信したいという思いの帰結である。

今回は、主に以下の内容を取り上げた。
このブログを読んでくださっている方には、内容の重複があり、申し訳ないが、
投稿原稿ということで、ご容赦いただきたいと思う。

     「内閣府男女共同参画局と安倍晋三の施策」
     「女性専用車両問題」
     「企業の女性優遇営業戦略」
       ・・・ レディ−スデ−・施設拡充の男性差別・トイレの男性差別

ところで近況報告であるが、
私は先日、カフェ・ド・クリエの、新宿東新ビル店に行った。
そのときの、トイレの不利益について、東京法務局に人権侵犯被害の申告をする予定。
他にも、地方法務局に、被害申告が2件、
それは、ファミマ・レディ−スデ−と、セブンイレブンのトイレに関わる被害申告。
どなたかに、「徒労」と言われる気がするが、
ほかに、取るべき手段を思いつくわけではない。
とにかく「声」は、あげなければ「声」にならない、という思いの帰結である。
以前、記事「男性更衣室(1)」に関わって、ある弁護士さんから、
「世論の高まりが必須である」という意味の話を聞いたことがある。
同一案件について、「無数」に近いような人の「人権侵犯被害申告」があれば、
それは、「世論の高まり」として評価されるのだろうか?

ところで先日、私は「ステ−キのどん」に行った。
「どん」は、10月29日の「肉(29)の日」を、レディ−スデ−にするのだそうだ。
内容は、「女性同伴なら」、会計総額から29%の割引。
仮に一人1000円のランチを食したとすれば、
一人710円の支払いとなる。
10月に一日だけのレディ−スデ−でとはいえ、
290円の割引は、かなりの額と私は思う。

詳しくは、「ステ−キのどん」のHPに記されている。
とりあえず、連絡まで。

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【投稿原稿】・・・ 男性の人権を守るために【1】

1.現状認識

 昨年私は、この「●●●の窓」に、「男女共同参画に翻弄される日々」と題した文章を、
2回に分けて掲載させていただいた。今回も、投稿の所以は同じ内発性によるものであ
るが、私の関心事は、男女共同参画の枠を越えて広がっており、題名を「男性の人権を
守るために」と変えざるを得なくなった。

 ふり返れば、昨年記したKスポ−ツクラブの件や、震災対応をめぐる女性団体の要請
行動の報道がなかったならば、私は恐らく、内閣府男女共同参画局(以下「男女局」と
略す)に関心を持つことはなく、「男女共同参画」という美名と乖離した施策が、憲法第
14条(法の下の平等)、更には、男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)
を擁するこの日本で、平然と進行していることになど、気づくはずはなかったと思う。

 私の捉え方からすれば、内閣府男女局の施策は、むしろ国民の前に顕在化しにくい形
で、その美名によって男性差別を隠蔽しながら進行してきたように感じられる。男女局
は本来、その名の通りの「男女共同参画」を推進する部局でなければならないはずであ
るが、既に昨年の投稿文にも具体例を記したように、現実には、「男女共同参画社会基本
法第3条」に明らかに抵触すると思われる施策が目立ち、内閣府男女局は、あたかも、
美名で本質を隠した、自己本位のフェミニズム運動の拠点であるかの如き存在であると、
私は感ぜざるを得ない状態になってしまった。要するに、その施策は、女性差別の解消、
男女平等の実現を逸脱して、女性優先・女性優遇・女権拡大の方向に向かう。そしてそ
の運動が、あたかも、正当、そして合法であるかの如き詭弁が、例えば「男女共同参画
社会基本法第2条」に記された「積極的改善措置(ポジティブアクション)」の悪用の
ような手法によって展開されていると感じるのである。その事例を、最近のニュ−スか
ら拾えば、恐らくは、内閣府男女局に端を発したポジティブアクションの、延長線上に
あると思われる安倍晋三の女性優遇政策の一つとして、今年の、9月13(土) の時事通
信に、次のような記事が掲載された。

「女性経営者向け補助金創設=安倍首相」(注1)

   安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれたシンポジウムで、女性が経営する企業
  の事業拡大などを支援する補助金制度を創設する意向を明らかにした。安倍政権が
  重視する「女性の活躍」促進の一環。首相は「(女性の)企業家が伸びないのは根
  本的な問題があり、ここを変えていく。女性企業家への補助金について法的な裏付
  けも含め検討していきたい」と語った。政府の男女共同参画推進本部は8月、女性
  の社会進出を目的に、対象を女性に限定した補助金制度の指針を作成している。

 この施策が提案されるとするならば、恐らくは上文中の「法的な裏付け」が、巧みな
詭弁と共に用意されるだろう。しかしこの施策は、「男性には補助金を与えない」という、
紛れもない男性差別であって、憲法第14条、そして男女共同参画社会基本法第3条に抵
触するのは明らかであると私は思う。

 関連して、私は、今の日本に見られる男性の自殺の深刻な状況を想起する。その詳細
は、今後の投稿記事として、デ−タと共に提示したいという思いがあるが、例えば2008
年から2013年までの6年間の、「経済・生活問題」を原因・動機とする自殺は、男性が、
女性の8〜10倍以上に達しており、「勤務問題」でも7〜9倍近くに達しているのであ
る(注2)。この事実を、安倍晋三という人は、いったいどのように考えるのであろうか。

 国政レベルの男性差別は、このように、安倍晋三の女性優遇政策に伴って、政治の表
舞台に、違法を合法とする詭弁を孕みながら姿を現すようになった。しかし、私たちの
日常を取り巻く社会事象としては、既に以前から、様々の男性差別が、顕在化した形と
して存在してきた。例えば、痴漢対策として設置された女性専用車両については、公共
交通機関での「専用」という言葉の持つ法的問題等を含め、やや複雑な問題があると知
らされているが、男性の人権に関わる、最も重要と思われる部分だけについて発言をす
れば、仮に、女性専用車両を痴漢対策として是認したとしても、既に社会問題として衆
知となった、男性の「痴漢冤罪被害」については、その対策としての男性専用車両を、
鉄道会社は全く設置していないのである。痴漢冤罪被害は、男性の人生を根底から破壊
する。例えば、原田信助さんは、痴漢冤罪被害のために、新宿駅で、自らのいのちを絶
った。しかし、このような深刻な現実があるにもかかわらず、鉄道会社は対策を講じて
いない。鉄道会社は、男性の人権といのちを無視した、男性差別の加害者である。痴漢
冤罪の原因には、警察や鉄道会社や司法の「疑わしきは罰する」という、原則無視の対
応にも原因があるとされ、それはまさに犯罪と同等であると私は考えるが、この対応の
是正がいつになるかわかりはしない。また仮に是正されたとしても、痴漢冤罪被害がな
くなることはない。男性の人権といのちを無視した列車、女性専用車両と一般車両だけ
の列車が、あたかも、女性優遇是認、男性差別是認の象徴であるかのように、今日も明
日も走り続ける。

 消費の世界でも、女性優遇戦略によって、男性差別が拡大を続けている。ある会社の
男性社員が、あまりの女性優遇に苛立ち、疑義を呈したところ、上司から一喝されたの
だそうだ。「馬鹿者、女性が来れば男はついてくるんだ」と・・・。ひどい話である。抗議
など、民間企業は馬耳東風である。一例をあげれば、大手コンビニエンスストア、ファ
ミリ−マ−トのレディ−スデ−。現金に等価として還元される獲得ポイントの女性優遇
の如きは、下記のような「東京都男女平等参画基本条例・第14条第1項」とその「逐条
解説」に抵触することが明らかであるにも関わらず、東京都の男女課(東京生活文化局
都民生活部男女平等参画課)が「抵触する」と発言しないために、ファミリ−マ−トは、
平然とレディ−スデ−を続けている。私が電話で話しをした「お客様相談室」の責任者
の男は、私に対して、「男女課は条例違反だと言っているんですか?」などと、くり返し
くり返し聞くのである。彼らは条例など怖くはない、「条例違反である」と認定する機関
がないのである。男女課は、条例について、「予防措置として作った」などと言っている
が、予防効果などありはしない。この件について、既にある人は東京法務局に人権救済
の申し立てをして、私にも同様の予定があるが、恐らくは「人権侵犯事実不明確」で終
わるのではないかと危惧している。実際、私が、今年の4月に被害申告をした紀伊國屋
レディ−スデ−、東京の玉川高島屋店の営業実績に端を発し、既に全国33店舗で行われ
ているレディ−スデ−の被害申告は、既に「人権侵犯事実不明確」で終わってしまった。

【東京都男女平等参画基本条例・第14条第1項】
    何人も、あらゆる場において、性別による差別的取り扱いをしてはならない。
【第14条第1項・逐条解説】
    本項の「差別的取扱い」には、その取扱いの結果として、性別による差別がも
   たらされるものすべてが含まれる。性別による差別の意図を明確に有している場
   合に限られるものではなく、種々の状況から差別を容認したと推認される場合も
   含まれる。

 民間企業の女性優遇戦略は、施設の拡充にも顕著に現れている。例えば、デパ−ト等
をはじめとする商業施設の、女性専用トイレ・パウダ−ル−ム・フィッティングスペ−
ス等の拡充。美しい空間が、女性だけを対象にして広がってゆく。こういうことを意に
介さない男性、或いは、「男性はそんなことを意に介すべきではない」というような性
別観の人たちがどれほどいるのか私は知らないが、率直に言えば、美しさを求める私の
ような男性にとっては、この女性優遇は、精神的に非常にきつい。

 トイレの設置で女性を優遇する営業戦略は、コンビニエンスストアや喫茶店等でも全
国に広がっている。店内にある二つのトイレの、一つを女性専用、そしてもう一つを男
女兼用とするのである。女性には専用トイレがあり、トイレを二つ使えるのに、男性に
は専用トイレがなく、しかもトイレを一つしか使えない。「排泄」という「人間の尊厳」
に関わる場所で、なぜこのような、男性に対する人権軽視、いや、人権無視をするのか。
私は、非常に強い被差別感を覚える。専用があるか否かについて、女性には生理がある
とか、そういう理屈を、男性に対する人権無視の正当化に使わないでほしい。トイレは
「排泄の場」なのである。それだけで、男性にとっても「人間の尊厳」に関わる場所な
のである。こういう問題に鈍感な男性がどのくらいいるのか私にはわからないが、鈍感
な人は主役ではない。羞恥に対する配慮、プライバシ−に対する配慮は、それを強く求
める人、敏感な人が主役なのである。なぜならそれが「人間の尊厳」に関わるからであ
る。もう少し踏み込んで、あえて発言する。男性には生理がなくても、排泄に関わる疾
患を持つ人たちの中には、排泄の問題で苦労をしている人たちがいる。そういう男性の
存在を考えてもらいたい。いやむしろ、そういう男性は、女性より大変なのである。な
ぜなら、男性には、そういう疾患に対する下着類が整備されていないからである。はっ
きり申し上げるが、女性ならば、対応できる下着類は、機能性や美しさと共に、社会の
中に溢れている。男性にはそれがない。そのために男性は、惨め極まりない思いをする
ことがあるのである。
 このようなトイレの問題について、ある会社の担当者は平然と言った。「うちのコンビ
ニエンスストアの利用者は男性が多いから、女性を集客するために女性優遇トイレを作
った」と。全く、あきれた話である、営業利益を男性の人権より遙か上に置いている。

 日々、日本の社会に拡大する女性優遇が、日本を変えている。それは、あたかも、是
認されるべき当然のことであるかのように広がり続けており、男性は、過去からの性別
観の呪縛にも引きずられながら、男性差別の受容を義務づけられるような位置に立たさ
れている。「かつて女性は差別されてきた」という言葉は、必ずしも「法の下の平等」を
実現するために使われるわけではなく、非常に粗雑に、乱雑に使われながら、あるとき
は、自己本位のフェミニズム運動の正当化の、詭弁の素材として使われ、またあるとき
は、例えば災害対応に見られた男性差別のように、既に過去から存在してきた男性差別
の増幅を生み出している。
 今回の投稿文には、「男性の人権を守るために【1】」という題をつけた。投稿は 今後
も続く。ふり返れば私には、この「●●●の窓」への投稿など、夢にも考えてみないこ
とであった。しかし放置できない現実があり、発信したい思いが内発性となって、私に
投稿を促している。
                                   (続く)
【インタ−ネット検索項目】

(注1)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140913-00000038-jij-pol
(注2)平成20・21・22年度における自殺の概要資料(警察庁生活安全局生活安全企画
   課)、及び、平成23・24・25年度における自殺の状況(内閣府自殺対策推進室・
   警察庁生活安全局生活安全企画課)を用いて算出。


posted by 翠流 at 21:40| Comment(4) | 投稿原稿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月30日

投稿原稿-4 ・・・ 男性の人権を守るために 【2】

4回目の投稿原稿を掲載する。
今回は「男性の自殺」を取り上げた。
例によって、
このブログの幾つかの記事をまとめたものであるから、
内容の重複があるが、
ご容赦いただければ幸いと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 男性の人権を守るために【2】

2.男性の自殺

(1) はじめに

 「いのちの重さは、男性より女性の方が重い」と主張する人は、とりあえずいないもの
と仮定するが、現実的には、後述する自殺デ−タに見られる明白な性差から、男性の場合、
恐らくは既存の性別観や、男性であるために背負う性別役割等の影響のもとで、解決不能
の危機や孤独に直面し、自ら死を選ぶことが、女性にくらべ、有意の差を持って多いもの
と推察される。自殺デ−タに見られる性差から、男性のいのちは、社会によって軽んじら
れていると表現することが可能である。勿論、女性に危機や孤独がないなどと言うつもり
は全くなく、要するに、可能性や頻度の問題である。                

 時代の変化を見ると、今の日本には、「男のくせに」とか「女のくせに」とか、そうい
う表現をタブ−とする価値観が広がりつつあるようで、男らしくない私は大変喜んでいる。
しかしこの変化は、まだ、はなはだ表面的なのであって、現実的には、男性は、従来から
の男らしさの規範、男性であるが故の呪縛を、陰に陽に押しつけられるし、自分自身でも
背負うことが多いと思う。                            

 たとえば、私の知人に、ある相談活動に従事する男性がいるが、彼はあるときこう言っ
た。「私は、女性から相談を受けると、相手の気持ちに寄り添い、親切に対応しようとす
るが、男性から相談を受けると、『男なんだから一人でやってみろ』と言いたくなってし
まう」と・・・。彼は、根はいい男性であるから、今はもう姿勢を変えたと思いたいが、相
談活動はいずれにしても、彼と話しをしていると、同様の性別観、性別役割の押しつけ
が随所に現れる。要するに、何事につけても初めに結論ありきで、彼は男性に対して、
困難や孤独や我慢や被差別の受容を要求する。そして彼は、その要求が男性に与えるス
トレスを理解しようとしない。

 また、私が時折会話をする20代の女性であるが、彼女の第一子は男の子で、ある日彼
女は彼の未来について、「男の子だから強く・・・」と言った。それは、とりもなおさず彼女
の愛の一つの形であろうし、社会通念的にも受け入れられやすく、強くなるのは、本人
の人格に愛の欠落がなければ大変結構なことだと、私は性別と無関係に思っているが、
私の中の、この投稿に至る内発性の故に、表面的には頷きながらも心中穏やかではなか
った。男性であることを背負い、孤独と危機の中で疲弊してゆく男性、その背後で煩悶
を余儀なくされる母親。そういう現実は確かにあるだろう。            

 ところで先日、私のブログにきてくださったある男性が、ワレン・ファレルの「男性
権力の神話」(久米泰介訳.作品社)を紹介してくださった。その冒頭の山田昌弘さん
(中央大学教授)の推薦文に、次のような一節があり、私の問題意識を的確に代弁して
くださっているように思われた。                          

    なぜ女性のつらさは問題にされるのに、
    男性の生きづさは問題にされないのだろう。

 山田さんのこの一節と共通の思いを、私は、「男性の自殺」を取り上げた自分のブログ
で、次のように表現してきた。

   しかし自殺者に男性が多いことは、厳然たる事実であって、
   ・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・
   自殺者の男女比が、もしも逆であったら、
   日本中が大騒ぎになっているような気もする。
   女性団体はたぶん、その現実を放置しないだろう。
   保護を求める女性たち、保護を受け入れられる女性たち、
   しかし保護を求めることができずに、
   「男性」であることを背負いながら、
   孤独のうちに死んでいく男たちがいる。

(2)自殺の状況

 自殺に関するデ−タは、厚生労働省と警察庁が集計しているが、厚生労働省は、家庭
からの死亡届をもとにしているとのことであるから、より自殺の実態に近いのは、警察
庁のデータであろうと推察される。ちなみに、「年間自殺者数が14年間3万人を越えた」
という報道は、警察庁のデ−タに基づいている。                 
 警察庁のデ−タは、内閣府自殺対策推進室が整理し、ホ−ムペ−ジに掲載している。
それをもとに、主に性比に着目して整理し直したデータを、4種類の表として文末に掲
載した。(注1)                                

 その【表1】に示されているように、1978年から2013年までの36年間、毎年例外
なく、男性の自殺が女性を上回っている。それ以前も恐らくは同様であろうと推測する。
警察庁は、自殺の原因・動機を大きく7項目(表2)に分類し、更にそれを51の小項目
(表3)に分類しているが、大分類では、【表2】の通り7項目全てで男性の自殺が女性
を上回っている。特に「経済・生活問題」と「勤務問題」では差が著しく、前者では、
男性の自殺が女性の8〜10倍、後者では7〜9倍に達している。小分類では、【表3】
のように、51項目中48項目で男性の自殺が女性を上回り、女性が男性を上回るのは 2
項目。残りの1項目は同数であった。                      

 また、一昨年の春、就職活動失敗による若者の自殺の増加が報道されたが、その状況
を、この6年間について性別と共に示せば、【表4】のように、自殺者の8割から9割を
男性が占めている。                              

(2)自殺対策

 国の自殺対策としては、年間自殺者数が3万人を越えて9年目(2006年)の、自殺
対策基本法の制定であるとか、翌年の、内閣府への自殺対策担当の設置、或いは自殺総
合対策大綱の策定などが聞こえてくる。全国の取組みは自治体により差があると聞いた
が、●●県ならば●●市の自殺予防フォ−ラムに「結実した」と表現したくなるような
取組みがあったし、県としては、自殺対策アクションプランの策定があった。そういう、
温度差をかかえながらも全国に広がっていった自殺対策の成果であるのか、或いは、若
干の好転とも言われる経済状況の変化の帰結であるのか等、主因は関係者に聞いても定
かにならないが、2012年から、全国の年間自殺者数は3万人を割った。しかしこの変
化の中にあっても、変わらない事実がある。それは、自殺が男性に多いという明白な
「性差」なのである。                               

 先日私は、ある自殺対策を担当する男性に、彼の、男性に対する性別観について尋ね
た。結果は私の予想通りであった。彼は、私がこの投稿原稿の冒頭で紹介した男性相談
員のような性別観が、自分の中にあると答えたのである。そしてそれは、恐らくは決し
て珍しいことではなく、むしろ平凡で一般的な価値基準として、多くの男性の中に存在
する。男性の、男性に対する支援は弱く、その関係性は、社会の中に根を下ろしてしま
っているのである。そしてそれは、自殺対策に限らず、次回再び取り上げる「災害対応」
についても、その施策決定の過程で強い影響を与えてきたし、これからも与え続けると
推察する。男性に対して「困難や孤独や我慢や被差別の受容を要求する」性別観が、女
性の自己本位性を是認し、膨張させ、男性差別の施策が出現する。      

【インタ−ネット検索項目】                          
(注1)平成20・21・22年度における自殺の概要資料(警察庁生活安全局生活安全企
画課)、及び、平成23・24・25年度における自殺の状況 (内閣府自殺対策推進室・警
察庁生活安全局生活安全企画課)を用いて算出。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【表1】年間自殺者数の変化と男女比(1978〜2013年:36年間)        
   ・年間自殺者数が3万人以上であるか否かによって、36年間を三つの時期に区分し、
   各時期の年間自殺者数の幅を示した。                     
   ・男女比は、各年度の女性の自殺者数を1として、男性の自殺者数の割合を数値で 
   示した。表中の(自殺率)は、人口10万人あたりの自殺者数を示す。       

     (年次)    (年間自殺者数)    (男女比)【男/女】     
                         自殺者数  (自殺率)   
   1978年〜1997年  20,434 〜 25,524   1.6 〜 2.1 (1.7 〜 2.2)  
   1998年〜2011年  30,651 〜 34,427   2.2 〜 2.6 (2.3 〜 2.7)  
   2012年〜2013年  27,283 〜 27,858     2.2   (2.3 〜 2.4)  

【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2013年:6年間)
    ・6年間の年間自殺者数の幅を、原因・動機別にした。            
    ・表の数値には、「原因・動機不特定者数」は含まれていない。         

   (原因・動機)     (年間自殺者数)    (男女比)【男/女】     

    健康問題      13,629 〜15,867     1.3 〜 1.5       
    経済・生活問題    4,636 〜 8,377     8.3 〜 10.3        
    家庭問題       3,912 〜 4,547     1.7 〜 1.9        
    勤務問題       2,323 〜 2,689     6.9 〜 8.8        
    男女問題        912 〜 1,138     1.4 〜 1.8        
    学校問題        364 〜  429      2.6 〜 3.8       
    その他        1,462 〜 1,621     2.1 〜 2.7        

【表3】原因・動機(小分類:51小項目)別自殺者数と男女比(2013年)     
    ・男女比は、自殺者数の少ない方を1として、性差の大きい順に配列した。 
    ・51の各小項目が属する大項目は、小項目名の末尾に、次の略記号で示した。
       健康問題:A  経済生活問題:B  家庭問題:C  勤務問題:D
       男女問題:E  学校問題:F  その他:G            

(順位)(原因・動機)         (男 女 比)         (人数)         
                   【 男性 : 女性 】  (男性) (女性) (計)    

1 倒産:B             【 45.0 : 1 】   45    1    46     
2 負債(連帯保証債務):B     【 20.0 : − 】   20    0    20     
3 負債(多重債務):B       【 15.8 : 1 】   647   41    688     
4 事業不振:B           【 15.8 : 1 】   568   27    438     
5 失業:B             【 14.7 : 1 】   411   28    439     
6 職場環境の変化:D        【 12.2 : 1 】   280   23    303     
7 就職失敗:B           【 10.9 : 1 】   251   23    247     
8 犯罪発覚:G           【 9.9 : 1 】   158   16    174     
9 仕事疲れ:D           【 9.5 : 1 】   587   62    649     
10 その他:D            【 8.9 : 1 】   354   40    394     
11 負債(その他):B        【 8.5 : 1 】   773   91    864     
12 借金の取り立て苦:B       【 7.8 : 1 】   47    6    53     
13 自殺による保険金支給:B     【 6.7 : 1 】   60    9    69     
14 生活苦:B            【 5.5 : 1 】  1,081   196   1,277     
15 子育ての悩み:C         【 1: 4.6 】   24   111    135     
16 職場の人間関係:D        【 4.3 : 1 】   437   102    539     
17 その他:B            【 4.2 : 1 】   244   58    302     
18 教師との人間関係:F       【 4.0 : − 】    4    0     4     
19 その他:G            【 3.6 : 1 】   462   130    592     
20 そのほかの進路に関する悩み:F  【 3.5 : 1 】   92   26    118     
21 病気の悩み・影響(アルコ-ル依存症):A【 3.5 : 1 】   163   47    210     
22 入試に関する悩み:F       【 3.3 : 1 】   23    7    30     
23 学業不振:F           【 3.1 : 1 】   102   33    135     
24 夫婦関係の不和:C        【 2.7 : 1 】   729   273   1,002     
25 身体障害の悩み:A        【 2.6 : 1 】   198   77    275     
26 家族からのしつけ・叱責:C    【 2.5 : 1 】   108   43    151     
27 失恋:E             【 2.4 : 1 】   207   86    293     
28 その他:F            【 2.3 : 1 】   25   11    36     
29 病気の悩み(身体の病気):A   【 2.0 : 1 】  2,993  1,470   4,463     
30 その他:E            【 2.0 : 1 】   36   18    54     
31 家族の将来悲観:C        【 1.9 : 1 】   384   203    587     
32 その他:A            【 1.9 : 1 】   166   88    254     
33 その他:C            【 1.8 : 1 】   217   119    336     
34 孤独感:G            【 1.8 : 1 】   339   193    532     
35 近隣関係:G           【 1.7 : 1 】   36   21    57     
36 そのほかの家族関係の不和:C   【 1.6 : 1 】   277   171    448     
37 介護・看病疲れ:C        【 1.6 : 1 】   164   104    268     
38 結婚をめぐる悩み:E       【 1.4 : 1 】   53   37    90      
39 病気の悩み・影響(薬物乱用):A  【 1.4 : 1 】   35   25    60     
40 家族の死亡:C          【 1.4 : 1 】   313   229    542     
41 いじめ:F            【 1.3 : 1 】    4    3     7     
42 親子関係の不和:C        【 1.3 : 1 】   259   198    457     
43 犯罪被害:G           【 1.3 : 1 】    5    4     9     
44 不倫の悩み:E          【 1.2 : 1 】   91   74    165     
45 病気の悩み・影響(統合失調症):A 【 1.2 : 1 】   694   571   1,265     
46 病気の悩み・影響(他の精神疾患):A【 1.2 : 1 】   721   600   1,321     
47 そのほかの学友との不和:F    【 1: 1.1 】   21   24    45     
48 そのほかの交際をめぐる悩み:E  【 1.1 : 1 】   165   145    310     
49 後追い:G            【 1.1 : 1 】   52   42    98     
50 病気の悩み・影響(うつ病):A   【 1.0 : 1 】  2,939  2,893   5,832     
51 被虐待:C            【 1 : 1 】    2    2     4     

【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2013年:6年間)

      (年次)   (総数) (男性) (女性)   (男性の割合)   

    2008年(H 20)   86    69    17     80.2 %       
    2009年(H 21)  122    98    24     80.3 %       
    2010年(H 22)  153   138    15     90.1 %       
    2011年(H 23)  141   119    22     84.3 %       
    2012年(H 24)  149   130    19     87.2 %       
    2013年(H 25)  104    95     9     91.3 %       
posted by 翠流 at 16:04| Comment(0) | 投稿原稿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月01日

投稿原稿ー5  男性の人権を守るために 【3】

前回掲載した「自殺対策要望書」の内容を使って、
「投稿原稿ー5」・・・「男性の人権を守るために【3】」を作成した。
内容の重複を考え、当初、ここには掲載しない予定であったが、
私に与えられた字数に収めるために推敲をくりかえしていたら、
また別の表現にも出会い、
このブログに来てくださる人たちに、
また読んでもらいたいと思うようになってしまった。

ところで、過日、差別ネットワークのブログの、
コメント欄でも話題になった静岡市長選の、最終得票数を確認したいと思い、
静岡市の選挙管理委員会に問合せの電話をしたら、
結果は次のようであった。

  1.タナベノブヒロ  184,856
  2.タカタトモコ    68,895
  3.マツウラトシオ   22,066

もちろんこの中の「タカタトモコ」が、
皆さんご存じの、「憲法違反の女」である。
彼女は、「女性市民税ゼロ」をマニフェストに掲げて立候補し、
落選はしたものの、7万票近い票を獲得した。
この、市長選の結果を見て、
全く、愕然とするというか、唖然とするというか、あきれ果てるというか・・・・・。

しかし、このブログで発言してきたように、
本来ならば法に抵触するはずの様々の「女性優遇」が、行われ続けてきた日本。
それを思えば、土壌はすでに醸成されていたと感じる。
同様のことは、これから先も、日本全国でくり返されるように思う。

狡賢い人間は詭弁を弄して、自己本位の利益誘導のために、巧みに法解釈を変更する。
女性優遇是認の大きな流れは、詭弁を正当化し、
日々、女たちの「特権階級化」が進む。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「投稿原稿ー5」・・・ 男性の人権を守るために【3】                 
                                      
3.内閣府男女共同参画局へ

(1)はじめに                              
  内閣府男女共同参画局(以下「男女局」)へ「自殺対策要望書」を送った。男女局は第三
 次男女共同参画基本計画の第1部「基本的な方針」に、「男女共同参画社会の実現は、女性
 にとっても男性にとっても生きやすい社会を作ることであり、政府一体となって取り組む
 べき最重要課題である」と書きながら、実際には、既述のように、男性の人権を軽視、或い
 は無視した「女性優先・女性優遇・女権拡大」の施策を行ってきた。それは、日本国憲法
 第14条(法の下の平等)そして男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)との
 乖離である。「男女共同参画」という「美名」で「本質」を隠した、自己本位のフェミニズ
 ム運動の拠点、内閣府男女共同参画局。「かつて女性は差別されてきた」という言葉は、粗
 雑に、乱雑に使われ、全国の男女共同参画部局でも流行語のようになった「男女共同参画
 の視点」は、例えば災害対応に見られる事例(注1)のように、「女性優遇の視点」と同義
 に使われている。男性に対して「我慢」や「女性優遇是認」を強要する「性別観・性別役
 割意識」の男たち或いは女たちは、私のような発言をしない。そして、男女局の施策は、
 このような規範意識への依存、或いはその上に胡坐をかく姿勢によって進められてきたと
 思う。男女局は、「男性の不利益」には配慮しない傾向が強い。その姿勢は、様々の施策に
 現れている。                                   

(2)「自殺対策要望書」の構成                           
  前号で示したように、自殺者数には、長期に渡る明白な「性差」が存在し、それは、国
 策としての自殺対策以後も変化していない。しかし男女局は、この「男性に多い自殺」の
 問題に、非常に消極的なスタンスをとってきた。それは、とりもなおさず、この問題が「男
 性にとっての不利益」だからであると、今の私は考える。もしも「自殺者数の男女差」が
 逆であれば、男女局は大騒ぎをしてきたに違いない。勿論マスコミも、そして、どこかの
 国の首相という人も。では、なぜそうなるのか。それは、要するに、男女局の体質の問題
 は勿論あるが、むしろそれ以前に、私たちの社会に根を張る「性別観・性別役割意識(前
 号参照)」に、根本的な原因があると私は思う。「男性の生きにくさ」は、「被害者が男性
 であるがゆえに」軽んじられるのである。私は、このような男性差別と自殺対策を絡めて、
 男女局への要望書を作成した。「女性にとっても男性にとっても生きやすい社会」を求めて
 この問題を検討するのは、男女局の仕事のはずである。               
  要望書は次の4つの内容で構成されている。(a)自殺の状況と性差の再認識 (b)男性に
 対する性別観・性別役割の呪縛 (c)男女共同参画局としての男性に対する支援のあり方に
 ついて (d) 要望の要約。このうち(a)と(b)は、前号の「男性の人権を守るために【2】」
 と共通の内容が多いため、今号では省略した。ただし前号の【表1・2・4】には、今年3月
 に自殺対策推進室が公開した「自殺の統計(2014年)」の数値を加え、【表3】は 2014
 年のデータと置換した。しかし傾向に変化はない。尚、要望書には、この原稿末尾の【表
 5】【表6】を加えた。                              

(3)「自殺対策要望書(c)(d)の要約」・・・ 要望書は長文となった。この投稿に与えられた字
                  数の範囲で、主に(c)(d)の内容を要約する。    
 ◆【表1〜5】が示す自殺者数の性差をふまえ、内閣府男女共同参画局に、「男性の自殺を
 減らすための積極的な改善措置(注2)」を要望します。「第三次男女共同参画基本計画・
 第2部・第3分野」の「成果目標」には「自殺死亡率の減少」が掲げられていますが、「男
 性の自殺を減らすための改善目標」は設定されていません。これを検討し、「第四次男女共
 同参画基本計画」に加えるよう要望します。「第三次男女共同参画基本計画」の第1部「基
 本的な方針」にあるように、「男女共同参画社会の実現は、女性にとっても男性にとっても
 生きやすい社会を作ることであり、政府一体となって取り組むべき最重要課題である」は
 ずです。                                    
 ◆「男女共同参画白書・平成26年版」によれば、男女局も、ようやく、全国各自治体での
 「男性相談体制確立に向けた取組み」を始めたようで、それは、白書の「本編・2・第1
 部・第4章・第1節・7」そして「第2部・第4章・第1節」に記されています。しかし、
 相談体制の確立は、自殺対策として必須ではあっても、それだけでは、「性差」は変わらな
 いと思います。なぜなら、男性に対する「性別観・性別役割意識」が、今後も、「日常の」
 様々の場面で、男性を追い詰める役割を果たすと考えられるからです。         
 ◆ この問題について、男女局と私の認識に共通性が全くないわけではなく、それは例えば
 「第三次男女共同参画基本計画・第2部・第3分野・具体的施策・キ」や、「男女共同参画の視
 点からの防災・復興の取組指針ーp.3・p.4」等に記されています。しかしそれは、あくまで
 も文章として記された認識の共通性だけであって、男女局は、現実的には、私たちの日常
 から「男性を追い詰める要素」を取り払う役割は果たしていないと思いますし、むしろ逆
 に、後述するように、男性に対して不当なストレスや不利益を強いる差別の施策が多数存
 在します。                                   
 ◆ 関連して、概括的に言えば、女性は、男性によって、或いは社会によって「守られる存
 在・守られて当然の存在」として位置し、この認識によって、男女間に人権上の配慮の不
 均衡を生じます。女性優遇・男性差別の出現です。例えば、今回は要点だけを記しますが、
 今の日本の女性優遇・男性差別是認の象徴的存在として、「女性専用車両だけの存在」があ
 ります。「痴漢対策としての女性専用車両」は存在しても、「痴漢冤罪対策としての男性専
 用車両」は存在しないのです。痴漢被害も・痴漢冤罪被害も、被害者の人生を破壊します。
 例えば、周知のように、原田信助さんは、痴漢冤罪被害のために新宿駅で自らの命を絶っ
 たのです。しかし、このような現実があるにも関わらず、鉄道会社は男性専用車両を設置
 しないのです。                                 
 ◆ 要するに「性別観・性別役割意識」が、女性と男性に、異なる社会的位置を与えている
 のです。「守られる存在としての女性」そして「自分で自分を守らなければならない存在と
 しての男性」、この位置関係が、様々の場面で男性を追い詰め、その結果として、自殺者数
 の性差が、今後も現れ続けると思うのです。                    
 ◆ ですから、自殺対策に関わる男性支援として重要なことは、「男性相談体制の確立」だ
 けではなく、「男性を追い詰める性別観・性別役割意識」を是正し、男性を危機やストレス
 から解放していくこと、或いは、その「性別観・性別役割意識」に対する支援を「日常の
 中に」作り出すこと、そして、男性の人権を軽視・無視する風潮、男性差別を是正し、男
 性の幸福感・安心感を高めることだと思うのです。そしてそれは、全国の男女共同参画関
 連条例を含め、「法」に記された理念、「法の下の平等」「男女の人権の尊重」に立脚すれば
 可能なはずなのです。                              
 ◆ しかし、現実はそうなっていない。いやむしろ日本の社会は、後述する具体例のように、
 男性差別が拡大する方向に進んでいます。「かつて女性は差別されてきた」という言葉を旗
 印に、女性差別撤廃運動を展開するのは大変結構なことです。女性差別はあってはならな
 いのです。しかし現実には、今の日本は、男女平等実現を逸脱して、女性優先・女性優遇
 ・女権拡大の方向へ進んでいます。男性の人権が蔑ろにされ、男性差別が拡大しているの
 です。                                     
 ◆ 男性差別拡大の流れは、大きくは三つあると思います。いや、実際は他にもありますが、
 今の私の認識の範囲で明言できる現象は三つある。その一つは、今回の要望書に詳細は書
 きませんが、「女性をターゲットとした企業の女性優遇戦略」。そしてもう一は、前述の、
 公共交通機関での「女性専用車両だけの存在」。そしてもう一つが、他ならぬ「内閣府と全
 国の男女共同参画部局の施策」であって、これらは相乗作用を伴いながら、「女性の特権階
 級化」を確実に進行させています。                        
 ◆ 男女局の施策につきましては、今回、「災害対応・健康支援・ポジティブ・アクション」
 について発言させていただきます。「災害対応」につきましては、既に、関連部局等に、種
 々の要望書を提出していますが、男性差別は非常に多く。男女共同参画社会基本法第3条
 との乖離を強く感じます。今回はその中から二例を取り上げます。一つは「相談体制」そ
 のものに関わる男性差別、もう一つは、被災者の生活支援に関わって、男性の人権を全く
 無視した施策の一例です。                            
 ◆「相談体制」については、東日本大震災以降、内閣府男女局が同名のままに継続してき
 た施策、「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の問題があります。この件につきま
 しては、既に昨年、男女局推進課宛に改善の要望書を提出しましたが、要するに、例えば
 「震災関連自殺者の75%が男性である(文末【表5】)」というような事実が示すように、
 男性も苦しんできたのです。にもかかわらず男女局は、男性を相談の対象から外したので
 す。また、DV被害も女性だけに局限された現象ではない(注3)。それは、内閣府男女局で
 あれば十分ご存じのはずでしょう。ならばなぜ、男性を相談の対象から外したのですか。
 それは、男性の困難を顧みない「差別」ではありませんか。                  
 ◆「被災地での生活支援」については、「宮城登米えがおねっと」の「女性のニーズに寄り
 添った物資の支援」(注4)を取り上げます。それは「女性だけへの手厚い支援」であり、
 男性への支援が存在しないのです。そして、それに何のコメントもつけずに、あたかもそ
 れが優れた典型実践であるかの如く掲載した内閣府男女局。女性には、個人のサイズまで
 調べた新しい下着を配るのに、男性にはそういう配慮が全くない。それでは「男性は汚い
 下着のままで暮らせ」と言っているのと同じではありませんか。どうしてそのような差別
 ができるのですか。男性は、人間としての尊厳を全く無視されているではありませんか。
 それはまさに、男性に対する「不当な性別観」そのものではありませんか。      
 ◆ 第三次男女共同参画基本計画の「健康支援」も同じことです。第10分野「生涯を通じ
 た女性の健康支援」の女性への配慮に比して、男性への配慮が弱すぎるのです。現実には、
 男性は、明白な性差としての、「自殺・病に対する弱さ(注5)・短命」の問題を抱えてい
 る。そういう現実を見つめる視座が、あまりにも脆弱すぎるのです。         
 ◆ ポジティブ・アクションも同様です。例えば安部首相は、「国家公務員採用者女性割合を
 必ず30%まで引き上げる」と発言してきましたが、教育の機会均等・受験の機会平等が保
 障されている日本にあって、更に、男女局が行った「学校教育の場における地位の平等感
 調査(平成24年)(注6)」の「20〜29歳」のデータを見れば、そこには有意の男女差は
 ないであろうと推測されます。つまり、システムとしても内実としても「男女平等」が確
 立したと判断される学校教育の一つの到達点としての採用試験の場で、数値目標達成のた
 めの女性優遇採用(注7)が行われれば、それはまさに裁かれるべき不正入試と同じでし
 ょう。                                     
 ◆ 更に、【表4】に示された「就職失敗による20代の自殺者の8割から9割を男性が占め
 る」事実を考えるとき、それとポジティブ・アクションが無関係であると言い切ることがで
 きるでしょうか。例えば、「男性は家庭を支える経済力を持たなければならない」という性
 別観に囚われた男性が、実力主義に離反した女性優遇採用によって就職活動に失敗し、自
 ら命を絶つ可能性は、十分あり得るのではないでしょうか。             
 ◆ 男性に対して「困難や孤独や責任や被差別(女性優遇)の受容」を要求する「性別観・
 性別役割意識」が、男性の「生きにくさ」を増幅させ、その延長線上に、「自殺者数の性差」
 が現れ続けていると思います。日本の社会に広がる女性優遇是認の風潮は、「かつて女性は
 差別されてきた」という言葉と、非常に粗雑に、乱雑に絡み合いながら、内閣府や全国の
 男女共同参画部局の施策を含め、「男女平等の実現」を逸脱して「男性差別」を拡大させ、
 男性のストレスを不当に増幅させています。このような現実に改めて目を向け、日本国憲
 法第14条、そして男女共同参画社会基本法第3条と乖離した施策を是正し、男女両方の人
 権を尊重した施策を展開してください。また、同様の視点で、全国の男女共同参画部局に
 対して、啓発メッセージを発してください。第四次男女共同参画基本計画の策定に向けて、
 強く要望します。人権は女性だけにあるわけではない。男性にも人権はあるのです。  

【注釈】インターネット検索項目等 ・・・ 文中の語句から検索可能と思われる項目については
                  (注)を省略した。               
(注1)非常に多くの事例があるが、関連記事を一つ記す。題は【「あおもり被災地の地域コ
   ミュニティ再生支援事業実行委員会」へー男性差別とたたかう者のブログ】。URLは次
   の通り。http://mzkisaragigid.seesaa.net/article/412358053.html      
(注2)敢て「男女共同参画社会基本法第2条」と同じ表現を使った。         
(注3)「配偶者等からの暴力(DV)に関するアンケート調査及び被害者実態調査」・H21
   (横浜市市民活力推進局・こども青少年局)p.8【配偶者やパートナーから暴力にあた
   る行為を受けた経験】                            
(注4)「男女共同参画の視点からの防災復興の取組指針・解説事例集」p.38・取組み事例13
(注5)国民の死亡原因の第1位「悪性新生物」による年間死亡者数(男女別)を【表6】
   として示した。                               
(注6)「男女共同参画社会に関する世論調査・図4・内閣府」。URLは次の通り。    
   http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html        
(注7)女性優遇採用の行われた可能性は、平成25年度大阪府・大阪市職員採用試験、及び
   平成26年度名古屋市職員採用試験でも指摘されている。後者の関連記事を一つ記す。
   題は【名古屋市職員採用試験ー男性差別とたたかう者のブログ】。URLは次の通り。 
   http://mzkisaragigid.seesaa.net/article/410384276.html          

◆ 資料 ・・・ 下表の番号は、前号に続く。なお、前号の表3の訂正を下に記す。     

【表5】東日本大震災に関連する自殺者数の割合 (H23年6月〜24年2月)      
                       (女性) (男性)  (計)     
   震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月) 24.6%  75.4%  100%     
   全国の自殺者数(平成23年)       31.6%  68.4%  100%     

【表6】悪性新生物による年間死亡者数(厚生労働省 人口動態統計)         
              男性     女性     計             
   H17(2005)年  196,603  129,338  325,941           
   H18(2006)年  198,052  131,262  329,314           
   H19(2007)年  202,743  133,725  336,468           
   H20(2008)年  206,354  136,609  342,963           
   H21(2009)年  206,352  137,753  344,105           
   H22(2010)年  211,435  142,064  353,499 第三次計画決定  
   H23(2011)年  213,190  144,115  357,305           
   H24(2012)年  215,110  145,853  360,963           
   H25(2013)年  216,975  147,897  364,872           

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(追記) 【表6】は、内閣府男女局への「自殺対策要望書」には含まれていない。    
    今後、健康支援に関わる要望書で使用する予定。

               
posted by 翠流 at 06:51| Comment(0) | 投稿原稿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする