2014年02月10日

国家公務員採用試験

平成26年実施の国家公務員採用試験にあたっては、
「女性採用者の割合を、全体の30%まで引き上げる」と、
安倍晋三という人は言った。
数値目標達成を最優先とした、
女性優遇採用のポジティブ・アクション。
すでにその疑惑は平成14年頃からあったが、
    (掲載記事:「男女共同参画」に翻弄される日々【1】-2-(2)「逆差別」参照)
首相の発言で、女性優遇が一層加速する。
まさか、学科試験で「不正」はしないだろうが?
面接試験なら、結果は自由に操作できるだろう。
外部から質問があれば、
「女性が面接で優秀だったからだ」と答えればすむ。

本来あるべき平等な選考ならば、不採用となるはずの女性を、
女性であるという理由によって採用し、
採用となるはずの男性を、
男性であるという理由によって不採用とする。
そういう、男性差別の施策を、
憲法第14条を擁する日本の首相が、
加速させようとしている。

採用される力はあったのに、不採用となった男性に対して、
安倍晋三は何と言うのだろう。
「あなたには力はあったが、男性だから不採用になった。
あなたは男性なのだから、不採用でも我慢してほしい・・・・・」
安倍晋三、あなたの発言はそういうことだ。

教育の機会均等が保証されている日本、
受験の機会平等が保証されている日本、
しかも、内閣府男女共同参画局の地位の平等感調査(注1)は、
学校教育の場での地位の平等が確立されたことを示している。
差別のない教育を受けてたどり着いた国家公務員採用試験の場に、
恐らくは、計画的戦略として導入されたであろう「積極的改善措置」の条文(注2)を根拠として、
「女性優遇採用は逆差別ではない」などという詭弁を振りかざし、
不正採用を正当化する活動家の論理は、
あまりにも自己中心的な甘えに立脚した、不正隠蔽の論理ではないのか。
     (注1)後日、別記事で詳述する。
     (注2)男女共同参画社会基本法第二条第二項の「積極的改善措置」

ところで、内閣府男女局のホ−ムペ−ジには、
ポジティブアクションの到達状況が、「見える化」として掲載されており、
到達度の低い公的機関や企業に、圧力をかけやすい状況が作り出されている。
ちなみに、国家公務員採用試験については、
「採用者に占める女性割合」として、次のようなデ−タが掲載されている。
今、このブログを読んでくださっている皆さんは、
このデ−タを見て、何を感じるのだろうか。

【国家公務員試験からの採用者に占める女性割合】

  順位  府省庁名   女性割合(%)

  1   消費者庁    100.0
  2   金融庁     50.0
  3   人事院     50.0
  4   内閣府     43.5
  5   外務省     42.9
  全省平均(全府省合計) 26.8
  目標(全府省合計)   30.0

(出典)「女性の政策・方針決定参画状況調べ」(平成25年12月)
(データ時点)平成25年4月現在



posted by 翠流 at 19:50| Comment(4) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月24日

許せない男

◆ どこかの国の首相が、「女性経営者向け補助金創設」を計画しているのだそうだ。では、窮地に立つ男性に対しては、同様の配慮はないのだろうか。既に、記事「男性の自殺 (3)(4)」で取り上げたように、経済危機と自殺の関係については、次のようなデータがある。このような、危機を背負う男性に対して、安倍晋三という人は、「女性に対するような特別な配慮」はしないのだろうか、男性を自殺から救うことを、首相の責務だとは考えないのだろうか。

【データ@】 「経済・生活問題」を原因とする自殺者数と男女比:(2008年〜2013年)

       年次別     自殺者総数  男性   女性   男性:女性  
     2008(H 20)   7,404   6,686   718    9.3:1  
     2009(H 21)   8,377   7,634   743    10.3:1  
     2010(H 22)   7,438   6,711   727    9.2:1  
     2011(H 23)   6,406   5,740   666    8.6:1  
     2012(H 24)   5,219   4,660   559    8.3:1  
     2013(H 25)   4,636   4,147   489    8.5:1  

【データA】 「経済・生活問題」による自殺の、原因・動機別自殺者数:(2013年)

      原因・動機      (男性) (女性) (計)  
     負債(多重債務)     647   41   688  
     負債(連帯保証債務)    20    0     20  
     負債(その他)      773   91   864  
     事業不振         568   27   438  
     倒産            45    1     46  
     失業           411   28   439  
     生活苦          1,081   196   1,277  
     借金の取り立て苦      47    6     53  
     自殺による保険金支給    60    9     69  
     就職失敗         251   23   247  
     その他          244   58   302  

◆ この、安倍晋三という人の、「女性限定補助金創設」について、まず、9/13(土)12:37 配信の、時事通信の記事を載せる。

   「女性経営者向け補助金創設=安倍首相」
       http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140913-00000038-jij-pol
   【記事全文】・・・・・A 
      安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれたシンポジウムで、女性が経営する企業の
     事業拡大などを支援する補助金制度を創設する意向を明らかにした。安倍政権が重視
     する「女性の活躍」促進の一環。首相は「(女性の)企業家が伸びないのは根本的な
     問題があり、ここを変えていく。女性企業家への補助金について法的な裏付けも含め
     検討していきたい」と語った。
      政府の男女共同参画推進本部は8月、女性の社会進出を目的に、対象を女性に限定
     した補助金制度の指針を作成している。

◆ また、この情報に先駆けて、関連する記事が、8/6(水)にDさんのブログで取り上げられていた。そこで引用されている秋元祥治氏の文中に、次のような、日本経済新聞からの引用がある。  
   「女性限定の補助金検討 政府、起業支援で上乗せ」
                 http://blogos.com/article/91840/
   【引用文】・・・・・B
      政府は社会での女性の活躍を推進するため、対象を女性に絞った補助金を2015年度
     に創設する方針だ。女性限定の補助金は憲法の「法の下の平等」の原則に反すると解
     釈してきたが、少子高齢化の進展を背景に、女性の活力を高める措置として必要と判
     断した。
      5日に開く政府の男女共同参画推進本部で決める指針に盛り込み、安倍晋三首相が
     閣僚懇談会で各省庁に具体策を検討するよう指示する。各省庁は15年度予算の概算要
     求に反映する見通しだ。
      既存のベンチャー企業支援の補助金制度で、申請者が女性の場合に補助金額の上乗
     せを想定。農業や医療、介護分野で女性が経営する企業の事業拡大などを支援する新
     たな制度も検討している。(日本経済新聞8月3日)

◆ 上の二つの引用記事A・Bを併せ読めば、要するに、男女共同参画運動の背後、或いはその中にいると推測される女性優遇活動家の、恐らくは計画的戦略によって導入された男女共同社会基本法第2条2項(注1)を根拠として、その女性優遇活動家たちは、「社会進出を巡る女性優遇配慮は男性差別ではなく、『法の下の平等』に抵触しない」という理屈を、詭弁ではないかのように振りかざし、安倍首相に「女性限定補助金制度」の導入を迫り、首相はそれを受け入れ、「法的な裏付けも含め検討」を始めた、と読める。「(女性の)企業家が伸びないのは根本的な問題があり」という首相の発言の「根本的な問題」は、恐らくは、2条2項の「社会に存在する一方の性にとっての不利益」に対応すると推測する。要するに、起業家個人の財力とは全く無関係に、女性であれば、「女性限定の補助金上乗せ」を得ることができるが、財力の乏しい男性は、その人が、どのような不利益や困難や危機を抱えていようとも、男性であるが故に、女性と同等の支援を受けることはできないのである。

◆ このような女性優遇配慮が進行する一方で、いつになっても改善されない自殺の性差の問題が、客観的なデータとして日本の社会には存在する。それは、女性活動家が主張する不分明な「女性にとっての不利益」とは異なり、上に示した【データ@A】のように、確かな数値として存在する。年間自殺者数であれば、記事「男性の自殺(2)」に記したように、警察庁が提示してきた36年間のデータとして、その性差は存在し続けてきたのである。しかしこのような明確な「男性の不利益」について、私は、安倍晋三という人から支援のメッセージを聞いたことがない。こう言えば必ず反論がくるだろうが、一人の市民として、しかも自殺対策に関心の高い市民としての私に、彼の声が聞こえてこないのであるから、彼の、自殺に関わる男性支援メッセージは、不存在なのである。彼は「光り輝く女性」発言をする一方で、自ら命を絶っていく男性に対しては、支援のメッセージを発してこなかったのである

◆ 記事「男性の自殺B」に記したように、自殺の性差を原因・動機別に見たとき、それは「経済・生活問題」で最大であり、数値は、上記【データ@A】の通りである。このような危機を男性が背負う日本の社会状況の中で、なぜ、安倍晋三という人は、「光り輝く女性」発言ばかりをするのだろうか。私は、その理不尽を、どうしても許せないのであろ。

◆ 併せて、私の記事「男性の自殺(4)」の中から、就職活動失敗で自殺をした20代の若者のデ−タ引用する。安倍晋三という人は、このデータを見て、何を思うのだろうか。

  就職失敗による20歳代の自殺者数と男性の割合

        年次別    総数  男性  女性  男性の割合
       2008(H 20)   86   69   17   80.2 %
       2009(H 21)  122   98   24   80.3 %
       2010(H 22)  153  138   15   90.1 %
       2011(H 23)  141  119   22   84.3 %
       2012(H 24)  149  130   19   87.2 %
       2013(H 25)  104   95   9   91.3 %

◆ なお、私のブログ記事、「xavi 様(1)」に コメントをくださった「ジョク」さんの文章を、ここに追記する。コメント中には、彼の紹介記事、「置き去りにされる、“40代非正規“の貧困と孤立“」のURLが記されている。

ジョクさんのコメント

   真剣に答えて頂きありがとうございます。
   実際昨今の男性は消耗品として扱われています。

   >置き去りにされる、“40代非正規“の貧困と孤立“
           http://www.asyura2.com/12/social9/msg/494.html

   昨今産業が空洞化してどうしようもなくなった原因は、
   実は下支えしていた男性を使い捨てにし過ぎて打ち止めになってしまい、
   グローバル化して仕事が無くなってしまったのも原因です。

ジョクさん、コメントありがとうございました。


posted by 翠流 at 01:33| Comment(7) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月10日

名古屋市職員採用試験

採り上げるのが、遅くなってしまったが、
先月の中旬、知人のAさんから、
名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)について、
男性差別の存在を示唆する資料をいただいた。
既にDさんのブログで採り上げられた件ではあるが、
安倍首相の「光り輝く女性」発言や、
内閣府男女共同参画局が行っているポジテブ・アクション、
つまりは、数値目標達成を最優先とした女性採用拡大の動きが強まる中で、
特に面接試験を利用して女性にゲタをはかせる女性優遇採用が、
日本全国に広がるのではないかという懸念を、
私も強く抱いている。
教育の機会均等、受験の機会平等は、勿論以前から保障されてきたから、
もしも、女性にゲタをはかせる優遇採用があれば、
それは、不正入試と同質の、裁かれるべき施策であるが、
併せて、内閣府が行った「学校教育の場における男女の地位の平等感調査(図4)
    http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html
の、下方にある図『20〜29歳を対象とした調査結果』を見れば、
学校での平等感には、既に、男女間の有意差はなくなったと感じられる。
従って、学校での性差別の事例は、恐らくは個々に対応すべき少数に近づいており、
男女平等は、制度だけでなく、生徒の感じ方から見ても、
確立したと言って、支障のない時代になったと思われる。
そういう状況の今にあって、
学校教育の到達点の1つとしての公務員採用試験の場で、
女性にゲタをはかせる優遇採用があれば、
それが明らかな男性差別であることは、一層明白であろう。
平等な選考ならば合格するはずの男性が不合格となり、
不合格となるはずの女性が合格するなどという理不尽が、
許されてよいはずはない。

私がAさんからいただいた資料には、
次のような、男女別合否状況が記されていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成26年度 名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)
          一次試験・・・・・行政一般・学校事務・・・・・・・教養試験
                 法律・経済・社会福祉・・・・・教養試験・専門試験
          二次試験・・・・・論文試験・口述試験
合否状況
(区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数)
      男性  女性   男性  女性   男性  女性   男性 女性
行政一般  1,111  601   756  408    185  78    60  44 
法  律   300  154   213  111    125  68    45  49 
経  済   202   65   150   50    101  37    42  29 
社会福祉   100   90    77   66     55  54    21  33 
(計)   1,713  910  1,196  635    466  237    168 155  

 この数値から、受験者の「一次試験合格率」、及び、一次合格者の「二次試験合格率」
を男女別に算出すると、次のようになる。

        (一次試験合格率)  (二次試験合格率)           
        男 性   女 性   男 性   女 性           
行政一般    24%    19%    32%   56%            
法  律    59%    61%    36%   72%            
経  済    67%    74%    42%   78%            
社会福祉    71%    82%    38%   61%            
(全体)    39%    37%    36%   65%            

この数値に示されているように、二次試験では合格率の男女差が非常に大きく、
女性に対する優遇措置が強く懸念される。
この問題について、12月1日の朝日新聞の「声」の欄には、
次のような、川上直也氏の投稿文が掲載された。

「採用試験 女性優遇ではないか」・・・川上直也 
                       朝日新聞「声」(12月1日)より引用
 私は市民団体で様々な差別について問題提起をする活動をしているが、今年度の名古屋市の職員採用試験の結果を見てあぜんとしてしまった。大学卒程度の第1類の事務系には男性1196人、女性635人が受験したのだが、合格者は男性168人、女性155人。受験者数は男性が女性の倍近くいるのに、合格者数は男女ほぼ同数に近い。
 同市人事委員会が出した「採用総合案内」には「年齢・性別・学歴・出身地・職歴などによる有利・不利は一切ありません。受験資格を満たしていれば、すべての人に平等です」と書かれている。
 だが、採用結果を細かく見ていくと、客観的で人為的な操作の難しい筆記試験である一次試験を通過した割合を計算すると、男性が39%で、女性の37%をわずかに上回るのに、主観的になりがちな面接と論文が課される2次試験の合格率は男性36%に対し、女性65%だった。これは憲法14条1項がうたう「法の下の平等」に反し、人為的な性差別が行われたと推認せざるを得ないのではないか。
 仮に男女に関係なく、同じ基準を適用した結果と言われても、その基準自体が一方の性に著しく有利にできている、いわゆる間接差別にあたるのではないか。
 ほかに能力の高い男性がいるのに、女性が優先的に採用・登録されたとすれば、これは男性差別にとどまらず、能力主義の否定でもあり、大問題であると思う。採用や登用における性差別を完全になくしたいのであれば、面接後、受験者の氏名や性別がわからない状態で評価を行い、選考するべきだ。

 私も、この採用試験の結果を見て、川上氏と基本的に同じ認識を持つ。私は市職に就いた経験はないが、10代後半の若者と常に関係を持ちながら生活してきた。それを振り返って思うのだが、仮に、論文と口述の平均的資質が女子の方に高いと仮定したとしてもても、この二次試験ほどの差はつかないのではないか。しかも、二次試験の対象者は、客観的な一次試験で選別されてきた人たちなのである。二次試験の合格率の、男性36%、女性65%という大きな差は、女性優遇がなければ生じないのではないかと思う。
 
 併せて、同じ名古屋市採用試験の「学校事務」の結果を見ると、興味深い違いに気づく。合否状況は次のようになっている。要するに、二次試験合格率に、男女差はないのである。名古屋市の事務系職員の男女比は調べていないが、学校事務については、私の居住県と傾向が同じであるとすれば、恐らく、女性の方が男性より多いか、同数に近いのではないかと推測する。要するに、学校事務の場合は、女性にゲタをはかせて優遇採用をする必要がないと、推測することも可能なのである。

(区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数) (合格者数)
      男性  女性   男性  女性    男性  女性    男性 女性
学校事務   68   69    48   51     13   13     5   5

        (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
        男 性   女 性    男 性   女 性
学校事務    27%    25%    38%    38%

 Aさんからいただいた資料の中には、川上氏の指摘に対する、名古屋市人事委員会の、次のような見解も含まれていた。
   ・・・・・ ネットニュ−ス http://www.j-cast.com/s/2014/12/01222160.html 
  ◆ 名古屋市は「性別への配慮はありません」(人事委員会)と言い切る。「合否の
   判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と説明。男女の差が
   なかったのは、あくまで「結果」という。
    市によると、「特別な取り組みをしているようなことはありませんが、ここ数年、
   女性の採用比率が上がっているのは事実です」と話す。ただ、採用試験では「そう
   いった(女性を優遇するような)判断はなく、採点で上から順番に採用していった
   結果です」と、恣意的なことはないと強調する。

 しかし、この名古屋市の見解は、川上氏への反論になっていない。人事委員会は「合否の判定時には(担当者は)性別などのデータはもっていません」と言っているが、判定会議以前に、たとえば面接結果を点数化するような作業があったとした場合、女性受験者にゲタをはかせて採点することも可能なのである。もしも、そのようなことがなされれば、「合否判定時に性別のデ−タがなく」「採点で上から順番に採用していった」としても、必然的に、女性優遇採用がおこる。

 内閣府男女共同参画局の、数値目標を設定したポジティブ・アクションは、安倍首相の「光り輝く女性」発言によって、政治の表舞台に登場した。それが、たとえば保育環境の整備であるとか、採用や昇進にあたっての女性差別の排除であれば正当であろうが、実際には、女性にゲタをはかせる男性差別の、女性優遇政策として行なわれるようになったと推測する。採用試験の担当者が、たとえば面接試験の評価のような、隠蔽可能な部分で女性を優遇する選考・採用は、日本全国に広がったように思う。

 ところで私は、このブログの記事「男女共同参画に翻弄される日々【1】」の中に、国家公務員採用試験について、次のような文章を書いた。その根拠となったグラフ(人事院)のURLを、下に記す。

   ・・・・・ そういう人たちは、採用や昇進等にあたって、女性にゲタをはかせる形の、
   女性優遇の、つまりは男性差別の選考を企図し、それは、これからだけではなくて、
   実はもう、既に行われてきたことのようでもあるのだ。例えば、「女性国家公務員
   の採用・登用の現状等:人事院」に記されたグラフ、「T種試験事務系(行政・法
   律・経済)区分の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合(昭和63年から平成
   22年まで)」を見ると、平成14年以降、採用者に占める女性の割合は、毎年、明ら
   かに、合格者に占める女性の割合より高くなっている。この事実から、採用に関わ
   る面接等の段階で、関係各省庁が、女性優遇の、つまりは男性差別の選考を行って
   きた可能性を指摘できるのである。この件について、私の質問に答えたある職員は、
   「女性が面接で優秀だったからだ。」と答えた。しかしそれは、そういう発言で隠
   蔽可能な領域で、女性優遇採用が行われてきた結果であると、そういう見方もまた、
   可能なのである。                     

グラフURL・・・・・・・ 国家公務員採用.T種試験事務系(行政・法律・経済)区分の
         申込者・合格者・採用者に占める女性の割合の推移

http://www.jinji.go.jp/saiyoutouyou/sankoushiryou/III.pdf#search='%EF%BC%89%E3%80%8C%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E6%8E%A1%E7%94%A8%E3%83%BB%E7%99%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E7%AD%89%EF%BC%9A%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E9%99%A2%E3%80%8D%E3%80%8C%E2%85%A0%E7%A8%AE%E8%A9%A6%E9%A8%93%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B3%BB%EF%BC%88%E8%A1%8C%E6%94%BF%E3%83%BB%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%83%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88%EF%BC%89%E5%8C%BA%E5%88%86'
                                    (以上)


posted by 翠流 at 02:11| Comment(3) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月10日

再び、名古屋市職員採用試験

名古屋市のホームページに、平成22年度以降6年間の、名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)の合否状況が記されている。(下記URL)

  http://www.city.nagoya.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000070/70796/H27_dai1rui_jisshijoukyou.pdf
  http://www.city.nagoya.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000010/10992/H26-kekka.pdf
  http://www.city.nagoya.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000010/10992/H25-kekka.pdf
  http://www.city.nagoya.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000010/10992/H24-kekka.pdf
  http://www.city.nagoya.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000010/10992/H23-kekka.pdf
  http://www.city.nagoya.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000010/10992/H22-kekka.pdf

これをもとに算出した「一次試験男女別合格率」及び「一次合格者の二次試験男女別合格率」を、この記事の後半に、素データとして掲載した。
それをもとに、「行政一般」「法律」「経済」「社会福祉」それぞれについて、6年間の「男女別合格率」の推移を示すと以下のようになる。

     なお、採用試験の内容は、次の通り。
          一次試験・・・・・行政一般・学校事務・・・・・・・教養試験     
                 法律・経済・社会福祉・・・・・教養試験・専門試験
          二次試験・・・・・論文試験・口述試験            

行政一般     (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
          男 性   女 性    男 性   女 性
     H27    27%   24%     24%   42%
     H26    24%   19%     32%   56%
     H25    23%   20%     33%   49%
     H24    28%   20%     27%   58%
     H23    32%   24%     32%   61%
     H22    12%    9%     40%   60%

法律       (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
          男 性   女 性    男 性   女 性
     H27    67%   66%     28%   71%
     H26    59%   61%     36%   72%
     H25    47%   50%     38%   77%
     H24    46%   45%     42%   68%
     H23    54%   60%     40%   69%
     H22    29%   23%     50%   88%

経済        (一次試験合格率)  (二次試験合格率)
          男 性   女 性    男 性   女 性
     H27    67%   67%     41%   74%
     H26    67%   74%     42%   78%
     H25    47%   60%     35%   67%
     H24    68%   64%     43%   72%
     H23    77%   84%     45%   85%
     H22    30%   33%     60%   83%


社会福祉      (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
          男 性   女 性    男 性   女 性
     H27    63%   76%     26%   63%
     H26    71%   82%     38%   61%
     H25    55%   51%     37%   87%
     H24    67%   64%     56%   70%
     H23    73%   84%     56%   70%
     H22    40%   31%     42%   70%

(全体)     (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
          男 性   女 性    男 性   女 性
     H27    40%   41%     29%    59%
     H26    39%   37%     36%    65%
     H25    34%   34%     35%    67%
     H24    40%   32%     37%   65%
     H23    43%   41%     38%   69%
     H22    19%   16%     48%   73%

この数値を見ると、全ての場合について、二次試験合格率に明白な性差があり、女性の合格率が、明らかに男性を上回っている。この事実をどう捉えるかについて、判定会議の内実を引き出したい思いがあるが、それが叶うはずもない。

ところで私は、このブログを立ち上げる前年に、積極的改善措置(ポジティブ・アクション)と名づけられた、数値目標達成を最優先とする女性優遇採用が、国家公務員採用試験で行われているらしいという情報を得て、「女性国家公務員の採用・登用の現状等:人事院」
http://www.jinji.go.jp/saiyoutouyou/sankoushiryou/III.pdf#search='www.jinji.go.jp%2Fsaiyoutouyou%2Fsankoushiryou%2FIII.pdf'
に記されたグラフ、「T種試験事務系(行政・法律・経済)区分の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合(昭和63年から平成22年まで)」 にたどり着き、このブログの最初の記事、「裏切りの男女共同参画」に、次のように書いた。

   もしもそれ(ポジティブ・アクション)が、例えば、社会進出を望む女性を支援する保育
  環境の整備のようなアクションであるならば、私に疑義はない。ところが、男女共同参画が
  企図していた積極的改善措置は、例えば、採用や昇進にあたって、女性への特別な優遇配慮
  を求めるアクションであって、それは、既にもう、行われてきたことのようでもあったのだ。
  例えば、この年の人事院HPの、「女性国家公務員の採用・登用の現状等:人事院」(上記URL)
  に記されていたグラフ、「T種試験事務系(行政・法律・経済)区分の申込者・合格者・採
  用者に占める女性の割合(昭和63年から平成22年まで)」を見ると、平成13年以降、採用者
  に占める女性の割合は、毎年、明らかに、合格者に占める女性の割合より高くなっていたの
  である。私はこのグラフを見て、採用に関わる面接等の段階で、関係各省庁が、女性優遇採
  用、つまりは男性差別の選考を行ってきたのではないかという疑惑を抱くようになった。

そして、この件のついて、私は、記事『「男女共同参画」に翻弄される日々【1】』の中で、次のように補足した。

   この件について、私の質問に答えたある職員は、「女性が面接で優秀だったからだ」と答
  えた。しかしそれは、そういう発言で隠蔽可能な領域で、女性優遇採用が行われてきた結果
  であると、そういう見方もまた、可能なのである。

あのときの女性職員の対応は、今も記憶に残る。彼女は私の質問に対して、即座に、あたかも用意された答えであるかの如く、「それは女性が面接で優秀だったからだ。」と答えたのである。

今回取り上げた名古屋市のデータと、上記国家公務員採用試験に見られた特徴を、時系列的に結び付けて考えれば、名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)の二次試験合格率の明白な性差もまた、女性優遇採用の結果ではないかと、そういう推論は、十分に可能と思うのである。

なお、前回の記事に、平成26年度学校事務(上記4者と管轄が異なる)の二次試験合否状況には、4者とは異質の感があると書いたが、6年間の合否状況は次のようになっている。後述の素データが示すように、二次対象者の母集団が上記4者に比べて小さいので、数値の持つ意味が気になるが、二次試験合格率の性差の特徴は年度によって異なり、前記4者のような規則性はない。

学校事務      (一次試験合格率)  (二次試験合格率)
          男 性   女 性   男 性   女 性
     H27    34%   16%    35%   56%
     H26    27%   25%    38%   38%
     H25    10%    8%    13%   67%
     H24    23%   17%    55%   53%
     H23    24%   17%    52%   64%
     H22    21%    5%    50%   100%

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【素データ】
  名古屋市職員採用試験(第1類・事務系)合否状況
  一次試験男女別合格率・一次合格者の二次試験男女別合格率・・・・・平成22〜27年度

平成27年度(2015年度)
    
  (区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数) (合格者数)
        男性  女性   男性  女性   男性  女性   男性  女性
  行政一般  907  597    666  429    178  102    42   43 
  法  律  273  161    170  116    114   76    32   54 
  経  済  195   69    132   58    88   39    36   29 
  社会福祉   68  107     43   83    27   63     7   40 
  (計)   1443  934    1011  686    407  280    117  166 

             (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
              男性   女性    男性   女性
      行政一般    27%   24%    24%   42%
      法  律    67%   66%    28%   71%
      経  済    67%   67%    41%   74%
      社会福祉    63%   76%    26%   63%
      (全体)    40%   41%    29%   59%
           
平成26年度(2014年度) 

  (区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数) (合格者数)
        男性  女性   男性  女性    男性  女性   男性 女性
  行政一般  1,111  601   756  408    185   78    60  44 
  法  律   300  154   213  111    125   68    45  49 
  経  済   202   65   150   50    101   37    42  29 
  社会福祉   100   90    77   66     55   54    21  33 
  (計)   1,713  910  1,196  635    466  237    168 155  

             (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
              男性   女性    男性   女性
      行政一般    24%   19%    32%   56%
      法  律    59%   61%    36%   72%
      経  済    67%   74%    42%   78%
      社会福祉    71%   82%    38%   61%
      (全体)    39%   37%    36%   65%

平成25年度(2013年度) 
    
  (区分)  (申込者数)(一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数)
        男性  女性   男性  女性    男性  女性   男性  女性
  行政一般  1106  618   783  404    184   82    60  40 
  法  律  330  166   223  120    105   60    40  46 
  経  済  328  104   245   82    115   49    40  33 
  社会福祉  111  133    84   88     46   45    17  39 
  (計)   1875  1021   1335  694    450  236   157  158 

             (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
              男性   女性    男性   女性
      行政一般    23%   20%    33%   49%
      法  律    47%   50%    38%   77%
      経  済    47%   60%    35%   67%
      社会福祉    55%   51%    37%   87%
      (全体)    34%   34%    35%    67%

平成24年度(2012年度)

  (区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数)
        男性  女性  男性  女性    男性  女性   男性  女性
  行政一般  1155  657   802  467    224  92     60  53 
  法  律   385  208   266  154    122  69     51  47 
  経  済   279   77   208   61    141  39     60  28 
  社会福祉   80   94    64   67    4 3  43     24  30 
  (計)   1899  1036   1340  749    530  243    195  158 

             (一次試験合格率)  (二次試験合格率)
              男性   女性    男性   女性
      行政一般    28%   20%    27%   58%
      法  律    46%   45%    42%   68%
      経  済    68%   64%    43%   72%
      社会福祉    67%   64%    56%   70%
      (全体)    40%   32%    37%   65%

平成23年度(2011年度)

  (区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数)
        男性  女性  男性  女性    男性  女性    男性  女性
  行政一般  1068  645   739  425    234   103    74  63 
  法  律   370  176   235  103    128   62    51  43 
  経  済   201   75   144   62    111   52    50  44 
  社会福祉   59   84    37   51    27   43    15  30 
  (計)   1698  980   1155  641    500   260    190  180 

             (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
              男性   女性    男性   女性
      行政一般    32%   24%    32%   61%
      法  律    54%   60%    40%   69%
      経  済    77%   84%    45%   85%
      社会福祉    73%   84%    56%   70%
      (全体)    43%   41%    38%   69%

平成22年度(2010年度)

  (区分)  (申込者数) (一次試験受験者数)(二次試験対象者数) (合格者数)
        男性  女性    男性  女性   男性  女性   男性  女性
  行政一般  1019  529    660  336    77   30    31   18 
  法  律   345  141    179   74    52   17    26   15 
  経  済   245   89    149   55    45   18    27   15 
  社会福祉   79  110     48   75    19   23     8   16 
  (計)   1688  869    1036  540    193   88    92   64 

             (一次試験合格率)   (二次試験合格率)
              男性   女性    男性   女性
      行政一般    12%    9%    40%   60%
      法  律    29%   23%    50%   88%
      経  済    30%   33%    60%   83%
      社会福祉    40%   31%    42%   70%
      (全体)    19%   16%    48%   73%
           
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校事務
      (申込者数)(一次試験受験者数)(二次試験対象者数)(合格者数)
       男性  女性  男性  女性   男性  女性  男性  女性  
  H27    78  81    58  56    20   9    7   5  
  H26    68  69    48  51    13  13    5   5  
  H25    106 109    83  79     8   6    1   4  
  H24    109 129    86  89    20  15    11   8  
  H23    172 168    111 129    27  22   14   14  
  H22    238 230    173 157    36   8    18   8  
    
  学校事務の「一次試験合格率」・「二次試験合格率」は前記の通り。
                                    (以上)


posted by 翠流 at 03:16| Comment(1) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月06日

「ポジティブ・アクション」 の今

日本中で行われるようになってしまった女性優遇活躍推進のルーツをたどれば、
恐らくは、女性に対する特別な配慮を合法化するための計画的戦略として、
男女共同参画社会基本法第二条二項(注1)の導入があり、
それに成功した女性優遇活動家たちの目論見が、
安倍首相の「光り輝く女性」発言と共に政治の表舞台に登場し、
彼女たちの思惑通りの現在があるのだと思う。
そういう、女性優遇活動家と安倍首相が選択した施策を、どう評価するかについて、
ある人のブログに、下記のような【引用記事】があった。
記事の題名は、『女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態』。
記事の最後に、次のような文章がある。

    多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してきた
    経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用する
    のは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。

私も、この3行のように思う。
要するに、女性優遇活動家たちは、
女性への特別な配慮を「逆差別」と言わせないための詭弁を構築してきたのであって、
今の社会で行われている女性優遇採用、女性優遇昇進の内実は、逆差別そのものだと思う。
以前、ある男性が、彼のブログの中で、
「もしもあなたを優遇すると言われれば、こちらからそれを拒否する」と言っていたが、
そういう正義の気概など、女性優遇活動家には、微塵もない。

ところで、既に、記事「男性の自殺」の中で書いてきたが、
経済・生活問題、勤務問題で自殺する男性は多い。
しかし私は、そういう男性に対する支援のメッセージを、
安倍晋三という人から聞いたことがない。
彼は何故か、女性に優しく、
「日本の女性を、世界で一番光り輝く存在にしたい」などと言い、
男性差別の、女性優遇政策を展開している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆【引用記事】

『女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態』 (2017.5.22)
    https://www.news-postseven.com/archives/20170522_553461.html 

■ 堂々と女性を優先採用する企業が続出

 全国各地の政府系機関に次々と「女性優先採用」や「女性限定採用」が現われ、しかもそれを政府が推進している。国家主導の「女尊男卑」の時代ともいえるが、政府系機関に限った話ではない。

 民間企業でも「新卒・中途採用において、同程度の能力であれば女性を優先的に採用する」といった文言を掲げる企業が続出している。

 なぜこんなことが起きているのかというと、平成17年施行の「次世代育成支援対策推進法」や昨年4月施行の「女性活躍推進法」を根拠に、政府は企業に対し、子育て支援や女性採用の「行動計画」を作成させ、達成した企業を厚生労働大臣が優良企業として認定する制度を実施しているからである。

 実態は“強要”に等しいが、一方で「女性活躍加速化助成金」という助成制度では、企業が女性活躍に関する「数値目標」と「行動計画」を策定し、その目標を達成したら、助成金(30万円)が支給される。

 自治体でもこうした支援が盛んに行なわれており、例えば東京都では「女性の活躍推進人材育成研修」を開催。それを受講して社内に「女性の活躍推進責任者」を設置すると、奨励金30万円が支給される。

 さらに、その「責任者」が東京都の「フォローアップ研修」を受講した上で「行動計画」を届け出て、かつ行動計画の「社内向け説明会」を実施すると、さらに30万円(計60万円)の奨励金が上乗せされる。

 女性を優遇する企業に“アメ”を配って、女性採用を後押ししているのである。
 多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してきた経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用するのは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。
                             ※週刊ポスト2017年5月26日号


posted by 翠流 at 02:04| Comment(2) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月16日

“女性活躍”で見失っているもの

名ばかりの男女共同参画運動によって、
軽んじられてきたもの、失われてきたもの、壊されてきたものは、
たくさんあると、私は思う。
今回はその中から、「“女性活躍”で見失っているモノ」を取り上げた記事を紹介する。

その前に、改めて書いておくが、
私は、女性差別にも男性差別にも反対する人間である。
社会進出や昇進に際して、女性が、女性であるという理由によって差別されたり、
男性が、男性であるという理由によって差別されたりしてはならない。
私がそういうスタンスに立つ人間であるという前提に立って、
この記事を取り上げる理由を考えてほしい。

日本には、美しい風土があり、その風土の中で、
「母親」の愛が、日本人の美しい心を育んできたと、私は思う。
そういう、日本の社会を支えてきた愛の姿を、
「女性活躍」という言葉は、軽視し過ぎたのではないかと思う。

今回掲載する記事の題名とURLは、下記の通り。
記事全文も記すが、その前に、
YAHOO!ニュースの、共感順コメントの1ページ目を掲載する。
コメント右下の、〇は「共感する」、×は「共感しない」を示す。
〇×それぞれの数は、今月13日、午前深夜のものである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【記事名】 30代以下専業主婦の7割が「罪悪感ある」
          “女性活躍”で見失っているモノとは…
   https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181210-00010003-fnnprimev-life
                      12/10(月) 11:37配信  FNN PRIME
【記事全文】・・・・・ 後半に掲載する

【YAHOO! ニュース:共感順コメント:1ページ】

 chi*****
   各家庭の環境で好きにすればいいと思います。
   家庭のことを一生懸命するのだって、立派な仕事だと思いますし、保育、介護をすれ
   ば国の負担減らせるのだから、それなりに控除などをしてあげてほしいと思います。
   収入が多い旦那さんで専業主婦の方も、旦那さんが沢山税金払ってるし、お金あるか
   ら消費もするし、ありがたい存在だと思います。
   それぞれの環境でどれが正しくて、悪いと言うことはないと思います。
                             〇:6054  ×:356
 a72*****
   本当に女性を高齢まで働かせたいなら、1度仕事を離れた人にも、
   再就職しやすい環境が必要
   40代でも新卒扱いのような、優遇がないと無理
   それがないから、しがみつく人が生まれる
   でも専業主婦で家のことやって、家族が仲良く暮らせたら、よいと思うけどね
   形見が狭い状況を記事が作ってる
                             〇:5804  ×:400
 bin*****
   自分の母が専業主婦だったので、帰宅したら「お帰り」と言ってくれる存在がいたの
   は今でもありがたかったと思える記憶です。
   理由があって子供が居ない専業主婦や、
   その家庭の中で経済がやりくりできる夫が、専業主婦を望んで家庭を守って支えて欲
   しいという希望なら、
   罪悪感持つ必要は全くないと思う
   仕事や地域活動を やりやすい様に父のフォローをしてた縁の下の力持ちで、
   子供に美味しいご飯を子供の都合時間に合わせ用意してくれてた母を、今でも尊敬し
   ている。
   定年をとうの十数年過ぎた父の代わりに、今は母が仕事をしてますが、
   子供も巣立ち第2の人生として 老後に終日夫だけの環境ではない仕事という存在が、
   大変だけれども気持ちの息抜きになってる様です。やっと家事を手抜く事を覚えた分、
   父が率先して手伝ってくれるそうです。
   女性は人生の中で色々な選択肢があるのだと思いますし、
   あって良いのだと思います。
                             〇:4365  ×:293
 laj*****
   そもそも、専業主婦と兼業主婦どちらを選ぶかは個人の自由。どちらを選んだとして
   も、批判される事がおかしい。
   どちらにしろ、大変だと思うし自分なりの悩みはあると思う。世論がどうとかではな
   く、自分と家庭の問題。他人が口を出す事ではない。
                             〇:2726  ×:106
 rsc*****
   私は50代の男性会社員です。子育てって、人材育成のプロジェクトリーダーという
   りっぱな仕事です。それに専業主婦が居なかったら、昼間の住宅街の治安だって悪く
   なる。専業主婦はその存在だけで地域防犯の要でもあります。もっともっと誇りを持
   って良いと思います。
                             〇:2952  ×:220
 ros*****
   フルで働いてます。私は逆に妻らしい事、母親らしい事が出来ていない事に罪悪感の
   毎日です。経済的になんとかなるなら専業主婦になりたい。子供の帰りを待っていた
   いです。
   専業主婦は家庭の幸せに大きく貢献していると思います。自信を持つべきです。
                             〇:2151  ×:120
 mac10
   子育ては立派な仕事。
                             〇:2524  ×:189
 tmr*****
   子供が幼稚園や小学校低学年の時は、帰ったら家にお母さんが居ると安心かなと思い、
   働かずに子供たちとの時間を過ごしてました。
   子供も大きくなればお母さんより友達と約束してくるし、時間が出来ると働きたくな
   ったかな!
   子供の教育費で働かないと回らないのもあるけど。。汗?
   冬休みや夏休み中の仕事は、やっぱり悩みの種ですが
                              〇:1327  ×:73
 hum*****
   時短勤務が家事や育児、仕事のバランスが自分にとってちょうどいいと思ってやって
   います。
   そして夫も理解してくれていますし、16時にお迎えに行く3歳の息子もこども園を
   楽しんでいる様子。
   家庭内では全く罪悪感はないです。
   ただ専業主婦だった両家の母と義母は「旦那と子供が可哀想でしかたない」と言って
   くる。
   家事は全てわたしがやっていましたが、2人目妊娠で悪阻で家事ができなくなったと
   きにここぞとばかりに共働きのことを責められて罪悪感がいっぱいになりました。
   今は専業主婦や共働きなど選択肢がたくさんありますし、どれが正解かは個々で違う
   もの。
   どうか噂であってもその人を非難することは言わないでほしいです。
                              〇:1150  ×:66
 xxr*****
   これじゃ少子高齢化は止まらない。
   子供が増えなければ、日本の未来は無い
   働き手が足りないからとか、経済効果とか。
   女性を!外国人労働者を!って。。
   でもね、やっぱり女性には女性しかできない、妊娠や出産があるし、安心して子育て
   できる国にしてほしい。
   子供にとってもお母さんの存在は大切、特に3歳まで。
   最近は産まれて数ヶ月で保育士さんが一日中、赤ちゃんの面倒みてる。
   子供の正しい心を育てる役割は親、親と過ごす時間。勉強ができれば良いわけじゃない、
   育てるのも大変だし子供産んでも1人か2人までの世の中。
   子供は未来の日本を支え担う宝です
   男性の給料を上げて、女性は男性なみに働かなくても大丈夫なように、家庭を一番に
   考えられるようなバランスのとれた国になってほしいな
                             〇:1547  ×:309
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【記事全文】 30代以下専業主婦の7割が「罪悪感ある」
            “女性活躍”で見失っているモノとは…

 「すべての女性が輝く社会づくり」を目指し、「女性活躍」「女性の社会進出」といった
 言葉が盛んに取り上げられる日本。
 厚生労働省では全国の企業における女性の活躍状況をデータベース化し公開するなど、
 様々な取り組みがなされている。
 そんな中、株式会社ビースタイルが運営する、主婦に特化した人材サービス「しゅふJO
 B」が「専業主婦の罪悪感」に関する調査結果を11月2日に公開した。 
 調査結果によると、専業主婦・主夫経験者の56.6%が「専業主婦であることに後ろめた
 さ・罪悪感を覚えたことがある」と回答したことがわかった。(しゅふJOB総合研究所
 調べ 2018年5月23日〜6月4日、専業主婦・主夫経験者815名対象のインターネットリ
 サーチ)
 さらに、年齢別でみると、30代以下で「罪悪感がある・少しある」と答えたのは70.1%、
 40代では60.7%、50代では45.7%と、若い世代の専業主婦ほど罪悪感を強く抱いてい
 ることがわかった。
 また、子どもがいる専業主婦で「罪悪感がある・少しある」と答えたのは54.2%、子ど
 もがいない人では69.6%と、子どもがいない家庭の専業主婦は、罪悪感をより強く抱い
 ているということが浮かび上がった。

子育ては仕事? 「自分は非生産的」と感じる人も…

 では、実際にアンケートを受けた人のコメントを見てみる。

【子どもがいる・罪悪感があると答えた人のコメント】
 ・子育てや家事、地域の活動など、それなりに忙しくしていましたが、収入がないことは
 後ろめたい気持ちになる原因だと思う(30代)
 ・子供が幼稚園から小学校に上がった時に自分の想像よりも共働きの方が多く、「夢の専
 業主婦だね」と言われることもありました。また、毎日何をしているのか?等詮索される
 ことも多かったです。あとで聞いた話ですが、働くお母さんで集まった時に「健康なのに
 働かないなんて」と言われていたようです(40代)
 ・何かを購入する時は、必ず夫に聞かなければ悪いように思う。それが、子供のことであ
 っても(50代)

【子どもがいる・罪悪感がないと答えた人のコメント】
 ・子育て中の専業主婦は、主人の希望でもあった(40代)
 ・自分の子供を自分で育てるのは理想的な事なので悪いことと思った事がない(40代)
 ・周りにも子育てに専念している人がほとんどだったから(50代)

 「子どもがいる・罪悪感がある」という人からは、子育てに追われる一方で、収入を夫に
 頼っていることで負い目を感じたり、子どもがいることで“ママ友”との交流がある中、
 共働きの人の多さを感じる機会があることなどから、周囲と比較して「非生産的な毎日を
 送っていると思う」といったコメントが多かった。
 一方、「罪悪感がない」と答えた人は、「子どもを育てるという仕事を担っている」と捉
 えているコメントが多く、また、子育ての期間を楽しむことができたため、むしろ「仕事
 のために子どもと一緒にいられる期間がない人はかわいそう(50代)」という意見も挙が
 っていた。
 さらに、50代からは「周りも専業主婦がほとんど」という時代の変化を感じさせるコメ
 ントもあった。
 そして、より罪悪感を強く抱いている子どもがいない家庭の場合、「罪悪感がある」と答
 えた人は、「子育てに時間を割いていないため、働いていないことが申し訳ない」という
 意見が多く、また、子育てしつつ働いている人と比較してしまう、というコメントもあった。
 一方、「罪悪感がない」と答えた人からは「家事も仕事」という意見や、正反対の立場で
 ある「子育てしながら働いている友達」から羨ましいと言われた、という経験談も挙がっ
 ていた。

「女性活躍=仕事」?

 そもそも、「すべての女性が輝く社会」とは、どのようなものなのだろうか。
 「すべての女性が輝く社会づくり」の要となる法律である「女性活躍推進法」の内容を見
 てみると、
 「自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分に発揮
 されることが一層重要。このため、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力あ
 る社会の実現を図る」(内閣府男女共同参画局「女性の職業生活における活躍の推進に関
 する法律」より)
 とある。
 女性活躍推進法は「仕事をすることを自ら選ぶ人」を支援する、というもの。
 「すべての女性が輝く」ことを目標とする社会のイメージが、「女性活躍=仕事」「女性
 が輝く=仕事」となることで、専業主婦が罪悪感を感じてしまってはいないだろうか。

調査を行ったしゅふJOB総研の川上敬太郎所長に、アンケート結果についてお話を伺った。

「働かないことを選んでいる人に目を向けなかった面がある」

 ――「専業主婦の罪悪感」はこれからどう変化していく?

 このままでは罪悪感がより強くなっていく可能性があると思います。専業主婦はなくなっ
 ていく方向だと思いますが、ゼロに近づくほど少数派となり、罪悪感をより強く感じるよ
 うになってしまう可能性があります。
 家事=仕事という捉え方は今より広がる可能性はありますが、その点は人によって捉え方
 が異なるかもしれません。罪悪感がなくなるか否かは、各ご家庭で家庭収入と家仕事に対
 する役割について話し合い、夫婦間で納得した状態を作ることができるかどうかにかかっ
 ているのではないかと考えます。
 働きたいと考える主婦層には、仕事に就いてどんどん活躍して欲しいと思いますが、それ
 を社会全体で推奨していく中で、働きたくても働くことができなかったり、何らかの事情
 で「働かないことを選んでいる」人たちが肩身の狭い思いを強くしてしまっていることに
 目を向けてこなかった面があるのではないでしょうか。
 家事など家周りの仕事は、社会で生きる上で必須です。
 家庭を一つの単位として考えた場合、仕事をして収入を得ることと、家周りの仕事をする
 ことをどう分業するかは、そのご家庭ごとに違って良いはずです。そこをしっかりと各ご
 家庭ごとに話し合い、夫婦が互いに納得することが大切です。それがなされれば罪悪感は
 なくなっていくと思いますし、それがなされなければ、共働き傾向がより強まっていく中
 で、専業主婦の罪悪感もまた強まっていくことになってしまうのではないかと考えます。

 ――では、「女性が活躍できる社会」とはどのようなものを目指すべき?

 目指すという意味では、「女性が」という冠を付けること自体に意味がなくなる状態にし
 なければならないと思います。そのために必要なことは2つあると考えます。
 1つは、仕事するための勤務条件を柔軟にすることです。
 今の日本の労働社会は、拘束時間ありきで就業時間に対して給与を支払います。その考え
 方だと、長く働けることが価値となりがちです。そうではなく、成果ありきで給与が支払
 われ、仕事時間を自分でコントロールできる社会になれば、短い時間しか働くことができ
 ない人にもチャンスが広がっていきます。
 いま採用難の背景を受けて、時短人材の活用が広がっていますが、その根底には短時間で
 も成果を出してくれれば戦力化できるという考え方があります。決して完全成果主義で100
 か0かという給与体系にした方が良いという意味ではなく、いつまでにどんな成果を出し
 て欲しいのかを明確にすることで、働く側が柔軟に仕事時間をコントロールできるように
 するということです。
 また、時間だけではなく働く場所などももっと柔軟化していく必要があります。
 2つ目は、女性に対する偏見をなくすことです。
 「女性だから家事をしなければならない」というのも偏見の一つですが、仕事の向き不向
 きなどにも偏見が潜んでいる可能性があります。
 仮に重いものを運ぶような仕事があったとき、これは男性だろうと決めつけてしまいがち
 です。しかし、重量挙げの三宅宏実選手より重いものを持ち上げられる男性などほとんど
 いません。性別ではなく、その人の能力や意欲などに目を向けるようにする必要があると
 考えます。

「専業主婦もキャリアのひとつ」

 「家事・子育て=仕事」という捉え方は、広がるかもしれないが人によって異なるのも否
 めないということだった。
 では、罪悪感を感じている専業主婦が、いざ「働きたい」と思ったときに働ける環境づく
 りはどうしたらいいのだろうか。
 キャリアと育児の両立支援プログラムなどをはじめ、女性活躍推進事業を展開している株
 式会社wiwiwの執行役員、三輪英子氏は「専業主婦もキャリアのひとつ」と語る。

 ――女性が「働く」ことへの意識を変えるために必要なことは?

 働くための具体的なイメージがつかめず、自分も働けるという自信が持てない人が多いた
 め、働いている人の話を聞いたり、機会を見つけて少し働いてみると、出来ることがイメ
 ージできて、働くことの距離が縮まります。
 専業主婦もキャリアのひとつで、実は仕事に活かせるスキルもあるが、なかなかそれに気
 づけません。
 仕事に必要なスキルの定義も、単なる資格ではなく、傾聴や調整能力など活かせるものも
 たくさんあるので、キャリアカウンセリングを受けるなど、客観的な分析も役立ちます。
 人生100年時代、育児が終わってもその先の人生は長いので、働くことに関心を持ち、
 情報収集することは大切です。

 ――出産・育児などのライフイベントでキャリアを諦める女性は少なくないと思いますが、
 その両立のため、企業ができることは?

 (1)両立支援の制度の整備。 
  育児介護法や次世代育成支援対策推進法の制定に基づき、企業における休業制度や時短
  制度を整備している。
 (2)制度の運用。
  制度をつくるだけでなく、社内に周知し、うまく運用できるように配慮する。
  周知や活用のためのハンドブックの作成、産休前、復帰前、復帰後の上司や人事との面
  談や両立支援セミナーなどが行われています。
 (3)職場環境の整備
  継続して働きやすい、活躍し働きがいを感じる環境をつくること。
  女性だけでなく全ての社員を対象にした働き方改革やダイバーシティ推進もおこなわれ
  ています。
  女性の活躍推進のためには、女性社員のキャリア、能力開発研修、管理職のダイバーシ
  ティマネジメント研修やコミュニケーション研修も実施されています。
  先進企業での男性の育休取得の拡大や、男性の仕事と介護の両立、あるいは病気と仕事
  との両立など、ライフイベントはもはや女性だけの課題ではありません。

 ――「女性が活躍できる社会・働きやすい環境」とは?

  女性が働き続けるためには、女性自身のスキルやキャリア意識の向上も必要ですが、まだ
  まだ性別役割分業意識が強く、女性は家事育児、男性は仕事という認識は男女ともに根強
  いものがあります。
  女性の家庭でのワンオペ家事育児もなかなか改善できず、社会全体というよりも、一家庭、
  一家庭で、コミュニケーションをとり、みんなが社会で活躍できる体制を築くことが重要
  です。
  「女性活躍」というのでなく、「性別にこだわらず、誰もが働ける社会」が理想的なもの
  であることは確かだろう。
  しかし、時代と共に共働きが増えている中で、「仕事をしないこと」を選んだ専業主婦が
  特別視されやすく、社会への不参加・非協力の罪悪感を持ってしまっていることも見逃せ
  ない。
  真に「すべての女性が輝く社会」とは何か、今一度考える時が来ている。
                                      (以上)


posted by 翠流 at 17:15| Comment(0) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする