2014年01月14日

被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(1)

 内閣府男女共同参画局の施策は、「男女共同参画」という「美名」と乖離した、女性優先・女性優遇・男性軽視・男性無視の施策であると、私は、事実をもとにして発言してきた。男女共同参画社会基本法第3条には、「男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと」と、「男女の人権の尊重」が謳われているにも関わらず、男女局は、男性の人権軽視、人権無視の施策を行ってきたし、今も行っている。

 今回取り上げた記事、昨年の6月に内閣府男女局HPの「災害対応」に掲載された「平成24年度、東日本大震災被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」も、その題名からして、被災という極限状況の中での、男性無視の、差別の施策と思われた。男女局は、なぜ、男性を支援の対象から外したのだろう。男性には支援は必要ないと考えていたのだろうか? 男性は、苦しみがあっても一人で耐えるべきだというような、不当な性的偏見を持っていたのだろうか? それとも最初から、男性のことなど眼中にはなかったのだろうか? そういう疑義を抱きながら、私は男女局推進課への問い合わせ考えていた。

 問い合わせの結果を書く前に、今回取り上げた「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」に関連して、東日本大震災後の、被災者の心の状態を示すデ−タを、「男女共同参画白書:平成24年全体版」から引用する。男性に対する支援の必要性が、たとえば「アルコ−ル依存」や「自殺者数の男女比」に強く現れている。
        【飲酒量が増加した人】 【不眠症の疑い】 【精神的問題の指標10以上(注)】
          女性   男性    女性   男性    女性   男性    
   陸前高田市  3.2%  6.2%   44.4%  27.7%   15.2%  8.7%    
   石巻市    3.5%  11.5%   50.2%  32.4%   20.0%  12.3%   
                         (注)・・指標となる数値が高いほど、精神的な
                           問題がより重い可能性があるとされる。

        【東日本大震災に関連する自殺者数の男女別の割合】           
                         女性     男性     計     
   震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月)   24.6%   75.4%   100%    
   全国の自殺者数(平成23年)         31.6%    68.4%   100%    

 上記4種類のデ−タのうち、私は、特に自殺者数の男女比が気になっていたが、それは、白書の「概要版」では削除されていた。私はその理由を知りたいと思い、昨年の11月に、男女局調査課に問い合わせの電話を入れた。担当者は、理由を次のように説明した。

   【削除の理由】
     @ 概要版にはペ−ジ数の制限がある。
     A 自殺者数の男女比より重要な記事がある。
     B 震災関連の自殺者数の男女比と、全国の自殺者数の男女比に大差はない。

 皆さんは、この答えを読んでどう思われるであろうか。私は、自殺の深刻さが心から離れず、男女局の答えには違和感と疑義を抱かざるを得なかった。もしかすると、削除の背景には、「男性の深刻な状況は取り上げたくない」というような、自己本位の思いがあったのではないか? 初めに結論ありきの、女性優先・女性優遇の施策を、効果的に行うために。
 関連して、私は、昨年の4月、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の意見募集にあたって、女性への配慮に傾斜しすぎる「指針(案)」に対して、次のような意見を送った。しかしこの意見は、全く取り上げられなかった。

     「男性については、震災関連の自殺者数の多いことを、具体的な数値をあげて
    強調すべきである。自殺は深刻である。すでに別紙に記したが、内閣府の自殺対
    策担当から得た情報によれば、東日本大震災から今年2月までの震災関連の自殺
    者数は、男性66人、女性19人となっている。」              

 今回取り上げた「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」について、内閣府男女局推進課に問い合わせの電話をしたのは、昨年の12月であった。私は初め、施策の正当性を押し通そうとする自己本位の答えを予測していたのであるが、電話に出たOさん(女性)は、予測に反して、「女性の悩み・暴力相談事業」の男性「軽視」を、是正されるべき問題点であると認める語調で、取り組みの経過と現状について話してくださった。その要点は次の通りである。

    @ 岩手県と福島県には、当時、女性の相談を受ける体制しかなく、女性だけを
     対象として、相談活動を開始せざるを得なかった。     
    A しかし、活動を続けているうちに、男性からも相談が入るようになった。 
    B 宮城県の場合は、男女両方の相談を受ける体制が既にあったため、両性を対
     象として、相談活動を開始することができた。             
    C 現在は、男性に対する相談体制を確立するために、各自治体向けの、男性相
     談マニュアルの作成等を始めている。                  

 Oさんの発言には、男女双方の人権に配慮する誠意が感じられ、心安らぐ思いがあった。しかし、上記の@は、後付けの言い訳のようにも聞こえる。それは、この事業に「女性の悩み・暴力相談」と名づけたことからもうかがえるし、男女局HP「災害対応」の、この記事を開き、「事業の概要」「事業の実施体制」を読んでいただければわかる。その文章は、女性に対する配慮ばかりに終始していると言って、過言ではないのである。

 ところで、このOさんの発言に感じられた誠意が、外部からの批判に起因するものなのか、それとも男女局内部の反省によるものなのか、或いは両方なのかは確認できていないが、とりあえず内閣府男女共同参画局は、自己本位のフェミニズム運動の如き施策を行いつつも、外部からの批判を受け付けない閉鎖性の部局ではないようだ。        
 たとえば、くり返し取り上げてきた「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」にしても、「避難所」の項目に見られたような、「男性のプライバシ−に対する配慮」の完全な欠落は、意見募集の過程で、外部からの批判が契機となって、「解説・事例集」には問題を残しながらも、「指針」そのものでは修正された。
 しかし、あの時もしも外部からの批判がなければ、恐らくは、男性に対する人権無視を抱えたままに指針が完成し、中央の、そして全国の、関係各機関に送られていたに違いない。それを思うと、私は非常に恐ろしいのである。内閣府男女局には、全国の男女共同参画部局の頂点としての大きな責任があるはずなのに、男性に対してはあまりにも無神経な「指針(案)」を提示した。プライバシ−に対する配慮は、人間の尊厳に関わる重大な問題であるというのに・・・・・。昨年3月の意見交換会の日に、担当者は、「指針には強制力はない」などと言った。しかしそれは、内閣府男女局の立場と影響力を顧みない、あまりにも無責任な、責任逃れの言い訳でしかないと思う。

 ところで、今回取り上げた「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」の、「集計結果」のうち、「相談内容」と「主訴」は、男女別に処理されていなかった。それはなぜなのだろう? 男女別にすると不都合なことでもあったのだろうか? 「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」では、あれほど強調されていた「男女別統計の整備」。強調されすぎて、その問題点に対する配慮が全く記されていないために、私が、最大多数になれない人たちに対する人権軽視・人権無視を強く危惧した「男女別統計の整備」。それが、同じ男女局のデ−タであるにもかかわらず、この「女性の悩み・暴力相談事業」の、「相談内容」と「主訴」については、全く行われていないのである。

 最近、私は、「暴力相談事業」に関連して、ネットで、次のような 気になる記事を見た。今後は、この記事についての事実確認や、第3次男女共同参画基本計画 第9分野「女性に対するあらゆる暴力の根絶」に関わる学びを、新しく始めたい思う。

     11年度に配偶者暴力相談支援センターに寄せられた、DV相談における男性被害者
    の割合は約1%程度。しかし、男性にはDV被害を隠そうとする傾向があるため、この
    数字は氷山の一角だという。また、10年度に横浜市が「配偶者からの暴力に関する
    調査及び被害実態調査」を行った結果によると、DVの被害経験は女性が全体の43%、
    男性は42%と、ほぼ同率となっている。       

 

2014年01月21日

岩手県 男女共同参画課ヘの要望書

先回の記事、「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」のコメント欄に、
被災地に住む「市民権」様から、お便りをいただいた。
岩手県では、今月の、23日・24日・30日に、
「防災・復興について考えよう 〜男女共同参画の視点から〜」と題した、 
「講演とワークショップ」を開催するのだそうだ。
「市民権」様のコメントから、
岩手県の災害対応に、男性に対する人権軽視・人権無視の危険性を感じ、
私は、岩手県の男女共同参画局に、下記のような要望書を発送した。
昨年の5月に、内閣府男女共同参画局が発表し、
全国の男女局に送られた「男女共同参画の視点からの防災復興の取組指針」と、
それに付属する「解説・事例集」に関わる要望である。
この要望が、もしも既に、岩手県で実現しているのであれば、
要望は私の杞憂の産物となり、それはそれで、好ましいことなのであるが、
このブログに記してきたような事実のために、
私は、被災地での「男性に対する人権軽視・人権無視」を危惧する思いを、
払拭することができない。
私の要望の立脚点は、以前から変わることなく、
性的偏見を排除した、全ての人間に対する人権尊重の視点である。
この視点に立った差別のない配慮を、岩手県男女局に、強く望む。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                               平成26年1月20日
岩手県 環境生活部                               
青少年・男女共同参画課 様
                               ( 翠 流 )
                要 望 書

      本年1月23日(木)・24日(金)・30日(木)開催予定の
   「防災・復興について考えよう〜男女共同参画の視点から〜」について

                  記

 小生、○○県在住のため、上記の「講演とワークショップ」には参加できませんが、昨
年3月28日に、東京の内閣府男女共同参画局で行われた、「男女共同参画の視点からの防
災・復興の取組指針(案)」の意見交換会と、その後の意見募集に、一国民として参加
させていただいた者として、上記の「講演とワークショップ」に関わりまして、下記9点
の要望を送付させていただきます。
 幸いなことに、昨年5月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組
指針」は、3月発表の「指針(案)」に見られた、男性に対する人権無視・人権軽視が
改善される方向で完成しましたが、私が改めて言うまでもなく、「男女共同参画社会基本
法第三条」に則って考えれば、女性の人権だけではなく、男性の人権にも配慮する視点
が、真の「男女共同参画の視点」であることを鑑み、すべての人の人権を尊重する視点
で、上記の「講演とワークショップ」を運営していただきたく、強くお願い申し上げます。

【要望1】 内閣府が昨年5月に完成させた、「男女共同参画の視点からの防災・復興
  の取組指針」4ペ−ジの【4 男女の人権を尊重して安全・安心を確保する】に記さ
  れた、次の考え方を、災害対応の根幹に据え、「指針(案)」に見られたような、
  男性に対する人権軽視・人権無視の施策は、絶対に行わないこと。         

   【指針 p.4】・・・ 避難生活において人権を尊重することは、女性にとっ
      ても、男性にとっても必要不可欠であり、どのような状況にあっ
      ても、一人ひとりの人間の尊厳、安全を守ることが重要である。         

【要望2】 男性の中にも、プライバシ−に対する配慮を強く求める人たちがいる。プラ
  イバシ−に対する配慮は、人間の尊厳に関わる配慮であり、その主役は、配慮を強く
  求める人たちである。この観点に立って、「指針」4ペ−ジ、及び、12ペ−ジ【3-(1)
  避難所の開設】に記された次の文章のように、避難所等においては、女性用だけでは
  なく、男性に対しても、「更衣室・物干し場・休養スペ−ス」等を用意すること。
   物干し場について補足すれば、私は、現在の居住地に来て21年になるが、この21
  年間、洗濯物を干すとき、スラックスの下に身につけている1枚の下着は、すべて
  部屋干しである。外から見えるところに干したことはない。

   【指針 p.4】・・・・・ プライバシーを確保できる仕切りの工夫、異性の目線
      が気にならない男女別の更衣室や物干し場、入浴設備、安全な男女
      別トイレ、授乳室等の整備、安心して相談や診察等を受けることが
      できるスペースの整備等を行うことが重要である。

   【指針 p.12:3-(1) 避難所の開設】・・・ 避難所の開設当初から、授乳室
      や男女別のトイレ、物干し場、更衣室、休養スペースを設けること。

【要望3】 上記の要望2に関連して発言する。「指針」に付属した「解説・事例集」の、
  p.81、【避難所チェックシ−ト】には、「女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設」
  という大項目があり、その中に、「異性の目線が気にならない物干し場、更衣室、休  
  養スペ−ス等」というチェック項目があるため、男性に対しては、物干し場、更衣室、
  休養スペ−ス等の設置の配慮がない。この、男性に対する人権無視を解消するために、  
  「女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設」を、「男女の人権と子育て家庭に配慮
  した避難所の開設」のように、男女両方に配慮する表現に修正していただきたい。

【要望4】 仮説トイレの設置について、「指針」12ペ−ジ【3-(1) 避難所の開設】に、
  次のような文章がある。                           
         「男性に比べて女性の方が混みやすいことから、         
        女性用トイレの数を多めにすることが望ましい。」         
   この件について、女性の方が時間がかかるのはわかるが、男性のトイレが少なす
  ぎて、男性が、小用を外でしなければならないような状況は、絶対に作らないでいた
  だきたい。同じ男性であっても、羞恥心は人により異なる。羞恥心の強い男性もい
  るのである。排泄に対する配慮は、人間の尊厳に関わる配慮である。羞恥心の強い
  人を主役として行われなければならない。                      
   男性と女性のトイレの所用時間について、私は「3:5」という比を聞いている。
  「指針」の「解説・事例集」の p.29 には、「国際的な基準では、トイレの個室数の
  比率が男性:女性=1:3となるように計画し、可能であれば、男性用小便器も設
  置することが推奨されています。」という表現があるが、1:3 などと言う数値は、
  「男性は小用を外でしろ」という発言と同じであって、それは、羞恥心の強い男性
  にとっては、人権侵犯、ジェンダ−ハラスメントである。男性の人権を軽視・無視
  しないでいただきたい。また、「国際的な基準」などという表現を持ち出し、権威を
  持たせようとするのはやめてもらいたい。私は、小用も、閉鎖環境のトイレ、それ
  も、できれば個室で用を足せるように配慮してほしい。            

【要望5】 やはり「指針p.12」「解説事例集p.29」にあるように、性的マイノリティ
  −や障害者に配慮し、男女共用のユニバ−サルトイレを設置していただきたい。 

【要望6】 「物資の備蓄・調達・輸送等」に関わって、女性に対しては、「指針p.9」
  及び「解説・事例集p.79 備蓄チェックシ−ト」に「下着(いろいろなサイズ)」が
  取り上げられているが、男性に対しては、「下着」の配慮はどこにも書いてない。女
  性には新しい下着が配られるが、男性は汚れた下着で生活しなければならないのか。
  どうしてこのような、男性の人権無視の指針や解説事例集が作られるのか、私には
  全く理解できない。男性に対しても、「下着(いろいろなサイズ)」を、必ず用意
  していただきたい。                             

【要望7】 私は、「解説・事例集」p.38 の「取組事例13」「女性のニ−ズに寄り添っ
  た物資の支援(宮城県登米市)」を読んで、非常に強いショックを受けた。「宮城登
  米えがおねっと」の取り組みは、男性を完全に疎外しており、男性に対する明白な
  人権無視、差別である。生理用品は別として、下着に気をつかう男性は確実に増えて
  いる。私も非常に気をつかう。男性の下着にも種類があり、好みは人によって違う。
  化粧品に関しても、使用する男性は確実に増えている。私は、ロ−ションとクリ−
  ムとエッセンスを使っているし、特に冬季は手が荒れるだけでなく、指先の皮膚が
  割れて痛いため、ハンドクリ−ムだけでなく、医師から処方された二種類の薬を使
  っている。被災地でガレキの処理等の仕事をしなければならない男性の手の荒れ方
  は、一層ひどいでうあろう。裁縫箱にしても然り、私は独身で、自分のことは全部
  自分で行っている。裁縫箱も欲しい。                    
   「宮城登米えがおねっと」、そして、その取り組みを「後方支援」した「市」は、
  どうして、男性に対しては、配慮の目を向けなかったのだろう。それで「男女共同
  参画の視点」と言えるのか。男女共同参画社会基本法第三条に則った取り組みをし
  ているといえるのか。全く、男性に対する人権無視がはなはだしすぎる。今後は、
  絶対にこのような、男性の人権を無視した取り組みは行わないでいただきたい。「パ
  ーソナルリクエスト票」を作成するのなら、男性用も必ず作成していただきたい。

【要望8】 被災者の自殺の問題について、「指針」は全く触れていないが、「男女共同
  参画白書平成24年全体版」の「第1−特−31図:東日本大震災に関連する自殺者数
  の男女別割合」には、次の数値が記されている。このような事実のあることを鑑み、
  被災者の心の状態、特に、軽視されがちな男性の心の状態に、十分に目を向けてい
  ただきたい。                                 
                        女性    男性    計
    震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月) 24.6%  75.4%  100%
    全国の自殺者数(平成23年)        31.6%  68.4%  100%

【要望9】 開催予定の「講演とワークショップ」で、もしも、男女共同参画白書(平
  成24年全体版)本編・第1部・特集「男女共同参画の視点からの防災・復興」を使
  用するようであれば、同封いたしました「別添え資料」、つまり、私が、昨年の10
  月に、内閣府男女共同参画局調査課宛に送付いたしました「要望書:男女別統計の
  扱いについて」を、お読みいただきたく思っています。「要望書」に記された内容を
  要約すると、次の三点になります。三点の番号1・2・3は、要望書に記された番
  号に一致します。                             

  1. 白書の、「第1−特−17図・・・・・避難所での生活について困っていること」、
    及び、「第1−特−18図・・・・・備蓄や支援物資に対する要望」には、「避難所等
    でのプライバシ−に関わる要望は男女間で顕著な差はなく、男性の場合も、プ
    ライバシ−に配慮を求める気持ちは強い」ことが示唆されているが、この事実
    は、昨年3月に発表された「指針(案)」、つまり「男女共同参画の視点からの
    防災・復興の取組指針(案)」には生かされなかった。           

  2. 白書の、「第1−特−17図・・・・・避難所での生活について困っていること」、
    及び、「第1−特−19図・・・・・仮設住宅での生活について困っていること」、に
    ついて、白書に記された説明文は、その内容が、必ずしも適切ではなく、「男性
    に対する人権軽視・人権無視」を引き起こす危険性を孕んでいる。      

  3. 全ての人間は、「等しく尊重されるべき人権」を持っているが、男女の違い
    ばかりに注目した「男女別統計の整備」は、男女それぞれの平均的な特徴とは
    異なる人たちに対して、人権軽視、人権無視を引き起こす危険性を孕んでいる。
    従って、男女別統計の扱いには、慎重な配慮が必要である。        

 以上、9点の要望、よろしくお願い申し上げます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「別添え資料」は、昨年の10月4日に掲載した記事、
      「内閣府男女共同参画局(調査課)へ ・・・(その2)」 に同じ。


2014年03月02日

岩手日報社への要望書

1月21日に掲載した「岩手県 男女共同参画課ヘの要望書」のコメント欄に、
岩手県の「市民権さん」が、2月13日に、URLを貼りつけてくれた新聞記事、
「【大船渡】女性の防災リーダー育成を:復興へ必要性議論」を放置することができず、
岩手日報社に、要望書を送ることにした。
以下に、新聞記事の本文と、要望書を掲載する。
記事中の「NPO法人イコールネット仙台」には、確認したいことがあるが、
連絡がとれないので、
必要があれば、後日掲載する。

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岩手日報 新聞記事 (2014年 2月12日)
「【大船渡】女性の防災リーダー育成を:復興へ必要性議論」本文

  県男女共同参画センターは11日、大船渡市盛町のシーパル大船渡で「男女共同参画
 の視点から岩手の復興と未来を考えるin大船渡」を開いた。東日本大震災で女性が抱
 えた困難を社会全体の問題として考える重要性を確認。女性の意思を復興に反映させる
 ため、女性の防災リーダー育成の必要性も議論した。               
  大船渡、陸前高田両市などから約30人が参加。仙台市のNPO法人イコールネット
 仙台の宗片恵美子代表理事が講義した。                     
  宗片代表理事は2011年9、10月に宮城県内の女性3千人を対象に行ったアンケ
 ート結果を紹介。プライバシーのない避難所生活のほか、介護や親戚との同居、失業で
 多くの人が困難を抱えたと指摘し「困難を個人の問題とせず、社会の課題として取り組
 む考えが重要だ」と強調した。                         
  復興計画に女性の視点を反映させるため、女性が世話をすることが多い障害者や妊産
 婦、病人、高齢者、子どものニーズを踏まえたサポート態勢や、女性の防災リーダー育
 成、女性に配慮した避難所運営マニュアル作りなどが必要だとした。        

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                平成26年3月1日
岩手日報社 編集局 報道部 様
                                 ( 翠 流 )
               要 望 書

  災害対応報道に見られる、男性に対する人権無視、人権軽視の回避について。

                 記

 既に、2月14日に、岩手日報読者相談センタ−に電話を入れ、要望の概要はお伝えい
たしましたが、2月12日の岩手日報に掲載された記事、「【大船渡】女性の防災リーダー
育成を:復興へ必要性議論」の執筆を担当した記者の視点に、男性の人権に対する配慮の
欠落を感じ、災害対応に関わる男性差別の回避を求める者として、要望書を送らせていた
だくことにいたしました。「記事を担当した記者と直接お話をしたい」という私の要望は
叶えられませんでしたので、大船渡で行われた集会の実態と、新聞記事の内容との整合性
を確認することはできませんが、その如何に関わらず、担当記者に、男性の人権に配慮す
る視点があれば、新聞記事は、女性に対する配慮だけに終始することなく、問題提起、或
いはそれに類する形で、男性に対する配慮も、文章として現れたはずと思います。   

 既に、東日本大震災発生の年の秋に、女性団体は、内閣府に対して、「災害時の女性(だ
け)に対する配慮をまとめよ」という要望書を提出しており、それに呼応しつつ、内閣府
男女共同参画局が行ってきた震災関連の施策は、そのホ−ムペ−ジの「災害対応」を見て
も明らかなように、男性に対する人権無視、或いは軽視のもとに行われてきたと考えて誤
りはなく、昨年3月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」
にも、それが顕著に現れておりました。例えば、「指針(案)」の「避難所の開設」等の
項目には、特に、人間の尊厳に関わるプライバシ−の問題について、女性に対しては非常
に手厚い配慮を明記していたにもかかわらず、男性に対しては、配慮は、皆無だったので
す。しかし幸いなことに、この「男性に対する人権無視」は、意見交換会と意見募集の過
程を経て、「指針」の「解説・事例集」には多大な問題を残しつつも、少なくとも「指針」
については修正され、男性に対する配慮を付け加える形で、昨年の5月に公開されました。
その「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の4ペ−ジには、次のような文
章が記されています。

   避難生活において人権を尊重することは、女性にとっても、男性にとっても、  
  必要不可欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全
  を守ることが重要である。                         

 この、男女双方の人権に配慮する視点、これこそが、人間として、あるべき視点、災害
対応の根幹に据えられるべき視点であって、それは、日本国憲法第14条、そして男女共
同参画社会基本法第3条によっても保障されています。女性だけではなく、男性にも、人
権はあるのです。更に踏み込んで言えば、人間の集団には、「男性」と「女性」というよ
うな二項対立的な視点では説明しきれない領域が存在します。例えば、その典型として、
性同一性障害の人たちのような性的マイノリティ−の存在がありますが、併せて、典型で
はない人たちの間にも、二項対立的視点では説明しきれない、感受性のグラデ−ションの
領域が存在するのです。例えば、プライバシ−に対する配慮を強く求める人は、後述する
ように、女性だけではなく、男性にも存在します。このような事実、二項対立的視点では
説明しきれない人間の多様性を踏まえ、先入観や性的偏見を排除した視点、例えば「男性
だから配慮する必要はない」というような不当な性的偏見を排除した人権尊重の視点、そ
れが、災害対応や報道を担う全ての人たちに、常に必要なのではないでしょうか。   

 以上のような観点から、大船渡で行われた集会と、その報道を担当した岩手日報の記者
の視点に関わって、次のような問題点を指摘させていただきます。          

 @ 新聞記事中に「東日本大震災で女性が抱えた困難を社会全体の問題として考える重
  要性を確認」とあるが、震災で困難を抱えたのは女性だけではない。例えば、下表(
  「男女共同参画白書:平成24年全体版」から引用)でわかるように、男性に対する支援
  の必要性が、「自殺者数の男女比」や「アルコ−ル依存」に強く現れている。   

           【東日本大震災に関連する自殺者数の男女別の割合】
                         女性   男性     計   
   震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月)  24.6%  75.4%  100%  
   全国の自殺者数(平成23年)        31.6%  68.4%  100%  

         【 飲酒量増加 】  【 不眠症の疑い 】  【精神的問題:(注1)参照】
          女性  男性    女性   男性    女性   男性   
   陸前高田市  3.2%  6.2%   44.4%  27.7%   15.2%  8.7%  
   石巻市    3.5% 11.5%   50.2%  32.4%   20.0% 12.3%  

          (注1)指標10以上の人の割合を示す。指標となる数値が高いほど、
             精神的な問題がより重い可能性があるとされる。      

 A 東日本大震災以降、災害対応は、報道を含め、女性優先で行われてきた経過がある。
  同時に、「男性は我慢しなければならない」、「男性は女性を守らなければならない」
  「男性は弱音を吐いてはならない」というような、「固定的性別役割意識」が、男性
  自身や、社会の中に強くあり、男性は、要望や苦しみを表に出せない、或いは出さな
  い場合が多い。このような状況の中で、むしろ、「男性が抱えた困難」が、「社会全体
  の問題」として捉えられていない状況が、温存、或いは、場合によっては、むしろ拡大
  している状況があると思われる。従って、女性の場合だけでなく、「男性が抱えた困
  難」についても、それを「社会全体の問題として考える」視点が、非常に重要である。

 B 新聞記事には、「宗片代表理事は 2011年 9、10月に宮城県内の女性3千人を対象
  に行ったアンケート結果を紹介」とあるが、女性だけを対象としたアンケ−ト結果を
  使用しているために、集会の視点が、「男女共同参画の視点」になっていない。標題
  は「男女共同参画の視点から岩手の復興と未来を考えるin大船渡」となっているが、
  この表現は集会の実態と乖離している。男女双方を対象としたアンケ−ト結果は、既
  に、内閣府男女共同参画局ホ−ムペ−ジの「男女共同参画白書:平成24年全体版」
  にあり、集会での引用は可能であったはずである。ただし、申し添えておくが、「白
  書」に記された「アンケ−ト結果の解釈、説明文」には、「はじめに結論(女性優先)
  ありき」の視点があり、これについては、昨年の10月に、内閣府男女共同参画局に
  対して、私から、要望書の形で指摘させていただいた。【別添え資料V:(注2)参照】
   (注2) 2013年 10月4日 掲載記事
            「内閣府男女共同参画局(調査課)へ ・・・(その2)」参照。
     

 C アンケ−ト結果に示された数値等で、「男女の比較」ばかりを行っていると、数の
  少ない人たちに対して、人権無視、人権軽視が発生する。既に述べたように、人間は
  多様であること、そして、多様な人間すべてに、等しく尊重されるべき人権があるこ
  とを忘れることなく、災害対応は行われなければならない。           

 D 新聞記事にある「プライバシーのない避難所生活」に、多大な苦痛を感じるのは、
  女性だけではない。男性の中にも、非常に強い苦痛を感じる人がいる。例えば、私の
  ように。いや、勿論私だけではなく、前述の「男女共同参画白書:平成24年全体版」
  には、次のようなアンケ−ト結果が記されており、プライバシ−に対する配慮を強く
  求める男性は、決して少なくはないことが示されている。            

   「災害直後からの避難所での生活について困っていること」
        (本編・第1部・特集・第2節・1・避難所の状況・第1−特−17図)
    ・・・・・「困っていること」として、「プライバシーが確保されていない」ことを
      あげた被災者の割合は、女性で39.0%であるが、男性でも30.7%が「困
      っている」と答えている。

   「備蓄や支援物資に対する要望」
        (本編・第1部・特集・第2節・1・避難所の状況・第1−特−18図)
    ・・・・・「プライバシ−間仕切り」の要望は、女性で29件となっているが、男性
      でも27件の要望がある。 

   なお、特に、男性に対するプライバシ−無視・軽視の問題に関わって、私が、昨年
  の8月と11月に、(ある団体)の季刊誌に投稿した文章、「男女共同参画に翻弄さ
  れる日々【1】【2】」を、【別添え資料T・U:(注3)参照】として同封させていた
  だいた。それをお読みいただき、私のような感受性の男性の存在を、改めて認識して
  いただきたい。 
        (注3) 2013年10月13日、及び10月22日に、記事として掲載済み。

 E 記事中の、「女性の防災リーダー育成の必要性」に私は共感するが、問題は、どの
  ようなリ−ダ−が育つかにある。女性支援ばかりを強調して、男性の人権を無視、軽
  視するようなリ−ダ−ではなく、すべての人の人権に配慮する防災リ−ダ−が、男女
  共に必要である。                              

 F その他、新聞記事に記された事項については、失業は勿論女性固有の問題ではない
  し、介護・看護等の問題についても、女性に多いという実態はあっても、女性固有の
  問題ではない。場合によっては、介護に直面した男性が、かえって悲惨な事件に足を
  踏み入れる現実があることも、既に報道されている事実である。両性に配慮する視点
  が必要である。                               

 G 要するに災害対応は、常に、全ての人の人権に配慮する視点で行われなければなら
  ないのであって、健常者に関して言えば、特定の人たちを優遇する施策や、逆に、特
  定の人たちの人権を無視、軽視する施策は、絶対にあってはならない。そういう、考
  えてみれば当たり前の視点で、私はこの要望書を書いた。それを岩手日報社に送る理
  由は、東日本大震災以降、震災に関わる災害対応が、あまりにも女性優先で行われて
  きた事実があり、報道も、それを是認するかの如き論調が多く、男性の人権が、無視、
  軽視される現実を見てきたからである。

以上、今後の災害報道に関わる要望として、宜しくご配慮お願い申し上げます。    

2014年03月10日

【返信1】 被災地の「市民権様」へ(1)                    「男女局と災害対応について」

 被災地に住む「市民権さん」からいただいた幾つかのコメントへの返信の形で、私が、
内閣府や全国の男女共同参画部局の、主に災害対応について感じていることを、何回かに
分けて、記事として掲載することにした。私の考えに、誤りや疑問、現実認識の甘さ等が
あれば、率直に指摘してほしいと思う。もとより私は「社会型」の人間ではないと自己評
価しており、それは言い訳と評されるかもしれないが、客観的に見て、脆弱な基盤の上で
試行錯誤を繰り返している私の姿があれば、実効性のある道、差別のない災害対応の実現
に向けて、私が執るべき適切な道を、教えてほしいと思う。              

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【返信1】 被災地の「市民権様」へ(1)                      

 共感的なコメント、ありがとうございます。「市民権さん」も感じていらっしゃるよう
に、「男女共同参画」という言葉が、言葉通りの内実を伴わずに、「女性だけに対する支
援」や「女性を優先、優遇する支援」の代用語のように、頻繁に使われています。既に日
本中で流行語のようになった「男女共同参画の視点」という言葉は、施策が、男性の人権
を、無視、或いは軽視していても、なぜか平然と使われるのです。前回取り上げた「大船
渡」の新聞記事もそうでした。「男女共同参画の視点から岩手の復興と未来を考える」と
言いながら、書いてあることは、女性に対する支援ばかり。「市民権さん」のコメントは、
現在でも、被災地で、「男女共同参画」という「美しいはずの言葉」と乖離した、男性差
別の災害対応が行われている証だと思っています。              

 災害対応に限ったことではなく、健康支援にしても、ポジティブ・アクションにしても、
そして、実は最近気づき始めたのですが、DVの問題にしても、内閣府男女共同参画局の
施策は、始めに結論ありきの、女性優先、女性優遇の傾向が強く、男性差別は、広範囲に
存在します。施策の中に、男性に対する配慮が全くないわけではありません。しかし、女
性に対する手厚い配慮に比べれば、そこには、明らかに雲泥の差があるのです。    

 しかし、少なくとも、内閣府の男女共同参画局は、その施策の問題点を是正する姿勢を、
全く持たないわけではないと、私は、この1年間を振り返って感じています。例えば、外
部からの批判あっての結果だとは思いますが、くり返し扱ってきた「男女共同参画の視点
からの防災・復興の取組指針(案)」は修正されましたし、昨年の11月25日に掲載した
記事、「ひどすぎる男性無視の復興アンケ−ト」で取り上げた「東日本大震災からの復興
に関する男女共同参画の取組状況調査」の、男性に対する人権無視の問題についても、12
月12日の記事、「内閣府男女局 総務課へ:ひどすぎる復興アンケ−ト」に書きましたよう
に、男女局の担当者から、電話ではありますが、改善の方向で対応するという回答を得て
います。また、今年の1月14日の記事、「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」
につきましても、男女局の担当者は、「男性に対する配慮の不足」を認める発言をしてお
りました。

 私の認識に誤りや甘さがあれば、ぜひ指摘していただきたいと思いますが、もとより、
男女共同参画部局は公の機関であるわけですから、私的機関に比べれば憲法の拘束性は強
いはずだと思います。実際に、ご存じかとは思いますが、男女共同参画社会基本法第3条
には、憲法第14条の反映と思われる次のような条文が記されています。       

 (男女の人権の尊重)                             
 第3条:男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、 
    男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮
    する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、 
    行われなければならない。                        

 また、この第3条に抵触するような事象を監視する効果を持つ条文、とでも言えばよい
のでしょうか、次のような、第17条があります。                 

 (苦情の処理等)                               
 第17条:国は、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は  
    男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情の  
    処理のために必要な措置及び性別による差別的取扱いその他の男女共同参画  
    社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合における被害者の  
    救済を図るために必要な措置を講じなければならない。           

 ですから以上のような事実を踏まえて、粘り強く要求を続ければ、道は開けるはずだと、
私は考えています。ただ、内閣府ではなく、全国各地の男女共同参画部局の人たちについ
ては、上の条文のような認識を持たない人、或いは知識としてはあっても、女性優先の願
望が強い上に、「かつて女性は差別されてきた」というような論理が、個々の事象の特質
とは無関係に、誤って単純化され、盲目的に優先される状況が恐らくはあり、女性優先、
女性優遇、男性差別が、解消されない状況を生じているのではないかと推測します。この
件については、次回以降の返信に具体的に書きたいと思います。今回は、とりあえずここ
まで。
                                    (続く)


2014年03月18日

【返信2】 被災地の「市民権様」へ (2)                        「男女局と災害対応について(続き)」

 続きを書きます。要するに、男女共同参画社会基本法第3条に則った要求は、全国どこ
の男女共同参画部局であっても、基本的には無視できないはずですし、3条に抵触するよ
うな問題点は、17条の存在を併せて考えれば、本来は、改善されやすいはずだと思うの
です。しかし、それにもかかわらず、「市民権さん」の居住地域の男女共同参画部局が関
わりを持つ施策に、男性に対する人権無視、人権軽視があって、要望しても改善されない
状況があるとすれば、17条も視野に据え、別の機関の力を借りて、働きかけをしてみた
らどうかと思うのです。                             

 例えば、内閣府の男女共同参画局には、苦情や意見の処理を担当する係がいる。昨年の
12月の段階では、「ナカノワタリ(中野渡)」という男性でした。ですから「市民権さん」
が、地元の男女局への要求行動に壁を感じていらっしゃるようであれば、この担当者と直
接連絡を取り、苦情の申し立てをしたらどうか、と思うのです。この件については、内閣
府と全国の男女局との関係が気になりますが、内閣府男女局は、全国の男女局に対して、
啓発的な発言はできるのではないかと思います。もしも仮に、それができないような関係
であったとしても、内閣府男女局の見解を引き出せば、それを、地元の男女局への要求に
使うことはできるはずです。「現在の」内閣府男女局の災害対応の姿勢は、恐らくは外部
からの批判が契機であったと思いますが、以前と比べれば、男性の人権に配慮する方向に
変わっています。その姿勢との整合性を考えれば、内閣府男女局の示す見解は、地方の男
女局の男性差別に対する批判の論拠の一つとして使える内容になるはずなのです。そうな
らなければ、現在の内閣府男女局の位置と、示される見解の間に整合性がないのです。そ
の、位置を示す具体例については、「返信(1)」に、三例を書きましたが、一つを再記す
れば、内閣府男女局は、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」に見
られた、男性に対する人権無視、人権軽視を修正して「指針」を完成させたのです。それ
が、現在の内閣府男女共同参画局の、災害対応に関わる「位置」なのです。      

 ところで、別の手段として、ご存じのように、法務局人権擁護部局への申し立てもあり
ます。男女共同参画社会基本法や、上に記した、「現在の」内閣府男女局の見解を使いつ
つ、人権侵犯被害申告、つまり人権救済の申し立てをするのです。しかし、この方法につ
いては、「法務局には期待などできない」というご意見もいただいていて、私自身も、そ
れを実感するような経験をしてきました。しかし、申し立てをしなければ、声は法務局に
届かない。私は、塵のような一個人でしかありませんから、裏切られる弱さを常に意識し
ていますが、しかし、声をあげる必要性があると思いますし、求める結果が得られなくて
も、取り組みの過程で、必ず有益な学びもあるのです。

 災害対応に関わる申し立てについては、以前、自分の経験を少し書いたこともありまし
たが、私は、昨年の4月、東京法務局人権擁護部に、「男女共同参画の視点からの防災・
復興の取組指針(案)に見られる、男性に対する人権無視、人権軽視」について、人権救
済の申し立てをしました。具体的には、内閣府男女局に対して、男性の人権を守るための
啓発的発言をしてほしいと要請をしたのです。しかし東京法務局は、私の申し立てが、「人
権侵犯事件調査処理細則」「第7条第1項第7号」に該当するとして、「救済手続き不開
始」の決定をしました。その条文と、東京法務局の担当者から聞いた「該当の根拠」は次
の通りです。                                  

  「人権侵犯事件調査処理細則 第7条 第1項 第7号」
     ・・・「当該人権侵犯による被害が生じておらず、又は生ずるおそれが
      ないことが明らかであるとき。」
  「該当の根拠」
    @ 指針は(案)の段階である。
    A 指針(案)の「はじめに」に、次の文章がある。
     ・・・「本指針は、これらを踏まえ、地方公共団体における男女共同参画
      の視点からの自主的な取組を推進する観点から作成したものである」

 @については、当初、私は従順な受け取り方をしていましたが、現在は、裏切りを強く
感じています。「指針」は、完成すれば、災害対応に関わる国の部局や、全国の男女共同
参画部局等に送られ、施策に影響を与えます。つまり、上記の「人権侵犯事件調査処理細
則 第7条 第1項 第7号」との関係でいえば、「当該人権侵犯による被害を生ずるおそれ
が、十分にあった」、と言うより、むしろ「指針によって、当該人権侵犯が、全国で一層
拡大する恐れがあった」のです。ですから、法務局の「人権啓発発言」は、指針が完成し
てからでは遅すぎるのです。しかし、東京法務局は「救済手続き」を「不開始」としたの
です。Aについては、「『初めから不開始の結論ありき』の根拠を、うまく探して誤魔化
されたような気がする」と、以前の記事に書きましたが、それは@も同じだろうと、今は
思います。この件のように、加害者が男女局のような公的機関の場合、法務局は、申告者
よりも、そちらに味方をする傾向が強くなるかもしれません。Aの「はじめに」の文章は、
「指針に強制力はない」という意味を含みますが、そうであっても、内閣府男女局は、全
国の男女共同参画部局の頂点に位置しているのです。その影響力も鑑み、「男女双方の人
権に配慮した指針」を作ることは、決して忘れてはならない重要な責務でしょう。   

 ところで、「指針」は、男女双方の人権に配慮する方向で修正されたにもかかわらず、
「市民権さん」の居住地域では、男性に対する人権無視や人権軽視が今も存在し、改善の
要望を出しても実現しないという実態がある。その理由を、私は遠方から推測するわけで
すから、誤りは指摘してほしいのですが、いろいろな要素が絡み合っているにしろ、理由
の一つに、「指針」のような修正がなされなかった「解説・事例集」の存在と、その中に、
男性の人権を完全に無視しているにもかかわらず、あたかも理想的であるかの如く掲載さ
れた、東北地方の女性団体の実践、例えば、男性の人権を完全に無視しながら、しかし女
性に対しては、微に入り細に入り、非常に手厚い配慮をした実践、それは、記事「男女別
統計の不当な扱い(その3)」で触れた、「宮城登米えがおねっと」の実践ですが、それ
に似た体質が、私の先入観ですが、今も、被災地の様々の女性団体に共通してあるような
気がするのです。そして、先日送っていただいた岩手日報の記事に記された「男女共同参
画の視点から岩手の復興と未来を考えるin大船渡」の内容は、この判断の一つの根拠に
なるのです。ただ、この推測については、わからない部分がある。コメント欄には書きま
したが、仙台市のNPO法人イコールネット仙台の代表理事、宗片恵美子さんには、電話
で話した限りの印象ではありますが、男性の人権に配慮する視点もある。また、記事「手
紙・・・東北地方のある人へ」に記した、別の女性団体の代表者には、やはり電話だけの印象
ではありますが、性的マイノリティ−を含む全ての人の人権に配慮する視点もあると感じ
たのです。私は、遠方に住むことを言い訳に、この件についての、自分の認識の不統一を
解決する努力をしていませんが、もしもこの件について、今後、「市民権さん」からヒン
トをいただけるような機会があるとすれば、幸いと思います。
                                   (続く) 

 

2014年04月02日

【返信3】 被災地の「市民権様」へ(3)                    「男女局と災害対応について(続き)」 

 日本の歴史を見れば、女性が差別されてきたのは、概括的には事実だと思います。しか
しそれは、あくまでも「概括的」な話なのであって、「市民権さん」も感じていらっしゃ
るように、個々の事象を見れば、男性に対する差別も、決して少なくはないのです。今回
は、その中の、精神的な支援に関わる男性差別について、今までも発言したことはあるの
ですが、それを補足しながら書きたいと思います。                 

 東日本大震災に関わって言えば、1月14日の記事「被災地における、女性の悩み・暴
力相談事業」に書きましたように、発災直後の岩手と福島の「男女共同参画」部局には、
男性を対象とした「相談電話」がありませんでした。相談の対象は女性に限られていたの
です。同様な状況は、恐らくは今も、全国に、非常に多くあると思います。このような事
実は、例えば自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)の男女比を考えたとき、どのように
評価されるべきなのか。記事「男性の自殺(2)」に数値を示しましたように、この10数
年間、男性の自殺率は、女性の約2.5倍を記録してきましたし、それ以前も、男性の自殺
が女性より少なかった年などないのです。電話相談の問題を、別の自殺対策の問題にすり
替える議論ではなく、電話相談のあり方という観点で考えた時、男性の自殺の状況を考え
れば、岩手と福島の「男女共同参画」部局が、相談電話を女性に限定していたのは、かな
りひどい男性差別であったと言えるのではないかと思うのです。男性は、苦しさを誰かに
話したくても、男女共同参画部局の相談電話には、電話をかけることができなかったので
す。女性なら、つらい思いを伝えることができたというのに・・・・・。       

 このような件については、「男女共同参画部局の前身が女性支援センタ−だったからだ」
という主張がありますが、それは男性軽視の言い訳にしかすぎないと思います。自殺の問
題を考えれば、それは一層明白なのです。本来なら、「女性支援センタ−」が「男女共同
参画」部局に名称を変更した段階で、男性も相談の対象とすべきだったのです。「男女共
同参画」とはそういうことなのです。男女共同参画社会基本法第3条にも、そう明記され
ているのです。仮に、即座の対応が困難であったとしても、相談活動と関わりを持つ私の
認識からすれば、週1回程度の研修を約2年継続すれば、資質のない人は外すとして、男
性に対する相談にも十分対応できたはずだだと思うのです。ですから、もしも岩手と福島
の男女局が、男性相談の必要性を認識していれば、東日本大震災発災の段階で、既に、男
女両方を対象とした相談電話が開設されていたはずなのです。           

 男性を相談の対象にできない理由として、以前、私の居住県で男女共同参画課の係長を
つとめていた女性は、「相談員が女性である」ことをあげました。しかし、それも浅薄な
反論なのです。相談活動、少なくとも精神面での相談活動は、相談者と相談員が同性でな
ければならないとか、同性であれば成功するとか、そういう限定的で単純な性質のもので
はないのです。この件については、記事「自殺予防フォ−ラム」にも書きましたが、例え
ば、私が相談者であったときの経験を書けば。私に精神的な救いを与えてくれたのは女性
相談員であって、男性相談員ではなかったのです。相談員が女性の場合、男性からのいた
ずら電話が危惧される面はありますが、それは、電話相談では決して珍しいことではなく、
相談員に、それをかわす覚悟と訓練が必要なのは、特に自殺の問題を含む心の相談活動で
あれば、常識的当たり前であろうと思うのです。          

 ところで、相談件数の男女比について、ある講演会の講師が「男性より女性の方が多い」
と言ったことがありました。確かに、いたずら電話を除けば、その傾向があると思います。
しかし、それがそのまま苦しみの指標になるわけではない。男性の場合は、苦しくても相
談しない傾向が強いからです。その理由は、個性の問題も含めて、単一ではないのかもし
れませんが、一つの理由として、男性の「固定的性別役割意識」の問題があると思います。
要するに男性は、「強くなければいけない。一人で苦しみに耐え、一人で苦しみを克服し
なければいけない」というような精神的な呪縛を、生育過程や社会生活の中で与えられ、
それが自分の行動の規範になっている。そして、男性は、自分以外の男性に対しても、そ
ういう強さを要求します。私の知り合いに、面白いことを言う男性相談員がいました。彼
はこう言ったのです。「私は女性から相談を受けたときは、本当に親切に、丁寧に相談を
受けるが、男性から相談を受けたときは『男なんだから一人でやってみろ』と思ってしま
う」と・・・・・。彼は、根はいい人ですから、今はもう、男女を問わず、苦しみを丁寧に受
けとめる相談員として活動してくださっているようですが、それは、男性を取り巻く状況
の中ではわずかな一場面であって、通常の社会生活の中では、多くの男性は、「一人で耐
えること」「強くあること」を「性別役割意識」として要求され、人の支えを求める自分
を否定する。だから相談することは少なく、孤独のうちに、追い詰められやすいのです。

 ですから、自殺対策の一つとして、苦しくても相談をしない男性の心の中に、どのよう
に分け入るかが問題になると思いますが、現在も相談電話の対象を女性に限定している男
女共同参画部局は、それ以前に、男性の心の問題には、ほとんど関心を持っていないので
はないかと思うのです。                             

 昨年の、確か秋に、私が内閣府に問い合わせの電話をした時、受けてくれた男性職員が、
「男性の固定的性別役割意識」の問題が、内閣府でも話題に上るようになっていると言っ
ていました。それは、もしかすると一つの救いを与えてくれるかもしれないと、淡い期待
も持ちますが、しかし社会を見れば、就職活動に失敗して自殺をする若者が増え、そのほ
とんどが男性であるという現実がある。私はそこに、「家庭を守る責任」を含め、男性と
しての「性別役割意識」と現実の狭間で、呻吟する若い男性の姿があるように思うのです。

 東日本大震災への男女局の対応については、今まで、主に、男性に対する「不当な性的
偏見」が背景にあるという立場で、「プライバシ−への配慮」等の問題に見られた「男性
に対する人権無視・人権軽視」に抗議する記事を書いてきましたが、背景はそれだけでは
ない。男性には、「男は耐えなければならない、我慢しなければならない、女を守らなけ
ればならない」というような、「自己犠牲の性別役割意識」があり、その上に「あぐら」
をかいた「自己中心」の女たちが、「女性は差別されてきた」という「概括的」な論理を
乱暴に振りかざし、個々の事象に対する施策を、「すべての人の人権を尊重する」という
立場で吟味することなく、時には、あまりにも盲目的に、例えば、記事「男女別統計の不
当な扱い(その3)」で取りあげた「宮城登米えがおねっと」の実践、被災者への物資の
配布について、男性を完全に無視した状態で、女性に対しては、微に入り細に入り、非常
に手厚い配慮をした物資の配布、そして、それを唯々賞賛するばかりのような記事を、男
性無視に対する憂慮など全くないかの如く「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組
指針」の「解説・事例集」に掲載した「内閣府男女共同参画局」。今思い出しても、それ
が、男女双方の人権を尊重すべき「男女共同参画部局」の、全国の頂点に立つ内閣府男女
局のすることであったのかと、今更のように、怨恨と共に呆れるばかりなのである。

 

2014年05月14日

被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(2)

内閣府男女共同参画局ホ−ムペ−ジの「災害対応」に、
「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」を、
今年度も引き続き実施すると書いてある。
文面から判断すれば、男性は、今回も、この事業の対象から外されており、
「男女共同参画」とは名ばかりの、その「美名」から乖離した施策、
男女共同参画局が、あたかも「女性支援センタ−」であるかの如き施策である。

それは、男女双方の人権の尊重を謳った、「男女共同参画社会基本法第三条」に抵触し、
男性に対する人権無視、明白な男性差別である。
男性には苦しみがないのであれば、私の主張も変わるだろうが、
男女共同参画白書平成24年全体版に記されている通り、
被災者の自殺も、明らかに男性に多く、その傾向は全国を上回る。
アルコ−ル依存にしても、男性の被災者には顕著な増加があり、
男性が置かれた心の状況についても、配慮が必要なことは明白である。

察するに女性は、女性の苦しみについては、女性同士で互いに共感的に結びつきやすく、
同時に、被災地での女性団体は、その自己本位性から、
女性だけについて、それを顕在化させ、
男女共同参画局に、女性だけに対する「配慮」を要求する。
そういう運動のパタ−ンが、私が知る範囲だけでも、少なくとも数年前から、
ニュ−スを含めてインタ−ネットの情報として流れていた。

その、男性無視の運動の帰結の一例として、
一昨年行われた、中央防災会議による防災基本計画の修正、
たとえば避難所の開設について、女性だけに対しては非常に手厚い配慮を記しながら、
男性に対しては配慮が皆無であるというような、
少なくとも私のような男性にとっては、
被災時に「不当な性的偏見に基づく人権侵犯」を発生させる修正へと結びついた。

そして、その男性差別の修正文は、
昨年3月28日に行われた意見交換会、
「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の意見交換会で、
プライバシ−への配慮に関わる「男性に対する人権無視」を正当化するための資料として使われた。
その「指針(案)」の問題点は、後に、意見募集の過程を経て、
付随資料には多大な問題を残しつつも、少なくとも「指針(案)」については修正されたが、
今思い出しても、あのときの疲弊がよみがえるような、
ひどい、男性差別の「指針(案)」だったのである。

心の問題についても、
男性に対する配慮の不足・欠落が、様々の施策に見られ、
記事「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(1)」に書いた通り、
東日本大震災発災の段階で、岩手と福島の男女共同参画部局には、
その名称が「男女共同参画」になっていたにもかかわらず、
女性だけを対象とした相談電話しか開設されていなかった。
男性は、苦しみを抱えていても、
男女局の相談電話には、電話をかけることができなかったのである。
それ以前の10数年間、男性の自殺率は、
日本の経済状況の困難さを反映して、
女性の約2.5倍を記録し続けてきたというのに。

そういう、男性の置かれた状況に配慮することなく、
内閣府男女共同参画局は、女性だけを対象として、
「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」を実施し、
その結果を、昨年、内閣府男女局のホ−ムペ−ジにアップしたのである。

私は、昨年の秋、その記事を見て、
12月に、内閣府男女局推進課に苦情の電話入れた。
対応してくださったのは、当時、推進課の係長を務めていたOさんで、
私は、この時の彼女との会話について、
1月の記事、「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(1)」に、
次のように書いている。

    私は初め、施策の正当性を押し通そうとする自己本位の答えを予測していたので
   あるが、電話に出たOさん(女性)は、予測に反して、「女性の悩み・暴力相談事
   業」の男性「軽視」を、是正されるべき問題点であると認める語調で、取り組みの
   経過と現状について話してくださった。その要点は次の通りである。      
      @ 岩手県と福島県には、当時、女性の相談を受ける体制しかなく、女性だ
       けを対象として、相談活動を開始せざるを得なかった。        
      A しかし、活動を続けているうちに、男性からも相談が入るようになった。
      B 宮城県の場合は、男女両方の相談を受ける体制が既にあったため、両性
       を対象として、相談活動を開始することができた。          
      C 現在は、男性に対する相談体制を確立するために、各自治体向けの、男
       性相マニュアルの作成等を始めている。               

 私は、Oさんから感じた誠実さと、上記Cの発言に心を動かされ、以後の施策について
希望的観測を持っていた。しかしその期待は、また裏切られてしまったようである。

 私は、以上のような背景の中で、
先日、5月7日に、内閣府男女共同参画局推進課に、
今年度の「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」について、
問い合わせの電話を入れた。
電話を受けたのは、推進課係員のFという人で、
彼女は、「Oさんはもう、他の部局に異動した」と言った。
後任のSという人は、
なぜか、まだ着任したばかりなのだそうで、
Fさんの口ぶりでは、
まだ私と話ができるような状態にはなっていないようであった。
Oさんが転出してから今日まで、
係長代行(?)のような形で業務を行ってきたのは、
やはり推進課係委員のAという人で、
翌日、私は、彼と話し、
昨年12月のOさんと私の会話、その内容、私の発言、要望等が、
申し送りされているかどうかを聞いた。
彼は、書類を点検すると答え、確認は翌日となった。

Aさんは、書類を点検し、確認のためにOさんにも電話をしてくださったのだそうだが、
結局、申し送りはされていなかった。
Aさんは、私が昨年の12月にOさんと話しをした時、
既に、推進課の係委員として、Oさんのもとで仕事をしていた。
つまり、私とOさんとの会話は、
推進課の中で、共有されていなかったのである。

私は、以上の件について、
新任係長のSさんと直接話しをしたいと、
Aさんに申し入れをした。
遅くとも来週中には、一度、Sさんに電話を入れる予定。

2014年07月12日

被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(3)

  この事業を担当している内閣府男女共同参画局推進課の現在の係長は、新任のAさん
 であるが、彼女とは、なかなか落ち着いて話ができない。今週の月曜日に電話をしたと
 きには、水曜ならば時間がとれるとの話であったが、当日は別の会議が入ったようで、
 夕刻になっても不在であった。男女局は、開かれた部局という印象があって、職員の方
 も、一部を除けば話をしやすい人が多いのであるが、Aさんの予定を、同じ課の人は掌
 握しておらず、いつになったら話ができるかわからない。             

  しかし、被災3県(岩手・宮城・福島)の男女共同参画部局の担当者とは、すでに連
 絡がとれ、この相談事業に関わる情報を収集した。それを、今回と次回の記事に分けて
 漸次記すが、その内容には、昨年の12月、当時の推進課係長のBさんから得た情報と
 は異なる部分がある。Bさんの認識には誤りがあったようだ。           

  今回得た情報によれば、内閣府男女局の「被災地における、女性の悩み・暴力相談事
 業」は、3県とも、県の男女局の相談事業とは別の事業として、次のように、NPO法
 人等の協力を得て行われている。対象者は、その名の通り女性だけであって、男性は、
 相談したくても、相談することができない。(ただし、次回の記事に記すように、この
 事業とは別の、各県独自の相談事業は、男女双方を対象として行われている。法律相談
 は女性だけを対象としているという話もあったが、今回取り上げた相談事業とは、重複
 内容を持ちつつもやや異質と判断し、今回の記事の対象から外した。)       

 岩手:NPO法人「参画プランニング岩手」が、女性だけを対象とした電話相談を担当。
    一般財団法人「大阪府男女共同参画推進財団」が、広報活動を行っている。  

 宮城:女性だけを対象とした予約制の面接相談が、下記6カ所を窓口として、それぞれ、
   月に1〜2回行われている。                        
        気仙沼男女局・石巻男女局・名取男女局              
        法テラス南三陸・法テラス東松島・法テラス山本          

 福島:NPO法人「ウイメンズスペ−ス福島」が、女性対象の電話相談を担当。(月〜金)

  この、女性だけを対象とした相談事業を「男女共同参画」局が行うことについて、私
 は、「男女共同参画社会基本法第3条」に謳われた男女双方の人権の尊重や、男性に明
 らかに多い自殺、そして、男性にも決して少なくはないDV被害の存在等の事実等をふ
 まえて批判してきたが、そういう、正論であるはずの論理が通用しないのが、現在の内
 閣府男女共同参画局なのである。全くその、想定外であった事実、今回取り上げた問題
 だけではなく、実に様々の施策に見られる同様な事実を前にして、私は、ある時は煩悶
 や憤りの極に達し、ある時はまた、あきれるばかりなのである。          


◆「言いわけ」をするかどうかは知らないが・・・・・                 

  自殺の実態を取り上げた私の批判について、男女局が、「内閣府には別の部局として
 自殺対策推進室がある」とか、「平成19年に自殺総合対策大綱がつくられた」とか、そ
 ういう「言いわけ」をするかどうかは知らないが、「自殺対策推進室」や「自殺総合対
 策大綱」の存在があっても、「自殺は明らかに男性に多い」という現実は、全く変わっ
 ていないのである。ちなみに、今回取り上げた「被災地における、女性の悩み・暴力相
 談事業」を、今年度もそのままの形で継続すると決定した昨年度の、もちろん男女局が
 知り得たはずの警察庁自殺デ−タをここに記せば、次の通りである。見ればわかる通り、
 男女の差に改善はない。この数値を見ただけでも、悩み相談の場から、男性を疎外して
 よいはずはないのである。      

  年次  自殺者総数  男性   女性  【男女比】 ( )内は自殺率の男女比 
  H 24  27,858  19,273  8,585  【男性:女性=2.24:1】 (2.37:1)

  あわせて、H25年までの震災関連自殺者数を再記すれば、次の通りである。   
  東日本大震災に関連する自殺者数(全国合計及び男女別)           
              小計   男   女                
        平成23年  55   42   13                
        平成24年  24   18   6                
        平成25年  38   23   15
        (合計)  117   83   34 ・・・・・ 男性:女性 = 2.44:1 


◆ 男性の自殺にも「積極的改善措置」を・・・・・                  

  ところで、男女共同参画社会基本法の第2条第2項には、「積極的改善措置」が記さ
 れている。その条文は、たとえば、安倍晋三が「光り輝く女性」発言の中で目標の一つ
 としている、国家公務員採用者女性割合30%の達成のような、女性優遇不正採用のポ
 ジティブアクションを正当化するための、詭弁の法的根拠として使われており、私は、
 この条文は廃止すべきと考えるが、もしも、男性の自殺に見られる深刻な実態に、この
 積極的改善措置を適用して考えるとすれば、記事「男性の自殺(2)(4)」に記したよ
 うに、私が調べた1978年から2013年までの36年間、男性の自殺は、毎年毎年、例外
 なく、そして明らかに、男性に多いという事実があり、1977年以前についても、恐ら
 くは同じであろう。そしてこの事実は、日本の社会の中に、男性が「いのちを守りにく
 い」という、男性にとっての明確な不利益が存在することの証である。だとすれば、こ
 の不利益に対して、男女共同参画局は、積極的改善措置を講じるべきなのではないか。
 しかし今回取り上げた相談事業について言えば、そのような気配は微塵もなく、逆にそ
 れは、女性だけに対する手厚い配慮の施策なのである。勿論これだけではない。第三次
 男女共同参画基本計画そのものがそうなのである。たとえば、すでに書いたことのある、
 第10分野「生涯を通じた女性の健康支援」、その文章に見られる明らかな男性軽視。明
 白な性差である「男性の短命」に対する配慮の、圧倒的な不足。自殺問題については、
 第3分野の「自殺対策強化月間広報啓発経費」の計上しかない。女性優先・女性優遇・
 男性軽視・男性無視・男性差別の内閣府男女共同参画局。それは、男女平等を実現する
 機関ではなく、自己本位のフェミニズム運動の拠点である、と言って、決して過言では
 ないような事実を、私は今までこのブログで取り上げてきた。そして、同様の状況が、
 私がまだ取り上げていない分野にもあるのである。

2014年08月12日

被災地における、女性の悩み・暴力相談事業 (4) 要望書

内閣府男女共同参画局推進課のAさんと、
ようやく話しをすることができて、  
要望書を送れる状態となった。

要望書の文面は次の通り。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                平成26年8月12日
                                 (4枚中の1)
内閣府男女共同参画局 推進課 様
                                 ( 翠 流 )
                 要 望 書

      災害対応における男性差別、「被災地における女性の悩み・
          暴力相談事業」の、男性無視の解消について。

                   記                   

 男性にも苦しみがあり、命があり、人権があるという立場から、今年度も同じ名称で継
続されることとなった「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の「男性無視」につ
いて、男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)を擁するはずの、内閣府男女
共同参画局を批判させていただきます。

 もとより、女性だけが苦しみを抱えるのであるならば、この事業の名称に示された施策
の方向を厭うものではありませんが、心の危機の指標の一つとして、例えば自殺に注目を
した場合、周知の通り、自殺者数は、毎年、例外なく男性に多いという事実があります。
例えば、平成23年から25年末までの、「東日本大震災に関連する自殺者数の男女比【下
表T】」、及び、「各年度の全国自殺者数の男女比【下表U】」は、それぞれ、「男性:
女性=2.4:1」、「男性:女性=2.2:1」となっており、自殺者が男性に多いことは、
明白な事実なのです。                                

 【表T】 東日本大震災に関連する自殺者数(内閣府自殺対策推進室)       
            合計    男性   女性              
     平成23年    55    42    13               
     平成24年    24    18     6    【男女比】     
     平成25年    38    23    15   (男性:女性)     
      (計)    117    83    34 ・・・・・・ 2.4:1

 【表U】 全国自殺者数と男女比(同上)         【男女比】     
            合計    男性    女性   (男性:女性)   
     平成23年  30,651  20,955  9,696 ・・・・・ 2.16:1      
     平成24年  27,858  19,273  8,585 ・・・・・ 2.24:1      
     平成25年  27,283  18,787  8,496 ・・・・・ 2.21:1     
                        (概数・・・2.2:1)    

 また、東日本大震災に伴う、被災者の精神的状況を示す自殺以外の資料として、男女共
同参画白書(平成24年全体版)に記された下記の3項目【表V】を取り上げれば、恐ら
くはストレスの反映としての「飲酒量の増加」が男性に目立ち、「不眠」「こころの状態
(精神的問題)」は、女性ほどではないにしても、男性に、全くないわけではないのです。

 【表V】 男女共同参画白書(平成24年全体版)の、次の図から数値を引用。   
    第1−特−27図・・・飲酒量が増加した人の割合               
    第1−特−28図・・・睡眠に関する状態・・・「不眠症の疑い」を抜粋
    第1−特−29図・・・こころの状態・・・「精神的な問題の程度」を表す数値が、 
                    10点以上の人の割合を合計して抜粋。 

         【 飲酒量増加 】【 不眠症の疑い 】 【精神的問題10点以上】 
          女性  男性   女性  男性   女性  男性   
   陸前高田市 3.2%  6.2%  44.4% 27.7%  15.2%  8.7%    
   石巻市   3.5% 11.5%  50.2% 32.4%  20.0%  12.3%  

 更に、「暴力相談事業」に関わるDV被害の問題につきましては、横浜市(市民活力推
進局・こども青少年局)による調査、「配偶者からの暴力(DV)に関するアンケ−ト調査
及び被害者実態調査(面接調査):平成21年7月」に掲載された数値【下表W】から、
「配偶者やパ−トナ−からの暴力被害」が男性にも存在することは、明らかな事実であり、
男性に対しても、DV被害の相談窓口を開く必要性が示唆されるのです。   

    【表W】 配偶者やパ−トナ−から暴力にあたる行為を受けた経験      
                      女性      男性         
         A.何度もあった    16.9%    11.0%        
         B.1、2度あった    25.7%    30.8%        
         (小計:A+B)   (42.6%)  (41.8%)       
         C.まったくない    56.6%    57.8%        
         D.無回答        0.9%     0.3%        

 また、男性のDV被害につきましては、インタ−ネット上に、「Business Journal >
ジャーナリズム > DV妻に苦しむ男が急増中!? 」として、2012年11月7日に掲載され
た記事、「離婚、うつ、死亡事件まで発生・・・DV妻に苦しむ男が急増中!?」に、男性のD
V被害の、顕在化しにくい深刻さが記されていると思われますので、【別添え資料】とし
て同封させていただきました。今回の要望に関わる資料としてだけではなく、DV被害全
般の対策を考える場に於いて、検討の対象として加えていただきたく思います。    

 以上、「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の「男性無視」の不当性について、
いくつかのデ−タを根拠として発言させていただきました。しかし、本来、「悩み」や「暴
力」に関わる相談事業は、デ−タの提示なくしても、男女両方を対象として行われなけれ
ばならないものと考えます。それが、全ての人に対する人権尊重の視点であり、その精神
は、既に、男女共同参画社会基本法第三条に謳われています。内閣府男女共同参画局は、
その名の通りの「男女共同参画」局でなければならないはずです。男女共同参画局は、女
性だけに対する支援センタ−ではないのです。              

 私は、昨年から、「男女共同参画」局という美名と乖離した施策について、要望書を含
め、様々の指摘をさせていただいておりますが、乖離した施策があまりにも多すぎて、
失望と疲弊を強く感じています。男性にも人権があります。男性にも、人権を尊重した、
平等な施策を受ける権利があるのです。男性差別はやめてください。        

 今回取り上げた事業につきましては、既に昨年の12月に、前任係長のBさんに、電話
で、同様の思いをお伝えしてあります。Bさんは、私の主張に共感的な立場で電話を受け
てくださった印象がありましたが、結局、今年も、事業は同名のまま継続され、男女両
方の人権を尊重する視点は欠落したままとなっています。しかも、今年5月のCさんの
確認によれば、私の要望は、推進課内で共有されることなく、また、申し送りもなされ
ていなかった事実があり、非常に残念に思います。その後、私は、7月上旬に、Aさんか
ら伺った被災県の相談事業の状況確認のため、岩手・宮城・福島の男女共同参画部局に
電話を入れ、それぞれ、Cさん、Dさん、Eさんにお話を伺いました。岩手・福島につ
きましては、Aさんのお話と不整合がありますが、3県とも、県の男女共同参画部局の
事業としては、震災発災直後から、男女両方を対象とした相談事業を行ってきたとのこ
とでした。従って、内閣府男女共同参画局だけが、男女共同参画社会基本法第三条に抵
触する施策を行っているのです。これもまた、はなはだ遺憾な話で、本来、内閣府男女
共同参画局は、全国の男女共同参画部局の範となる施策を行うべき位置にあるのではな
いでしょうか。それとも、3県が男女両方を対象とした相談事業を行っていることを言
い訳に、既述のような、自殺者数に見られる男性の深刻な状況や、横浜のDV調査が示
した実態を無視し、女性だけを対象とした「悩み・暴力相談事業」を正当化するのでし
ょうか。                                   

 私が求めているものは、今回取り上げた事業につきましては、男女両方を相談の対象
とすることであって、それ以上ではないのです。しかし、あえて踏み込んで発言をすれ
ば、男性には、今も日本の社会の中で、陰に陽に求められる「性別観」の呪縛がありま
す。「男性は強くなければならない」「男性は一人で苦しみに耐えなければならない」
「それが目指すべき男らしさである」というような、男性を孤立の道に導く呪縛が、女
性ならば求めやすい「共感的理解」を男性から奪い、孤独のうちに自殺の道をたどって
いった幾多の男性が、恐らくは日本の社会の中にいる。とすれば、それは、精神的支援
に関わる男性差別の存在の証、つまりは男性にとっての不利益の存在の証であって、な
らば、むしろ男性に対して、苦しみから救うための「積極的改善措置」が、取られてよ
いはずだと思うのです。しかし、内閣府男女共同参画局は、その逆を行っているではあ
りませんか。今回取り上げた事業を、なぜ、今年もまた、「被災地における女性の悩み・
暴力相談事業」としたのですか。なぜ男性を疎外したのですか。震災関連の自殺は明ら
かに男性に多いというのに。そして、DV被害は、男性にも存在するというのに・・・・・。  

 くり返します。私が今回の要望書で求めているものは、男女両方を対象とした相談事
業の開設であって、それ以上ではないのです。相談事業の対象を女性だけに限定するの
ではなく、男性も対象に加えてください。それくらいのことはできるはずでしょう。「被
災地における女性の悩み・暴力相談事業」を、早急に、「被災地における、被災者の悩み
・暴力相談事業」に修正してください。

 以上、強く要望します。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【別添え資料】・・・ 内閣府男女局には全文を送りますが、このブログには、とりあえず、 
        URLだけを記します。支障あれば、コメント欄にてご連絡ください。

  記事:「離婚、うつ、死亡事件まで発生・・・DV妻に苦しむ男が急増中!?」
      URL ・・・ http://biz-journal.jp/2012/11/post_967.html


 

2014年11月10日

災害対応シンポジウム (福島) 【その1】

久しぶりに、内閣府男女共同参画局のHPを開いた。
「久しぶり」なのは、私が負けているからである。
男女局のHPを開くことが、私の精神的な負担になっている。
私にしてみれば怒濤のような、
自己本位のフェミニズム運動の拡大を前にして、
一人の国民でしかない私の、
存在の弱さを思うのである。

男女局のHPには、次のようなシンポジウムの募集要項が記されていた。

「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ        
       〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」
             http://www.gender.go.jp/public/event/2014/bousai.html

以前から、「第3回国連防災世界会議」が被災地で行われることは知っていた。
そして、私はそれを恐れてきた。
世界的なフェミニズム運動の拡大の中で、
災害対応のメッセ−ジが、
男性に対する人権無視・人権軽視のままに、
採択されてしまうのではないかと・・・・・。

標記のシンポジウムは、
来月、12月3日(水)に、福島市で行われる。
私は、内閣府男女共同参画局総務課に、
次のような要望書を送ることにした。

男性に対する人権無視・人権軽視を、放置することはできない・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                               平成26年11月10日 
内閣府 男女共同参画局 総務課 様
                                   (翠 流)  
                  要 望 書    

         「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ          
         〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」の        
       内容、および運営について。・・・「男女の人権の尊重」の視点から。    

                    記                  

 標記シンポジウムの開催にあたりましては、男女共同参画社会基本法第3条「男女の人権
の尊重」に則り、女性の人権だけではなく、男性の人権にも配慮する視点を忘れることのな
いよう、強くお願い申し上げます。会の運営にあたりましては、「男性は・・・」「女性は・・・」
というような、単純化された二項対立的視点や、過去からの性別観に囚われすぎることなく、
「人間は多様であること」をふまえた人権尊重の視点で、災害対応を検討していただきたく
お願い申し上げます。例えば、避難生活でのプライバシ−への配慮に関わって言えば、羞恥
に対する配慮が必要なのは女性だけではない。男性にも、羞恥心の強い人はいるのです。男
性に「不当な我慢」を強いるような災害対応は、絶対にやめてください。

 特に男性の人権に関わっては、避難所等における、更衣室、トイレ、物干し場、休憩スペ
−ス等の設置、入浴に対する配慮、生活支援物資の配布など、人間の尊厳、清潔、心身の健
康等に関わる重要事項について、男性に対する人権軽視・人権無視の現れることが強く懸念
され、強い不安感を捨てきれません。「男性は我慢をしなければならない」というような不当
な性別観で男性を呪縛することなく、すべての人の人権を尊重する視点に立って、誰もが、
心身共に健康に暮らせるような災害対応を実現してください。強くお願い申し上げます。 

 なお、上記のような生活支援の問題と併せて、被災者に対する精神的支援の平等性の問題
を含め、今回の要望と関連性の高い既送の要望書として、昨年の12月12日付けで、当時
の総務課のA様を窓口として送付させていただきました要望書、及び、本年8月12日付けで、
推進課のB様を窓口として送付させていただきました要望書(資料を含め全8枚)を、〖別添
え資料−T・U〗として同封させていただきましたので、併せてご覧いただきたくお願い申
し上げます。

〖別添え資料−T〗・・・・・ 平成25年12月12日付・要望書(総務課宛)
     「東日本大震災からの復興に関する男女共同参画の取組状況調査」に見られる  
    「男性に対する人権無視」の指摘と、今後の災害対応における、「男性に対する  
    人権無視・人権軽視の回避」について。                   

〖別添え資料−U〗・・・・・ 平成26年8月12日付、要望書(推進課宛)
     災害対応における男性差別、「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の、 
    男性無視の解消について。                         
                        以上、宜しくお願い申し上げます。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〖別添え資料−T〗・・・・・下記の要望書は、昨年12月12日の記事、『内閣府男女局 総務課へ
            ・・・・・「ひどすぎる復興アンケ−ト」について』の中に掲載した。

                               平成25年12月12日 
内閣府 男女共同参画局 総務課 様
                                  (翠 流)  
                  要 望 書   

      「東日本大震災からの復興に関する男女共同参画の取組状況調査」      
         に見られる、「男性に対する人権無視」の指摘と、          
    今後の災害対応における、「男性に対する人権無視・人権軽視の回避」について。 

                    記                     

 既に今月5日に、総務課のA様から、防災担当者4名の会議の結果であるとして、ご回答
いただいた件ではありますが、その内容を確認し、文書として明確な形で残したいという思
いから、改めて要望書を送らせていただきます。                   
 11月27日に、私からA様に発言させていただきましたように、本年6月7日に、内閣府男
女共同参画局ホ−ムペ−ジの「災害対応」に掲載された記事、「東日本大震災からの復興に関
する男女共同参画の取組状況調査」の45ペ−ジ、図表5-5-1「避難所運営の際に男女共同参
画の視点を反映させた取組」に記された調査項目は、下記のように、そのほとんどが女性だけ
に対する配慮に終始しており、男性に対する配慮、具体的には「男性用更衣室」「男性のニ−
ズの把握(聞き取り、意見箱等)」「男性に対する相談窓口の開設・周知」「男性専用の物干
し場」は完全に欠落しています。因みに、「物干し場」につきましては、私は現在の居住地に
来て約20年になりますが、この20年間、私は、洗濯物を干すときに、自分がスラックスの下に
身につけている1枚の下着を、人に見える場所に干したことは、ただの一度もないのです。
すべて部屋干しです。そういう男性もいるのです。                   

 【図表5-5-1:調査項目】                            
   男女別トイレ。 避難所の運営体制への女性の参画。 女性用物資(生理用品や  
   下着等)の女性による配布。 女性用更衣室。 女性のニ−ズの把握(聞き取り、 
   意見箱等)。 間仕切りによるプライバシ−の確保。 授乳室。 女性に対する相  
   談窓口の開設・周知。 乳幼児のいる家庭用エリアの設置。 女性専用の物干し場。 
   女性に対する暴力を防ぐための措置。 その他                 

 前述のように、図表5-5-1の名称には「男女共同参画の視点を反映させた取組」と書きな
がら、その調査項目には男性に対する配慮が存在しません。この、名称と内実の乖離。それ
は、男性に対する人権無視という倫理的な問題点であると同時に、男女共同参画社会基本法
第3条、そして日本国憲法第14条に抵触する内容であると考えます。          
 この私の発言につきまして、A様は、防災担当者4名の会議の結果であるとして、今後の
災害発生時には、私の発言のような要望を取り入れる形で、つまりは、「女性の人権だけでは
なく、男性の人権にも配慮して」調査項目を設定することを確認したと、回答してください
ました。しかし、人権尊重の原点に立ち帰って考えれば、それは、本来、この調査の開始時
点で考慮されるべき事項であったはずと考えます。男性にも人権はあります。男性の人権を
無視しないでください。本年5月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取
組指針」の4ペ−ジには、「避難生活において人権を尊重することは、女性にとっても、男性に
とっても必要不可欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全を
守ることが重要である。」と記されています。この精神を忘れることなく、真の「男女共同
参画の視点」から、今後の施策が実施されるよう、強く要望します。        

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〖別添え資料−U〗・・・・・今年の8月12日の記事『被災地における、女性の悩み・暴力相談
           事業(4)要望書』に掲載した。ここでは省略する。

                                     (以上)

2014年12月26日

災害対応シンポジウム (福島) 【その2】

 12月3日(水)に、私は、東北新幹線で福島市に行き、「防災・復興における女性の
参画とリーダーシップ 〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加した。

 既に、11月10日の記事「災害対応シンポジウム(福島)【その1】」にも書いたが、
私は、来年3月に仙台で行われる「第3回国連防災世界会議」で、たとえば災害対応のメ
ッセ−ジが、男性の人権を無視、或いは軽視した状態で採択されてしまうような展開を、
危惧してきたのである。もしもそうなれば、実際の被災場面で、間違いなく男性差別に
拍車がかかると、私は、まるで脅迫観念に襲われるかのように思う。たとえば疲弊して
たどり着いた避難所で、私は男性であるために、着替えの場所がなく、トイレも充分に
与えられず、新しい下着も配布されず、プライバシ−に配慮された物干し場もなく、ガ
レキの処理から帰った避難所で休息するスペ−スもなく、というような状況、そして男
性には、それに耐えるべき当然の義務があるというような、まさに不当な、人権侵犯と
しての性別観の強要の中で、私は、収拾しきれない煩悶の中に追い込まれると・・・・・。

 男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)を擁するはずの内閣府男女局。
私をこのような不安に陥れたのは、ほかならぬ、あなたたちだ。あなたたちが行ってき
た「第3条と乖離した施策」だ。実際、昨年の3月28日に開かれた「男女共同参画の視
点からの防災・復興の取組指針(案)」の意見交換会の日までの間、あなたたちは、そう
いう災害対応ばかりを考えてきたではないか。意見交換会当日の、「有識者の意見も聞い
た」などという、吐き気を催すような発言まで携えて・・・・・。

 幸いなことに、意見交換会に続く「意見募集」の過程を経て、「指針(案)」の問題点
だけは修正された。しかし、ほかの場所に、今もたくさんの男性差別が残されているでは
ないか。私がこのブログで指摘し続けてきたように・・・・・。

 私は、シンポジウムの登壇者から「男女両方の人権に配慮する」という意味の言葉を
引き出したくて、記事「災害対応シンポジウム(福島)【その1】」に記した要望書を
男女局に送り、当日、適当な登壇者から、それに対する壇上からの見解を聞きたい旨を
伝えておいた。申込書には「登壇者に聞きたいこと」の記入欄があったのである。しか
し、この要望に正面から応える言葉はなかった。私は苛立ち、「時間がない」旨をくり
返す司会者の言葉を遮るように、2回に渡って発言の機会を求めた。私の大きい声が、
広い多目的ホールに響き渡ってしまった。

 結局、発言の機会は与えられなかった。私は苛立ちを収拾できず、コーディネーター
との面談を求めて係を呼んだ。しかし、これもかなえられなかった。

 しかし、今回、係として様々の橋渡しをしてくれた男女局のあの人は、私の要望書が
完全に無視されたわけではないと私に伝えた。それはそうさ。確かに、そうかもしれな
いと感じさせる発言はあった。それは、避難所となった「学校の体育館」での話だった
と記憶する。「大きいカーテンを持ち込んで仕切りを作り」「男女が交代で」「着替え
をした」という報告・・・・・。

 しかし男女局はどこか逃げていると私は感じる。「男女の人権の尊重」という私の要
望書の表現を、コーディネーターが使うことはなかった。それは、彼女が、問題の本質
から逃げている証ではないかと私は思う。では、彼女は、なぜ逃げるのか。それは、憲
法第14条や男女共同参画社会基本法第3条の実現よりも、ほかならぬ自己本位のフェミ
ニズム運動の貫徹を上位に置こうとする、男女共同参画局の、本質的な自己中心性の現
れではないかと私は思う。

 私には、「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ」に反対するつもりなど、
全くない。問題はそういうことではなくて、どういうリーダーが育つかにあると思うの
である。要するに、このブログでくり返し発言してきたように、人間の多様性をふまえた、
全ての人に対する人権尊重の視点を持ったリーダーが、育つかどうかが問題なのである。
当然のことながら、女性の人権だけではなく、男性の人権も同等に尊重されなければなら
ない。「男女共同参画の視点」という美しいはずの言葉を使いながら、しかしそれと乖離
して、女性に対する配慮ばかりに目を向ける人間に、リーダーとしての資格など、あるは
ずはないのである。

 ところで私は、このシンポジウムに参加する前に、展示とリレートークが行われた企画
展示室で、「あおもり被災地の地域コミュニティ−再生支援実行委員会」が作成した資料
を見て、ショックを受けていた。それについては、年が明けてから報告したいと思う。



2015年01月14日

「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」へ

「男女共同参画の視点」という美名を使いながらも、
女性への配慮ばかりに終始し、男性には配慮しない女たち。
たとえばガレキの処理で衣服もからだも汚れ、
心身共に疲弊して避難所に帰ってきた男たちには、
からだを休める部屋もない。
それなのに女たちには、
アロマオイルまで用意した、手厚い部屋を用意する。
その、あきれるばかりの「男性差別の視点」を、
彼女たちは「男女共同参画の視点」とよぶ。
全く、ひどい話なのである。
男性には、人権など、ありはしない。
そして恐らくはそれを受け入れるのが男性の義務であるかの如く、
女性優遇是認の規範を、男性に押しつける男たち。
或いはまた、無言のままに通り過ぎる男たち。
そういう、「女たちの自己中心性」と、男たちの「男性に対する加害性」によって、
「男性差別」が出現し、拡大していく。
その、典型の一つとして、
ここに、「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」が作った冊子、【男女共同参画の視点を取り入れた「安心できる避難所」づくり訓練ヒント集】を取り上げる。
その URL は次の通り。

http://www.aomoricombiz.co.jp/hintosyu.pdf

これをご覧いただきながら、次の要望書を読んでほしいと思う。
私は、この要望書を「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」へ送り、
その写しを、
「青森県環境生活部、青少年・男女共同参画課、男女共同参画グループ」
「青森県 防災・消防課」
「内閣府 政策統括官(防災担当)」
そして、事業を委託した、「文部科学省、生涯学習政策局社会教育課」に送る。

なお、上記の「実行委員会」には、
青森の、「男女共同参画」課の職員が含まれている。

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                               平成27年1月●●日
あおもり被災地の地域コミュニティ            
再生支援事業実行委員会 様
                                     翠 流
                  要 望 書

     冊子:【「安心できる避難所」づくり訓練ヒント集】 に見られる、
    男性に対する人権無視・人権軽視・誹謗表現の是正について。

       ・・・・・「男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)」、及び、
         「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の視点から。

 昨年12月3日に福島市で行われました「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ〜
第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加しました折、貴実行委員会が作成
した冊子、【「安心できる避難所づくり」訓練ヒント集】を拝見し、そこに見られる「男性に
対する人権無視・人権軽視・誹謗表現」に、非常に強いショックを受けています。    

 その冊子の作成に関わる文部科学省の委託事業、「学びを通じた被災地の地域コミュニティ
再生支援事業(平成25年度)」につきまして、文科省の担当者、生涯学習政策局社会教育課
の●●様にお尋ねしましたところ、「この事業に関わる各自治体の取組内容は、各自治体に任
せてある」とのお話しでした。従いまして、冊子の内容・表現は、全て「あおもり被災地の
地域コミュニティ再生支援事業実行委員会」の決定によるものと理解しております。   

 冊子に見られる「男性に対する人権無視・人権軽視・誹謗表現」につきましては、具体的
に後述しますが、冊子の表紙に記された「男女共同参画の視点」は、とりもなおさず、「男女
共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)」に則った視点のはずで、ご存じのように、
「第三条」には、次のように記されています。

 【男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)】
   男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性
  別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保さ
  れることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

 そして更に、平成25年5月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指
針」には、上記「第三条」の精神を反映した、次のような文章が記されています。

 【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(p.4)】
  4 男女の人権を尊重して、安心・安全を確保する
   避難生活において人権を尊重することは、女性にとっても、男性にとっても必要不可
  欠であり、どのような状況にあっても、一人ひとりの人間の尊厳、安全を守ることが重
  要である。                                  

 ですから、この冊子の作成に際して、「あおもり被災地の地域コミュニティ再生支援事業実
行委員会」は、上記のような「男女両方の人権の尊重」を、作成の基本精神として据えなけ
ればならなかったはずなのです。尊重されるべきは女性の人権だけではない。男性にも、尊
重されるべき人権があるのです。                          

 しかし実行委員会は、その精神と乖離した冊子を作りました。この冊子には、次に記すよ
うな問題点、「男性に対する人権無視・人権軽視・誹謗表現」が存在します。それは、「男女
共同参画社会基本法第三条」や「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の精神
からの乖離なのです。冊子の表紙には、「男女共同参画の視点を取り入れた」と謳いながら、
しかし実際の内容は、「男女共同参画の視点」になっていないのです。 

【問題点】

1.「女性専用ルーム」は設置されているが、「男性用の部屋」は、全く存在しない。

  ・・・ ひど過ぎる話だと思います。たとえば、ガレキの処理で心身共に疲弊して避難所に
  帰ってきた男性は、どこで、からだと心を休めればよいのでしょうか? 冊子の「女性
  専用ルーム」の説明文には、「お茶・お菓子・ドライヤー・鏡付きの一角」等を用意する
  とまで書き、チェック項目には「身だしなみセット・洗面器」から「アロマオイル」ま
  である。しかし、男性に対する配慮は何もないのです。疲弊した、からだと心を休める部
  屋さえもないのです。これでは、男性には人権などないに等しいではありませんか。こ
  のような、男性差別をしてよいのでしょうか?。

   心の問題について言えば、冊子の「女性専用ルーム」の説明文には、「(女性たちが)
  何気ないおしゃべりから、自分が抱えている悩みを打ち明け、少し楽になれる場にもな
  る」と記されています。しかし、「男女共同参画白書:平成24年全体版(内閣府)」の
  「第1−特−27図・28図・29図・31図」にも示されているように、被災地では、女性
  だけが悩んだのではない。男性も苦しんできたのです。それは例えば、白書「第1−特
  −27図」の「アルコール依存の男性での増加」、そして「第1−特−31図」の「自殺者
  に占める男性の割合」に、明確に示されているではありませんか。「男性たちが心通わせ
  る場」としても、「男性用の部屋」が必要なのです。

2.「女性専用物干し場」の必要性は説かれているが、「男性専用物干し場」の必要性は、
  全く指摘されていない。

   男性にも「専用物干し場」が必要な理由を、具体例と共に書きます。私は、現在の居
  住地に来て、22年になりますが、スラックスの下に身に着けている下着を、人に見える
  場所に干したことは、ただの一度もないのです。すべて部屋干しです。そういう男性も
  いるのです。「専用物干し場」は、性犯罪防止だけのために作られるものではない。改め
  て言うまでもなく、それ以前に、プライバシーの問題、羞恥に対する配慮の問題がある。
  そしてそれは、女性だけの問題ではないのです。感受性は人によって違います。男性で
  も羞恥心の強い人はいるのです。羞恥心は、性別で単純にカテゴライズできるものでは
  ないのです。

   羞恥は人間の尊厳に関わる感情です。男性の羞恥心を軽視することなく、「男性専用
  物干し場」の必要性も指摘してください。私は、個人的には、同性にも下着を見られた
  くはない。しかし、被災の現実を考えれば、そこまでの配慮は困難でしょう。ですから、
  「男女別の物干し場」を作るのです。「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針
  (内閣府)」の12ページにも、次のような文章が記されているではありませんか。

  【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(p.12)】
     3 避難所 (1)避難所の開設 ・・・・・ ○ 避難所の開設当初から、授乳室や
    男女別のトイレ、物干し場、更衣室、休養スペースを設けること。

3.冊子 p.4 の「男女別更衣室」の説明文に、男性の尊厳を破壊する誹謗表現がある。

   下記の引用文の表現に、私は非常に強いショックを受けました。私は、女性の前で着
  替えをしたことなど、ただの一度もないのです。というより、着替えなどできるはずは
  ないのです。私は、あるスポ−ツクラブの男性更衣室に女性清掃員が入るのが嫌で、法
  務局の人権擁護課に人権救済の申し立てをして、合法的なたたかいを続けてきた人間で
  す。そういう感受性の男性がいるのです。しかし、下記の引用文は、そういう男性の存
  在を全く無視し、男性には、あたかも羞恥心がないかの如く表現しているではありませ
  んか。それは、私のような男性に対する、尊厳の破壊なのです。避難所に更衣室がなけ
  れば、私も「毛布の中で」着替えをします。それは、女性だけではないのです。そうい
  う感受性の、私のような男性が、人前で裸になど、なれるはずがないではありませんか。

   被災地の避難所に、下記の引用文のような着替えをした男性がいたのか否か、私は知
  りません。しかし、もしもいたとすれば、それは、常軌を逸した男性の批判されるべき
  行動でしょう。羞恥心を持つ健全な男性に、或いは良識ある普通の男性に、そんなこと
  ができるはずはないのです。引用文のような、常軌を逸した男性を、あたかも男性の代
  表であるかの如く表現するのは、絶対にやめてください。それは、男性に対する尊厳の
  破壊です。

   羞恥は人間の尊厳に関わる感情です。男性に対するプライバシーへの配慮は、羞恥心
  の強い男性を主役としてなされなければならないはずです。文章表現もそうです。常軌
  を逸した男性の批判されるべき行動だけを取り上げて、そうではない男性の尊厳を破壊
  する誹謗表現は、絶対にやめてください。

  【冊子 p.4「男女別更衣室」からの引用文】・・・(男性の尊厳を破壊する誹謗表現を含む)
     ・・・ 毛布の中や仮設トイレの中で着替えをしていた女性たちもたくさんいました。
    また、女性の前で、男性が裸になって着替えたりすることは、日常であればセクハ
    ラにつながり、それは非常時でも同じです。

4.「女性相談コ−ナ−(p.2)」や「DV被害女性支援ル−ム(p.4)」の必要性が記さ
 れている一方で、男性に対する相談・支援体制が全く存在しない。

   既に、上記1で記しましたたように、被災地で苦しんできたのは、女性だけではあり
  ません。男性も苦しんできたのです。それは、既述の通り、男性に多い自殺や、アルコ
  −ル依存の増加等に顕著に現れています。男性に対する相談体制の整備につきましては、
  【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(内閣府)】には、次のように記さ
  れています。この現実もふまえ、男性に対する相談・支援体制も整備してください。

  【男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(p.19)】
     オ 相談窓口の周知(後半) ・・・・・ ○ 男性としての重圧や他人に弱音を吐くこ
    とを避ける傾向にある男性の精神面での孤立が課題となってくることから、男性に
    対する相談体制を整備するとともに、相談窓口の周知方法に工夫を行うこと。

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◆ 以上の認識をふまえ、冊子【「安心できる避難所づくり」訓練ヒント集】に見られる「男
 性差別」の是正のために、次の7点を要望します。

                    記

1.「男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)」、及び、「男女共同参画の視点か
 らの防災・復興の取組指針(内閣府)」の視点に立ち、冊子に見られる「男性に対する人権
 無視・人権軽視・誹謗表現」を是正すること。具体的内容は、以下の通り。

2.「女性専用ル−ム」だけではなく、「男性専用ル−ム」も冊子に付け加えること。また、
 「女性専用ル−ム」と同等の備品を、「男性専用ル−ム」にも用意すること。例えば、「鏡
 付きの一角」「ドライヤー」「身だしなみセット」「洗面器」「アロマオイル」等、冊子の
 「女性専用ル−ム」の説明文にある物品を、「男性専用ル−ム」にも用意すること。

3.「女性専用物干し場」だけではなく、「男性専用物干し場」も用意すること。

4.上記2・3の観点をふまえ、冊子 p.2の「レイアウト」、p.3の「準備物」等、関連部
 分を修正すること。

5.冊子 p.4 「男女別更衣室」の説明文に見られる「男性の尊厳を破壊する誹謗表現」を削
 除し、例えば次の文例のように、男女両方の人権を尊重した表現に修正すること。

【文例】・・・男性、女性それぞれの更衣室をつくることが大切です。避難所では、男女問わ
  ず、毛布の中や仮設トイレの中で着替えをしていた人たちがたくさんいました。男女の
  プライバシーを守るために、男女別更衣室をつくりましょう。

6.相談・支援体制は、女性だけではなく、男性についても整備すること。

7.冊子の全てを再度見直し、真に「男女共同参画の視点に立った冊子」、即ち、「男女両方
 の人権を尊重した冊子」を完成させること。
                               以上、強く要望します。


2015年05月13日

国立教育政策研究所へ (3)

2013年(H25)の8月と12月に、
国立教育政策研究所・文教施設研究センタ−へ、要望書を送った。
理由は、記事カテゴリー「災害対応(2013年)」の中の、
「国立教育政策研究所へ(1)(2)」に書いてあるが、
要するに、全国の公立学校を対象に行っているアンケート調査、「学校施設の防災機能に関する実態調査」には、
「女性のプライバシーに配慮したスペースの確保」という項目はあったが、
男性に対しては、これに相当する項目がなかったのである。
私には、それが、非常にショックであった。
なぜならそれは、「すべての人の人権を尊重すべき学校教育の現場」に、
男性に対しては、個人の感受性の如何に関わらず、
プライバシーには配慮しなくてよいという、
人権を無視した「差別の通達」が下りたのと同じだからである。
プライバシーへの配慮は、人間の尊厳に関わる問題である。
プライバシーへの配慮は、性犯罪防止だけのために行われるものではない。
それ以前に、人間の尊厳に関わっているのである。
感受性は人によって違う。
性別で、単純にカテゴライズできるものではない。

一昨年、私の要望書を読んだ担当者は、
同年11月21日に、返事を聞くために電話をかけた私に対して、次のように言った。
「今年度調査済みの項目については修正できないが、来年度に向けて、項目全般的を見直す。」
私はその結果を聞くために、先月、4月9日に、担当者に直通の電話をかけた。
彼は在室であった。私は彼の声を覚えていた。彼も私を覚えていた。
彼は、私の問いかけに対して、次のように答えた。
「アンケート項目から『女性の』という語句をとった。」

私は、確認するために、国立教育政策研究所のホームページを開いた。
確かに彼の言う通りであった。
2014年の項目から、『女性の』という語句は消えていた。
関連部分を、2012年・2013年・2014年の順に、URLと共に記す。

2012(H24)年 
   ・要援護者や女性のプライバシーに配慮したスペース〈新規〉
   http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/bousaikinou2012.pdf
2013(H25)年 
   ・要援護者や女性のプライバシーに配慮したスペース
   http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/bousaikinou2013.pdf
2014(H26)年 
   ・要援護者やプライバシーに配慮したスペース
   http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/bousaikinou2014.pdf

猜疑心が強くなっている私は、怯えのように、『女性の』という語句を『男女の』にしなかった理由が気になった。2年間の『女性の』という言葉の効果が、その後も続きやすくなるように、つまり、内実は、男性に対する人権軽視を抱えたままであるために、あえて、『男女の』という言葉を避けたのではないだろうか・・・? しかしたとえば、性同一性障害の人たちへの配慮を考えれば、『男女の』という言葉はないほうがいい・・・。しかし、国立教育政策研究所はそこまで考えたのだろうか・・・? 

私は結局、この戸惑いを捨てることができず、5月8日に、再び担当者に電話をかけた。
『男女の』にしなかったのはなぜか、と聞く私に、
彼は、「いろいろな場合がある。高齢者とか・・・」と答えた。
「そうですね、性同一性障害の人たちへの配慮も・・・」と受けた私に、
彼の、意表を突かれた緊張感のような息遣いが感じられた。

どのような話し合いを経て、表現が変わったのかはわからない。
しかしとりあえず、一昨年の要望によって、
退行でもなく、現状維持でもない表現を、
獲得することはできた。

男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)

  男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が
 性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保
 されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。