2013年08月21日

男性の自殺 【T】・・・ はじめに

私には、自殺を企図した友人がいた。
しかしあれから月日は流れ、
遠ざかる日々は、彼の心を柔和にした。

しかし過去が 完全に消えるわけではなく、
時として、真上からあたる光の下で、
忌わしい陰影が、彼の眼窩に現れて、
暗い世界への、入り口へ誘う。

自殺を考えたことがあるかと人に聞けば、
誰もがあると、答えるのかもしれない。
しかし考えることと死ぬことの間には、
遙か遠い距離があると、
あの頃を振り返り、彼は言う。
もしも人が、その道を歩けば、
やがて初めて、断崖から身を投じる人の姿が見える。

自殺の道は、その人を断崖に招き、
その人は、深い淵に身を投げる。
それは、男性でも女性でも同じことだ。
だから私が、女性の自殺を取り上げなかったとしても、
自殺した女性の苦しみを、軽視しているわけではない。

しかし、自殺の性差を見れば、
それが男性に多いことは、
毎年変わることのない明らかな事実であって、
私はその数値を、この一連の記事の中で顕在化させたいと思う。

自殺の性差が、もしも逆であったなら、
日本中が、女性を救えと大騒ぎになっているような気がする。
女性団体も、社会の上層部の男たちも、男女共同参画も、
その現実を放置しないだろう。
救いを求める女性たち、それを受け入れられる女性たち、
しかし救いを求めることができずに、
男性であることを背負い、
孤独のうちに死んでいく男たちがいる。

男性の自殺が全く取り上げられないわけではない。
しかし、特に近年、例えば男女共同参画運動のように、
日本の社会に拡大する女性への手厚い配慮に比するなら、
男性に多い自殺の問題は、
それが死の問題であるにも関わらず、
余りにも取り上げられ方が弱い。

男性であることを背負いながら、
孤独のうちに、死んでいく男たち、
私たちは、彼らの苦しみに、
もっと目を向けなければならない。


posted by 翠流 at 19:36| Comment(4) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月06日

男性の自殺【U】・・・ 自殺者数の年次推移と男女比

          (2020年7月:加筆)・・・ 2013年〜2019年の自殺データを加え、
                     必要事項を加筆した。

私は、記事「男性の自殺【T】」の中で、次のように書いた。

    しかし、自殺の性差を見れば、
    それが男性に多いことは、
    毎年変わることのない明らかな事実であって、
    私はその数値を、この一連の記事の中で顕在化させたいと思う。

今回は、その数値として、1978年以降 42年間の、
自殺者数と自殺死亡率(注1)の年次推移を記す。・・・・・ 下記【表2】

(注1)自殺死亡率(自殺率)・・・・・ 人口10万人あたりの自殺死亡者数を示す。
       男女別の場合は、男女それぞれ10万人あたりの数値を示す。自殺の実態は
       自殺者数より自殺死亡率によって、より正確に示される。

統計資料としては、
警察庁生活安全局のデ−タをもとに、
内閣府自殺対策推進室が作成した自殺統計を使う。(注2)
厚生労働省の自殺統計は、
役所に提出された死亡届と死亡診断書(注3)をもとに作られるとのことで、
警察庁発表のデ−タの方が、自殺の実態に近く、
客観性を持つのではないかと考えた。

    (注2)内閣府の自殺対策推進室は、2016年3月末をもって、業務を厚生労働省
      に移管した。厚労省は、同年4月に自殺対策推進室を開設。
    (注3)家族・親族(6親等以内)・施設長・病院長等が提出

下記の【表2】から明らかなように、
自殺者数・自殺死亡率には、毎年、明白な「性差」が存在する。
自殺対策については、2007年(平成19年)に、内閣府に自殺対策推進室が設置されたが、
以後も、自殺の性差は変わることなく、
男性に多い数値として存在し続けてきた。
つまり、自殺対策推進室であるにしろ、全国各自治体の自殺対策部局であるにしろ、
この性差の問題について、有効な対策を講じることができていない。

なお、下の【表2】から、1978年以降の42年間を、
時系列に沿って、自殺死亡率(自殺率)と自殺者数の特徴から6群に分け、
それぞれの自殺死亡率の男女比の幅を記すと、次の【表1】のようになる。

【表1】      年 次      自殺死亡率の男女比【男/女】
     1978(S 53)〜1982(S 57)   1.66 〜 1.85
     1983(S 58)〜1985(S 60)   2.02 〜 2.18
     1986(S 61)〜1992(H 04)   1.64 〜 1.89
     1993(H 05)〜1997(H 09)   2.03 〜 2.14
     1998(H 10)〜2011(H 23)   2.27 〜 2.76(年間自殺者3万人以上)
     2012(H 24)〜2019(H31・R1)  2.28 〜 2.43

【表2】 自殺者数および自殺死亡率の年次推移と性差(男女比)

       ・・・・・ 男性は女性より早死傾向にある、という理由によって、総人口は
         女性より少ない。従って、自殺死亡の性差(男女比)は、死亡数で
         計算した場合より、死亡率で計算した場合の方が大きくなる。
       ・・・・・ 自殺死亡率は、性差(男女比)のみを示した。男女別の数値は、
         厚労省の「自殺の統計:各年の状況:令和元年:図表の元データ」
         を参照。

    年次別     自殺者数   男    女   性差:男女比【男/女】
                           自殺者数(自殺死亡率)
    1978(S 53)  20,788  12,859  7,929   1.62  (1.66)
     79(S 54)  21,503  13,386  8,117   1.64  (1.69)
    1980(S 55)  21,048  13,155  7,893   1.66  (1.72)
     81(S 56)  20,434  12,942  7,492   1.72  (1.78)
     82(S 57)  21,228  13,654  7,574   1.80  (1.85)
     83(S 58)  25,202  17,116  8,086   2.11  (2.18)
     84(S 59)  24,596  16,508  8,088   2.04  (2.11)
     85(S 60)  23,599  15,624  7,957   1.95  (2.02)
     86(S 61)  25,524  16,497  9,027   1.82  (1.89)
     87(S 62)  24,460  15,802  8,658   1.82  (1.89)
     88(S 63)  23,742  14,934  8,808   1.69  (1.75)
     89(H 01)  22,436  13,818  8,618   1.60  (1.65)
     90(H 02)  21,346  13,102  8,244   1.58  (1.64)
     91(H 03)  21,084  13,242  7,842   1.68  (1.75)
     92(H 04)  22,104  14,296  7,808   1.83  (1.89)
     93(H 05)  21,851  14,468  7,383   1,95  (2.03)
     94(H 06)  21,679  14,560  7,119   2.04  (2.11)
     95(H 07)  22,445  14,874  7,571   1.96  (2.05)
     96(H 08)  23,104  15,393  7,711   1.99  (2.08)
     97(H 09)  24,391  16,416  7,957   2.05  (2.14)
     98(H 10)  32,863  23,013  9,850   2.33  (2.43)
     99(H 11)  33,048  23,512  9,563   2.46  (2.57)
    2000(H 12)  31,957  22,727  9,230   2.46  (2.57)
     01(H 13)  31,042  22,144  8,898   2.48  (2.59)
     02(H 14)  32,143  23,080  9,063   2.54  (2.66)
     03(H 15)  34,427  24,963  9,464   2.63  (2.76)
     04(H 16)  32,325  23,272  9,053   2.57  (2.71)
     05(H 17)  32,552  23,540  9,012   2.61  (2.73)
     06(H 18)  32,115  22,813  9,342   2.44  (2.55)
     07(H 19)  33,093  23,478  9,615   2.44  (2.56)
     08(H 20)  32,249  22,831  9,418   2.42  (2.54)
     09(H 21)  32,845  23,472  9,373   2.50  (2.64)
    2010(H 22)  31,690  22,283  9,407   2.36  (2.49)
     11(H 23)  30,651  20,955  9,696   2.16  (2.27)
     12(H 24)  27,858  19,273  8,585   2.24  (2.37)
 以下のデータは2020年7月に加筆
     13(H 25)  27,283  18,787  8,496   2.21  (2.33)
     14(H 26)  25,427  17,386  8,041   2.16  (2.28)
     15(H 27)  24,025  16,681  7,344   2.27  (2.38)
     16(H 28)  21,897  15,121  6,776   2.23  (2.35)
     17(H 29)  21,321  14,826  6,495   2.28  (2.40)
     18(H 30)  20,840  14,290  6,550   2.18  (2.29)
     19(R 1)  20,169  14,078  6,091   2.31  (2.43)
                  (警察庁生活安全局生活安全企画課)


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2013年11月16日

男性の自殺(3)



          記事 保留中



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2013年11月19日

男性の自殺【V】・・・ 自殺予防フォ−ラム

近隣の某市で行われた「自殺予防フォ−ラム」に参加した。
以前、内閣府の自殺対策推進室に問い合わせの電話をしたとき、
「全国各地での取組みの主体は、内閣府ではなく各自治体である」という話を聞いたが、
某市の取り組みは非常に意欲的で、感心させられた。

例えば、ポスタ−や相談窓口7か所の電話番号を添えた多数のポケットティッシュの、
医療機関等への配布、
或いは、自殺予防のためのパンフレットの作成、
そして、生活全般に関わる困りごと等の相談機関18カ所を載せたリーフレットの作成等、
今後、その、市民への周知活動が拡がれば、
優れた自殺対策に発展するように思われた。

ただ、自殺が男性に多いことは、
フォーラムでは、全く取り上げられることがなく、
私には強い違和感があった。
経験的な直観的判断からすれば、
失礼ながら、もしかすると、担当部署の中に、
性差の提示によって、男性の危機が女性より顕著であるというような認識が広がることを、
好ましく思わない人が、いたのではないかと考えてしまう。
いつの間にか私は、そういう推測をするようになってしまった。

近隣の他の自治体や全国の取り組み状況を知りたいと思い、質問をしたところ、
講師として来ていた某大学病院の精神科医が、
東京の某区の取組みを、意欲的な事例として挙げた。
その具体的な内容は紹介いただけなかったが、
「地域により温度差がある」という精神科医の言葉から、
意欲的な自治体は必ずしも多くはないという印象を受けた。

因みに、私の居住県では、県の男女共同参画センターが、
男女共同参画であるにもかかわらず、女性限定の電話相談を開設しており、
その紹介チラシを、県内の医療機関に配布していたが、
私が、男性も相談対象にすることを求めて自殺の性差について発言したところ、
電話を受けた彼女は、「自殺対策は別の部局がやっている」などと言ったのである。
しかし、かつて自殺の淵を彷徨い、
県外のカウンセラーや精神科医を頼りに呻吟していた知人男性が、
彼女の言う「別の部局」に、全くたどり着けなかったという事実があり、
それはつまり、自殺対策部局が存在していたとしても、
それは、市民に対する直接的支援の部局として、
全く機能していなかったことを意味するのである。

ところで、この、女性限定電話相談の件について、
彼女に女性限定である理由を聞いたところ、
彼女は、相談員が女性しかいないことをあげた。
この返答は、私の経験的認識からすれば、
全国の男女共同参画部局に共通した回答である。
しかし、実は、ある電話相談活動と関わりを持ってきた私の認識からすれば、
少なくとも精神面での電話相談は、
相談者と相談員が同性でなければならないとか、
同性であれば成功するとか、そういう限定的な性質のものではない。
私事を持ち出して恐縮ではあるが、
逆に私が相談者であったときの経験を率直に申し上げれば、
呻吟する私の思いを受け止め、救済を与えてくれたのは、
「いのちの電話」の女性相談員であった。

要するに、心の電話相談活動の成否は、
相談者と相談員の感受性、相談内容、相談員の資質等の、
複合的な要因によって決まるのであって、
上記の男女課の担当女性は、それを認識していなかったか、
或いは、仮に認識していたとしても、彼女の心の中では、  
私の要望を拒否したい思いが、先行していたのだろうと思う。
因みに、彼女は、やがてその男女共同参画センターのセンター長となり、
現在は別の部署に転勤しているが、
私の要望電話から彼女の転勤までに8年の期間があったにもかかわらず、
センターは、未だに、女性限定の電話相談を行なっている。
なお、相談員が女性の場合、男性からのいたずら電話が危惧される面はあるが、
給料をもらう相談員であれば、それをかわす覚悟と訓練が必要なのは、
常識的当たり前であろう。

ところで、上述の自殺予防フォーラムを企画した某市が、
以前作成した自殺予防のポスターには、
その中央に、悩む女性のイラストだけが描かれていて、
男性の姿はなかった。
ポスターが、そういうメッセージを発していたのである。
苦しむ姿は女性として描かれ、男性は存在しない。
同様のパターンは、広く社会に存在する。
そこには、女性の非共感力の高さと、
男性が背負う「耐えるべき性別役割」の存在があると私は思う。
そして、そのパターンの存在が平凡であるが故に、恐らくはそこに、
自殺の性差が、変わることなく存在することの、
根本原因の、一つがあると私は思う。

私は、そのポスターの、現実との乖離に耐えられず、
フォーラムよりだいぶ前のことではあるが、
某市の、担当部局に苦情の電話を入れていた。
その私の行動とは全く無関係の、偶然の所産ではあろうが、
フォーラムの会場に掲示されていた新しいポスターには、人の姿はなく、
青い背景の中に、人の心を象徴するかのような、
多数の、絡み合った臙脂色の歯車が描かれていた。
私は、そのポスターに感動した。
自殺に向かう人は、
性別による偏向を捨象した支援、
危機の現実と乖離しない支援によって、
救われなければならない。


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2014年07月03日

男性の自殺(4)



          記事保留中




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2015年03月19日

男性の自殺 (5)



          記事保留中



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2015年03月31日

自殺対策要望書

内閣府男女共同参画局へ「自殺対策要望書」を送った。
男女局は、第三次男女共同参画基本計画の第1部「基本的な方針」に、
「男女共同参画社会の実現は、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作ることであり、
政府一体となって取り組むべき最重要課題である」と書きながら、
実際には、男性の人権を軽視、或いは無視した、「女性優先・女性優遇・女権拡大」の施策を行ってきた。
その特徴は、日本国憲法第14条(法の下の平等)との乖離、
そして、男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)との乖離である。
「男女共同参画」という「美名」で、その「本質」を隠蔽した、
自己本位の女性優遇運動の拠点。裏切りの「内閣府男女共同参画局」。
「かつて女性は差別されてきた」という言葉を、粗雑に、乱雑に、自己本位に使い、
「男性差別の施策」を、平然と行ってきた内閣府男女共同参画局。
全国の男女共同参画部局で流行語のようになった「男女共同参画の視点」は、
現実には、男女局の施策が言葉の本質と乖離して、
「女性優先・女性優遇の視点」と同義になってしまっている。
そして恐らくは、男女局の内部や、それを取り巻く「多くの」男性たちは、
旧来の「男らしさの規範」の呪縛や、付和雷同的な保身的忖度によって、
私のような発言をしない。
そして、その上にアグラをかいた、男女局の女性優遇活動家は、
恐らくは、その「女性優先・女性優遇の視点」のままに、
もう既に、「第四次男女共同参画基本計画」の策定に入っている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の要望書は、次の4つの内容に分かれている。
  (1) 自殺の状況と「性差」の再認識   (2) 男性に対する性別観・性別役割の呪縛 
  (3) 男女共同参画局としての「男性に対する支援」のあり方について (4) 要望の要約
このうち(1)と(2)には、記事「投稿原稿-4:男性の人権を守るために【2】」の内容を使った。
ただし【表】の数値は、「男性の自殺(5)」に掲載した2014年のデータを加えて修正した。
【表3】については、2014年のデータと差し替えた。

今回は、長文の記事になってしまった。
「投稿原稿-4」の内容をご存じの方は、
(3)と(4)だけをお読みいただいても、思いは伝わると思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                 平成27年3月29日
内閣府 男女共同参画局 御中              
                                   翠 流 
                 要 望 書    

        年間自殺者数に見られる「明白な性差」の再認識と、    
      男女共同参画局としての「男性に対する支援」のあり方について。
                   ◆                   
標記の件に関わる事項を次の4項目に分け、状況認識と要望を記させていただきます。
  (1) 自殺の状況と「性差」の再認識   (2) 男性に対する性別観・性別役割の呪縛 
  (3) 男女共同参画局としての「男性に対する支援」のあり方について (4) 要望の要約

(1)自殺の状況と「性差」の再認識                        

  すべての人は等しく尊重されるべき「いのち」を持ち、社会は、苦しみの中で自殺に向
 かう人に、救いの手を差し伸べなければならないと思います。勿論、この視点が日本の社
 会にないわけではなく、1998年に年間自殺数が3万人を越えて以降、国政レベルでは、自
 殺対策基本法の制定、内閣府への自殺対策推進室の設置、そして自殺総合対策大綱の策定
 などが行われてきました。全国各地の取組みは、自治体により差があると聞きますが、私
 の居住県であれば、●●市の、自殺予防フォ−ラムに「結実した」と表現したくなるよう
 な取組みがありましたし、県としては、自殺対策アクションプランの策定に向けた取組み
 がありました。そういう、全国に広がった自殺対策の成果であるのか、或いは、若干の好
 転とも言われる経済状況の変化の帰結であるのか等、主因は、自殺対策の担当者に聞いて
 も定かにはなりませんが、2012年から、年間自殺者数は3万人を割りました。しかしこの
 ような変化の中にあっても、変わらない事実があります。それは、自殺者が明らかに男性
 に多いという、「明白な性差」なのです。

  ご存じのように、内閣府自殺対策推進室は、警察庁が集計した自殺データを整理し、「自
 殺の状況」としてホームページに掲載していますが、今回、この要望書を作成するにあた
 り、それを、特に性差に着目して整理し直し、下記のような【表1】〜【表4】として、ま
 た、併せて、震災関連自殺データとして、「男女共同参画白書平成24年全体版・第1-特-31図
 :東日本大震災に関連する自殺者数の男女別割合」に示された数値を、【表5】として、末
 尾の「関連資料」に掲載させていただきました。

  【表1】年間自殺者数の推移と男女比(1978〜2014年:37年間)         
  【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2014年:7年間)
  【表3】原因・動機(小分類:52項目)別自殺者数と男女比(2014年)      
  【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2014年:7年間)
  【表5】東日本大震災に関連する自殺者数の男女別割合(H23年6月〜24年2月)  

  「関連資料」の【表1】に示されたような自殺者数の性差は、既に周知のことと思われ
 ますが、1978年から2014年までの37年間、毎年例外なく、男性の自殺が女性を上回ってい
 ます。それ以前も、恐らく同様ではないかと推測します。警察庁は、自殺の原因・動機を
 大きく7項目(表2)に分類し、更にそれを52の小項目(表3)に分類していますが、大
 分類では、【表2】の通り、7項目全てで男性の自殺が女性を上回り、特に「経済・生活問
 題」では、男性の自殺が女性の8〜10倍、また「勤務問題」では7〜9倍に達しています。
 小分類では、【表3】のように、52項目中 51項目で男性の自殺が女性を上回り、女性が男
 性を上回るのは1項目となっています。また、一昨年の春、就職活動失敗による若者の自
 殺の増加が報道されましたが、その状況を、この7年間について性別と共に示せば、【表4】
 のように、自殺者の8割から9割を男性が占めているのです。

  このように、日本の社会には、長期に渡って、自殺者数の明らかな性差が存在します。
 男性には、より多くの「生きにくさ」があるのです。ですから私たちは、この事実を見つめ
 直し、男性に対する、更なる「支援の方法」を探し求める必要があるのではないでしょうか。

(2)男性に対する性別観・性別役割の呪縛

  前述の「男性の生きにくさ」に関わって、長い間社会に存在し続けてきた「男性に対する
 性別観・性別役割」の問題があると思います。この件について、内閣府男女共同参画局と私
 の認識に共通性が全くないわけではなく、それは例えば「第三次男女共同参画基本計画・第
 2部・第3分野・具体的施策・キ」や、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針ーp.3
 ・p.4」等に記されていますが、その補強と再確認のために、発言をさせていただきます。

  「男性に対する性別観」、そして「男性が抱えざるを得ない性別役割意識」は、今も、男
 性にストレスを与え、男性を追い詰める要素を孕みながら、私たちの日常に深く根を張っ
 ていると思います。例えば、「男性は強くなければならない。困難に耐えなければならない。
 孤独に耐えなければならない。弱音を吐いてはならない。」「男性は家庭を支える経済力を
 持たなければならない。家庭を守らなければならない。」「男性は女性を守らなければなら
 ない。女性のために自分を犠牲にしなければならない。男性だからという理由で人権を軽
 んじられても、差別されても、不満を言ってはならない。それが男らしさの規範なのだ・・・」
 というように・・・。

  具体的な例を挙げます。例えば、私の知人に、ある相談活動に従事する男性がいますが、
 彼はある時こう言ったのです。「私は女性から相談を受けると、その人の気持ちに寄り添い、
 親切に対応しようとするが、男性から相談を受けると『男なんだから一人でやってみろ』
 と言いたくなってしまう」と・・・。彼は、根はいい人間ですから、今はもう姿勢を変えたと
 思いたいのですが、相談活動はいずれにしても、彼と会話をしていると、同様の性別観、
 性別役割意識の押しつけが随所に現れます。要するに、彼は、何事につけても初めに結論
 ありきで、男性に対して、困難や孤独や我慢や被差別の受容を要求します。そして彼は、
 その要求が男性に与えるストレスを理解しようとしないのです。           

 また、私が時折会話をする20代の女性ですが、彼女の第一子は男の子で、ある日彼女は、
 彼の未来について、「男の子だから強く・・・」と言ったのです。それは、とりもなおさず彼女
 の愛の一つの形でしょうし、社会通念的にも受け入れられやすく、強くなるのは、本人の
 人格に愛の欠落がなければ大変結構なことだと、私は、性別とは無関係に思っていますが、
 彼が、将来、解決不能の危機に直面した時、彼は、「男性」であるが故に、「逃げ場のない
 性別観・性別役割意識」を背負い、追い詰められる可能性が高いと思うのです。    

  時代の変化を見ると、今の日本には、「男のくせに」とか「女のくせに」とか、そういう
 表現をタブ−とする価値観は広がりつつあるようで、私はこの変化を、性的偏見の排除や、
 人間の多様性を認め個人の人権を尊重する視点から、大変好ましく思っていますが、しか
 し現実的には、それはまだ、甚だ表面的な現象なのであって、男性は、今も、従来からの
 男らしさの規範、男性であるが故の呪縛を、陰に陽に押しつけられるし、自分からも背負
 うことが多く、その影響は、例えば若者の自殺、具体的には、「関連資料」【表4】に示さ
 れた「就職活動失敗による自殺者の8割から9割を男性が占める」というような現実とし
 て、現れているのではないでしょうか。                      

  この要望書の初めに記しましたような事実、自殺対策の全国的な高まりの中にあっても、
 自殺が明らかに男性に多いという「性差」が変わらない現実の背後には、恐らくは、上に
 述べような、男性に対する性別観・性別役割の呪縛の問題があると思います。そして、こ
 のような主張は、私だけがしているわけではない。例えば、中央大学の山田昌弘氏は、ワ
 レン・ファレルの著書「男性権力の神話」(久米泰介訳.作品社)の推薦文の冒頭で、次の
 ように述べているのです。

     なぜ女性のつらさは問題にされるのに、                   
              男性の生きづさは問題にされないのだろう。
                           (中央大学教授 山田昌弘)

  そして、このような現実と、男性の自殺との関わりは、例えば、次のような文章で表現
 することができると思うのです。                         

     自殺者の男女比が、もしも逆であったら、                 
     日本中が大騒ぎになっているような気もする。               
     女性団体はたぶん、その現実を放置しないだろう。             
     保護を求める女性たち、保護を受け入れられる女性たち、          
     しかし保護を求めることができずに、                   
     「男性」であることを背負いながら、                   
     孤独のうちに死んでいく男たちがいる。                  

(3)男女共同参画局としての「男性に対する支援」のあり方について。

  「関連資料」【表1】〜【表5】に示された自殺者数の「性差」をふまえ、私は、内閣府
 男女共同参画局(以下、「男女局」と略す)に対して、自殺者数全体を減らす取組みだけで
 はなく、特に「男性の自殺を減らすための積極的な改善措置」を要望します。「第三次男女
 共同参画基本計画」の、「第1部:基本的な方針」にもあるように、「男女共同参画社会の実
 現は、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作ることであり、政府一体となっ
 て取り組むべき最重要課題である」はずです。

  尤も、男性の自殺の問題について、内閣府男女局が対策を全く講じていないわけではな
 く、例えば、「男女共同参画白書・平成26年版・本編・2」の「第1部・第4章・第1節・7」
 そして「第2部・第4章・第1節」には、全国各自治体での「男性相談体制の確立に向けた取
 組み」が記されています。歴史的に見れば、各自治体での相談事業の対象は、殆ど「女性」
 が中心であったという事実があり、それは、男性の自殺の実態を考えれば、男性に対する
 人権軽視の施策であったと思いますし、同時に、(2)で述べたような、男性に対する「不
 当な性別観」が社会に存在し続けてきた証でもあると思いますが、白書に記された取組み
 が、遅すぎた施策ではあるにしても、今後、困難を背負いながらひたすら一人で耐えるこ
 とが責務であるかの如く苦しむ男性の、心の襞に分け入り、人生に希望を与える役割を果
 たすことを、願うばかりです。

  しかし、察するに、「男性相談体制の確立」は、自殺対策として必須の事項であるにして
 も、それだけでは「自殺者数の性差」は変わらないと思います。なぜなら、(2)で述べた
 ような「性別観・性別役割意識」が、様々の場面で男性を追い詰める役割を果たしている
 からです。総じて、或いは概括的に言って、女性は、「男性に守られる存在」「守られて当
 然の存在」として、社会の中に位置しています。つまり、男性は「女性を守らなければな
 らない存在」なのです。この認識によって、男女間に、人権上の配慮の不均衡を生じます。
 女性優遇・男性差別の出現です。例えば、細部に踏み込めば長くなりますから今回は要点
 だけを記しますが、今の日本の社会の、女性優遇・男性差別是認の象徴的存在として、「女
 性専用車両だけの存在」があります。「痴漢対策としての女性専用車両」は存在しても、「痴
 漢冤罪対策としての男性専用車両」は存在しないのです。ある男性駅員が言ったそうです。
 「女性は社会が守らなくちゃ。男は自分で自分を守らなくちゃ」。まさに この発言ような
 不当な性別観が、男性に対する人権軽視を増幅させているのです。痴漢冤罪の問題につい
 て言えば、男性は自分の力だけで冤罪被害から身を守ることはできない。実際、周知のよ
 うに、原田信助さんは、痴漢冤罪被害のために、自ら命を絶ったのです。

  要するに、「性別観・性別役割意識」が、女性と男性に、異なる社会的な位置を与えてい
 るのです。「社会によって守られる存在としての女性」、そして「自分で自分を守らなけれ
 ばならない存在としての男性」。この位置関係が、社会の様々の場面で 男性を追い詰め、
 その結果として、自殺者数の性差が、今後も現れ続けると思うのです。

  ですから、自殺対策に関わる男性支援として重要なことは、全国各自治体での「男性相
 談体制の確立」だけではなく、前述のような「男性に対する性別観・性別役割意識」を取
 り払い、男性をストレスや危機場面から解放していくこと、或いは、その性別観・性別役
 割意識に対する支援を、「日常の中に」作り出すこと、そして、男性の人権を軽んじる風潮、
 男性差別を是正し、男性の幸福感・安心感を高めることだと思うのです。そしてそれは、
 法的基盤に目を向ければ、実は簡単なことのはずなのです。なぜなら、改めて言うまでも
 なく、日本国憲法第14条が「法の下の平等」を保障し、男女共同参画社会基本法第3条が
 「男女の人権の尊重」を謳い、その精神が、全国各自治体の男女共同参画関連条例に反映
 されているはずだからです。                           

  しかし現実は、その「法的基盤」のようになっていない。いやむしろ日本の社会は、男性
 に対する人権軽視・人権無視・男性差別を拡大させる方向に進んでいます。「かつて女性は
 差別されてきた」という言葉を旗印に、女性差別撤廃運動を展開するのは大変結構なこと
 です。女性差別はあってはならないのです。しかし現実には、今の日本は、男女平等実現を
 逸脱して、女性優先・女性優遇・女権拡大の方向へ進んでいる。男性の人権が蔑ろにされ、
 男性差別が拡大しているのです。それは、次に述べるような事実によって明らかなのです。

  男性差別拡大の流れは、大きくは三つあると思います。いや、実際は他にもありますが、
 今の私の認識の範囲で明言できる現象は三つある。その一つは、今回の要望書に詳細は書
 きませんが、「女性をターゲットとした企業の女性優遇戦略」。そしてもう一つが、前述の、
 公共交通機関での「女性専用車両だけの存在」。どちらも、日本の社会での「女性の特権階
 級化」を確実に進行させています。そしてもう一つが、他ならぬ「内閣府と全国の男女共
 同参画部局の施策」なのです。今まで、私の関心は、主に「災害対応・健康支援・ポジテ
 ィブ・アクション」にありましたが、その全てに、例えば次のような男性差別があるのです。

  「災害対応」につきましては、既に、内閣府や全国の男女共同参画部局・防災担当部局、
 更にその関連機関・団体等に、種々の要望書等を提出してきましたが、男性差別は非常に
 多く。男女共同参画社会基本法第3条との乖離を強く感じます。今回はその中から、二つ
 の例を取り上げます。一つは、被災者の「相談体制」そのものに関わる男性差別、もう一
 つは、被災者の生活支援に関わって、男性の人権を全く無視した施策の一例です。   

  「相談体制」に関わっては、内閣府男女局が、今年度も同名のままに継続してきた施策、
 「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」の問題があります。この件につきましては、
 既に昨年、8月12日付で、男女局推進課宛に改善の要望書を提出しており、主張の詳細は
 そこにありますが、要するに、被災して苦しんできたのは女性だけではない。男性も苦し
 んできたのです。にもかかわらず、「男女の人権を尊重すべき男女局」が、男性を相談の対
 象から外したのです。それが問題なのです。男女局は、被災者の心の状態をよくご存じの
 はずです。男女局はそれを「白書」に書いたではありませんか。そしてその一つが、「関連
 資料」【表5】に記された「震災関連自殺者の75%が男性」という事実であり、加えて「男
 性の飲酒量増加」の問題も白書に記されてているではありませんか。また、DV被害も、
 女性だけに局限された現象ではない。それは例えば、推進課宛要望書に記した「横浜市・
 市民活力推進局・こども青少年局」の調査結果にも示されていますし、そのくらいのこと
 は、内閣府男女局であれば十分ご存じのはずでしょう。ならばなぜ「相談事業」の対象を
 「女性だけ」に限定したのですか。なぜ「男性」を相談の対象にしないのですか。それは、
 自殺の問題を含め、男性が抱えている困難を顧みない、深刻な男性差別ではありませんか。
 それは「男女共同参画社会基本法第3条」と乖離した施策ではありませんか。     

  もう一つ、被災地での生活支援に関わって、放置できない男性差別。それは、2013年5
 月に公開された「男女共同参画の視点からの防災復興の取組指針」の「解説事例集 p.38
 取組み事例13・女性のニーズに寄り添った物資の支援」。その、「宮城登米えがおねっと」
 の実践には「女性だけへの手厚い支援」が記され、男性への支援は存在しないのです。そ
 してそれに何のコメントもつけずに、あたかもそれが優れた典型実践であるかの如く掲載
 した内閣府男女局。もしも男女局が「女性支援センター」という名称であるならば、施策
 と名称の間に、とりあえずの整合性はあるでしょう。しかし実際には、男女局は、「男女の
 人権の尊重」を謳った「男女共同参画社会基本法第3条」に立脚しているはずなのです。
 その男女局が、なぜ男性の人権を無視するのですか。女性には、個人のサイズまで調べた
 新しい下着を配るのに、男性にはそういう配慮が全くない。それでは「男性は汚い下着の
 ままで暮らせ」と言っているのと同じではありませんか。どうしてそのような差別ができ
 るのですか。男性は、人間としての尊厳を全く無視されているではありませんか。それは
 まさに、「宮城登米えがおねっと」と「内閣府男女共同参画局」が、男性に対して「不当な
 性別観」を持っていることの証ではありませんか。                 

  第三次男女共同参画基本計画の「健康支援」も同じことです。この問題につきましては、
 厚生労働省のデータを添えて、別の要望書を作成する予定がありますが、要するに、第10
 分野「生涯を通じた女性の健康支援」に記された女性に対する手厚い配慮に比して、男性
 に対する支援が、あまりにも弱すぎるのです。現実には、男性は、明白な「性差」として
 の「短命」と、その背景としての「病に対する弱さ」、そして「自殺」の問題を抱えている。
 そういう、男性が抱えた現実を見つめる視座が、あまりにも脆弱すぎるのです。    

  ポジティブ・アクションも同様です。例えば、それを政治の表舞台に登場させた安部首相
 は、「国家公務員採用者女性割合を必ず30%まで引き上げる」と発言してきましたが、教育
 の機会均等、そして、国家公務員採用試験受験の機会平等が保障されている日本の社会に
 あって、更に、内閣府男女局が行ってきた「学校教育の場における地位の平等感調査(平成
 24年)」の「20〜29歳」のデータを見れば、そこには 有意の男女差はないであろうと推測
 されます。つまり、システムとしても内実としても「男女平等」が確立したと判断される
 学校教育の一つの到達点としての国家公務員採用試験の場で、数値目標30%達成のための
 女性優遇採用が行われれば、それはまさに、裁かれるべき不正入試と同じでしょう。

  更に、「関連資料」【表4】に示された「就職失敗による20代の自殺者の8割から9割を
 男性が占める」ことを考えるとき、それとポジティブ・アクションが無関係であると、言い
 切ることができるでしょうか。例えば、平等な選考ならば国家公務員に採用されたはずの
 男性が、男性であるという理由によって不採用となり、自殺をすることもあり得るでしょ
 うし。更に広く、「男性は家庭を支える経済力を持たなければならない」という性別観に囚
 われた男性が、実力主義に離反したポジティブ・アクションという名の男性差別によって就
 職活動に失敗し、自ら命を絶つ可能性は、十分あり得るのではないでしょうか。    

  女性優遇採用の行われた可能性は、既に、平成25年度大阪府・大阪市職員採用試験、そ
 して、平成26年度名古屋市職員採用試験でも指摘されています。それは、憲法第14条違反
 であるだけでなく、「性別役割意識」を考えれば、男性に対して、非常に強い精神的打撃を
 与える可能性を孕んでいます。このような不正採用に拍車をかけるポジティブ・アクショ
 ンは、絶対に行わないよう、強く要望します。

  (3)の冒頭にも書きましたように、第三次男女共同参画基本計画の「第1部:基本的な
 方針」には、「男女共同参画社会の実現は、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会
 を作ることであり、政府一体となって取り組むべき最重要課題である」とあります。しか
 し、内閣府男女局は、そして、全国の男女共同参画部局は、本当にこの精神に則って、施
 策を行っているのでしょうか。実際には、男性が抱えている性別役割意識、男性は女性を守
 らなければならない。女性を優先しなければならない。男性だからという理由で人権を軽
 んじられても、差別されても、我慢をしなければならない。」というような性別役割意識の上
 にアグラをかいて、「かつて女性は差別されてきた」という言葉を、粗雑に、乱雑に使い、「男
 女共同参画」という「美名」と乖離した「男性差別の施策」を行っているのではないでし
 ょうか。だとすればそれは、美名で本質を隠した「自己本位のフェミニズム運動」、まさに
 「裏切りの男女共同参画」ではありませんか。日本国憲法第14条の直下にあり、男女共同参
 画社会基本法第3条を擁する内閣府男女共同参画局、そして、その精神に則った条例を持つ
 はずの全国の男女共同参画部局が、そういうことでよいのでしょうか ?

(4)要望の要約 ・・・・・ 以上の認識をふまえ、次に、要望を要約します。

1.この要望書の末尾に【関連資料】として掲載した【表1】〜【表5】の数値から、男性の
 自殺の実態を再確認すること。自殺者数・自殺死亡率には、長期に渡って「明白な性差」
 が存在し、男性が、女性より深刻な状況に置かれ続けていることを再確認すること。  

2.「第三次男女共同参画基本計画」の「第1部:基本的な方針」に、「男女共同参画社会の
 実現は、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作ること」とある。しかし実際
 には、上記1の事実から、男性は、より多くの「自殺につながる生きにくさ」を抱えてい
 ると考えられる。この現実を鑑み、自殺者全体を減らす取組みだけではなく、特に、男性
 の自殺を回避するための、積極的な改善措置を講ずること。             

3.「第三次男女共同参画基本計画・第2部・第3分野」の「成果目標」には、「自殺死亡率
 の減少」が掲げられているが、上記2の視点に立った「男性の自殺を減らすための改善目
 標」が記されていない。これを検討し、「第四次男女共同参画基本計画」に必ず加えること。

4.内閣府男女共同参画局は、現在、全国各自治体での男性相談体制の整備を進めている。
 それは、男性の自殺の実態を顧みれば、遅すぎた施策の感があるが、今後、男性が相談し
 やすい体制を整えると共に、困難の中で苦しむ男性の心の襞に分け入り、人生に希望を与
 える役割を果たすことを切に願う。                        

5.上記4のような相談体制の整備は、男性の自殺対策として必須のことと思われるが、そ
 れだけでは、恐らく、自殺の性差の問題は解決しない。なぜなら、長い間社会に存在し続
 けてきた「男性に対する性別観・性別役割意識」が、男性を追い詰める要素を孕みながら、
 今も、私たちの日常に深く根を張っているからである。例えば、「男性は強くなければなら
 ない。困難に耐えなければならない。孤独に耐えなければならない。弱音を吐いてはなら
 ない。」「男性は家庭を支える経済力を持たなければならない。家庭を守らなければならな
 い。」「男性は女性を守らなければならない。女性のために自分を犠牲にしなければならな
 い。男性だからという理由で人権を軽んじられても、差別されても、不満を言ってはなら
 ない。それが男らしさの規範なのだ・・・」というように・・・。
  内閣府男女共同参画局は、男女共同参画社会基本法第3条「男女の人権の尊重」に立脚
 しつつ、上記のような現実を再認識し、全ての施策を考えるに当たり、男性を追い詰める
 ことがないよう、また、男性に対して「人権軽視・人権無視・男性差別」を行うことがな
 いよう留意し、男性をストレスや危機場面から解放していくこと、そして、男性の幸福感
 ・安心感を高めること。また、この視点に立って、全国すべての男女共同参画部局に対し
 て、啓発メッセージを発すること。                        

6.上記5の視点から、「災害対応」「健康支援」「ポジティブ・アクション」について、具体
 的な要望を記す。

 @ 災害対応 ・・・・・・ 平成25年3月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の
    取組指針(案)」は、意見募集の過程を経て、男性の人権にも配慮する方向で修正さ
    れ、同年5月に「同・指針」が公開された。しかし、その他の「災害対応」には、
    内閣府男女局の施策だけではなく、全国の男女共同参画部局の施策にも、非常に多
    くの「男性に対する人権無視・人権軽視」が存在し、「男女共同参画の視点」という
    言葉は、その本質と乖離して「女性優先・女性優遇・男性差別の視点」と同義に使
    われている。内閣府男女局の施策については、この実態を是正し、全国の男女共同
    参画部局に対しては、同様の視点で、是正のための啓発メッセージを発していただ
    きたい。また、この要望書の6枚目に取り上げた内閣府男女局の施策、「被災地にお
    ける女性の悩み・暴力相談事業」は、早急に「被災地における被災者の悩み・暴力
    相談事業」に修正していただきたい。

 A 健康支援(第三次男女共同参画基本計画)・・・・・ この件については、関係する厚生労働
    省のデータも添えて、再度、要望書を提出する計画があるが、第10分野「生涯を通
    じた女性の健康支援」に記された女性に対する手厚い配慮に比して、男性に対する
    支援があまりにも弱すぎる。明白な「性差」としての「男性の短命・病に対する弱
    さ・自殺」の問題をふまえ、「第四次男女共同参画基本計画」策定にあたっては、「男
    女共同参画社会基本法第3条」の視点に立って、修正をお願いしたい。

 B ポジティブ・アクション ・・・・・ 今回は、採用試験だけについて発言する。教育の機会
    均等、採用試験受験の機会平等が保障されている日本の社会にあって、更に、内閣
    府男女共同参画局が行った「学校教育の場における地位の平等感調査(平成24年)」
    の「20〜29歳」のデータから、学校教育に関しては、システムとしても内実として
    も「男女平等」が確立したと判断される。このような社会状況の中にあって、学校
    教育の一つの到達点としての採用試験の場で、女性優遇採用が行われるとすれば、
    それは裁かれるべき不正入試と同じである。それは、明白な、日本国憲法第14条違
    反であるだけではなく、「男性は家庭を背負わなければならない」という「性別役割
    意識」を担う男性に対して、非常に強い精神的打撃を与える。このような不正採用
    に拍車をかけるポジティブ・アクションは、絶対に行わないでいただきたい。  

7.再度引用する。「第三次男女共同参画基本計画・第1部:基本的な方針」に記された次の
 文章、「男女共同参画社会の実現は、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作る
 ことであり、政府一体となって取り組むべき最重要課題である。」に、私は共感し、内閣府
 男女共同参画局に要望する。この「基本的な方針」の視点に立って「男性の自殺の実態」
 を直視し、「男性に対する支援の必要性」を再認識し、「全国での男性相談体制の整備」だ
 けではなく、「第四次男女共同参画基本計画」の策定に向けて、更なる支援の方法を検討し
 ていただきたい。

関連資料                               

【表1】年間自殺者数の推移と男女比(1978〜2014年:37年間)          

   ・年間自殺者数が3万人以上であるか否かによって、37年間を三つの時期に区分し、
   各時期の年間自殺者数の幅を示した。                     
   ・男女比は、各年度の女性の自殺者数を1として、男性の自殺者数の割合を数値で 
   示した。表中の自殺率(自殺死亡率)は、人口10万人あたりの自殺者数を示す。  

                         (男女比)【男/女】      
     (年次)    (年間自殺者数)   (自殺者数) (自殺率)    
   1978年〜1997年   20,434 〜 25,524   1.6 〜 2.1 (1.7 〜 2.2)  
   1998年〜2011年   30,651 〜 34,427   2.2 〜 2.6 (2.3 〜 2.7)  
   2012年〜2014年   25,427 〜 27,858     2.2   (2.3 〜 2.4)  

【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2014年:7年間)  

   ・7年間の年間自殺者数の幅を、原因・動機別にした。             
   ・表の数値には、「原因・動機不特定者数」は含まれていない。          

   (原因・動機)     (年間自殺者数)   (男女比)【男/女】    
    健康問題       12,920 〜15,867     1.3 〜 1.5       
    経済・生活問題    4,144 〜 8,377     8.1 〜 10.3        
    家庭問題       3,644 〜 4,547     1.6 〜 1.9       
    勤務問題       2,227 〜 2,689     6.9 〜 8.8        
    男女問題        875 〜 1,138     1.4 〜 1.8        
    学校問題        364 〜  429     2.6 〜 4.2       
    その他        1,351 〜 1,621     2.1 〜 2.7        

【表3】・・・・・(3月19日掲載の記事、「男性の自殺(5)」を参照のこと)

【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2014年:7年間) 

      (年次)  (総数) (男性) (女性) (男性の割合)   
    2008年(H 20)   86    69    17     80.2 %       
    2009年(H 21)  122    98    24     80.3 %       
    2010年(H 22)  153   138    15     90.1 %       
    2011年(H 23)  141   119    22     84.3 %       
    2012年(H 24)  149   130    19     87.2 %       
    2013年(H 25)  104    95    9     91.3 %       
    2014年(H 26)  110    95    15     86.3 %       

【表5】東日本大震災に関連する自殺者数の男女別割合(H23年6月〜24年2月)

                     (女性)  (男性)  (計)   
 震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月)  24.6%  75.4%  100%   
 全国の自殺者数(平成23年)        31.6%  68.4%  100%


       

  

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2016年06月24日

男性の自殺 (6)



          記事保留中



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2017年12月31日

男性の自殺【W】・・・ 原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)と男女比

標題の内容に入る前に、
いくつか記しておきたいことがある。

男性に対する旧来の性別役割の強要は、
自殺に関わる様々の場面でも、頻回に現れる。
一方、そのような状況に疑義を呈し、
男性への支援の脆弱さを指摘する論評にも、
数少ないが出会うことはある。

初めに前者の例をいくつか挙げるが、
ある自殺対策ボランティア団体の、春の総会の折、
男性役員が、挨拶の中で自殺の状況に触れ、
最近明らかになった女性の事例を、強調した。
それはそれで、たいへん結構な話で、
そういう情報は共有されなければならない。
しかし彼は、男性の自殺の状況については、
一切触れることなく、まるで、
NHKラジオ第一放送のニュースの、剽窃のようであった。
私は、彼のスタンスに、疑義を抑えられなくなり、
質問の時間に挙手をして、発言をした。
彼は初め、私の疑義に対して言い訳のような説明をしていたが、
彼も基本的には誠実な人のようで、
最終的には謝罪をした。
その年の秋であったか、同じ団体の研修会の折に、
性別表示も含めた自殺者数の年次変化のグラフが、
資料として配布された。

また、やはり同じボランティア団体の、別の研修であったが、
私の居住県の自殺対策部局の責任者を務める某国立大学の精神科教授が、
講演をするにあたり、事前に質問を受け付けるとのことであったので、
私は、自殺の性差に関わるデータ6種類を整理し、
5項目の質問と共に提出しておいたが、
彼は、この私の質問に全く触れなかった。
私は、この時もまた、黙っているわけにはいかず、
挙手をして質問をしたが、
彼は、意識的に焦点をぼかすような不分明な返答をしただけで、
私の事前質問に対する具体的な回答は、全くなかったのである。
私は、踏み込んで質問を続けたかったが、上記と同じ団体の研修であったため、
孤立を恐れて発言をやめた。
しかし、この翌年であったか、私は、県の自殺対策のHPを見る中で、
県内のある地域の関連部署から、
私と同様の問題提起がなされていることを知った。
そして、その数年後であったか、
上に記した「性別表示も含めた自殺者数の年次変化のグラフ」と共に、
相談機関も明示した自殺対策リーフレットが作成され、
私は、県立図書館で、それを手にしたのであった。

もう一つ、酒の席でのことを書く。
私は、上のボランティア団体に所属する或る男性と酒席を共にしたことがあり、
話題は自殺対策にも及んだが、
彼は、相談者への対応について、こんなことを言ったのである。
「自分は、女性から相談を受けると、丁寧に話を聴き、優しく親切に対応するが、
男性から相談を受けると、『男なんだから一人でやってみろ』と思ってしまう」と・・・・・。
もっとも彼は、その後、このスタンスを変えただろうと私は思っているが、
要するに、その相談者の男性が、翌日、首を吊ったらどうするかと、
そういう問題なのである。

前者の例は、もう一つで終わりにするが、
私が、厚生労働省の自殺対策推進室に問合せの電話をした時の話しである。
私は、男性に自殺が多いことについて、
ややポストの高い人と話しをしたいと伝え、
この望みはかなえられたのであるが、
その、ポストの高い男性は、
私が「男性に自殺が多いことについて話しをしたい」と切り出すと、
彼は「いや、男性とか、女性とか、そういうことじゃあなくってね・・・・・」と、
非常に巧みな発言をして、
以後、一言も喋らなかったのである。
要するに彼は、自殺が男性に多いことを、話題にさせなかった。
私は、やむなく自分の思いを語り続け、
私から電話を切った。

次に、後者の例を一つ書く、
今までの4例はすべて男性であったが、
こちらは女性である。
私は、自殺の状況と乖離しない発言してくださったこの女性に、感謝している。
女性の名前は、よく知られた「河合薫」さんである。
記事の題名とURLは、下記の通り。
全文を読むにはログインが必要であるから、ここに掲載はできないが、
内容は、題名から察していただけることと思う。

【河合薫さんの記事】 
    『白書もスルー? 40、50代男性の自殺率の高さ』 
           幸福度は内乱国並み、男の幸せはどこにある。
                        日経ONLINE 2017年6月6日(火)
   http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/060200107/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私のつぶやきが長くなった。
標題の内容に入る。

◆ 原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)と男女比

      (2020年7月:加筆)・・・・・ 2008年(H20)〜 2016年(H28)のデーターに、以後
             2019年(R1)までのデータを加筆し、12年間のデータとした。

 ・厚生労働省の自殺対策推進室がアップしている自殺の統計は、警察庁の自殺データに
 基づくものであるが、警察庁は、自殺の「原因・動機」を、まず、7つの大項目に分類
 して数値を示し、更にそれを52項目に細分化して、デ−タの詳細を示している。今回は、
 その7つの「大項目」について、12年間のデータを記す。

 ・自殺の「原因・動機」は全てわかるものではなく、不明の自殺も少なくはない。今回
 は、その割合も含め、次の表を掲載する。

  【表1】 自殺の「原因・動機特定者数」と「原因・動機不特定者数」
  【表2】 原因・動機特定者の「原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)」と男女比。
    【A】 12年間の概括的特徴・・・下表【B】のデータを用いて、7項目それぞれの、
                 12年間の最小値と最大値の幅を示した。
    【B】7項目それぞれの、年度別自殺者数と男女比。

 ・なお、遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を、自殺者
 一人につき3つまで計上可能としているため、原因・動機特定者の原因・動機別自殺者
 数の和と、原因・動機特定者数とは一致しない。

 ・【表2】-【A】【B】からわかるように、7項目全てで、自殺者数は、男性が女性を
 上回っている・

・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ◆ 【表T】 自殺の「原因・動機特定者」と「原因・動機不特定者」

      年次別     総 数   原因・動機特定者  原因・動機不特定者
     2008(H 20)   32,249   23,490(72.8%)  8,759(27.2%)
     2009(H 21)   32,845   24,434(74.4%)  8,411(25.6%)
     2010(H 22)   31,690   23,572(74.4%)  8,118(25.6%)
     2011(H 23)   30,651   22,581(73.7%)  8,070(26.3%)
     2012(H 24)   27,858   20,615(74.0%)  7,243(26.0%)
     2013(H 25)   27,283   20,256(74.2%)  7,027(25.8%)
     2014(H 26)   25,427   19,025(74.8%)  6,402(25.2%)
     2015(H 27)   24,025   17,981(74.8%)  6,044(25.2%)
     2016(H 28)   21,897   16,297(74.4%)  5,600(25.6%)
     2017(H 29)   21,321   15,930(74.7%)  5,391(25.3%)
     2018(H 30)   20,840   15,551(74.6%)  5,289(25.4%)
     2019(R 1)   20,169   14,922(73.9%)  5,247(26.0%)

 ◆ 【表2】 原因・動機特定者の「原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)」と男女比。
                    
    【A】 12年間の概括的特徴 ・・・ 12年間の最小値と最大値の幅を示す。
                 年間自殺者数     男女比 【男/女】
      家庭問題      3,039 〜 4,547     1.55 〜 1.88
      健康問題      9,861 〜15,867     1.28 〜 1.47
      経済・生活問題   3,395 〜 8,377     6.90 〜 10.27
      勤務問題      1,949 〜 2,689     6.86 〜 8.79
      男女問題       715 〜 1,138     1.35 〜 2.15
      学校問題       319 〜  429     2.21 〜 4.16
      その他       1,056 〜 1,621     2.14 〜 2.69

    【B】7項目それぞれの、年度別自殺者数と男女比。

      家庭問題
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)   3,912  2,503  1,409   1.77
        2009(H 21)   4,117  2,668  1,429   1.88
        2010(H 22)   4,497  2,854  1,643   1.73
        2011(H 23)   4,547  2,860  1,687   1.69
        2012(H 24)   4,089  2,591  1,498   1.72
        2013(H 25)   3,930  2,477  1,453   1.70
        2014(H 26)   3,644  2,227  1,417   1.57
        2015(H 27)   3,641  2,327  1,314   1.77
        2016(H 28)   3,337  2,111  1,226   1.72
        2017(H 29)   3,179  2,030  1,149   1.76
        2018(H 30)   3,147  1,916  1,231   1.55
        2019(R 1)   3,039  1,870  1,169   1.59

      健康問題
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)  15,153  8,870  6,283   1.41
        2009(H 21)  15,867  9,460  6,407   1.47
        2010(H 22)  15,802  9,181  6,621   1.38
        2011(H 23)  14,621  8,214  6,407   1.28
        2012(H 24)  13,629  7,892  5,737   1.37
        2013(H 25)  13,680  7,909  5,771   1.37
        2014(H 26)  12,920  7,418  5,502   1.34
        2015(H 27)  12,145  7,122  5,023   1.41
        2016(H 28)  11,014  6,427  4,587   1.40
        2017(H 29)  10,778  6,358  4,420   1.43
        2018(H 30)  10,423  6,090  4,333   1.40
        2019(R 1)   9,861  5,853  4,008   1.46

      経済・生活問題
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)   7,404  6,686   718   9.31
        2009(H 21)   8,377  7,634   743   10.27
        2010(H 22)   7,438  6,711   727   9.23
        2011(H 23)   6,406  5,740   666   8.61
        2012(H 24)   5,219  4,660   559   8.33
        2013(H 25)   4,636  4,147   489   8.48
        2014(H 26)   4,144  3,688   456   8.08
        2015(H 27)   4,082  3,658   424   8.62
        2016(H 28)   3,522  3,113   409   7.61
        2017(H 29)   3,464  3,078   386   7.97
        2018(H 30)   3,432  2,998   434   6.90
        2019(R 1)   3,395  2,980   415   7.18

      勤務問題
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)   2,412  2,120   292   7.26
        2009(H 21)   2,528  2,270   258   8.79
        2010(H 22)   2,590  2,325   265   8.77
        2011(H 23)   2,689  2,347   342   6.86
        2012(H 24)   2,472  2,182   290   7.52
        2013(H 25)   2,323  2,069   254   8.14
        2014(H 26)   2,227  1,988   239   8.31
        2015(H 27)   2,159  1,906   253   7.53
        2016(H 28)   1,978  1,759   219   8.03
        2017(H 29)   1,991  1,768   223   7.92
        2018(H 30)   2,018  1,765   253   6.97
        2019(R 1)   1,949  1,711   238   7.18

      男女問題
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)   1,115   707   408   1.73
        2009(H 21)   1,121   712   409   1.74
        2010(H 22)   1,103   707   396   1.78
        2011(H 23)   1,138   645   484   1.35
        2012(H 24)   1,035   638   397   1.60
        2013(H 25)    912   552   360   1.53
        2014(H 26)    875   555   320   1.73
        2015(H 27)    801   514   287   1.79
        2016(H 28)    764   522   242   2.15
        2017(H 29)    768   486   282   1.72
        2018(H 30)    715   454   261   1.73
        2019(R 1)    726   454   272   1.66

      学校問題
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)    387   294    93   3.16
        2009(H 21)    364   270    94   2.87
        2010(H 22)    371   276    95   2.90
        2011(H 23)    429   320   109   2.93
        2012(H 24)    417   330    87   3.79
        2013(H 25)    375   271   104   2.60
        2014(H 26)    372   300    72   4.16
        2015(H 27)    384   293    91   3.21
        2016(H 28)    319   244    75   3.25
        2017(H 29)    329   249    80   3.11
        2018(H 30)    354   244   110   2.21
        2019(R 1)    355   269    86   3.12

      その他
         年次別    総 数   男   女   男女比【男/女】
        2008(H 20)   1,583  1.099   439   2.50
        2009(H 21)   1,613  1.131   482   2.34
        2010(H 22)   1,533  1.117   416   2.68
        2011(H 23)   1,621  1,106   515   2.14
        2012(H 24)   1,535  1,086   449   2.41
        2013(H 25)   1,462  1,052   410   2.56
        2014(H 26)   1,351   961   390   2.46
        2015(H 27)   1,342   978   364   2.68
        2016(H 28)   1,148   819   329   2.48
        2017(H 29)   1,172   855   317   2.69
        2018(H 30)   1,081   782   299   2.61
        2019(R 1)   1,056   763   293   2.60


posted by 翠流 at 23:33| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件

保存しただけで記事にできていないニュースが多数あるが、
保存を繰り返しながら、
以前にくらべれば、男性の危機に目を向けた記事に、
出会うことが多くなったような気もする。
それがもしも、現実に即した改善の兆しであればと、
期待する自分がいる。
例えば、昨晩立ち上げた「YAHOO! ニュース」の中に、
次のような記事があった。
全文は末尾に掲載する。

  ◆ 生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件 ◆
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180128-00010002-fukui-l18

私は、いつものように、
怯えにも似た感情を抱きながらこの記事を読み始めたが、
それは私の杞憂であった。
福井新聞の記者は、珍しく、男性の自殺の実態に光をあて、
16歳の息子を投身自殺で失った女性、NYさんの言葉を引用しながら、
記事を次のように結んでいた。

    池田中やORさん、NKさんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは、圧倒
   的に男子が多い。

    「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を選ぶっ
   ていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

    NYさんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたちは大切
   な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。

男性は、「筋力の強さ」や「体躯の大きさ」を自然から与えられ、
その見えやすい「強さ」と、
「強くあるべき」という、義務づけられた性別役割によって、
内在する弱さや、脆さや、苦しさや、叫びや、涙を、
表現することを禁じられている。
「禁じられている」という言葉は、決して強くはないと、私は現実と照らし合わせて思う。
この私の認識が誤りならば、例えば自殺率の性差の問題は、
既に、解消の方向に向かっていたはずと思う。
危機に対する配慮、支援は、性別に対して平等ではなく、
男性は今も、社会に潜在する「男らしさの規範」に呪縛され、
救いを求める術を、女性のようには与えられていない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【記事全文】

◆ 指導契機に自殺 思春期の心 ◆
        生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE

 担任、副担任の厳しい指導叱責にさらされ続けた生徒は、周囲の理解、協力が得られないとの孤立感、絶望感を深め、ついに自死するに至った−。昨年3月14日、福井県池田町立池田中の当時2年生だった男子生徒が校舎から飛び降り自殺した問題で、調査報告書をまとめた第三者委員会はこう結論づけた。

 生徒指導をきっかけにした子どもの自殺は「指導死」と呼ばれる。

 「指導死」親の会共同代表のOTさん=東京都=は18年前、中学2年生の次男ORさん(当時13歳)を自宅マンションからの飛び降り自殺で失った。学校で友達からもらったお菓子を食べたことで、他の生徒と一緒に12人の教師から厳しい指導を受けた末だった。

 「コップいっぱいに“生きる力”という水がたまっている。それが『お前はだめだ』と言われるたびに減る。最後の一滴まで絞られ空っぽになってしまい、『生きている価値がないんだ』と感じてしまう」。OTさんは指導死に至るまでの子どもたちの心の揺れをこう例え、池田中のケースは「典型的だ」と話す。

     ■     ■     ■

 2002年3月23日未明、進学校の兵庫県立伊丹高1年生、NKさん(当時16歳)は、自宅近くのマンション屋上から身を投げた。校内のトイレで喫煙が見つかり、校長室で5人の教師から「特別指導」を受けてから9時間後のことだった。

   「君は親も教師も裏切った。人を裏切ることが一番悪いことや」「1年に2度も処分を
  受けるなんてわが校始まって以来の不祥事」

 同席を求められた母NYさんの前で、直立不動のNKさんを校長や学年主任らは厳しく叱責した。前年12月に続き2度目の特別指導。無期家庭謹慎を言い渡された。NYさんが涙ぐむと、NKさんのすすり泣きが聞こえた。

 前年12月の特別指導は期末試験での出来事だった。級友に答案を見せたことがカンニングと認定され、8教科が0点。7日間の家庭謹慎を受け、3学期が終わるまで反省日記を提出することが課された。

 NKさんは仲の良かった弟に冷たく当たったり、物思いにふけったりするようなことが多くなっていったという。

 1月の終わりごろから家でたばこを吸うようになった。学校で喫煙が見つかった直後の反省文には「ストレスがたまっていて、吸ったら、それが少し和らぐかと思った」と書き、その後、命を絶った。

 NYさんは、自分の涙が息子を苦しめたのではと悔いる一方で、「軍隊のような高圧的な指導」は間違っていると話す。「子どもなんて、周りが勝手にしている期待を、裏切って裏切って成長していくもの」だと思うからだ。

     ■     ■     ■

 教育評論家の武田さち子さんの調べでは、平成に入ってから昨年10月までの29年間で、指導死は73件(9件は未遂)起きている。73件目が池田中の事件だという。

 池田中やORさん、NKさんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは圧倒的に男子が多い。

 「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を選ぶっていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

 NYさんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたちは大切な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。


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2018年12月31日

男性の自殺【X】・・・ 原因・動機別自殺者数(小分類:52項目)と性差

            (2020年7月:加筆)・・・・・ 2017年(H29)までのデーターに、
                        以後2年間のデータを加筆した。

記事「男性の自殺【W】」に記したように、
警察庁は、自殺の「原因・動機」を、まず7つの大項目に分類して自殺者数を示し、
更にそれを52項目に細分化して、自殺者数の詳細を示している。
今回は、その52の小項目に関わって、次のデータを記す。

  【表1】 就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合
  【表2】 原因・動機別自殺者数(52項目)と性差
    【A】 男女の概括的比較
    【B】 項目別自殺者数と男女比

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【表1】 就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合
        ・・・・・ 2013年の春、警察発表として、「就活失敗し自殺する若者急増」
         というニュースが報道された。この件に関わって、2008年以降12年間
         のデータを記す。

             自殺総数   男性  女性  男性の割合
      2008(H 20)   86    69   17   80.2 %
      2009(H 21)   122    98   24   80.3 %
      2010(H 22)   153    138   15   90.1 %
      2011(H 23)   141    119   22   84.3 %
      2012(H 24)   149    130   19   87.2 %
      2013(H 25)   104    95    9   91.3 %
      2014(H 26)   110    95   15   86.3 %
      2015(H 27)   88    81    7   92.0 %
      2016(H 28)   80    64   16   80.0 %
      2017(H 29)   69    56   13   81.1 %
      2018(H 30)   51    38   13   74.5 %
      2019(H31・R1)  67    55   12   82.0 %

  【表2】 原因・動機別自殺者数(52項目)と性差
                 ・・・・・ 52項目の内容は、表【B】に記されている。
       ・・・・・ 「男女の概括的比較」については、【A】のような形で、7年間の
         特徴を記した。
       ・・・・・ 52項目のデータ【B】は、「第四次男女共同参画基本計画」の素案
         に対する意見書(2015年)に添付した2014年のデータのみを掲載した。
         自殺者数の少ない項目の男女比は、意味がないか、あっても希薄であ
         ろうが、参考として掲載した。

    【A】 男女の概括的比較 ・・・・・ 表の@ABは、それぞれ次の内容を示す
                   @:男性の自殺者が女性より多い項目の数
                   A:女性の自殺者が男性より多い項目の数
                   B:自殺者が男女同数の項目の数

             H25  H26  H27  H28  H29  H30 H31・R1
          @  49  51  49  49  49  47  45
          A   2   1   3   2   2   4   4
          B   1   0   0   1   1   1   3
          計  52  52  52  52  52  52  52

    【B】 項目別自殺者数と男女比
       ・・・ 表中のA〜Gは、それぞれ次のカテゴリーを示す。
           健康問題:A  経済生活問題:B  家庭問題:C
           勤務問題:D  男女問題:E  学校問題:F  その他:G
       ・・・ 項目は、性差の大きい順に配列した。
         比が同じ場合は、少数第二位で比較してある。
                      (男 女 比)     (人 数)
  (順位)(原因・動機)        【 男性 : 女性 】  男性  女性  計
   1 負債(連帯保証債務):B      【 25.0 : 1 】   25    1   26
   2 負債(多重債務):B        【 16,8 : 1 】  639   38  677
   3 仕事の失敗:           【 13.4 : 1 】  376   28  404
   4 借金の取り立て苦:B        【 13.3 : 1 】   53   4   57
   5 事業不振:B            【 12.8 : 1 】  486   38  524
   6 負債(その他):B         【 11.2 : 1 】  639   57  696
   7 職場環境の変化:D         【 10.9 : 1 】  251   23  274
   8 仕事疲れ:D            【 10.0 : 1 】  623   62  685
   9 倒産:B             【 9.7 : 1 】   29   3   32
  10 自殺による保険金支給:B     【 9.3 : 1 】   74   8   82
  11 失業:B             【 8.9 : 1 】  337   38  367
  12 就職失敗:B           【 8.3 : 1 】  232   28  260
  13 その他:D            【 8.2 : 1 】  320   39  359
  14 犯罪発覚:G           【 7.7 : 1 】  153   20  173
  15 子育ての悩み:C         【 1: 5.9 】   19  112  131
  16 学業不振:F           【 5.7 : 1 】  102   18  120
  17 生活苦:B            【 5.1 : 1 】  916  178 1,094
  18 入試に関する悩み:F       【 5.0 : 1 】   20   4   24
  19 病気の悩み・影響(アルコ-ル依存症):A 【 4.9 : 1 】  156   32  188
  20 職場の人間関係:D        【 4.8 : 1 】  418   87  505
  21 そのほかの進路に関する悩み:F  【 4.2 : 1 】  106   25  131
  22 その他:B            【 3.6 : 1 】  258   71  329
  23 教師との人間関係:F       【 3.5 : 1 】   7   2   9
  24 その他:F            【 3.3 : 1 】   33   10   43
  25 いじめ:F            【  ー 】   3   0   3
  26 その他:G            【 2.7 : 1 】  372  136  508
  27 夫婦関係の不和:C        【 2.6 : 1 】  637  247  884
  28 失恋:E             【 2.5 : 1 】  198   78  276
  29 犯罪被害:G           【 2.5 : 1 】   5   2   7
  30 家族からのしつけ・叱責:C    【 2.4 : 1 】  104   44  148
  31 そのほかの学友との不和:F    【 2.2 : 1 】   29   13   42
  32 その他:E            【 2.2 : 1 】   46   21   67
  33 近隣関係:G           【 2.1 : 1 】   47   22   69
  34 身体障害の悩み:A        【 2.1 : 1 】  211   99  310
  35 被虐待:C            【   ー   】   2   0   2
  36 病気の悩み・影響(薬物乱用):A  【 2.0 : 1 】   42   21   63
  37 病気の悩み(身体の病気):A    【 2.0 : 1 】 2,724 1,395 4,119
  38 孤独感:G            【 1.9 : 1 】  328  174  502
  39 家族の将来悲観:C        【 1.6 : 1 】  330  207  537
  40 後追い:G            【 1.6 : 1 】   56   36   92
  41 そのほかの家族関係の不和:C   【 1.5 : 1 】  228  150  378
  42 そのほかの交際をめぐる悩み:E  【 1.5 : 1 】  184  122  306
  43 家族の死亡:C          【 1.5 : 1 】  314  215  529
  44 その他:C            【 1.5 : 1 】  196  135  331
  45 親子関係の不和:C        【 1.3 : 1 】  261  197  458
  46 不倫の悩み:E          【 1.3 : 1 】   92   71  163
  47 その他:A            【 1.3 : 1 】  150  118  268
  48 結婚をめぐる悩み:E       【 1.3 : 1 】   35   28   63
  49 介護・看病疲れ:C        【 1.2 : 1 】  136  110  246
  50 病気の悩み・影響(他の精神疾患):A【 1.2 : 1 】  711  596 1,307
  51 病気の悩み・影響(統合失調症):A 【 1.1 : 1 】  635  591 1,226
  52 病気の悩み・影響(うつ病):A   【 1.1 : 1 】 2,789 2.650 5,439

◆ 以上、記事カテゴリー「男性の自殺」で提示したデータは、関連の深い別の記事で、
コメントの素材として使っている。内容の重複は、できるだけ避けた。


posted by 翠流 at 02:25| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月31日

男性の自殺(9)



          記事保留中



posted by 翠流 at 18:50| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月30日

男性の自殺(10)



          記事保留中



posted by 翠流 at 13:40| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする