2019年10月04日

記事紹介(男の子への支援)

前回の記事として書いた「壊れてゆく男たち」の問題と、
いつの日か、何らかの形で結びつくかもしれないという期待も抱きながら、
今回は、男の子に対する支援の記事を紹介する。
ハフィントンポストからの引用記事で、
Alyson Schafer という人の視点であるが、
この記事は既に、「女に生まれたかった男」さんが、彼のブログの中で、
今年の1月8日に紹介していたものであるから、
ご存知の方も、多いかもしれない。

前回の記事にも書いたように、
概括的な傾向として言えば、男性は、
女性に比して強靭な体躯と筋力という、見えやすい強さを自然から与えられ、
危機に耐えながら、守る役割を果たすべき責任を背負わされてきたし、今もそうであるが、
実はその内部には、配慮を必要とする脆弱さを併せ持つと、私は捉えている。
しかし男性はその性別役割のゆえに、女性のように配慮を得るこができない。
そういう、いわば被差別状況の中にありながら、
しかしそれを、被差別とは捉えさせない社会的価値規準の中で、
男性は、自殺・孤独死・引きこもり・癌死、ホームレスというような、
客観的データーとして女性より顕著な危機を、
背負いながら生きている。
そしてそういう、男性への配慮の脆弱さが、
率直に言えば、男性犯罪抑止力の脆弱さとも、なっているのではないかと、
そういう思いが、私の心の中に巣食っている。

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紹介記事

【記事名】 男の子が、女の子よりサポートを必要としている理由
              「男の子だから泣いちゃだめ」って言わないで。  
                              Alyson Schafer
 https://www.huffingtonpost.jp/2017/12/05/boys-need-emotional-support_a_23297167/
                              2017年12月5日
【記事本文】

「男の子と女の子の脳は、発達のスピードが違う」ということが、最近の研究からわかっている。

この違いが明らかになるにつれ「男の子は女の子より、精神的なサポートを必要としている」ということも、わかってきた。

精神科医のセバスチャン・クレーマーは2000年、「男の子の赤ちゃんの脳は、女の子の赤ちゃんより敏感でもろい」という研究結果を発表した。

研究によると、男の子の脳は胎内にいる時から、母親のうつ状態やストレスの影響を受けやすい。そして誕生時には、女の子より発達が満6週間遅れているという。

また別の研究から、出産後に母親から引き離された、保護者が反応しない、といった心の傷となるような経験をした男の子の赤ちゃんのコルチゾール(ストレスホルモン)レベルが高くなることもわかっている。

男女の脳の発達の違いは子ども時代を通して続くという。

男の子の脳は女の子の脳に比べて発達が遅い。そして精神的なサポートが足りないと将来大きな問題を抱えて苦しむようになる可能性がある、とクレーマーは言う。

具体的な例をみてみよう。研究者の意見はわかれるが、男の子の方がディスレクシア(読み書き障害)の子どもが多く、文字を読んだり、学校にいったり、学んだりするのが難しいといわれている。また、幼児期の行為障害やADHDも、男の子の方が女の子の2〜3倍多いといわれている。

男女間の違いは、成人にもある。カナダの場合、成人男性の自死数は成人女性の3倍多い。またうつ病のなりやすさは男女変わらないものの、男性の方がうつ病であることを伝えにくく、周りから見逃されやすい。

一方で脳は、環境や経験にも大きな影響を受ける。

クレーマーの研究では、男の子は女の子より親から精神的なケアを受けられていないことも明らかになっている。

なぜだろう?理由の一つとしてクレーマーは、男の子の方がわがままであるケースが多く、それが親との間に距離をつくってしまう結果になっていると考えている。

「男の子は興奮しやすいので、お母さんは彼らを落ち着かせようとすることに精一杯で精神的なサポートにまで手がまわりにくいのです。

一般的に男の子の方が手がかかり、子育てが難しい。だから親は、十分なケアをする余裕がないのです。

また、脳の大半は生まれた後に成長しますが、幼少時にストレスを感じると成長の妨げとなります。

親がいない、親が子どもに関心をもたない、もしくは親がうつ状態にあるなど、愛着形成に妨げとなる環境に、男の子には女の子より影響を受けやすいのです」

社会が男の子たちに厳しさを強いていることも問題だ。

一般的に「男の子は女の子より強い」と考えられている。だから親は、男の子には細やかな精神的なケアは必要ないだろうと思ってしまいがちだ。

しかし、「男の子は強くなければいけない」という固定観念は、若い男性を危険な状況に追いやる。

「『男は感情を表現するものではない』と言われがちですが、これは男性同士の関係にも、女性との関係も長期的に悪影響を及ぼします」とハラスメント問題に取り組むNPO団体「コレクティブ・アクション・フォー・セーフ・スペース」の最高責任者ジェシカ・レイブンはハフポストカナダ版に話す。

つまり男の子たちは、繊細で影響を受けやすい脳を持って生まれ、さらに親からの精神的なケアを受けにくいという二重の苦しみを負わされていることになる。

クレーマーは、この負担が男性が心の病を抱えやすいことに関係している、と考えている。実際、社会が求める男性像の従いやすい男性は、心の病を抱えやすく、助けを求めにくいという研究結果もある。

クレーマーの考えを支持する研究者のひとりが、UCLAのアラン・ショーラー博士だ。同氏は2017年の研究で、親と子どもの関係は、子どもたちの情緒的な能力に影響すると示唆している。

ショーラーの考えは次の通りだ。

親が子どもと親しい関係を築いて愛情を注ぎ、信頼し、子どもの変化に敏感に反応すると、子どもはより自分の感情を理解したり、表現したり、もつれた気持ちを解きほどきやすくなったりする。

それは、他人を理解し、愛し、協調するといったソーシャルスキルを育む上で助けとなる。男の子は女の子に比べてその助けを必要としていることが多く、特に幼い時ほどそうだといえる。

だからショーラーは、赤ちゃんが保護者と長い時間を過ごせるよう、男性も女性も十分な産休・育休をとれるようにすべきだと考えている。

親のみなさん、ぜひ赤ちゃんを抱きしめ、優しく語りかけ、笑いかけ、遊んで、いないいないばあをしてください。特に男の子の赤ちゃんを。

最後に、男の子にできる精神的なサポートを、まとめてみた。

・男の子は感情を表に出さないと考えないでください(それは間違いです)。男の子は感情を出すのが得意ではありません。だから感情を表現するのを助けてあげてください。『感情を表現してもいいんだよ』と伝え、話に耳を傾けましょう。

・男の子たちに、自分の気持ちと向き合うことの大切さを伝えましょう。そして、男の子たちが、安心して感情を表現できる相手になりましょう。

・感情は恥ずかしいことではない、と感じさせるのも大切です。「男の子なんだから泣いちゃだめでしょ」「大げさに振る舞わないで」「女の子みたいなこと言わないで」「男の子らしくしなさい」という言葉は使わないでください。

・何かあっても、親はできる限り冷静でいてください。親が冷静でいなければ、子どもも冷静でいられません。子どもが泣いたり怒ったりしても、個人攻撃だと受け取らないようにしましょう。子どものちょっとした興奮を間違って捉えてしまうと、その場から逃げ出したり、冷たい反応をしたりしてしまうことがあります。

・「男の子は女の子より多くを必要としている」ということを、いつも忘れないでください。

男の子が、幸せで健康な生き方をするためには、幼少期における情緒面の発達が欠かせません。ギュッとだきしめて、たくさん話を聞いてあげてください。

ハフポストカナダ版の記事を翻訳しました。
                                      (以上)
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