2018年07月25日

西日本豪雨関連(1)

 知人のTさんが、下記のような、産経WESTの記事を紹介してくださった。女性限定
支援に溢れたその記事を前にして、またかと疲弊を重ねつつも、放置するわけにはいか
ず、一昨日、産経新聞社読者サービス(大阪:06-6633-9066)に抗議の電話を入れた。
併せて、被災地での男性の人権に関わる私の思いを、Tさんへの返信の形でここに記す。

【記事名】 [西日本豪雨] 
  長引く避難所生活 … プライベート空間少なく悩む女性 少しずつ改善も疲労ピーク
                  産経WEST : 2018.7.20 06:15更新
   http://www.sankei.com/west/news/180720/wst1807200007-n1.html
                  (全文は、この記事の後半に掲載する)
【Tさんへの返信】

 避難所でのプライバシーへの配慮のメッセージは、いつになっても女性支援ばかり。私
は、主に、東日本大震災や熊本地震の災害対応について、様々の部局・団体等に、男性の
プライバシーにも配慮せよと要求し続けてきましたが、今回の西日本豪雨でも、女性限定
支援のメッセージばかりが拡散する中で、ストレスと、疲弊は強くなるばかりです。プラ
イバシーへの配慮は、性犯罪の防止だけではなく、それ以前に、人間の尊厳に関わる羞恥
への配慮として、性別とは無関係に、全ての人に対してなされなければならないはずなの
ですが、男性は常に疎外されるのです。確かに男性の中には羞恥心の弱い人もいます。し
かし逆に、羞恥心の強い男性もいるのです。しかし、男性に対しては、その人が「男性で
ある」という理由によって、配慮がなされない現実がある。それは、「男性であるが故に
与えられる不当な性的偏見に基づくジェンダーハラスメント」です。そしてその男性差別
は、災害対応に限らず、日本の社会の、あらゆる場面に存在するのです。

 私自身のことについては、以前、簡単にお話ししたことがありましたが、具体的な事例
を伝えることは、今後の人権活動にも役に立つはずという思いから、一人の男性としての、
プライバシーに関わる感受性を、改めてお伝えしたいと思います。私は、ある地方都市の
住宅街に住んで26年になりますが、自宅の物干し場は2階のベランダで、そこは、庭を
隔てているとはいえ、前の道路からは丸見えなのです。ですから私は、今日に至るまでの
間、洗濯をして、ズボンの下に着けていた1枚の下着を、その場所に干したことは唯の一
度もありません。全て部屋干しです。ですから、もしも私が被災して避難所に行けば、パ
ーティションで仕切られた私個人の空間に下着を干したいと思うし、もしもそれができな
ければ、少なくとも下着は、男性専用の物干し場に干したいのです。しかし、今までに拡
散してきたメッセージは、「女性専用物干し場」の設置ばかり。私のような男性のニーズ
は、完全に無視されています。着替え・更衣室の問題についても、扱いは全く同じです。
それは、既に、私のブログ記事、「男性更衣室」「男性の羞恥心」「災害対応」等に書いて
きた通りです。

 7月20日の産経WESTの記事には、女性の生理用品のことが取り上げられています。
それは、私の知る限りでは、男女共同参画部局を発信基地として、2013年から拡散して
きた文章と同じ内容ですが、関連して、男性に必要な用品、具体的には尿失禁・便失禁等
に対応する衛生用品について書かせていただきます。私自身のこととしてこのようなこと
を書くのは初めてですが、実は私は、ある時期から残尿に悩まされるようになりました。
通常の小用だけでは完全に排尿することができず、会陰部を押して残尿を排泄せざるを得
なくなったのです。私が、外出時に多目的トイレ(なければ個室)を常用するようになっ
たのはこの頃からです。この症状は、ゆっくりではありますが少しづつ進行して、実はこ
の半年余りの間は、会陰部を押しても排泄しきれない状態になっていました。完全に排尿
したつもりでも、例えば車の運転席に座って腹圧がかかると、本当に少量なのですが尿が
漏れるのです。そして、本当に偶然の幸運だったと思うのですが、私は、あるスーパーマ
ーケットの店頭で、ユニ・チャームが作った男性の尿失禁対応の「ライフリー・男性用さ
わやか超うすパッド」を知ったのです。私はその、最も小さい「微量用(10t)」を使っ
ていますが、QOLは圧倒的に改善されました。ズボンは勿論のこと、下着も全く汚れな
いので、強い安心感を得られるのです。ただ、買う時が困る。他人に知られたくないので
す。異性であっても、同性であってもです。ですから私は、いつも、セルフレジのある店
で、他人に気付かれないように、この製品を買っています。ですから、今回の産経WES
Tの記事に、「生理用品など女性用支援物資は、男性からは受け取りにくい」という一節
がありますが、私にはその気持ちが、女性以上にわかるのです。なぜなら私は、「尿漏れ
パッド」を、女性からだけではなく、男性から受け取るのも嫌ですから。

 関連して、熊本地震の時の、内閣府男女共同参画局(以下、男女局)の対応を紹介させ
ていただきます。男女局の災害対応の窓口は、その頃、Aさんという女性が担当していま
した。私は彼女とは、福島で行われた災害対応シンポジウムでお会いしたこともあります
が、熊本地震対応の時、そのAさんの下(?)に、Bさんという女性が着任していた。そ
のBさんが、熊本の被災地に行って、女性専用トイレの写真を撮り、範として、男女局の
HPに掲載したのです。その写真には、女性用品がきちんと整理されて置かれていました。
しかし、同様の配慮は、男性に対しては皆無だったのです。身の回りに配慮する能力は、
個人差は勿論ありますが、一般的には、男性より女性の方が優れていると思います。それ
は、力仕事の能力が、女性より男性の方に優れているのと同じだと思います。そして、男
女局は、その、女性の「身の回りに配慮する優れた能力」を、女性だけのために使ってい
る。「男女共同参画」という言葉は嘘です。男女共同参画部局の内実は、「初めに女性優
遇・女性優先・女性限定の結論ありき」の女性支援センターです。そして、男性支援セン
ターは、社会には存在しないのです。

 先日私は、男性衛生用品の普及、開発について、ユニ・チャームのお客様センターに電
話をしました。そして、相談員の女性との会話の中で、私が知らなかった製品の話も聞い
た。それは、男女共用の、少量の便失禁に対応するパッドです。ですから、このような、
排泄障害に対応する製品を、避難所の、該当する男性被災者「個人」に渡すのではなく、
あらかじめ、男性専用トイレに配置することが、既に可能な状況になっているのです。し
かし、そのような配慮をしている災害対応部局は、まだどこにも存在しないのではないで
しょうか?

 産経WESTの記事には、女性専用洗濯機の設置が取り上げられていました。しかし、
男性専用洗濯機は、どこにも書いてありません。日常も非日常も、日本は女性専用ばかり。
凄まじい「女性専用化社会」。どうして男性専用洗濯機を設置しないのでしょうか? せ
めて下着用だけでもいいから、男性専用洗濯機を設置してほしいと私は思う。男性は、鈍
感な人ばかりではないのです。なぜ社会は、男性に対してそういう配慮をしてくれないの
でしょうか? 避難所に必要なのは女性専用だけではないのです。「男性用トイレ」「男
性用更衣室」「男性用休憩室」「男性用物干し場」「男性用洗濯機」。要するに、全て、
「男女別」に、両方を作るべきなのです。女性用だけがあって男性用がないのは、「男性
に対する不当な性的偏見に基づくジェンダーハラスメント」です。もしも男・女という二
項対立的な視点で、それぞれの傾向から「女性専用だけ」を作るとすれば、それは、「男
性に対する統計的差別」です。「統計的差別」の意味がもしもわかりにくければ、たとえ
ば就職試験で、「女性は結婚や出産で退職する場合が多いから採用しない」とすれば、そ
れは、区別ではなく、傾向を不当に使った女性に対する「統計的差別」です。それと同様
の「男性差別」が、東日本大震災でも熊本地震でも行われ、今回の西日本豪雨災害でも行
われているではありませんか。
 
 同じ「男性」であっても、感受性・心の在り方は様々です。「配慮を必要としている男
性」「配慮を求めている男性」「求めたい男性」はいるのです。しかし男性は、恐らくは
その不器用さと、「男だから我慢しなければいけない」という性別観の呪縛のために、自
分のニーズを表面に出せない、或いは出さない場合が多い。7年前、東日本大震災が起こ
った年の12月に、私は、私の居住県の男女共同参画部局のCという女性と、災害対応に
ついて話しをしました。その会話の中で彼女は「でも男性からは声があがってこない」と
言った。現在も行われている女性限定相談の件も含め、彼女は、男性に対しては全く配慮
をしない、視野狭窄の、自己中心的な女でした。この件について私は、同日、内閣府男女
共同参画局で課長補佐を務めていたDさんと話しをしました。その時彼は、Cの発言を否
定して言った。「そうではない。声があがってこなくても、それは、あるはずのニーズと
して、配慮をしなければならない」と。しかし、彼の声は、男女共同参画部局の中に届い
たとしても、その一部でしかなかったと思います。それは、男女局の今日までの施策を見
ればわかる。男女共同参画運動は、初めに女性優遇の結論ありきの、自己中心的なフェミ
ニズム運動です。そして、それが拡大する社会状況下で、女性優遇に忖度的に同調する男
性差別是認のスタンスが、今回の産経WESTの記事にも、強く表れていると思います。
男性であれ女性であれ、人間は多様です。その多様性の認識と、それを踏まえた平等な人
権尊重をヒューマニズムと捉えれば、日本の男女共同参画運動は、女性限定支援のエゴイ
ズムであって、ヒューマニズムではないのです。

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【該当記事全文】 [西日本豪雨] 
長引く避難所生活 … プライベート空間少なく悩む女性 少しずつ改善も疲労ピーク

   西日本豪雨の被災地では2週間となる今もなお多くの人が避難生活を余儀なくされ
  ている。避難所にプライベートな空間は少なく、「着替え、トイレなど人目が気にな
  る」といった悩みを抱える女性は多い。避難所に間仕切りや即席の更衣室を作ったり、
  女性警察官らが巡回して女性被災者の声を聞くなどしたりしているが、多くの女性が
  不安を抱えたまま先の見えない生活を続けている。     (猿渡友希、小川原咲)

 着替え、気になる

   「一人でいられる時間がなく、寝られない。着替えも周りが気になって自由にでき
  ない」。19日、避難所となっている広島市安芸区の市立矢野南小学校の体育館で中
  学2年の女子生徒(14)が悩みを訴えた。

   約85人が身を寄せている同小。段ボールで間仕切りを作って世帯ごとに「個室」
  をつくり、最低限のプライベート空間は確保されているが十分ではない。

   女性被災者らの要望を受け、避難所には女性専用洗濯機を設置。ステージ奥に簡易
  の更衣室も作られたが、家族で避難生活を送るパート女性(42)は「避難所で洗濯
  後、下着などは自宅に持って行って干している」と打ち明ける。また、シャワーの後
  には翌日の服を着ることで、避難所で着替えずにすむよう工夫しているといい、「い
  ろいろ気にしなければならず疲れる」とこぼした。

   この日は、避難住民の不安を解消するのを目的に女性警察官を中心に結成された広
  島県警特別生活安全部隊(通称「メイプル隊」)の3人が避難所を巡回。「夜になか
  なか寝付けない」「同じ悩みを持つ人たちで一緒に話せる場がほしい」といった被災
  者の訴えに耳を傾けた。

 女性警察官が巡回

   メイプル隊は平成26年の広島土砂災害で初めて結成。小早川歩美(あゆみ)巡査
  部長(34)は「女性同士、話しやすいこともあると思う。どんな不安でも話してほ
  しい」と呼び掛ける。

   一方、地区の面積の約3割が浸水被害にあった岡山県倉敷市真備町(まびちょう)
  の市立岡田小学校では、約370人が避難生活を送る。

   今は紙製の筒と布のカーテンを組み合わせた間仕切りで「個室」を作っているが、
  同町の主婦(40)は「間仕切りができるまでは、トイレか体育館のカーテンに隠れ
  て着替えていた」と振り返る。

   生理用品など女性用支援物資の取り扱いも重要な問題だ。「男性からは受け取りに
  くい」という声を受け、トイレにあらかじめ置くようになったという。

   「減災と男女共同参画研修推進センター」の浅野幸子共同代表は「避難所での集団
  生活や外灯がつかなくなるなど、被災時は女性や子供が犯罪に遭うリスクが高まる」
  と指摘。防犯ブザーの配布や、警察の巡回を増やすなどの対策を取った上で「女性が
  言いにくい悩みを相談したり、安全にくつろいだりできる女性専用スペースを避難所
  に作ることが必要だ」と話している。
                                    (以上)

この記事へのコメント
初めまして。翠流さん。

あなたのブログを見ました。
女権国家日本国の実態のブログですね。

頑張ってください。
応援します。
Posted by GS at 2018年07月25日 22:44
GS様

翠流です。
コメントをいただき、たいへん感謝しておりますが、
なにしろ今の日本の「女権」はすさまじくて、
疲弊を振り払うのに一苦労です。
ところで、GSさんは、どういう方なのでしょうか?

Posted by 翠流 at 2018年07月26日 02:05
返事ありがとうございました。

恥ずかしながらだけど、パ−ト(肉体労働)で働いています。
忙しいです。
Posted by GS at 2018年07月26日 07:40
GS様

返信が遅れ、申し訳ありません。
今回の私の返信、
記事としてアップさせていただきました。
Posted by 翠流 at 2018年07月29日 17:33
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