2018年01月29日

生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件

インターネットの「お気に入り」に保存しただけで、
ブログ記事にできていないニュースが多数あるが、
保存の作業をくりかえしながら、
以前にくらべれば、男性の危機に目を向けた記事に、
出会うことが多くなったような気もする。
それがもしも、男性の危機を抑制的に表現する風潮の、改善の兆しであればと、
女性への配慮ばかりが目立つ日常に疲弊しつつも、
期待する自分がいる。

例えば、昨晩立ち上げた「YAHOO! ニュース」の中に、
次のような記事があった。(全文は末尾に掲載する)

  ◆ 生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件 ◆
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180128-00010002-fukui-l18

私は、いつものように、
怯えにも似た感情を抱きながらこの記事を読み始めたが、
それは私の杞憂であった。
福井新聞の記者は、珍しく、男性の自殺の実態に光をあて、
16歳の息子を投身自殺で失った西尾裕美さんの言葉を引用しながら、
記事を次のように結んでいた。

    池田中や大貫さん、西尾さんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは
   圧倒的に男子が多い。

    「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を
   選ぶっていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

    西尾裕美さんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたち
   は大切な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。

男性は、「筋力の強さ」や「体躯の大きさ」を自然から与えられ、
その見えやすい「強さ」と、「強くあるべき」という、義務づけられた性別役割によって、
内在する弱さや、脆さや、苦悩や、叫びや、涙を、
表現することを禁じられている。
「禁じられている」という言葉は、決して強くはないと、私は現実と照らし合わせて思う。
この私の認識が誤りならば、例えば自殺率の性差の問題は、
既に解消の方向に向かっていたはずだろう。
危機に対する配慮、支援は、性別に対して平等ではなく、
男性は今も、社会に潜在する「男らしさの規範」に呪縛され、
救いを求める術を、女性のようには与えられていない。

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次に、上の記事の全文を記す。

  ◆ 指導契機に自殺 思春期の心 ◆
         生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE

   担任、副担任の厳しい指導叱責にさらされ続けた生徒は、周囲の理解、協力が得られ
  ないとの孤立感、絶望感を深め、ついに自死するに至った−。昨年3月14日、福井県
  池田町立池田中の当時2年生だった男子生徒が校舎から飛び降り自殺した問題で、調査
  報告書をまとめた第三者委員会はこう結論づけた。

   生徒指導をきっかけにした子どもの自殺は「指導死」と呼ばれる。

   「指導死」親の会共同代表の大貫隆志さん(61)=東京都=は18年前、中学2年生
  の次男陵平さん(当時13歳)を自宅マンションからの飛び降り自殺で失った。学校で
  友達からもらったお菓子を食べたことで、他の生徒と一緒に12人の教師から厳しい指
  導を受けた末だった。

   「コップいっぱいに“生きる力”という水がたまっている。それが『お前はだめだ』
  と言われるたびに減る。最後の一滴まで絞られ空っぽになってしまい、『生きている価
  値がないんだ』と感じてしまう」。大貫さんは指導死に至るまでの子どもたちの心の揺
  れをこう例え、池田中のケースは「典型的だ」と話す。

     ■  ■  ■

   2002年3月23日未明、進学校の兵庫県立伊丹高1年生、西尾健司さん(当時16歳)
  は、自宅近くのマンション屋上から身を投げた。校内のトイレで喫煙が見つかり、校長
  室で5人の教師から「特別指導」を受けてから9時間後のことだった。

   「君は親も教師も裏切った。人を裏切ることが一番悪いことや」「1年に2度も処分を
  受けるなんてわが校始まって以来の不祥事」

   同席を求められた母裕美さん(59)の前で、直立不動の健司さんを校長や学年主任
  らは厳しく叱責した。前年12月に続き2度目の特別指導。無期家庭謹慎を言い渡され
  た。裕美さんが涙ぐむと、健司さんのすすり泣きが聞こえた。

   前年12月の特別指導は期末試験での出来事だった。級友に答案を見せたことがカン
  ニングと認定され、8教科が0点。7日間の家庭謹慎を受け、3学期が終わるまで反省日
  記を提出することが課された。

   健司さんは仲の良かった弟に冷たく当たったり、物思いにふけったりするようなこと
  が多くなっていったという。

   1月の終わりごろから家でたばこを吸うようになった。学校で喫煙が見つかった直後
  の反省文には「ストレスがたまっていて、吸ったら、それが少し和らぐかと思った」と
  書き、その後、命を絶った。

   裕美さんは、自分の涙が息子を苦しめたのではと悔いる一方で、「軍隊のような高圧
  的な指導」は間違っていると話す。「子どもなんて、周りが勝手にしている期待を、裏
  切って裏切って成長していくもの」だと思うからだ。

     ■  ■  ■

   教育評論家の武田さち子さんの調べでは、平成に入ってから昨年10月までの29年間
  で、指導死は73件(9件は未遂)起きている。73件目が池田中の事件だという。

   池田中や大貫さん、西尾さんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは圧倒
  的に男子が多い。

   「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を選ぶ
  っていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

   西尾裕美さんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたち
  は大切な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。
posted by 翠流 at 23:22| Comment(0) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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