2017年06月26日

ジェンダー アイデンティティー (2)

女性だけに与えられる美しさに、
羨望と嫉妬を抱きながら、
今日までを生きてきた。
「区別」という名の「性差別」、
私は、私の求める美しさと、皮膚感覚について、
私と乖離する長い歳月を生きてきたことになる。

振り返れば、
私の女性美羨望は、修正不能の持続であって、
それは、本能のような重さをもって、
私の人生を呪縛してきた。

私はもともと小心であるから、
女性衣料で街を歩くことなど、できるはずはなく、
職場ならそれは、なおさらのことであった。
しかし美しさへの憧憬は、常に心に巣食っていて、
女性美を剥奪された男性用衣料の中の、
しかしそれでも、できる限りの美しさを求めて、
デパートの紳士洋品売り場を歩き回っていた。

ある日、淡いパープル系のハイネックの、
スタイリッシュなメンズのセーターを着て職場に行った時、
管理職No.2の男がそれを見て、当惑の表情を浮かべたが、
私は、文句を言われれば、開き直るつもりだった。

またある日、遠方へ向かう3泊の下見旅行の準備会で、
中間管理職の男が、「男性はスーツにネクタイにしましょうか」などと言い出したので、
私は感情を抑えきれなくなって語気を強め、
「そんなことしたらハラスメントじゃないですか」などと発言したのであった。
私の勤務先は、同系列の職場の中では締め付けが弱かったこともあって、
彼の提案は潰れ、私は、旅行の初日、綺麗な臙脂色のハイネックセーターと、
ライトグレーのブレザーを着ていったのであった。

たぶん、そういう私の雰囲気が言わせたのであろうが、
ある日、職場の女の子が、私のところへ来て、
「翠流さんって、女になりたいんでしょう ・・・」などと言うのであった。

その彼女が、2年後に職場を去り、
翌年、私もまた、新しい自由を得て職場を去り、
やがて私は、秋から春にかけて、既述の如く、
メンズライクではあるがレディースの、
ロングカーディガンを着て街を歩くようになった。

新しい自由は、私を、自分らしさに連れていった。
しかし、家庭があれば、ダメだったでしょうね。妻や子供が許さない。
私のような人間は、家庭づくりができなくて、一人が自分に合っている。
淋しさには、もう慣れてしまった。

ところで私は、最近になって、改めて意識したことがある。
それは、私が持つ、衣料のこと・・・・・
その3分の1は、男性用なのであるが、
残りの3分の2の、その半分は、オーダーの舞踊衣料、
そして残りは、女性用なのである。

いやいや、ご安心ください。
繰り返しますが、私が持つレディースは、
メンズライクですから ・・・・・。

以前、東京の、MtoFの、素敵な人が、
心配する私に、電話で言った。
「だいじょうぶ。だって、翠流さんは、そんな、変な恰好してないじゃない ・・・ 。」

春の終わる頃から、
ふだんもはくようになった、バレエ系レッスン用のハーフパンツは、
レディースでも、黒や紺や、紫の色調が多くて、
メンズと違って、ラインが綺麗に、お洒落に出ますが、
ふつうの人は、メンズかレディースか、わからないでしょうね。

以前、このブログで紹介した渡辺恒夫の本、
「脱男性の時代」:アンドロジナスをめざす文明学、を思い出す。
彼はその「第2章ー3」で、
ベンジャミン(H.Benjamin)の「性指向尺度(Sex Orientation Sukale)を、
次のように紹介している。
私は自分のことを、その「T型」だと思っている。

【性指向尺度(Sex Orientation Sukale)】:ベンジャミン(H.Benjamin)

  0型:正常男性(ノーマル・メイル)
  T型:仮性異性装指向(シュード・トランスヴェスティズム)
       ・・・・・ 定期的女装にまで至らぬ軽度の女装趣味。含変身空想。
  U型:フェティシズム的異性装指向
       ・・・・・ 定期的女装。特に下着への興味と自慰時の使用。
  V型:真性異性装指向(トゥルー・トランスヴェスティズム)
       ・・・・・ 可能な限り女装。女装時に女性の意識を持つ二重人格。
  W型:非手術性変性症(ノン・サージカル・トランスセクシュアリズム)
       ・・・・・ 可能な限り女装。性転換を願望するが転換手術の必要は認められず。
  X型:中等度真性変性症
       ・・・・・ 可能な限り女性としての生活。
  Y型:重度真性変性症
       ・・・・・ 女性として生活。


posted by 翠流 at 00:57| Comment(3) | ジェンダー・アイデンティティ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
翠流様が着られる「女性用」も、「男らしさ」から解放された「翠流用」の一部だと思います。

私の独断ですが、

*「男性用」…メインの相手が年配男性(特に50代後半以上)や家族(恋人含む)の女性
*「翠流用」「女性用」…メインの相手が若年男性や家族・恋人以外の女性

といった感じで使い分けたら良いかもしれません。若年男性でも体育会系で「男らしい」男性の場合は、年配男性に近い考え方があると思います。
Posted by 反排除専用 at 2017年07月03日 20:53

反排除専用 様

コメント、ありがとうございました。
返信が遅れ、申し訳ありません。
言い訳ですが、最近、年のせいか、疲れることが多いのです。

>翠流様が着られる「女性用」も、「男らしさ」から解放された「翠流用」の一部だと思います。

この言葉に癒されました。
反排除専用様との、出会いに感謝です。


Posted by 翠流 at 2017年07月08日 01:06

ルーツ様

コメントありがとうございました。
遅くなりましたが、
返信を、記事としてアップしました。
読んでいただければ幸いです。


Posted by at 2017年08月01日 03:14
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