2017年06月06日

「ポジティブ・アクション」 の今

安倍晋三という、どこかの男が、
例えば「自殺の性差(注1)」に見られるような、
男性が直面し続けてきた「いのちの危機」、
特に、「経済・生活問題」・「勤務問題」をめぐる危機に対して、
「男性」を主語とした救済のメッセージを発することなどただの一度もなく、
唯々、フェミニスト面をして「光輝く女性」発言ばかりをくりかえしていた頃、
ある女性弁護士が、ネットの中で、
男女共同参画社会基本法第2条第2項:積極的改善措置(注2)を根拠として、
「女性優遇採用は違法ではない」などと主張していた。

  (注1) この記事の末尾に自殺データを掲載する。
  (注2) 男女共同参画社会基本法第2条:この法律において、次の各号に掲げる用語の
                     意義は、当該各号に定めるところによる。  
       1.男女共同参画社会の形成:男女が、社会の対等な構成員として、自らの
        意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、
        もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受するこ
        とができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。    
       2.積極的改善措置:前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するた
        め必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的
        に提供することをいう。                       

女性弁護士の発言は、
「初めに女性優遇の結論ありき」のフェミニストたちが、
様々の場面で使ってきた論理であって、
要するに、その根拠とされた「第2条第2項」の導入は、
憲法第14条に抵触する「女性優遇」を合法化するために、
自己本位のフェミニストたちによって企図された、計画的戦略だったのではないかと思う。

その戦略は、安倍晋三の「女性活躍推進法」によって結実し、
国家権力を手にした女たちは、
自身に内在する自己中心性を擁護されたままに、
特権階級として、優遇された社会進出を果たせるようになった。

彼女たちは言う、
「過去の女性差別の結果としての女性にとっての不利益が、日本の社会には存在する。従って、
それを解消するために行われるポジティブ・アクション(積極的改善措置)は違法ではない」と。
しかし、採用試験に関わって言えば、
彼女たちの言う「女性にとっての不利益」は、
既に、採用試験の準備段階としての学校教育の場には存在しない。
それは、内閣府が行ってきた「学校教育の場における男女の地位の平等感」調査の、
「年齢別グラフ 『20〜29歳』(注3)」に示されている。

  (注3) 「男女共同参画社会に関する世論調査 図4ー内閣府」(下記URL) の、
         ページ下方に示された、[年齢]別 グラフ:『20〜29歳』を参照。
           http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html

既に保障されてきた「教育の機会均等」・「受験の機会平等」に併せて、
学校での「地位の平等」が確立された今の時代にあって、
「差別のない学校教育」の到達点の一つとしての採用試験で、
女性が、「女性である」という理由によって優先的に採用され、
本来ならば採用されるはずの実力を持った男性が、
「男性である」という理由によって不採用になるとすれば、
それはまさに、憲法第14条を破壊する男性差別、不正採用そのものであって、
自己本位のフェミニズム運動の、裁かれるべき施策である。

女性弁護士は、続けて発言していた、
政府は既に、数値目標達成のために女性の積極的採用を行った企業や自治体に対して、
「優遇措置」を講じる計画を持っていると・・・。
そしてそれは今、下に掲載する記事のような形をとって、
既に現実のものとなった。

記事には、東京都の優遇措置も記されている。
小池百合子は、恐らくは私の危惧通りの、
自己本位のフェミニズム運動家としての体質を持つことが、
この施策によって、一層明らかになったと思う。
彼女は今、「都民ファースト」という言葉で、自分の顔を表現しているが、
内在する「女性ファースト」の顔が、
今後、更に顕在化していくのではないかと、私は強く危惧する。
もとより、彼女の本質に「女性ファースト」の顔がなければ、
非正規雇用に苦しむ男性の現実が顕在化した社会状況の中で、
政治塾入会金、男性50,000円、女性40,000円、などという設定が、
できるはずはなかったのである。

ところで、次に掲載する記事は、
久しぶりに訪ねたブログ、
「社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)」 http://blog.goo.ne.jp/grk39587  の、
「フェミニズム批判のニュース記事、フェミ権力に屈せず批判の姿勢を貫け」(2017-05-24 )からの
引用である。
管理者の「蜻蛉の眼鏡」さんは、
転載を希望する私の思いを快く受けとめてくださった。
この場で感謝申し上げる。

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◆【引用記事】

『女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態』 (2017.5.22)
    https://www.news-postseven.com/archives/20170522_553461.html 

  ■ 堂々と女性を優先採用する企業が続出

     全国各地の政府系機関に次々と「女性優先採用」や「女性限定採用」が現われ、
    しかもそれを政府が推進している。国家主導の「女尊男卑」の時代ともいえるが、
    政府系機関に限った話ではない。

     民間企業でも「新卒・中途採用において、同程度の能力であれば女性を優先的
    に採用する」といった文言を掲げる企業が続出している。

     なぜこんなことが起きているのかというと、平成17年施行の「次世代育成支
    援対策推進法」や昨年4月施行の「女性活躍推進法」を根拠に、政府は企業に対
    し、子育て支援や女性採用の「行動計画」を作成させ、達成した企業を厚生労働
    大臣が優良企業として認定する制度を実施しているからである。

     実態は“強要”に等しいが、一方で「女性活躍加速化助成金」という助成制度
    では、企業が女性活躍に関する「数値目標」と「行動計画」を策定し、その目標
    を達成したら、助成金(30万円)が支給される。

     自治体でもこうした支援が盛んに行なわれており、例えば東京都では「女性の
    活躍推進人材育成研修」を開催。それを受講して社内に「女性の活躍推進責任者」
    を設置すると、奨励金30万円が支給される。

     さらに、その「責任者」が東京都の「フォローアップ研修」を受講した上で「行
    動計画」を届け出て、かつ行動計画の「社内向け説明会」を実施すると、さらに30
    万円(計60万円)の奨励金が上乗せされる。

     女性を優遇する企業に“アメ”を配って、女性採用を後押ししているのである。

     多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してき
    た経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用す
    るのは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。
                          ※週刊ポスト2017年5月26日号

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◆ 続いて【自殺データ】を記す。
私のブログ記事、「男性の自殺(3)(4)」からの引用である。

 (A) 自殺者数と男女比(2008年〜2013年)

   (1) 「経済・生活問題」を原因・動機とする自殺
       年次別   自殺者総数   男性    女性   男性:女性  
     2008(H 20)   7,404   6,686   718    9.3:1  
     2009(H 21)   8,377   7,634   743    10.3:1  
     2010(H 22)   7,438   6,711   727    9.2:1  
     2011(H 23)   6,406   5,740   666    8.6:1  
     2012(H 24)   5,219   4,660   559    8.3:1  
     2013(H 25)   4,636   4,147   489    8.5:1  

   (2) 「勤務問題」を原因・動機とする自殺
       年次別   自殺者総数   男性    女性   男性:女性  
     2008(H 20)   2,412   2,120   292    7.3:1  
     2009(H 21)   2,528   2,270   258    8.8:1  
     2010(H 22)   2,590   2,325   265    8.8:1  
     2011(H 23)   2,689   2,347   342    6.9:1  
     2012(H 24)   2,472   2,182   290    7.5:1  
     2013(H 25)   2,323   2,069   254    8.1:1  

 (B) 「経済・生活問題」「勤務問題」に起因する自殺(2013年)を、更に細分化した原
   因別に、男女差の大きい順に配列。表中の項目末尾の K3 は「経済生活問題」を示し、
   K4は「勤務問題」を示す。

    (原因・動機)     (男性:女性)  (男性) (女性) (計) 
     倒産:K3         45.0:1    45    1    46  
     負債:連帯保証債務:K3  20.0:1    20    0    20  
     負債:多重債務:K3    15.8:1   647   41   688  
     事業不振:K3       15.8:1   568   27   438  
     失業:K3         14.7:1   411   28   439  
     職場環境の変化:K4    12.2:1   280   23   303  
     就職失敗:K3       10.9:1   251   23   247  
     仕事疲れ:K4        9.5:1   587   62   649 
     その他:K4         8.9:1   354   40   394 
     負債:その他:K3      8.5:1   773   91   864 
     借金の取り立て苦:K3    7.8:1    47    6    53 
     自殺による保険金支給:K3  6.7:1    60    9    69 
     生活苦:K3         5.5:1  1,081   196  1,277 
     職場の人間関係:K4     4.3:1   437   102   539  
     その他:K3         4.2:1   244   58   302 

 (C) 就職失敗による20歳代の自殺者数と男性の割合

       年次別    総数  男性  女性  男性の割合          
     2008(H 20)   86   69   17   80.2 %          
     2009(H 21)  122   98   24   80.3 %          
     2010(H 22)  153  138   15   90.1 %          
     2011(H 23)  141  119   22   84.3 %          
     2012(H 24)  149  130   19   87.2 %          
     2013(H 25)  104   95   9   91.3 %          

                                    (以上)
 
posted by 翠流 at 02:04| Comment(2) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
都議選での「安倍氏 VS 小池氏」は小池氏に軍配でした。安倍氏も小池氏も、21世紀初頭の小泉政権時代はともに小泉首相の秘蔵っ子?で「盟友」でしたね。
Posted by 反排除専用 at 2017年07月03日 20:20

反排除専用 様

政治意識の希薄な私は、小泉政権時代のことはわからないのですが、
安倍という人が、女性活躍推進法で、自己本位のフェミニズム運動に国家権力を与え、
小池という人が、これから先、
女性優遇列島の完成に向かって、邁進するような気がしますね。

Posted by 翠流 at 2017年07月08日 01:17
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