2016年12月14日

「男らしさ」の呪縛 ・ 男の子の羞恥心

渡辺恒夫(注1)を真似るわけではないが、
「男は作られる」と私も思う。
幼い頃から、「男らしさの規範」を押し付けられながら・・・・・。
     (注1)「脱男性の時代」の著者。記事「ある本について」参照。

今の時代、特に若い女性たちは、
かつて押し付けられていた「女らしさの規範」から解放されて自由となり、
自分らしく、しかも、巷に溢れる女性優遇の中で、
幸福感を高めながら、生きられるようになった。

それにひきかえ男たちは、
時代に幾許かの変化はあるが、
今も、「男らしさの規範」に強く縛られながら、
不器用に、脆弱な基盤の上で、生きているように見える。

もしかすると男たちには、
「男であること」への臆病な従順さがあって、
押し付けられた「男らしさの規範」から、逃れられないのかもしれない。
そして女たちは、
そういう男たちの足元を見ている。

尤も、与えられた「男らしさの規範」が、
その男性の本質と乖離していなければ、
自己同一性が担保され、是となるのだろう。
しかし、そこに乖離があれば、
個性を無視した「男らしさ」の強要は、
自分らしく生きる権利を、
剥奪するハラスメントとなるのである。
そしてその「男らしさ」の強要は、
既に、男の子の、幼少期から存在する。

たとえばある日、保育園から帰った4歳の男の子が言った。
「赤は女の色だよ・・・・・」
母親は笑みをもって、その男の子の言葉を受容する。
しかし、その、保育士によって男の子に与えられた規範は、
たとえば私のような美意識の男性にとってみれば、
「美を求める自由の剥奪」という、暴力なのである。

羞恥心も同じことだろう。
「羞恥は男らしさに反する」
「男は羞恥心など持つべきではない」
「男性には、羞恥への配慮は不要である」
そういう、個性を無視した性別観、性別役割が、
既に、幼い時代から、
様々の場面で、強要される

例えば、女性向けと称されるサイト、「発言小町」に、
ある母親の、次のような投稿文がある。


【発言小町】・・・・・ ホーム>大手小町>発言小町 >妊娠・出産・育児
    ・・・・・ http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2013/0518/593259.htm?g=05

◆ 5歳の男の子。着替えを恥ずかしがります。
                        ミルフィーユ 2013年5月18日 1:36
5歳の年長の息子がいます。習っているスイミングは、着替えの際ロッカーが大変混むので、スクールが小部屋を設けていて、幼稚園ぐらいまでの子はそこで男女関係なくパッパと着替えてしまいます。
女の子でも堂々と着替えていて、ましてや、男の子なんかはパンツも履かない状態でもへっちゃらです。
なのに、息子はタオルで体を隠そうとしたり、モゾモゾ着替えようとします。そんな状態の息子を見ていると、イライラしてきて「男の子なんだから、恥ずかしがらない!恥ずかしがってる方が逆に恥ずかしいよ!」と言ってしまいます・・・。
まだ5歳で、むしろ周りの子よりも幼い息子なのに、そんなところ?だけ恥ずかしがるようになり、もっと男らしく?堂々としてほしいなとイライラします。
同じように、幼いころから恥ずかしがるお子様をお持ちの方いますか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この投稿文からすれば、まさに、この母親は、
男の子の個性を顧みない、人権侵犯の女。
男の子が恥ずかしがって、なぜ悪いのか?
私がこの母親の子どもなら、彼女の態度は、
私の心の底に、彼女への怨恨として蓄積するだろう。
私は、そういう、苛立ちと鬱屈した感情を抱きながら、
この母親の文章を読んだ。
ところが、
時代の変化なのだろうか、
彼女の質問に続く、彼女への回答15通は、そのどれもが、
この男の子の感受性を、擁護するスタンスだったのである。
私は、その回答に、救われる思いであった。

15通の回答を、以下に記す。

◆ 恥ずかしいと思う心は優先してあげた方がいいような
                          くろ  2013年5月18日 11:17
恥ずかしがってもぞもぞモタモタやってたら余計悪目立ちするから、
堂々とパパッとやっちゃった方が絶対良い!
分かります。その通りです。
でも、男だろうが女だろうが恥ずかしいものは恥ずかしいので、
その感覚を無理に抑えつけさせるのもあんまり良くないような。
ゴムの入ったてるてるボーズタオルでも持たせて上げたらどうでしょうねえ。
最近は、男子でも、てるてるボーズ使ってる子が結構多くないですか?
明らかに男の子向けのてるてるタオル、たくさん売ってますし。

◆ こんにちは。携帯からの書き込み
                      はる&はうる  2013年5月18日 12:16
現在小学生3年生と2年生のふたり息子の母です。
我が子も恥ずかしがり屋ですよ。
園のプールでは基本全裸でしばらく入りたがらなかったですが、仕方なく入って遊ぶ感じになりました。
園では構わないのですが、家で家族意外の人前ではパンツ姿も見せたくない様で、陰に隠れてこそこそと着替えます。
男の子なんだから、もっと堂々として欲しいと思いますが、恥ずかしという感情を覚えたのは成長だと考える様にしています。

◆ 恥ずかしがるのは成長の証
                          spoon  2013年5月18日 12:34
私にもトピ主さんと同い年の息子がいますが、やはり5歳位から家族以外がいる所で着替えるのを嫌がるようになりました。
以前は誰の前で着替えても全然平気だったし、一つ年上の従兄弟と一緒にトイレに行ったりもしていたのに、今では彼の前で替えるのが恥ずかしいみたいです。
まだまだ子供と思っていたけど、男女の性別や、人前で裸を見せる事が恥ずかしいと分かるような年齢になってきたんだな〜と息子の成長を感じました。
とは言っても、家では素っ裸で走り回ってふざけていたりするので、公私の区別も付くようになったんだな〜とも思っています。
恥ずかしがるのは成長の証ですから、叱らないで暖かく見守ってあげましょう。
うちの子は普段はやんちゃ坊主なので、恥ずかしがっている姿はむしろ可愛く思えて愛しいです。

◆ 長男がそうです
                       ヨクアール  2013年5月18日 13:00
長男がやはり3歳くらいから既に「恥ずかしい」と思うタイプでした。もちろん家ではフリチンダンスするし、そろそろお風呂はいってというとまだお湯も張っていないうちから素っ裸です。
その格好のまま本も読んでます。でも人に見られるのは恥ずかしいそうです。
次男と比べると神経質なところは他にもあり、食べかけの物を食べるのを嫌がったりもします。
部屋も定期的に片付けたりするし、忘れ物もあまりしません。事前準備が好きな方です。周りの状況が良く理解できて、優しい、デリケートなタイプです。
そういえばお遊戯もずっとキライでしたね。ピラピラした衣装を着て人前で踊るのはずっと嫌がってました。彼の中で何か線引きがあるのでしょうね。
男らしさとは何の関係もないと私は思うので気にしなくて良いのではないでしょうかね。ちなみにうちは女児もいますが、こちらが逆に心配になるほど無頓着で、全く平気で人前で全身着替えるのでうちはこっちの方が困りました。

◆ 息子さんの気持ち分かります携帯からの書き込み
                          ネコ  2013年5月18日 13:58
私も5歳位から、親以外に裸を見られるのが嫌になりました。息子さんが嫌がるのは、まわりに比べて精神年齢が高いからじゃないですか?逆に主さんの旦那さんが、女性の前で平気でパンツを脱いで着替えていたら、気持ち悪いですよね。子どもだから恥ずかしくないっていう固定観念は捨てた方がいいですよ。

◆ 人それぞれ
                        めりっさ  2013年5月18日 18:18
5才児でも、恥ずかしいと思う感覚があっても何の不思議はないと思いますよ。
だって、そう言う感覚って、人それぞれ違うでしょ。
皆の前で着替えるのが嫌なら、行きだけでも着替えた状態で行けば良いのでは?
下に水着着て、上からズボンはいて、着いたら脱ぐだけみたいに。
うちの長男はいつもそうしていましたよ。
そうすれば、皆の前で裸になる回数が一回で済みますよ。
あまり言いすぎてしまうと、プール嫌いになってしまいますよ。

◆ 普通にいますよ。
                           え?  2013年5月19日 0:19
うちの子は普通に着替えます。ただ、小学校1年生になった長男は恥ずかしがるようになりましたので、巻きタオルを使う着替え方をそろそろ教えようかと思っています。それだけ成長したんだなあ…と母は若干複雑。
はやければ5歳くらいの子は恥ずかしがりますよ。なぜにイライラする?

◆ 精神年齢が他の子より高いんだと思う
                          ある  2013年5月19日 9:53
うちは長男がそのタイプでした。
小さな頃からすごく「大人な」子でした。
次男は、精神年齢がいつまで経っても幼い子で、高校生になった今でも、たまに素っ裸で家の中をウロウロして叱られてます。
>恥ずかしがってる方が逆に恥ずかしいよ!
これって、成長しつつある息子さんの自我を、思いっきり否定していることになりませんか?
相当、傷ついていると思いますよ。

◆ 繊細な子もいます
                         プリン  2013年5月19日 11:31
いとこが、そんな感じで風呂上がりに、親戚などがいたら恥ずかしがって泣いていました。チビなのに大丈夫かと心配していましたが、案の定、思春期までは、とても無口で、傷つきやすい子になりました。
親が離婚したときに、不登校になり、しばらくしたら、北海道の学校に行くといいだし、寮生活をはじめ、その後は、世界中を放浪する男になりました。
嫌がるという事を否定したら、心が曲がってしまうので、そこは配慮してあげたほうがいいと思います。

◆ 恥ずかしいは本能
                        カエル君  2013年5月20日 13:08
恥ずかしいと感じる根本は「無防備」危険な状態を人間は恥ずかしいと感じる。
ちなみにここでいう「恥ずかしい」は恥を知るとは違い野生時代の名残り本能としての話です。
寝ているとき、排泄する時、物を食べているとき、これが現代に残るの三大「はずかしい」。
(でも若い女性でも乗り物で大口開けて寝ているのを観る、必ずしも法則としての話ではない。)
底から考えるとトピ主さんのお子さんは着替えと無防備が結びついてしまったのでしょう。
あまりイライラせず結びつきを解く気持ちで接してあげましょう。

◆ 普通だと思います
                     子羊ひつじ大羊  2013年5月20日 22:17
うちの息子も5歳くらいから恥ずかしがるようになりました。
まだこんなにチビなのに恥ずかしいという感情を持つようになったんだなぁ、成長したなぁと思っていました。
私や夫に対しては全然気にならないようでお風呂前など素っ裸で家の中をうろつきますが、あんなにオムツを替えてもらっていた大好きなお婆ちゃんには、裸を見られまいと「キャ〜」と言って逃げていきます。
プールでは、どなたかが書かれていましたが、片側にゴムが入っているてるてるボーズタイプのタオルを使っています。
これだと気になる部分は隠れますし、これから一人で着替えるようになった時、特に最初は着替えやすくて本人が楽だと思います。
恥ずかしいと思う気持ちが芽生えてきたのは、息子さんのせいではありませんし、極自然な感情だと思いますので、「恥ずかしいのね。そっかそっか」とさらっと受け止めてあげたほうが良いかと思います。
恥ずかしいという感情を持たないでスッポンポンでいるのが男らしいとは全く思いません。

◆ 精神年齢が高いのでは?
                        ありゃま  2013年5月21日 16:04
恥ずかしがるということは、年齢の割に、精神年齢が高いのではないかと思います。成長の証ではないでしょうか。

◆ 野生からの脱出だ!
                         ICHICO  2013年5月21日 16:50
そう我が家では盛り上がりました場面ですね(笑)。
うちの娘は3歳くらいから「ハズカシイ」が出てきましたねぇ。
ジジババのオウチでお風呂に入る時、いつもだったら居間で洋服をポイポイ脱いでいた(脱がせていた)のが「や〜よぉ〜」と言って脱衣所に行こうとせがんでましたっけね。
「恥ずかしいの?」と聞きましたこっくり「ウン」と頷いていましたっけ。
今まではスッポンポンで走り回ってキャーキャーいってたのにねぇ。
近年では甥っ子がハズカシデビューしてましたね。
彼は年長さんでそれが出てきたっけ。
パパと一緒に「お?野生からの脱出か?」とニヤニヤしてみていましたっけ。
「知」がついてきた証拠です。

◆ 二度目です携帯からの書き込み
                          ネコ  2013年5月23日 14:28
主さんの思考だと、皆の前で裸で堂々と着替えるのが男らしいのですか?それなら、大人でも男女別の更衣室は不要ですね。ちなみに、主さん自身も、見知らぬ男性の前で羞恥心なしに平気で着替えられるのですか?見知らぬ成人男性が、主さんの前で裸になっても、「男らしいわ」で終わるのでしょうか?それなら、息子さんの気持ちは永遠に分からないし、一般的に相当ズレていると思います。考えを改めた方がいいですよ。

◆ 逆に携帯からの書き込み
                          ガーゼ  2013年5月24日 7:48
私が学童で働いている時、1年生の男の子がロッカーの前で着替え出した時はびっくりしました。指導員みんなであの子は幼いね、なんて話したり…
他の男の子は上を着替えるだけでも女子や指導員の前では嫌がりましたよ。
だから普通の成長です。
大丈夫です。


posted by 翠流 at 23:47| Comment(3) | 男性の羞恥心 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
男子の羞恥心については私も思うところがあります。
高校時代、更衣の際に、女子は教室で男子は廊下ということや、健康診断の時もカーテンのない教室で男子は一斉に上半身裸にさせられる、ということがありました。女子は平気で覗いて笑ったりしていました。女も野蛮なもんです。女子はカーテンがされていて、非常に憤りを感じたのを覚えています。

このことをブログに書いてくださり、ありがとうございます。
Posted by at 2016年12月31日 20:15
日本は、

1990年代…女性が「女らしさ」から解放されたい理由による非婚化・少子化
21世紀(小泉政権以降)…男性が「男らしさ」から解放されたい理由による非婚化・少子化

であると思います。
21世紀になって、女性は「女らしさ」から解放され「自分らしく」生きるようになりました。男性も、早く「男らしさ」というプライドを捨てて「女性のかばん持ち・運転手・スポンサー」から脱出し、「自分らしく」生きなければなりません。
最近の一般男性は、「ホームランバッターでもないのにバットを長く持ち大振りして自滅している野球選手」のようであると感じます。
翠流様が2016年に続いて2017年もご活躍されることを期待しています。
Posted by 反排除専用 at 2016年12月31日 22:30
「未入力」様・「反排除専用」様
。  ・・・・・ コメントありがとうございました。返信が遅れ、申し訳ありません
    実は私、31日から今日まで、自分のブログを開いていなかったのです。
    もっとも、「差別ネットワーク」のブログは見ていたのですが・・・・・

「未入力」様
  ・・・・・ 男性に対するプライバシー軽視・無視の問題については、私は、事あるごとに、
   電話等で抗議活動をするよう心がけています。男性更衣室に女性清掃員が入る問題
   については、地方法務局の人権擁護課に3回「人権侵犯被害申告」をしています。
   結果は、3回とも「人権侵犯事実不明確」でしたが、「声をあげないよりはよい」
   「声は、あげなければ声にならない」と思いながら活動しています。「男性に対する
   プライバシー軽視・無視」は、「男性に対する不当な性的偏見」に起因するもので、
   敏感な男性にとっては、「人権侵犯」そのものだと思っています。        

「反排除専用」様
 >早く「男らしさ」というプライドを捨てて「女性のかばん持ち・運転手・スポンサー」
 から脱出し、「自分らしく」生きなければなりません。
 ・・・・・ 「自分らしさ」と乖離した「男らしさ」のプライドは、実は非常に脆弱な基盤の
   上にあると、感じることは多々あります。「自分らしく」生きることが、人生の確
   かな基盤を形づくると思っています。「女性のかばん持ち・運転手・スポンサー」
   は、「手のひらで踊らされる操り人形」か、「似非フェミ・バカマッチョ」のよう
   な男性差別の加害者ではないでしょうか。
   コメントありがとうございました。
Posted by 翠流 at 2017年01月04日 16:56
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。