2015年10月16日

近況報告 (8) 第4次計画・意見書関連 No.3

男性差別が加速する日本にあって、
憤りや、失望や、怨恨の感情が増幅し続ける自分を意識するが、
最近得た情報の中に、特に気になることが二つある。
一つは、昨年と同じ知人が提供してくださった今年度名古屋市職員採用試験のこと。
もう一つは、前回の記事「近況報告(7)」のコメント欄に、
「とくめ」さんが書き込んでくださった「中央大学男性差別」のこと。
恐らくは「初めに女性優遇の結論ありき」の工作や詭弁によって作り出された男性差別。
「法の下の平等」本来の理念が踏みにじられて、理不尽な男性差別が進行する。
どちらも記事としてアップしたい思いがあるが、情報収集をしなければならない。
今回は、とりあえず予定通り、「第四次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」に対する4種類の意見書のうち、残りの3種類を掲載する。
素案の該当項目と掲載ページは下記の通り。
素案のURLをもう一度記しておく。
  http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_sakutei/yojikeikaku/ikenboshu.html

【該当項目・掲載ページ】
   第2部 政策編
     U 安心・安全な暮らしの実現     掲載ページ   
       7-女性に対するあらゆる暴力の根絶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.48〜55   
       8-貧困、高齢、障害等により困難を抱えた女性等が安心して暮らせる環境の整備 
                        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.56〜60   
     V 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備
       11-男女共同参画の視点に立った防災・復興体制の確立
                        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.70〜73   

 Uー7 に関わっては、私自身が、つい数年前まで、DV被害者のほとんどが女性であろうと思っ
ていた。ところが、意見書に記した「横浜市・市民活力推進局男女共同参画課・こども青少年局こ
ども家庭課」の調査結果によれば、男性のDV被害も、後述のような数値として存在するのである。
被害者が男性の場合はDVが表面化しにくいとも言われ、深刻化を懸念する声もある。男性は、「パ
ートナーから暴力を受けた」などとは言えないのである。この問題に限らず、男性は危機を一人で
抱え込む傾向が強い。古くから男性に強要されてきた性別観の帰結である。そして、このような現
実を、内閣府男女共同参画局が知らないはずはないのである。にもかかわらず「素案」の題は、「女
性に対するあらゆる暴力の根絶」でしかないのである。                   

 Uー8 についても同様である。「貧困、高齢、障害等により困難を抱えた女性等が安心して暮ら
せる環境の整備」という題名には、「男性の困難」を見つめる視座が存在しない。しかしこのような
発言をすると、担当者は、「女性等の『等』の中に男性が含まれている」などと言うのかもしれない。
それが内閣府男女共同参画局の体質である。男女局は、男性の苦しみを直視しない。      

 男性の危機や困難は、現実の問題として、例えば前回も記した「自殺の性差」のような客観的事
実として現れている。年間自殺者数は、長期に渡り常に男性に多いのである。しかし、にも関わら
ず、「素案」はこの問題を取り上げていないのである。担当者は、「Uー6−p.43Fに、男性は精神
面で孤立しやすいと書いてある」などと、僅かすぎる表現を取り上げて言い訳をすべきではない。
女性に対する手厚い配慮に比べれば、男性に対する配慮は、雲泥の差を持って脆弱なのである。 

 Vー11は、このブログを立ち上げた当初から、私の最大の関心事の一つで、内閣府男女局にも繰
り返し要望書を送付してきた。それを再び取り上げれば連綿と続く意見書となるが、今回は、全体
を概観、簡単に概括するような内容にしてしまった。弱さがあったと思う。喫茶店でここまで書き
上げ、自宅でプリントアウトした意見書を某郵便局で出したのが、消印有効最終日の、夜11時頃で
あった。                                        

 意見書は次の通り。                                  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【意見書:第2部ーUー7】・・・・・「前置き」の文章は、前回の◆と同じ            

【A】問題点                                       

 (a)<目標>には、「女性に対する暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり」 
   と記されているが、「男性に対する暴力」も同じである。にもかかわらず、「女性の被害」 
   ばかりに注目し、「男性の被害」を顧みないのは、明白な「男性差別」であり、日本国憲  
   法第14条(法の下の平等)、及び、男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)に 
   抵触する。内閣府男女共同参画局は、「男女の人権の尊重」を柱とする「男女共同参画」局 
   なのである。その理念と乖離した表現は修正されなければならない。          

 (b) 実際、「女性から男性に対する暴力」は存在する。例えば、「横浜市・市民活力推進局  
   男女共同参画課・こども青少年局こども家庭課」の調査、「配偶者等からの暴力(DV)  
   に関するアンケート調査及び被害実態調査(面接調査):平成21年7月」には、次のよ  
   うな調査結果が記されている。
                         男性    女性             
         DV経験が何度もあった    11.0%   16.9%            
         DV経験が1,2度あった    30.8%   25.7%            
            (計)         41.8%   42.6%            
    
    従って、この結果に現れたような「男性のDV被害者」に対する配慮を、「男女共同参画 
   局」が、どのように捉え、どのように「第4次男女共同参画基本計画」に記載するかは、 
   甚だ現実的な必要性を持った問題である。「素案」のような「男性に対する人権無視」は、 
   許されるはずはない。また男性は、自分が「男性である」という理由によって被害を表面 
   に表しにくく、かえって深く潜行し、深刻化する場合もあると言われている。そういう、 
   男性が抱える「性別観に起因する不利益」も鑑み、「素案」を修正する必要があると考える。

【B】要望                                        
   @ 上記【A】のような認識をふまえ、「素案・第2部・U・7」の題名を「女性に対する 
    あらゆる暴力、及び、男性に対するあらゆる暴力の根絶」のように変更すること。   
   A 上記【A】のような現実をふまえ、男性の被害に対する配慮を、女性に対する配慮と  
    同等に付け加えること。  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【意見書:第2部ーUー8】・・・・・「前置き」の文章は、前回の◆と同じ            

【A】問題点                                       
   男性も困難を抱えている。それは、下記の資料のような「男性に明らかに多い自殺」に現れ
  ている。しかし「素案・第2部・U・7」の題名は「貧困、高齢、障害等により困難を抱えた
  女性等が安心して暮らせる環境の整備」となっており、「男性」という語句が欠落している。 

【B】要望                                        
  @ 「素案・第2部・U・7」の題名に「男性」という語句を、具体的に付け加えること。  
  A 男性は、「男性であるがゆえに一人で困難に耐えなければならない」というような、   
   「性別観の呪縛」を抱えており、「苦しみ」を訴えにくい。また、社会も、男性の苦しみを 
   顧みない傾向が強い。この現実を直視し、男性に対しても充分な配慮を付け加えること。 

【自殺関連資料】 ・・・・・下記4種類の表を記載した。                    
           全て、本年3月31日の掲載記事「自殺対策要望書」の表に同じ。    

  【表1】年間自殺者数の推移と男女比(1978〜2014年:37年間)           
  【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2014年:7年間)   
  【表3】原因・動機(小分類:52小項目)別自殺者数と男女比(2014年)        
  【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2014年:7年間)  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【意見書:第2部ーVー11】・・・・・「前置き」の文章は、前回の◆とほぼ同じ。         
                【問題点】は記載せず、次の【要望】のみを記した。    
【要望】                                        
   私は、平成25年3月の「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の公開  
  以降、同年5月に公開された「指針」を含め、内閣府男女共同参画局をはじめ、内閣府中央  
  防災会議、全国の男女共同参画部局・防災担当部局等に、「災害対応の男性差別・男性に対  
  する人権軽視・人権無視の改善」について、種々の「要望書」「意見書」等を送付してきま  
  した。それをふまえて発言します。

   人間を「男性」と「女性」に分け、両者を「二項対立的」に「単純化」して論ずる視点、 
  そしてまた、「男性に対する不当な性的偏見」等によって、男性に対して、男性の多様性を   
  無視した、様々の、「人権軽視・人権無視」の施策が現れました。包括的に言えば、男性の  
  中にも「女性の視点」と表現されるような視点や、「女性的」と表現される感受性があり、  
  そして、男性にも「苦しみ」があるのです。このような事実をふまえ、女性だけではなく、 
  「全ての人の人権を尊重する」視点で、「素案」の次の部分の表現について、再考を要望   
  します。                                      

  ◆「素案」 p.70 <目標>
     ・本文7行目、「男女のニーズの」から「課題が生じた」まで。           
     ・本文12行目、「性別等により分類」から「意志決定を行うこと」まで。      
     ・本文、下から4行目、「女性と男性では」から「生じることに配慮し」まで。    

  ◆「素案」 p.71ーウーC
     ・本文1行目・・・・「災害時には、女性が様々な不安や悩みを抱える」        
      ・・・・・上文中の「女性が」を「女性も男性も」に修正する。
                                       
                                      (以上)

  
posted by 翠流 at 03:39| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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