2015年10月16日

第四次男女共同参画基本計画(4)・・・ 意見書関連 No.3

 今回は、「第四次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」への4種類の意見書のうち、残りの3種類を掲載する。意見書の該当項目は下記の通り。

【該当項目】
  第2部 政策編
    U 安心・安全な暮らしの実現
      7-女性に対するあらゆる暴力の根絶
      8-貧困、高齢、障害等により困難を抱えた女性等が安心して暮らせる環境
       の整備
    V 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備
      11-男女共同参画の視点に立った防災・復興体制の確立

 Uー7 に関わっては、男性のDV被害も後述のような数値として存在する。被害者が男性の場合はDVが表面化しにくいとも言われ、深刻化を懸念する声もある。男性は、「パートナーから暴力を受けた」とは言いにくいのである。このような事実を、内閣府男女共同参画局が知らないはずはないと思うが、なぜか「素案」の題は、「女性に対するあらゆる暴力の根絶」となっており、「男性に対する・・・」という表現は存在しない。

 Uー8 についても同様である。「貧困、高齢、障害等により困難を抱えた女性等が安心して暮らせる環境の整備」という題名には、「男性の困難」への配慮が存在しない。しかしこのような発言をすると、担当者は、「女性等の『等』の中に男性が含まれている」などと言うのかもしれない。それが内閣府男女局の体質である。なお、後日(2020年)の加筆となるが、東京都が明らかにしたデータによれば、孤独死の約7割が男性である。
 
 また、男女局に送付した自殺対策要望書にも記したが、自殺が毎年明らかに男性に多いにも関わらず、この問題を採り上げた項目が存在しない。男性の特徴については、Uー6−p.43Fに、「男性は精神面で孤立しやすい」と、定型的な剽窃表現があるだけで、具体的事象、具体的施策には、全く踏み込んでいない。男女局は、男性を差別している。

 Vー11については、ブログを立ち上げる前から多大な関心を持ち、内閣府男女局にも繰り返し要望書を送付してきた。それを再記すれば連綿と続く意見書となるが、今回は、全体を概括的に表現する以上の余裕は、心理的にも、時間的にもなかった。

 意見書は次の通り。
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【意見書:第2部ーUー7】・・・ 前文は、前回の記事「意見書関連 No.2」の◆に同じ。

【A】問題点

 (a) <目標>には、「女性に対する暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害
   であり」と記されているが、「男性に対する暴力」も同じである。にもかかわらず、
   「女性の被害」ばかりに注目し、「男性の被害」を顧みないのは、明白な「男性差
   別」であり、日本国憲法第14条(法の下の平等)、及び、男女共同参画社会基本法第
   3条(男女の人権の尊重)に抵触する。内閣府男女共同参画局は、「男女の人権の
   尊重」を柱とする「男女共同参画」局なのである。その理念と乖離した表現は修正
   されなければならない。

 (b) 実際、「女性から男性に対する暴力」は存在する。例えば、「横浜市・市民活力推
   進局・男女共同参画課・こども青少年局こども家庭課」の調査、「配偶者等からの
   暴力(DV)に関するアンケート調査及び被害実態調査(面接調査):平成21年7
   月」には、次のような調査結果が記されている。
                        男性    女性
        DV経験が何度もあった    11.0%   16.9%
        DV経験が1,2度あった    30.8%   25.7%
           (計)         41.8%   42.6%

    従って、この結果に現れたような「男性のDV被害」に対する配慮を、「男女共
   同参画局」が、どのように考え、どのように「第四次男女共同参画基本計画」に記
   載するかは、甚だ現実的な必要性を伴った問題である。「素案」のような「男性に
   対する人権無視」は、回避されなければならない。また男性は、自分が「男性であ
   る」という理由によって被害を表面に顕在化させにくく、かえって深く潜行し、深
   刻化する場合もあると言われている。そういう、男性が抱える「性別観・性別役割
   に起因する不利益」も鑑み、「素案」を修正する必要があると考える。

【B】要望

   @ 上記【A】のような認識をふまえ、「素案・第2部・U・7」の題名を「女性
    に対するあらゆる暴力、及び、男性に対するあらゆる暴力の根絶」のように変更
    すること。
   A 上記【A】のような現実をふまえ、男性の被害に対する配慮を、女性に対する
    配慮と同等に付け加えること。

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【意見書:第2部ーUー8】・・・ 前文は、記事「意見書関連 No.2」の◆に同じ。

【A】問題点

  ・男性も困難を抱えている。それは、下記の資料のような「男性に明らかに多い自殺」
  に現れている。しかし「素案・第2部・U・7」の題名は「貧困、高齢、障害等によ
  り困難を抱えた女性等が安心して暮らせる環境の整備」となっており、「男性」とい
  う語句が欠落している。

【B】要望

  @ 「素案・第2部・U・7」の題名に「男性」という語句を、具体的に付け加える
   こと。
  A 男性は、「男性であるがゆえに一人で困難に耐えなければならない」というよう
   な、「性別観・性別役割の呪縛」を抱えており、「苦しみ」を訴えにくい。また、社
   会も、男性の苦しみを顧みない傾向が強い。この現実を直視し、男性に対しても充
   分な配慮を付け加えること。

【自殺関連資料】 ・・・・・下記4種類の表を記載した。
           全て、記事カテゴリ「男性の自殺」からの引用。

  【表1】年間自殺者数の推移と男女比(1978〜2014年:37年間)
  【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2014年:7年間)
  【表3】原因・動機(小分類:52小項目)別自殺者数と男女比(2014年)
  【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2014年:7年間)

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【意見書:第2部ーVー11】・・・ 前文は、記事「意見書関連 No.2」の◆とほぼ同じ。

 【要望】

   ・私は、平成25年3月の「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」
   の公開以降、同年5月に公開された「指針」を含め、内閣府男女共同参画局をはじ
   め、内閣府中央防災会議、全国の男女共同参画部局・防災担当部局等に、「災害対
   応の男性差別・男性に対する人権軽視・人権無視の改善」について、種々の「要望
   書」「意見書」等を送付してきました。それをふまえて発言します。

   ・人間を「男性」と「女性」に分け、両者を「二項対立的」に「単純化」して論ず
   る視点、そしてまた、「男性に対する不当な性的偏見」等によって、男性に対して、
   男性の多様性を無視した、様々の「人権軽視・人権無視」の施策が現れました。包
   括的に言えば、男性の中にも「女性の視点」と表現されるような視点や、「女性的」
   と表現される感受性があり、そして、男性にも「苦しみ」があるのです。このよう
   な事実をふまえ、女性だけではなく、「全ての人の人権を尊重する」視点で、「素案」
   の次の部分の表現について、再考を要望します。

   ◆「素案」 p.70 <目標>
     ・本文7行目、「男女のニーズの」から「課題が生じた」まで。
     ・本文12行目、「性別等により分類」から「意志決定を行うこと」まで。
     ・本文、下から4行目、「女性と男性では」から「生じることに配慮し」まで。
   ◆「素案」 p.71ーウーC
     ・本文1行目・・・・・「災害時には、女性が様々な不安や悩みを抱える」
           ・・・・・上文中の「女性が」を「女性も男性も」に修正する。
                                    (以上)


posted by 翠流 at 03:39| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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