2015年05月13日

国立教育政策研究所へ (3)

2013年の8月と12月に、
国立教育政策研究所・文教施設研究センタ−へ、要望書を送った。
理由は、同名の記事(1)(2)に書いたが、
要するに、全国の公立学校を対象に行っているアンケート調査、
「学校施設の防災機能に関する実態調査」には、
「女性のプライバシーに配慮したスペースの確保」という項目はあったが、
男性に対しては、これに相当する項目がなかったのである。

それは、本来すべての人の人権を尊重すべきであるはずの学校教育の現場に、
男性に対しては、個人の感受性の如何に関わらず、
プライバシーには配慮しなくてよいという、
人権無視の「差別の通達」が下りたのと同じである。

プライバシーへの配慮は、人間の尊厳に関わる配慮である。
プライバシーへの配慮は、性犯罪防止だけのために行われるものではない。
それ以前に、人間の尊厳に関わる問題なのである。
感受性は個人によって違う。
性別で単純にカテゴライズできるものではない。

一昨年、私の要望書を読んだ担当者は、
同年11月21日に、返事を聞くために電話をかけた私に対して、次のように言った。
「今年度調査済みの項目については修正できないが、来年度に向けて、項目全般を見直す。」
私はその結果を聞くために、先月、4月9日に、担当者に直通の電話をかけた。
彼は在室であった。私は彼の声を覚えていた。彼も私を覚えていた。
彼は、私の問いかけに対して、次のように答えた。
「アンケート項目から『女性の』という語句をとった。」

私は、確認するために、国立教育政策研究所のホームページを開いた。
確かに彼の言う通りであった。
2014年の項目から、『女性の』という語句は消えていた。
関連部分を、2012年・2013年・2014年の順に、URLと共に記す。

2012(H24)年 
   ・要援護者や女性のプライバシーに配慮したスペース〈新規〉
   http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/bousaikinou2012.pdf
2013(H25)年 
   ・要援護者や女性のプライバシーに配慮したスペース
   http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/bousaikinou2013.pdf
2014(H26)年 
   ・要援護者やプライバシーに配慮したスペース
   http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/bousaikinou2014.pdf

猜疑心が強くなっている私は、『女性の』という語句を『男女の』にしなかった理由が気
になった。2年間の『女性の』という言葉の効果が、その後も続きやすくなるように、つ
まりは、女性限定配慮の継続を企図する思いから、あえて、『男女の』という言葉を避け
たのではないだろうか? しかしたとえば、性同一性障害の人たちへの配慮を考えれば、
『男女の』という言葉はないほうがよい。しかし、国立教育政策研究所はそこまで考えた
のだろうか? 

結局私は、この戸惑いを捨てることができず、5月8日に、再び担当者に電話をかけた。
『男女の』にしなかったのはなぜか、と聞く私に、
彼は、「いろいろな場合がある。高齢者とか・・・」と答えた。
「そうですね、性同一性障害の人たちへの配慮も・・・」と受けた私に、
彼の、意表を突かれた緊張感のような息遣いが感じられた。

どのような話し合いを経て、表現が変わったのかはわからない。
しかしとりあえず、一昨年の要望によって、
退行でもなく、現状維持でもない表現を、
獲得することはできた。

改めて、男女共同参画社会基本法第三条(男女の人権の尊重)を、ここに記す。

・・・ 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が
 性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保
 されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。


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