2014年12月26日

災害対応シンポジウム (福島) 【その2】

 12月3日(水)に、私は、東北新幹線で福島市に行き、「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ 〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム」に参加した。

 既に、11月10日の記事「災害対応シンポジウム(福島)【その1】」にも書いたが、私は、来年3月に仙台で行われる「第3回国連防災世界会議」で、たとえば災害対応のメッセ−ジが、男性の人権を無視、或いは軽視した状態で採択されてしまうような展開を、強く危惧してきたのである。もしもそうなれば、実際の被災場面で、間違いなく男性差別に拍車がかかると、私は、まるで脅迫観念に襲われるかのように思う。たとえば疲弊してたどり着いた避難所で、私は男性であるために、着替えの場所がなく、トイレも充分に与えられず、着替えの下着も配布されず、プライバシ−に配慮された物干し場もなく、ガレキの処理から帰った避難所で休息するスペ−スもなく、というような状況、そして男性には、それに耐えるべき当然の義務があるというような、まさに不当な、人権侵犯としての性別役割の強要の中で、私は、収拾しきれない煩悶の中に追い込まれると。

 男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)を擁するはずの内閣府男女局。私をこのような不安に陥れたのは、ほかならぬ、あなたたちだ。あなたたちが行ってきた「第3条と乖離した施策」だ。実際、昨年の3月28日に開かれた「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の意見交換会の日までの間、あなたたちは、そういう災害対応ばかりを考えてきたではないか。意見交換会当日の、「有識者の意見も聞いた」などという、吐き気を催すような発言まで携えて。

 幸いなことに、意見交換会に続く「意見募集」の過程を経て、「指針(案)」の問題点だけは修正された。しかし、解説事例集にも、相談事業にも、白書の内容にも、復興取組状況調査にも、たくさんの男性差別が残されているではないか。私がこのブログで指摘し続けてきたように。

 私は、シンポジウムの登壇者から「男女両方の人権に配慮する」という意味の言葉を引き出したくて、記事「災害対応シンポジウム(福島)【その1】」に記した要望書を男女局に送り、当日、適当な登壇者から、それに対する壇上からの見解を聞きたい旨を伝えておいた。申込書には「登壇者に聞きたいこと」の記入欄があったのである。しかし、この要望に正面から応える言葉はなかった。私は苛立ち、「時間がない」旨をくり返す司会者の言葉を遮るように、2回に渡って発言の機会を求めた。私の大きい声が、広い多目的ホールに響き渡った。

 結局、発言の機会は与えられなかった。私は苛立ちを収拾できず、コーディネーターとの面談を求めて係を呼んだ。しかし、これもかなえられなかった。

 しかし、今回、係として様々の橋渡しをしてくれた男女局のあの人は、私の要望書が完全に無視されたわけではないと私に伝えた。それはそうさ。確かに、そうかもしれないと感じさせる発言はあった。それは、避難所となった「学校の体育館」での話だったと記憶する。「大きいカーテンを持ち込んで仕切りを作り」「男女が交代で」「着替えをした」という報告。

 しかし男女局はどこか逃げていると私は感じる。「男女の人権の尊重」という私の要望書の表現を、コーディネーターが使うことはなかった。それは、彼女が、問題の本質から逃げている証しではないかと私は思う。では、彼女は、なぜ逃げるのか。それは、憲法第14条や男女共同参画社会基本法第3条の実現よりも、ほかならぬ自己本位の女性優遇運動の貫徹を上位に置こうとする、男女共同参画局の本質的な自己中心性の現れではないかと私は思う。

 私には、「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ」に反対するつもりなど、全くない。問題はそういうことではなくて、どういうリーダーが育つかにあると思うのである。要するに、このブログでくり返し発言してきたように、人間の多様性をふまえた、全ての人に対する人権尊重の視点を持ったリーダーが、育つかどうかが問題なのである。当然のことながら、女性の人権だけではなく、男性の人権も同等に尊重されなければならない。「男女共同参画の視点」という美しいはずの言葉を使いながら、しかしそれと乖離して、女性に対する配慮ばかりに目を向ける人間に、リーダーとしての資格など、あるは
ずはないのである。

 ところで私は、このシンポジウムに参加する前に、展示とリレートークが行われた企画展示室で、「あおもり被災地の地域コミュニティ−再生支援実行委員会」が作成した資料を見て、非常に強いショックを受けた。それについては、年が明けてから報告したいと思う。





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