2014年09月24日

許せない男

◆ どこかの国の首相が、「女性経営者向け補助金創設」を計画しているのだそうだ。では、窮地に立つ男性に対しては、同様の配慮はないのだろうか。既に、記事「男性の自殺 (3)(4)」で取り上げたように、経済危機と自殺の関係については、次のようなデータがある。このような、危機を背負う男性に対して、安倍晋三という人は、「女性に対するような特別な配慮」はしないのだろうか、男性を自殺から救うことを、首相の責務だとは考えないのだろうか。

【データ@】 「経済・生活問題」を原因とする自殺者数と男女比:(2008年〜2013年)

       年次別   自殺者総数  男性   女性   男性:女性  
     2008(H 20)   7,404   6,686   718    9.3:1  
     2009(H 21)   8,377   7,634   743    10.3:1  
     2010(H 22)   7,438   6,711   727    9.2:1  
     2011(H 23)   6,406   5,740   666    8.6:1  
     2012(H 24)   5,219   4,660   559    8.3:1  
     2013(H 25)   4,636   4,147   489    8.5:1  

【データA】 「経済・生活問題」による自殺の、原因・動機別自殺者数:(2013年)

      原因・動機      (男性) (女性) (計) 
     負債(多重債務)     647   41   688  
     負債(連帯保証債務)    20    0    20  
     負債(その他)      773   91   864  
     事業不振         568   27   438  
     倒産            45    1    46  
     失業           411   28   439  
     生活苦         1,081   196  1,277  
     借金の取り立て苦      47    6    53  
     自殺による保険金支給    60    9    69  
     就職失敗         251   23   247  
     その他          244   58   302  

◆ この、安倍晋三という人の、「女性限定補助金創設」について、まず、9/13(土)12:37 配信の、時事通信の記事を載せる。

   「女性経営者向け補助金創設=安倍首相」
       http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140913-00000038-jij-pol
   【記事全文】・・・・・[T] 
      安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれたシンポジウムで、女性が経営する
     企業の事業拡大などを支援する補助金制度を創設する意向を明らかにした。安
     倍政権が重視する「女性の活躍」促進の一環。首相は「(女性の)企業家が伸
     びないのは根本的な問題があり、ここを変えていく。女性企業家への補助金に
     ついて法的な裏付けも含め検討していきたい」と語った。
      政府の男女共同参画推進本部は8月、女性の社会進出を目的に、対象を女性
     に限定した補助金制度の指針を作成している。

◆ また、この情報に先駆けて、関連する記事が、8/6(水)にAさんのブログで取り上げられていた。そこで引用されている秋元祥治氏の文中に、次のような、日本経済新聞からの引用がある。  
   「女性限定の補助金検討 政府、起業支援で上乗せ」
                 http://blogos.com/article/91840/
   【引用文】・・・・・[U]
      政府は社会での女性の活躍を推進するため、対象を女性に絞った補助金を、
     2015年度に創設する方針だ。女性限定の補助金は憲法の「法の下の平等」の原
     則に反すると解釈してきたが、少子高齢化の進展を背景に、女性の活力を高め
     る措置として必要と判断した。
      5日に開く政府の男女共同参画推進本部で決める指針に盛り込み、安倍晋三
     首相が閣僚懇談会で各省庁に具体策を検討するよう指示する。各省庁は15年度
     予算の概算要求に反映する見通しだ。
      既存のベンチャー企業支援の補助金制度で、申請者が女性の場合に補助金額
     の上乗せを想定。農業や医療、介護分野で女性が経営する企業の事業拡大など
     を支援する新たな制度も検討している。(日本経済新聞8月3日)

◆ 上の二つの引用記事[T][U]を併せ読めば、要するに、男女共同参画と名付けられた運動を、計画的戦略によって推進しようとしている女性優遇活動家によって導入された男女共同社会基本法第2条2項(注1)を根拠として、その活動家たちは、「社会進出を巡る女性優遇配慮は男性差別ではなく、『法の下の平等』に抵触しない」という詭弁を振りかざし、安倍首相に「女性限定補助金制度」の導入を迫り、首相はそれを受け入れ、「法的な裏付けも含め検討」を始めた、と読める。「(女性の)企業家が伸びないのは根本的な問題があり」という首相の発言の「根本的な問題」は、恐らくは、2条2項の「社会に存在する一方の性にとっての不利益」に対応すると推測する。要するに、起業家個人の生活の諸事情とは全く無関係に、女性であれば、「女性限定の補助金上乗せ」を得ることができるが、男性は、その人が、財力を含め、どのような危機、困難、不利益を抱えていようとも、男性であるが故に、女性と同等の支援を受けることはできないのである。

◆ このような女性優遇配慮が進行する一方で、いつになっても改善されない自殺の性差の問題が、客観的なデータとして存在する。それは、女性優遇活動家が主張する不分明な「女性にとっての不利益」とは異なり、上に示した【データ@A】のように、確かな数値として存在する。年間自殺者数であれば、記事「男性の自殺(2)」に記したように、警察庁が提示してきた36年間のデータとして、その性差は存続してきたのである。しかしこのような、明確な「男性の不利益」について、私は、安倍晋三という人からの支援のメッセージを聞いたことがない。こう言えば必ず反論があるだろうが、一人の国民として、しかも自殺対策に関心の高い国民としての私に、彼の声が聞こえてこないのであるから、彼の、自殺に関わる男性支援メッセージは、不存在と言って過言ではないのである。彼は「光り輝く女性」発言をする一方で、自ら命を絶っていく男性に対しては、支援のメッセージを発してこなかったのである。

◆ このような自殺の危機を男性が背負う社会状況の中で、なぜ、安倍晋三という人は、「光り輝く女性」発言ばかりをするのだろうか。私は、その理不尽を、どうしても許せないのである。

◆ 併せて、記事「男性の自殺(4)」の中から、就職活動失敗で自殺をした20代の若者のデ−タを、改めて引用する。安倍晋三という人は、このデータを見て、何を思うのだろうか。

  就職失敗による20歳代の自殺者数と男性の割合

        年次別    総数  男性  女性  男性の割合
       2008(H 20)   86   69   17   80.2 %
       2009(H 21)  122   98   24   80.3 %
       2010(H 22)  153  138   15   90.1 %
       2011(H 23)  141  119   22   84.3 %
       2012(H 24)  149  130   19   87.2 %
       2013(H 25)  104   95   9   91.3 %

◆ なお、記事「xavi様 (1)・・・男性に対する不当な性別観」にコメントをくださった「ジョク」さんの文章を、ここに掲載する。コメントの中には、彼の紹介記事、「置き去りにされる、“40代非正規“の貧困と孤立“」のURLが記されている。

 ジョクさんのコメント

   真剣に答えて頂きありがとうございます。
   実際昨今の男性は消耗品として扱われています。

   >置き去りにされる、“40代非正規“の貧困と孤立“
        http://www.asyura2.com/12/social9/msg/494.html

   昨今産業が空洞化してどうしようもなくなった原因は、
   実は下支えしていた男性を使い捨てにし過ぎて打ち止めになってしまい、
   グローバル化して仕事が無くなってしまったのも原因です。

ジョクさん、コメントありがとうございました。


posted by 翠流 at 01:33| Comment(7) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
高度なスキルを持つ男性労働者は、使い捨てにされて技能伝承が阻害されてしまったのです。

>この10年の建設不況のために、とび工、鉄筋工、溶接工、型枠大工といった職人の仕事がなくなってしまいました。若い人が建設業を敬遠した結果、職人が育ちませんでした。職人を育てるには、最低でも10年はかかります。結果として、技能継承ができなくなったのです

http://monma5376.blog120.fc2.com/blog-entry-23973.html

官僚の利権執着も甘く見ると痛い目に遭います。
憲法ですら捻じ曲げますし、憲法解釈なんていくらでも変えてしまいます。

>官僚常套手段 首相答弁に都合の良い文言盛り込み既成事実化

http://www.news-postseven.com/archives/20140408_246134.html
Posted by ジョク at 2014年09月24日 10:33
いつもブログ拝見しています。

他の男性差別のブログでこんなブログを見つけました。復活したとかで。

男性差別を許さない市民の会 ブログ
『男性差別を許さない市民の会』は、「男性差別撤廃」と「男性の復権」を目指しています。 私たちは、男性の人権を蔑ろにする人たちを絶対に許しません。
http://dansakai.blog.fc2.com/
Posted by 男性差別絶対反対 at 2014年09月30日 21:06
>03年から13年にかけて、男性は正規雇用労働者の割合が低下しているが、逆に女性の正規雇用の割合は高まっているのだ。

>25〜34歳の層に関しては特に顕著で、減少した男性正規社員分を女性の正規社員の増加で補っているという現象を読み解くことができる。

>ちなみに女性の正規雇用の割合は各年齢層で高い数字となっており、この10年ほどで女性の社会進出が進んだことを物語っている。

http://www.zaikei.co.jp/article/20140925/215267.html

女性の社会進出は優遇しなくてもしっかりとされてました。男性の非正規雇用者が増えて、男性の方が割を喰っているのが現実です。

>「ニート」の若者、じわり増加、固定化の傾向も

http://economic.jp/?p=40170

ニートにおける男女の定義の誤魔化しもありました。もはやあからさまにおかしいですね。
Posted by ジョク at 2014年09月30日 22:46
返信2通 ・・・・・ ジョク様・男性差別絶対反対様

男性差別絶対反対様
     ・・・・・ コメント、ありがとうございます。
       『男性差別を許さない市民の会』の存在は、以前から知っているのですが、
       何というか、色々、難しい、という感じですね。

ジョク様 ・・・・・ コメント、ありがとうございます。
       有益な資料を紹介いただき、感謝なのですが、
       わたくし、最近、学びの余裕を、やや失っているのです。
       きちんとした返信ができなくて、申し訳ありません。
       でも、また、いずれ ・・・・・ 。
  
Posted by 翠流 at 2014年10月03日 00:57
解散になったんですね・・・

http://dansakai.blog.fc2.com/blog-entry-52.html


【重要】『男性差別を許さない市民の会』の解散のお知らせ

この度、『男性差別を許さない市民の会』(以下、「男差会」)では、男性差別をなくすために度重なる活動を展開してまいりましたが、代表不在をはじめ、「男差会」を運営していくうえで人員体制的にも厳しい問題に直面し、大変残念ながら解散する形となってしまいましたことをご報告いたします。

 なお、解散後「男差会」のメンバーは、これまでに協力関係にあった団体に所属している者も多く、今後はそれらの団体に専念して活動していくことになりました。また、皆様からご支援いただいた寄付についても「男性差別」の活動や関連団体への贈与という形で「男性差別」の活動に有効活用させていただく所存です。

 ご支援、ご声援を頂いた皆様にはご期待に添えず、大変申し訳ございません。
Posted by 男性差別反対 at 2015年01月12日 20:17
男性差別反対 様

ご連絡、くださったことに感謝いたします。
返信は近日中に・・・・・・。
私の新しい記事は、本日中にアップします。
Posted by 翠流 at 2015年01月14日 01:39
男性差別反対 様

「男差会」の活動、ご苦労様でした。
私はまだこの世界に足を踏み入れて日が浅く、
様々の「男性差別とたたかう会」の内情はわからないのですが、
「女たち」がたいへん元気な今の日本にあって、
男性差別解消に、明るい見通しの立つ日が、
早く来ることを願うばかりです。
活動、ご苦労様でした。
これからも、よろしくお願いいたします。

Posted by 翠流 at 2015年01月17日 15:12
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