2014年05月02日

A書店レディ−スデ−(2)・・・ 経過と法務局の判断

(2020年7月:加筆)

前回は、申し立ての精神的な背景を書いた。
今回は、申し立てに至るまでの経過と、その結果を記す。

(1) 私の居住地には、比較的新しいショッピングモ−ルがあり、その中に、全国でも有名なA書店の支店(店舗A-1)が入っている。県内には歴史あるC書店があるが、CもAに客を取られ、業務を縮小せざるを得なくなっている。私も今はA書店ばかりを利用 している。

(2) 今年の4月上旬に、店内の掲示物でレディ−スデ−を知った。「毎週水曜日は女性限定でポイント2倍」という広告である。1ポイントは1円として還元される。A-1店が入るショッピングモールの経営者は良心的で、レディースデーだけではなくメンズデーも、というスタンスのようであるが、「A-1」店は馬耳東風で、レディースデーだけを行なっている。私は店長と話しをしたかったが、この日は不在であった。

(3) 翌日、私は、A書店の東京本店に問合せの電話を入れた。電話は、部署DのEという人につながった。Eは、私の質問に次のように答えた。「レディ−スデ−は、営業戦略としてやっている。始めた店舗(東京:A-2店)は女性客が多い。多く来店される女性のためにレディ−スデ−を始めた」。しかしこの言い回しは、本質を伝えてはいないだろう。後述するが、A-1店の店長はA-2店の方針にならい、私の要望を拒否して、レディースデーだけの実施を貫いた。要するに、女性集客のためには、女性と男性の間に格差をつけ、女性を上位に置くことが効果的で、メンズデーはあってはならないのである。 因みに、私の車のディーラも同様のことをやっていて、私は店長と争うわけにはいかないので、冗談交じりにその件を話題にしたら、彼は隠微な笑いを浮かべながら言ったのである。「こういうことをやっていると女性が来るんですよ。」

(4) 同日、私は、上記の件を含めて、今の日本で横行する様々の女性優遇、男性差別について、弁護士会の無料電話相談に質問の電話を入れた。対応してくださった若い弁護士さんは、明快な話し方をする人で、問題意識に共通性を感じた私は、学びのために(有料で)お会いしたいと言ったが、「弁護士の仕事は個別の事案への対応であるから」と、柔らかく断られてしまった。彼からいただいたアドバイスは、概ね次の2点である。

   @ (翠流)さんの問題意識は政策のレベルで、政治家に相談した方がよい。
   A 憲法は国家に対してあるもので、私人に対する拘束性は弱い(ない?)。

 @については、私に心当たりの政治家や政党などあるはずもなく、Aについては、「男性更衣室」問題のとき、ある弁護士から得た情報と同じであったが、個々の事例について、具体的にどの程度の拘束力を持つのか持たないのか、等について、尋ねることのできる専門家が近くにいないことが、私には強いストレスであった。

(5) 私の居住地の「A-1」店の店長はFという人で、彼とは2回話しをした。初めは店舗に行って直接会い、2回目は電話であったが、彼の言葉を疑わずに書けば、彼は、一個人としてはレディ−スデ−のような女性優遇には反対なのだそうだ。私が、今の日本は女性優遇の社会になっていると言ったら、彼はうなずきながら、「女性専用車両がある」と言った。しかし彼は、私のような、本音で行動するしか術のないような不器用な人間とは違って、彼個人としての見解と社員としてのスタンスを、器用に使い分ける男であった。私にしてみれば、彼は違和の世界の人物であるが、私が彼に、「女性優遇に反対ならなぜレディ−スデ−だけを導入したのか」と聞くと、彼は、何のためらいもなく、自信を持って、「そりゃあ(最初に導入した店で)営業実績が上がったからですよ」と言った。私は彼に、「レディースデーを続けるのならばメンズデーも実施して欲しい。そうでなければ、レディースデーをやめてもらいたい」と要望したが、結局どちらも受け入れられることなく、A-1店は今も、メンズデー不存在のもとで、レディースデーという女性限定サービスを続けている。女性と男性の間に格差をつけ、女性を上位に置くことが、金儲けには効果的なのである。営利最優先の女性優遇戦略が許容され、「法の下の平等」の理念を破壊している。

(6) 私は、A書店の会員であったから、男性であるが故の被害状況を根拠として、法務局に人権侵犯被害申告をした。しかし結局、「法の下の平等と営業の自由を秤にかけて」という理由付けによって、「人権侵犯事実不明確」の結論しか出なかった。市民の声を法務局に挙げるという意味で、被害申告に意義はあると思っているが、「不明確」の結論は、A書店の男性差別解消のためには、何の実効性も持っていない。

(7) A書店が、レディ−スデ−という女性限定優遇戦略を、東京のA-2店で最初に導入したのは、2012年の6月だそうだ。ネットによれば、この記事をアップした時点で、同様のレディースデーを導入しているA書店は、全国33店舗に及んでいた。

(8) なお、私は、後日、東京に本社を置くGコンビニエンスストアのレディースデーにも取り組み、この時は、東京都男女平等参画基本条例(注1)とその逐条解説(注2)を根拠に、レディースデーの不当性を訴えたが、この条例も、全く実効性を持たなかった。私がアクセスした東京生活文化局都民生活部男女平等参画課(以下、男女課)は、この条例について、「あくまでも差別の予防効果を期待して作られたものであって、Gのレディ−スデ−がこの条例に抵触するかどうかについて、男女課は判断をしない。」と発言するばかりであった。Gの担当者は、男女課に赴いてこの発言を聞き、私の要望を自信をもって拒否するようになった。

 (注1)【東京都男女平等参画基本条例・第14条第1項】
     何人も、あらゆる場において、性別による差別的取り扱いをしてはならない。

 (注2)【第14条第1項の逐条解説】
     本項の「差別的取扱い」には、その取扱いの結果として、性別による差別がも
    たらされるものすべてが含まれる。性別による差別の意図を明確に有している場
    合に限られるものではなく、種々の状況から差別を容認したと推認される場合も
    含まれる。


posted by 翠流 at 00:51| Comment(2) | レディースデー・女性割引 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
「許せない男性差別」改め「女に生まれたかった男」です。
既にご存知かもしれませんが、出版物は、「表現の自由」、「知る権利」という
重要な国民の権利に係る存在です。
その出版物へのアクセス料金が男女で異なるのは、著しく不当である旨、
抗議の際に加えてみてはいかがでしょう。
男女共同参画、紀伊国屋、どちらに対しても有効な論理かと思います。

それから、
「消費社会における男性差別構造を考える」という文章を書きましたので、
よろしかったらご覧ください。

http://danjyo.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-2c9f.html
Posted by 女に生まれたかった男 at 2014年09月03日 21:18

「許せない男性差別」改め「女に生まれたかった男」様

コメントをいただき、改めて感謝いたします。
教訓的なご意見、ありがとうございました。

ご案内いただきましたブログ、拝見させていただきました。
今はまだ、斜め読みの余裕しかないのですが、
知的レベルの高いマイノリティ−の方かと拝察いたします。
忘れられない存在になるように思います。

ところで、以前、一度だけなのですが、
Nikkohさんが、私のブログに遊びに来てくれたことがありました。
彼は私と異質ではありますが、
やはり、忘れられない存在です。

いずれ、「許せない男性差別」改め「女に生まれたかった男」様のブログに、
時間をとって、お邪魔したいと思っています。
そのときは、どうぞ宜しく・・・・・・・。
Posted by 翠流 at 2014年09月05日 11:59
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