2014年02月17日

男性の羞恥心 (1)

(2020年7月:加筆)

男性の羞恥心、特に性的羞恥の問題に関わって、ある人が、
ネット上に、発言の場を提供してくださった。
そこに投稿した文章をもとに、
男性の性的プライバシーに関わる私の認識を記す。
やや長い文章になったが、
羞恥に関わる男性の人権について、
私の基本的な考え方が記されている。

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◆ 羞恥心の強さは人によって違います。性別で単純にカテゴライズできる問題ではないのです。男性にも羞恥心の強い人がいます。彼らは羞恥に対する配慮を必要としています。羞恥は人間としての尊厳に関わる感受性であって、屈辱や危機の回避、プライバシ−の確保として配慮されなければならない重要な人権の一つです。配慮がなければ、それはハラスメントです。男性だから配慮しないというのは、不当な性的偏見に基づく人権侵犯です。しかし、現実には、私たちの社会には、男性の羞恥心を軽んじる傾向が、強く存在する。「羞恥心を持つのは男らしさに反する」という価値観の押しつけもある。例えば、ネット上の発言として、「男性更衣室に女性の清掃員を入れるのはやめてほしい」と主張する男性に対して、ある女性が、「最近の男性はそんなことを気にするのですか? そういうことって冗談にもっていけませんか?」と不当な圧力をかけた。また、男性同士の間にも、羞恥を男らしさに反する感受性として揶揄し、剥ぎ取るようなハラスメントが存在します。例えば、私が、東日本大震災に関わって、東北地方の、ある男女共同参画部局に電話をしたとき、受けてくれた男性職員が、こう言っていました。「修学旅行で入浴をしたとき、私が、タオルで前を隠して浴室の中を歩いていたら、クラスの男子に、『おまえ男のくせにそんなところを隠しているのか』と揶揄され、非常に嫌な思いをした」と。また、医療機関にも、男性に対するハラスメントが存在します。例えば、小児科の診察室で、医師の前に座った男の子に近づいてきた女性看護師が、「男の子だから恥ずかしくないよね」と、精神的な圧力をかけて服を脱がせるというような行為。私自身も、脱衣とは別の件ですが、ある医療機関で非常に嫌な思いをしたことがあります。私はその時、その院長の発言を電話で私に伝えた受付の職員を怒鳴りつけました。もっともこの時は、その日の夕刻、院長が私の携帯に詫びの電話を入れてきましたから、院長は自分の過ちを認めたわけですが、私は、そんなクリニックに通院などとてもする気にはなりませんから、検査料と交通費を合わせて8,000円を越える経費を捨て、別のクリニックに行き直したのでした。全く話になりません。

 ところで、なぜこのような風潮が作り出されたのかについて、そのルーツをたどれば、恐らくは、特に戦前・戦中の男性教育の中で増幅し、強制力をもって形づくられた「男らしさの規範」の影響があると思います。戦時中、男性は「戦争の道具」として命を落としていった悲惨がありますが、男性に対する教育の中で、羞恥心は切り捨てられていったと思います。その「男らしさの規範」が、今日にあっても、人々の認識として広く深く社会に残り、羞恥心の強い男性に対して、不当なジェンダーハラスメントを引き起こしているのです。

 しかし、羞恥に対して鈍感な男性がいるのも事実です。そして、そういう男性の感受性が、あたかも男性一般の感受性であるかの如く、上に述べた「男らしさの規範」を背景として、意識的に、或いは誤って、単純化され、不当なジェンダーバイアスが形成されたのです。それは非常に恐ろしいことです。既に別の記事(注1)にも書きましたが、2013年3月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」が、まさにその通りでした。羞恥に対する配慮は女性に限定され、男性への配慮は皆無だったのです。その「指針(案)」は、内閣府の男女共同参画局が作成したものです。つまりそれは、私のような感受性の男性にとってみれば、国家による人権侵犯だったのです。しかし、良識ある人たちのご協力もあって、指針(案)は、意見募集の過程を経て奇跡のように修正されました。しかし、その「解説・事例集」の「避難所チェックシート」の如きは、男性の羞恥への配慮不存在のままに確定し(注2)、それに呼応するかのような避難所の設定が、3年後の熊本地震でも行われたのでした(注3)
    (注1〜3)記事「裏切りの男女共同参画」
    (注2)加えて、記事「全国の男女共同参画へ」

 羞恥への配慮は、人間の尊厳に関わる配慮です。それは、欠いてはならない人権の一つです。配慮がなければ、それはハラスメントです。男性だから配慮しないというのは、不当な性的偏見に基づく人権侵犯です。男性の中にも、羞恥心の強い人がいます。男性に対する配慮は、この視点から顧みられなければならないはずです。男性に対する不当な性的偏見、ジェンダ−ハラスメントは、絶対にあってはならないのです。


posted by 翠流 at 21:54| Comment(2) | 男性の羞恥心 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TVでもそうですね。以前にも記載しましたが、やはり男性は非常に軽視されていると思います。
翠流さんの別記事でも確認していますが、テレ東の番組について抗議された件もですが、ああいった内容は沢山あるんですよね。TVでは連日目にすると思います。
こういう番組は他にもあるので、もう少し広範囲で見た方が良いかとは思います。

それと看護師について思い出したんですが、雑誌やらTVでも過去に随分卑猥な発言をしていましからね。患者を馬鹿にした発言を平気で暴露しますからね。(男性器とかそういう内容)

>男性更衣室に女性の清掃員を入れるのはやめてほしい
同感ですね。勿論トイレもですが。
結局女性としては、「別に興味ない」「仕事だから」「気にしてない」とかこういう事を平気で言いますからね。けどこれは、「その女性の一方的な言い分」ですからね。男性の意見ではない。言い方変えれば、興味ないんだったら別に清掃員は女性じゃなくて男性だって良いって事ですからね。何も女性に清掃させなくても良い。

Posted by 市民権 at 2014年02月19日 20:46
市民権様
>ああいった内容は沢山あるんですよね。TVでは連日目にすると思います。
NHKの震災関連の番組「どっこい生きる」でも、男性の全裸の映像が流れました。私は、電話と文書で抗議をしましたが、そういう番組を見ると、非常に疲れます。羞恥心の強い男性の存在、そして人権が、完全に無視されています。どうにかしたいのですが、特効薬がなかなかなくて・・・・・。

>結局女性としては、「別に興味ない」「仕事だから」「気にしてない」とかこういう事を平気で言いますからね。
女性清掃員の言葉でしょうか。男性の人権を全く考えていない言葉だと思います。私が、Kスポ−ツクラブの男性更衣室で会った女性清掃員もそうでした。彼女は、私の気持ちを受け止める姿勢を全く持っていませんでした。
Posted by 翠流 at 2014年02月21日 23:33
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