2014年01月14日

被災地における、女性の悩み・暴力相談事業(1)

            (2020年5月15日:修正・加筆)

 内閣府男女共同参画局の施策は、「男女共同参画」という「美名」と乖離した、女性優遇・男性軽視の施策であると、私は、事実をもとに発言してきた。男女共同参画社会基本法第3条「男女の人権の尊重」には、「男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと」が謳われているにも関わらず、男女局は、男性の人権を軽視、或いは無視する施策を行ってきたし、今も行っている。

 今回取り上げた男女局の施策、昨年6月に内閣府男女局HPの「災害対応」に掲載された「平成24年度、東日本大震災被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」も、その題名からして、被災という極限状況の中での、男性の危機を無視した差別の施策と思われた。男女局は、なぜ、男性を支援の対象から外したのだろう。男性には支援は必要ないと考えていたのだろうか? 男性は、危機にあっても一人で耐え、一人で乗り越えるべきだというような性別役割の強要を、是と考えていたのだろうか? それとも最初から、男性のことなど眼中にはなかったのだろうか? そういう疑義を抱きながら、私は、この事業の対象から男性を外した理由について、男女局推進課へ、問合せの電話をした。

 その結果を書く前に、今回取り上げた「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」に関連して、東日本大震災後の、被災者の心の状態を示すデ−タを、「男女共同参画白書:平成24年全体版」から引用する。男性に対する支援の必要性が、たとえば「アルコ−ル依存」や「自殺者数の男女比」に強く現れている。

        【飲酒量が増加した人】 【不眠症の疑い】 【精神的問題の指標10以上(注)】
          女性   男性   女性   男性   女性   男性      
   陸前高田市  3.2%   6.2%  44.4%  27.7%  15.2%   8.7%      
   石巻市    3.5%  11.5%  50.2%  32.4%  20.0%  12.3%      
                       (注):指標となる数値が高いほど、精神的な
                         問題がより重い可能性があるとされる。

        【東日本大震災に関連する自殺者数の男女別の割合】           
                         女性     男性     計    
   震災関連自殺者数(H23年6月〜24年2月)   24.6%   75.4%   100%   
   全国の自殺者数(H23年)          31.6%    68.4%   100%   

 上記4種類のデ−タのうち、私は、特に自殺者数の男女比が気になっていたが、それは、白書の「概要版」では削除された。私はその理由を知りたいと思い、昨年の11月に、男女局調査課に問い合わせの電話を入れた。担当者は、理由を次のように説明した。

   【削除の理由】
     @ 概要版にはペ−ジ数の制限がある。
     A 自殺者数の男女比より重要な記事がある。
     B 震災関連の自殺者数の男女比と、全国の自殺者数の男女比に大差はない。

 皆さんは、この回答を読んでどう思われるであろうか。私は、自殺問題の深刻さから、男女局の回答には違和感と疑義を抱かざるを得なかった。もしかすると担当者は、女性優遇配慮の施策を貫徹するために、男性の深刻な状況を意識的に排除したのではないかと、そういう疑義を、私は抱かざるを得なかったのである。
 関連して、私は、昨年(2013年)の4月、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の意見募集にあたって、女性への配慮に傾斜しすぎる「指針(案)」に対して、次のような意見を送った。しかしこの意見は、全く取り上げられなかった。

     「男性については、震災関連の自殺者数の多いことを、具体的な数値をあげて
    強調すべきである。自殺は深刻である。すでに別紙に記したが、内閣府の自殺対
    策担当から得た情報によれば、東日本大震災から今年2月までの震災関連の自殺
    者数は、男性66人、女性19人となっている。」              

 今回取り上げた「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」について、内閣府男女局推進課に問い合わせの電話をしたのは、昨年の12月であった。私は初め、施策の正当性を押し通そうとする自己本位の回答を予測していたのであるが、電話に出たAさん(女性)は、予測に反して、「女性の悩み・暴力相談事業」の男性「軽視」を、是正されるべき問題点であると認める語調で、取り組みの経過と現状について話してくださった。その要点は次の通りである。

    @ 岩手県と福島県には、当時、女性の相談を受ける体制しかなく、女性だけを
     対象として、相談活動を開始せざるを得なかった。しかし、活動を続けている
     うちに、男性からも相談が入るようになった。 
    A 宮城県の場合は、男女両方の相談を受ける体制が既にあったため、両性を対
     象として、相談活動を開始することができた。             
    C 現在は、男性に対する相談体制を確立するために、各自治体向けの、男性相
     談マニュアルの作成等を始めている。                  

 Aさんの発言には、男女双方の人権に配慮する誠意が感じられ、心安らぐ思いがあった。しかし、(後日わかったのであるが)彼女の発言は、各自治体の施策であって、内閣府男女局が行う「女性の悩み・暴力相談」とは別だったのである。また、この件も含め、いずれ同名の記事の中で記すが、「被災地における、女性の悩み・暴力相談事業」は、この年以降も、年度当初の内閣府男女局の会議で、「上命下達」の、内閣府男女局の施策として継続されることを、私は、後日、Bさんという人から聞いた。
 尚、男女局HP「災害対応」の、この記事を開き、「事業の概要」「事業の実施体制」を読んでいただければわかるが、この施策は、女性に対する配慮ばかりに終始していると言って、過言ではないのである。

 ところでこの年、私は、暴力相談事業に関わって、ネットで次のような気になる記事を見て、後日、横浜市から関連資料を入手することとなる。その内容については、後日、別記事に記す。

     11年度に配偶者暴力相談支援センターに寄せられた、DV相談における男性被害者
    の割合は約1%程度。しかし、男性にはDV被害を隠そうとする傾向があるため、この数
    字は氷山の一角だという。また、10年度に横浜市が「配偶者からの暴力に関する調査
    及び被害実態調査」を行った結果によると、DVの被害経験は女性が全体の43%、男性
    は42%と、ほぼ同率となっている。


この記事へのコメント
被災地に住む人間ですが、またこちらでも女性視点での被災地支援とかそんな内容の講座を
県の男女共同参画担当主催で開催するみたいです。なんでも復興庁の職員に女性が居ないか
らとかそんな理由付けで開催するみたいです。
女性職員が居ないと言いながら、それでも女性団体や庁自体が女性優遇行為を行っているに
もかかわらず、女性視点を今だ強調している。ふざけるなって感じです。
そこまでして女性は被害者だとか地位が低いだとか弱者だとか言って被害者を演じたいのかと。
Posted by 市民権 at 2014年01月15日 19:45
市民権様。
聞き捨てならない話を聞いたという感じです。私は、単なる一国民でしかありませんから、できることなどたかが知れているのですが、よろしかったら、具体的なお話を聞かせていただけませんか? 何県なのか、いつ講座を開催するのか、場所はどこなのかを、とりあえず、教えていただきたく思います。よろしくお願いいたします。
Posted by 翠流 at 2014年01月17日 01:14
内容としては以下の通りです。(県のHPから引用)

防災・復興について考えよう
〜男女共同参画の視点から〜 
講演とワークショップ開催の御案内
 東日本大震災津波においては、避難所運営に男女共同参画の視点が反映されていないことによる問題が顕在したほか、復興委員への女性の登用が少ないことが課題としてあげられています。このことを受け、内閣府では「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」を作成し、この指針を活用して平常時からの体制整備を行うよう求めています。
県では、防災や復興に男女共同参画の視点を持って取り組む方々が増え、復興が加速するよう、「防災・復興について考えよう〜男女共同参画の視点から〜」を沿岸地域で開催します。
どなたでも参加できますので奮ってお申込みください。

開催日時場所
【釜石会場】
と き:平成26年1月23日(木曜日)13時〜16時
ところ:岩手大学釜石サテライトセミナー室(釜石市平田3-75-1)
【宮古会場】
と き:平成26年1月24日(金曜日)13時〜16時
ところ:宮古市男女共生推進センターフラットピアみやこ(宮古市田の神2-2-5)
【久慈会場】
と き:平成26年1月30日(木曜日)13時〜16時
ところ:久慈市文化会館会議室(久慈市川崎町17-1)
Posted by 市民権 at 2014年01月18日 16:46
市民権様。
具体的なお話をいただき、感謝です。私は今、連絡いただいた「講演とワークショップ」について、要望書を作り始めています。日曜(19日)中に完成させ、月曜の朝、岩手の男女局に電話を入れて、担当を確認し、午前中に速達で発送する予定です。「講演とワ−クショップ」で取り上げてほしいと要望するつもりです。取り上げてもらえるかどうかは全くわかりませんが、できるだけのことはしたいと思います。私は群馬県の人間ですから、会には参加できませんが、市民権様は、参加のご予定がありますか? もしも参加のお気持ちがあるようでしたら、お伝えしたいことがあります。連絡いただければ幸いです。なお、要望書は、仕上がり次第、このブログにアップします。読んでいただければ幸いです。
Posted by 翠流 at 2014年01月19日 00:44
こんばんは。
私の地元の役所でも男女平等を盾にした災害対策セミナーのような告知がされていました。
曰く、男性からは女用品を配りにくいとか、女は人目が気になって着替えられないとか、男女平等どころか女の視点や女への気づかいだけにしか感じられない書き方でした。男性だって女から例えば下着を配られれば気まずいし、着替えるとき人目が気になるのは男性も同じです。
ヘドが出るとはまさにこの事だと思うぐらい、身体中からムカムカしました。
そもそも避難所という、家もなくなり家族とも離ればなれかもしれないような極限状態にも関わらず、協力や譲り合いどころか、女にだけやたらと気をつかうというのは全く理解できません。子供や高齢者への気づかいならともかく、性別による配慮の違いを要求する日本人は、本当にお気楽で所詮避難所は他人事なんですね。自分が同じ日本人というのが嫌になります。
Posted by さち at 2014年01月19日 01:30
失礼しました。二重投稿になってますね。seesaaはYAHOOと違ってエラーが多いですね。
1つは削除で結構です。

2011年にも似たようなセミナーが開催されました。
東日本大震災復興シンポジウム in 岩手〜震災復興をめざす男女共同参画社会〜
http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2011/201111/201111_03.html

あまり関連性はないですが、画像の人物が男女共同参画課長。
http://d.hatena.ne.jp/rinri-ichinoseki/20131123/1385189484
該当の人物は復興関連のCMでも堂々と「女性は大事に扱われていない」と発言していました。

参加についてはまだ不明ですが、今回のセミナーについては事前に県側に意見は送付済みです。
過去に男女共同参画サポーター関連の意見についても送付しましたがどうやらスルーされました。
Posted by 市民権 at 2014年01月19日 20:22
市民権様
昨日、岩手県の男女共同参画課に送った要望書を、記事としてアップいたしました。もしも、市民権様が、今回のセミナ−に参加されて、私の要望書を使って、発言をしてくださるような場面があるとすれば、私は、このブログで、私の実名を紹介いたしますが、いかがでしょうか? 発言はたとえば、「群馬県の○○さんから要望書が送られていると思いますが・・・・・」というような場面を想定しているのですが・・・・・。

さち様
コメントありがとうございます。共感し合える人との出会いに感謝です。もしも市民権様のような具体的なお話を聞かせていただければ、何らかの対応をしたいと思いますが、いかがでしょうか? さち様のコメントは、(まだ未定ですが)ブログの記事に使いたいですね。もちろん共感の立場で。
Posted by 翠流 at 2014年01月21日 12:12
具体的な話との事ですが、対策セミナーの貼り紙を偶然見ただけで、詳細は分かりません。
PCを持っていないので市のHPも閲覧できません。
こちらは被災地から離れた場所ですが、おそらくどの県でも内容は変わりないものだと思います。

今までの男性差別への抗議も要望書などの作成まではしておらず(電話のみ)、理不尽な思いを抱えたまま感情が悪循環になっています。
Posted by さち at 2014年01月22日 00:51
翠流さん。
光栄です。他県にお住まいの方からの意見も重要だと思います。居住地に関係なく男性も意見を伝える事が必要だと考えています。今回は残念ながら都合がつかないのでセミナーには参加は出来そうにありません。
しかしまた近々、県の男女共同参画の主催でセミナーがあるみたいですから、そちらでは改めて発言出来る機会があれば発言できればと考えています。
それ以外にも市や県の男女共同参画担当に意見は通知しています。セミナーの日程についてはまた後程、お伝えします。

さちさん。
PCがないとのことですが、市役所等にPCはありませんか?一般市民でも利用出来るPCは市や県の機関
のどこかに必ずあるはずですよ?(図書館など)他の都道府県のHPはインターネットで確認出来ますから
お住まいの地域を伝えれば他の人でもすぐ確認出来ます。

Posted by 市民権 at 2014年01月23日 00:01
市民権さん
私はここの管理人氏とお話ししているのであって、あなたとやり取りしているわけではありません。
こちらの事情や都合も知らない方に、役所へ行けば、図書館なら、と指摘される筋合いはございません。
Posted by さち at 2014年01月23日 13:54
市民権様
返信ありがとうございます。
私は被災地の人間ではありませんから、そちらの実情はわかりませんが、
何かお役に立てるようなことがありましたら、ご連絡ください。
ご活躍をお祈りいたします。
Posted by 翠流 at 2014年01月23日 18:41
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