2013年11月06日

男性の自殺【U】・・・ 自殺者数の年次推移と男女比

          (2020年7月:加筆)・・・ 2013年〜2019年の自殺データを加え、
                     必要事項を加筆した。

私は、記事「男性の自殺【T】」の中で、次のように書いた。

    しかし、自殺の性差を見れば、
    それが男性に多いことは、
    毎年変わることのない明らかな事実であって、
    私はその数値を、この一連の記事の中で顕在化させたいと思う。

今回は、その数値として、1978年以降 42年間の、
自殺者数と自殺死亡率(注1)の年次推移を記す。・・・・・ 下記【表2】

(注1)自殺死亡率(自殺率)・・・・・ 人口10万人あたりの自殺死亡者数を示す。
       男女別の場合は、男女それぞれ10万人あたりの数値を示す。自殺の実態は
       自殺者数より自殺死亡率によって、より正確に示される。

統計資料としては、
警察庁生活安全局のデ−タをもとに、
内閣府自殺対策推進室が作成した自殺統計を使う。(注2)
厚生労働省の自殺統計は、
役所に提出された死亡届と死亡診断書(注3)をもとに作られるとのことで、
警察庁発表のデ−タの方が、自殺の実態に近く、
客観性を持つのではないかと考えた。

    (注2)内閣府の自殺対策推進室は、2016年3月末をもって、業務を厚生労働省
      に移管した。厚労省は、同年4月に自殺対策推進室を開設。
    (注3)家族・親族(6親等以内)・施設長・病院長等が提出

下記の【表2】から明らかなように、
自殺者数・自殺死亡率には、毎年、明白な「性差」が存在する。
自殺対策については、2007年(平成19年)に、内閣府に自殺対策推進室が設置されたが、
以後も、自殺の性差は変わることなく、
男性に多い数値として存在し続けてきた。
つまり、自殺対策推進室であるにしろ、全国各自治体の自殺対策部局であるにしろ、
この性差の問題について、有効な対策を講じることができていない。

なお、下の【表2】から、1978年以降の42年間を、
時系列に沿って、自殺死亡率(自殺率)と自殺者数の特徴から6群に分け、
それぞれの自殺死亡率の男女比の幅を記すと、次の【表1】のようになる。

【表1】      年 次      自殺死亡率の男女比【男/女】
     1978(S 53)〜1982(S 57)   1.66 〜 1.85
     1983(S 58)〜1985(S 60)   2.02 〜 2.18
     1986(S 61)〜1992(H 04)   1.64 〜 1.89
     1993(H 05)〜1997(H 09)   2.03 〜 2.14
     1998(H 10)〜2011(H 23)   2.27 〜 2.76(年間自殺者3万人以上)
     2012(H 24)〜2019(H31・R1)  2.28 〜 2.43

【表2】 自殺者数および自殺死亡率の年次推移と性差(男女比)

       ・・・・・ 男性は女性より早死傾向にある、という理由によって、総人口は
         女性より少ない。従って、自殺死亡の性差(男女比)は、死亡数で
         計算した場合より、死亡率で計算した場合の方が大きくなる。
       ・・・・・ 自殺死亡率は、性差(男女比)のみを示した。男女別の数値は、
         厚労省の「自殺の統計:各年の状況:令和元年:図表の元データ」
         を参照。

    年次別     自殺者数   男    女   性差:男女比【男/女】
                           自殺者数(自殺死亡率)
    1978(S 53)  20,788  12,859  7,929   1.62  (1.66)
     79(S 54)  21,503  13,386  8,117   1.64  (1.69)
    1980(S 55)  21,048  13,155  7,893   1.66  (1.72)
     81(S 56)  20,434  12,942  7,492   1.72  (1.78)
     82(S 57)  21,228  13,654  7,574   1.80  (1.85)
     83(S 58)  25,202  17,116  8,086   2.11  (2.18)
     84(S 59)  24,596  16,508  8,088   2.04  (2.11)
     85(S 60)  23,599  15,624  7,957   1.95  (2.02)
     86(S 61)  25,524  16,497  9,027   1.82  (1.89)
     87(S 62)  24,460  15,802  8,658   1.82  (1.89)
     88(S 63)  23,742  14,934  8,808   1.69  (1.75)
     89(H 01)  22,436  13,818  8,618   1.60  (1.65)
     90(H 02)  21,346  13,102  8,244   1.58  (1.64)
     91(H 03)  21,084  13,242  7,842   1.68  (1.75)
     92(H 04)  22,104  14,296  7,808   1.83  (1.89)
     93(H 05)  21,851  14,468  7,383   1,95  (2.03)
     94(H 06)  21,679  14,560  7,119   2.04  (2.11)
     95(H 07)  22,445  14,874  7,571   1.96  (2.05)
     96(H 08)  23,104  15,393  7,711   1.99  (2.08)
     97(H 09)  24,391  16,416  7,957   2.05  (2.14)
     98(H 10)  32,863  23,013  9,850   2.33  (2.43)
     99(H 11)  33,048  23,512  9,563   2.46  (2.57)
    2000(H 12)  31,957  22,727  9,230   2.46  (2.57)
     01(H 13)  31,042  22,144  8,898   2.48  (2.59)
     02(H 14)  32,143  23,080  9,063   2.54  (2.66)
     03(H 15)  34,427  24,963  9,464   2.63  (2.76)
     04(H 16)  32,325  23,272  9,053   2.57  (2.71)
     05(H 17)  32,552  23,540  9,012   2.61  (2.73)
     06(H 18)  32,115  22,813  9,342   2.44  (2.55)
     07(H 19)  33,093  23,478  9,615   2.44  (2.56)
     08(H 20)  32,249  22,831  9,418   2.42  (2.54)
     09(H 21)  32,845  23,472  9,373   2.50  (2.64)
    2010(H 22)  31,690  22,283  9,407   2.36  (2.49)
     11(H 23)  30,651  20,955  9,696   2.16  (2.27)
     12(H 24)  27,858  19,273  8,585   2.24  (2.37)
 以下のデータは2020年7月に加筆
     13(H 25)  27,283  18,787  8,496   2.21  (2.33)
     14(H 26)  25,427  17,386  8,041   2.16  (2.28)
     15(H 27)  24,025  16,681  7,344   2.27  (2.38)
     16(H 28)  21,897  15,121  6,776   2.23  (2.35)
     17(H 29)  21,321  14,826  6,495   2.28  (2.40)
     18(H 30)  20,840  14,290  6,550   2.18  (2.29)
     19(R 1)  20,169  14,078  6,091   2.31  (2.43)
                  (警察庁生活安全局生活安全企画課)


posted by 翠流 at 22:36| Comment(2) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そういえば東日本大震災の被災地で、食料を女性優先にしていたところがあったらしいですね。
被災現場での力仕事は男性中心で行っていますし、女性よりも男性の方がカロリーをとらなければならないのに。
この場合、弱者は男性のだと思うので、男性優先ならまだわかるのですが、なぜ女性優先なのか。
日本では、ただ弱者とかいう以前に男性よりも女性の命の方が重いという認識なのでしょう。
もはや洗脳の域だと思います。
Posted by xavi at 2013年11月10日 11:06
xavi様
コメントをいただき、ありがとうございました。返信が遅れ、申し訳ありません。
災害対応につきましては、今年の3月下旬に公開された、例の「指針(案)」の意見交換会を出発点として、私は、自分なりに、色々な取り組みをしてきましたが、とにかく、災害対応は、「すべてに渡って」と言いたくなるくらい女性優先の傾向が強く、はっきり言って、私は非常に疲れています。「指針(案)」の「避難所」等の「男性のプライバシ−に対する配慮の欠如」は、このブログの関係者の方々のご協力もあって、改善されましたが、既述の通りの、「解説事例集」等に残された問題点だけではなく、まだまだ内閣府男女局等に対して要望しなければならないことがあるのです。しかし、再びの裏切りを臆して、対応が遅れている自分がいます。でも、私はがんばりますよ。私のような「男性」だって、守られるべき「人権」のある、一人の「人間」ですからね。もちろん、私以外の、すべての「男性」も、そして性的マイノリティ−もね。
Posted by 翠流 at 2013年11月13日 14:09
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。