2013年11月06日

男性の自殺(2)・・・ 自殺者数の年次変化と男女比

周知のことかもしれないが、
私自身の認識を確かにするという意味も含めて、
自殺者数の年次変化と男女比を、この記事の後半に記す。
統計資料としては、
警察庁生活安全局のデ−タをもとに内閣府自殺対策推進室が作成した自殺統計を使うことにした。
厚生労働省の自殺統計は、
役所に提出された死亡届と死亡診断書(注1)をもとに作られるとのことで、
警察庁発表のデ−タの方が、自殺の実態に近く、
客観性を持つのではないかと考えた。
          (注1)家族・親族(6親等以内)・施設長・病院長等が提出

その表から明らかなように、自殺者数(自殺率)には、明白な「性差」が存在する。
しかしこの、明らかに男性に多い自殺の問題について、
内閣府男女共同参画局(以下「男女局」)は、
「性差」という言葉を好む割には、踏み込みが弱い。
第3次男女共同参画基本計画(H22.12.17 閣議決定)であれば、
第10分野:「生涯を通じた女性の健康支援」のように、
「性差」をもとに、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」を高らかに謳い、
女性に対して手厚い配慮を展開することそれ自体は是であっても、
一方で、明らかな性差としての、男性の「いのちの危機」、
例えば、明らかに男性に多い自殺や悪性新生物による死亡(注2)の問題については、
現実と乖離して、配慮が、あまりにも脆弱なのである。
          (注2)国民の死亡原因の第一位は悪性新生物である。

「生涯を通じた女性の健康支援」という名の施策は、
既に、厚生労働省母子保健課が、平成8年から行ってきた。
従って男女局は、それに上乗せをする形で、同名の施策を展開していることとなる。
一方、自殺対策については、平成19年に、内閣府に自殺対策推進室が設置されたが、
以後も、自殺の性差は変わることなく、
明らかに男性に多い数値として存在し続けてきた。
しかし男女局は、第3次男女共同参画基本計画策定、そしてそれ以降も、
自殺問題について、この性差の現実に踏み込んだ施策を展開してこなかった。
第3次計画の予算項目の中には、
分野別予算第3分野に、自殺対策強化月間広報啓発経費の記載はあるが、
項目の形式的掲載を超える具体的な取組みは存在せず、
内閣府男女局には、男性に多い自殺の問題について、
真摯な対峙は存在しない。

要するに、「いのちの支援」であるにしろ、「災害対応」であるにしろ、
男女局の施策は、「初めに女性優先・女性優遇の結論ありき」なのであって、
「男女の人権の尊重」を謳った「男女共同参画社会基本法第三条」との乖離は、
明らかな事実なのである。

男女局の職員の方たちの中には、
「基本法第三条」を踏まえて発言をしてくださった方も確かにいたが、
部局としての施策には、常に、女性優先・女性優遇の流れがあり
男性軽視の女性優遇活動家が、男女局の実権を握っていると、強く感じる。
内閣府男女共同参画局は、
その美名とは乖離した、自己本位の女性優遇運動の拠点である。

今回取り上げた「自殺者数の年次変化と男女比」の、「性差」がもしも逆であったなら、
第3次男女共同参画基本計画の自殺対策はどうなっていただろうか ?
恐らくは、女性に対する溢れるばかりの愛に、ちりばめられていたに違いない。

(注) 下表中の「自殺率」は、人口10万人あたりの自殺者数を示す。
   ( )内の数値は、自殺率の男女比。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 年次別     総数    男    女     男女比【男/女】
                         自殺者数 (自殺率)
1978(S 53)  20,788  12,859  7,929   1.62  (1.66)
 79(S 54)  21,503  13,386  8,117   1.64  (1.69)
1980(S 55)  21,048  13,155  7,893   1.66  (1.72)
 81(S 56)  20,434  12,942  7,492   1.72  (1.78)
 82(S 57)  21,228  13,654  7,574   1.80  (1.85)
 83(S 58)  25,202  17,116  8,086   2.11  (2.18)
 84(S 59)  24,596  16,508  8,088   2.04  (2.11)
 85(S 60)  23,599  15,624  7,957   1.95  (2.02)
 86(S 61)  25,524  16,497  9,027   1.82  (1.89)
 87(S 62)  24,460  15,802  8,658   1.82  (1.89)
 88(S 63)  23,742  14,934  8,808   1.69  (1.75)
 89(H 01)  22,436  13,818  8,618   1.60  (1.65)
 90(H 02)  21,346  13,102  8,244   1.58  (1.64)
 91(H 03)  21,084  13,242  7,842   1.68  (1.75)
 92(H 04)  22,104  14,296  7,808   1.83  (1.89)
 93(H 05)  21,851  14,468  7,383   1,95  (2.03)
 94(H 06)  21,679  14,560  7,119   2.04  (2.11)
 95(H 07)  22,445  14,874  7,571   1.96  (2.05)
 96(H 08)  23,104  15,393  7,711   1.99  (2.08)
 97(H 09)  24,391  16,416  7,957   2.05  (2.14)
 98(H 10)  32,863  23,013  9,850   2.33  (2.43)
 99(H 11)  33,048  23,512  9,563   2.46  (2.57)
2000(H 12)  31,957  22,727  9,230   2.46  (2.57)
 01(H 13)  31,042  22,144  8,898   2.48  (2.59)
 02(H 14)  32,143  23,080  9,063   2.54  (2.66)
 03(H 15)  34,427  24,963  9,464   2.63  (2.76)
 04(H 16)  32,325  23,272  9,053   2.57  (2.71)
 05(H 17)  32,552  23,540  9,012   2.61  (2.73)
 06(H 18)  32,115  22,813  9,342   2.44  (2.55)
 07(H 19)  33,093  23,478  9,615   2.44  (2.56)
 08(H 20)  32,249  22,831  9,418   2.42  (2.54)
 09(H 21)  32,845  23,472  9,373   2.50  (2.64)
2010(H 22)  31,690  22,283  9,407   2.36  (2.49)
 11(H 23)  30,651  20,955  9,696   2.16  (2.27)
 12(H 24)  27,858  19,273  8,585   2.24  (2.37)
                 (警察庁生活安全局生活安全企画課)


posted by 翠流 at 22:36| Comment(2) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そういえば東日本大震災の被災地で、食料を女性優先にしていたところがあったらしいですね。
被災現場での力仕事は男性中心で行っていますし、女性よりも男性の方がカロリーをとらなければならないのに。
この場合、弱者は男性のだと思うので、男性優先ならまだわかるのですが、なぜ女性優先なのか。
日本では、ただ弱者とかいう以前に男性よりも女性の命の方が重いという認識なのでしょう。
もはや洗脳の域だと思います。
Posted by xavi at 2013年11月10日 11:06
xavi様
コメントをいただき、ありがとうございました。返信が遅れ、申し訳ありません。
災害対応につきましては、今年の3月下旬に公開された、例の「指針(案)」の意見交換会を出発点として、私は、自分なりに、色々な取り組みをしてきましたが、とにかく、災害対応は、「すべてに渡って」と言いたくなるくらい女性優先の傾向が強く、はっきり言って、私は非常に疲れています。「指針(案)」の「避難所」等の「男性のプライバシ−に対する配慮の欠如」は、このブログの関係者の方々のご協力もあって、改善されましたが、既述の通りの、「解説事例集」等に残された問題点だけではなく、まだまだ内閣府男女局等に対して要望しなければならないことがあるのです。しかし、再びの裏切りを臆して、対応が遅れている自分がいます。でも、私はがんばりますよ。私のような「男性」だって、守られるべき「人権」のある、一人の「人間」ですからね。もちろん、私以外の、すべての「男性」も、そして性的マイノリティ−もね。
Posted by 翠流 at 2013年11月13日 14:09
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