2013年10月04日

内閣府男女共同参画局 (調査課) へ ・・・・・ (その2)

すでに掲載した3つの記事、
「男女別統計の不当な扱い」(その1)(その2)(その3)をまとめて、
内閣府男女共同参画局(調査課)に、2通目の要望書を送ることにした。
以下に、それを掲載する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                 平成25年10月4日
                                  (4枚中の1)
内閣府男女共同参画局 調査課 様       
                                  ( 翠 流 )
                 要 望 書   

              男女別統計の扱いについて         

          男性に対する人権軽視・人権無視の回避、および、
       マイノリティ−に対する人権軽視・人権無視の回避のために。

                   記

 男女共同参画白書(平成24年・全体版)本編・第1部・特集「男女共同参画の視点からの
防災・復興」に掲載された統計資料を素材として、男女別統計の扱いについて、下記3点の
発言をさせていただきます。上に記しました趣旨、「男性に対する人権軽視・人権無視の回
避、および、マイノリティ−に対する人権軽視・人権無視の回避」のために、男女別統計の
扱いにつきまして、よろしくご配慮のほど、お願い申し上げます。               

1.「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」(平成25年3月28日公開)
 に活用されなかった男女別統計。                        

  「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」の、例えば「避難所の開設」
 等に欠落していた「男性のプライバシ−に対する配慮」は、意見募集の過程を経て修正さ
 れ、付け加えられましたが、男女共同参画白書平成24年全体版・本編・第1部・特集・第
 2節には、既に下記のような統計結果があり、避難所等でのプライバシ−に関わる要望は、
 男女間で顕著な差はなく、男性の場合も、プライバシ−に配慮を求める気持ちは強いこと
 が示唆されています。プライバシ−に対する配慮は、人間の尊厳に関わる重要事項であっ
 て、仮に統計結果がなかったとしても、すべての人に対してなされるべき必須事項である
 と考えますが、内閣府男女共同参画局は、下記のような統計結果があったにも関わらず、
 それを「防災・復興の取組指針(案)」に反映させなかったことになると思います。今後
 はそのようなことがないよう、ご配慮いただきたくお願い申し上げます。        

  統計資料:「第1−特−17図」                         
  ・・・・・「避難所での生活について困っていること」からの引用数値(男女別・複数回答)
       「プライバシ−が確保されていない」・・・・・ 男性 30.7 %・・・女性 39.0% 
  統計資料「第1−特−18図」
  ・・・・・「備蓄や支援物資に対する要望」からの引用数値(男女別・複数回答)
       「プライバシ−間仕切り」・・・・・・・・・・・・・・・ 男性 27 件・・・・・女性 29 件 

                                 (2枚目に続く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                  (4枚中の2)
                                  ( 翠 流 )

2.「男女共同参画白書(平成24年・全体版)本編・第1部・特集」に掲載された、統計
 結果の説明文に見られる、男性に対する人権軽視・人権無視について。     

  統計結果の説明文が、統計結果から離れて一人歩きし、読む人に不適切な認識を与える
 ことは、多々あると思います。この視点から、「白書」に掲載された統計結果「第1−特
 −17図」 及び「第1−特−19図」の説明文の特徴と、災害対応時に危惧される問題点に
 ついて、統計結果の数値を引用しながら、発言させていただきます。          

 (1) 「第1−特−17図」について。                     

   【白書の説明文】                              

    ・・・・・ 前出の内閣府・消防庁・気象庁「津波避難等に関する調査」(平成23年)に
      よると、災害直後からの避難所での生活について困っていることとしては、女
      性は、「シャワ−や入浴があまり出来ない」(49.5%)、「プライバシ−が確
      保されていない」(39.0%)、「トイレの数が少ない」(27.8%)の割合が、
      男性に比べて高くなっており、女性の方が避難所での生活について不便と感じ
      ている人が多くなっている。                         

   【上の説明文の特徴と、災害対応時に危惧される問題点】            

    ・・・・・「第1−特−17図」からの引用数値を下に示す。この数値からわかるように、
      男性でも、シャワ−・プライバシ−・トイレについて「困っている」人は、決
      して少なくはない。しかし、その実態が文章で表現されておらず、女性にとっ
      ての不便さばかりが強調されている。従って、この文章が、統計結果から離れ
      て一人歩きすれば、災害対応時に、シャワ−・プライバシ−・トイレ等に関わ
      る配慮は、すべて女性を優先して行われ、男性は、不当な我慢のもとに、強い
      ストレスを強いられる可能性がある。

   【第1−特−17図からの引用数値】
           ・・・・・ 避難所で困っていること(男女別・複数回答)(%)
                           (男性) (女性)
      「シャワ−や入浴があまり出来ない」・・・・・・・・・ 42.6   49.5
      「プライバシ−が確保されていない」・・・・・・・・・ 30.7  39.0
      「トイレの数が少ない」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20.3  27.8

                                  (3枚目に続く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                   (4枚中の3)
                                   ( 翠 流 )
 (2) 「第1−特−19図」について。

   【白書の説明文】

    ・・・・・ 前出の内閣府・消防庁・気象庁「津波避難等に関する調査」(平成23年)に
      よると、仮設住宅での生活について困っていることとしては、「空調設備が整っ
      てなく、部屋の中が暑い」は、女性47.9%、男性40.0%と女性の割合が高くな
      っている。一方、「特にない」は、女性8.2%、男性13.9%と、男性の割合が
      高くなっている。

   【上の説明文の特徴と、災害対応時に危惧される問題点】            

    ・・・・・ 「第1−特−19図」からの引用数値を下に示す。この数値からわかるように、
      全体の傾向としては、男女共9割前後の人が、仮設住宅で、何らかの「困って
      いること」を抱えている。女性だけではなく、男性も大部分の人が「困ってい
      る」のである。従って、本来ならば、その実態をまず文章でおさえ、続いて、
      「困っている人の多い項目」を具体的に表現するのが、説明文としては妥当な
      のではないかと考える。しかし、作成者の説明文はその視点が弱く、文章から
      与えられるのは、「困っているのは女性であり、男性はあまり困っていない」
      という印象である。それが統計数値から離れて一人歩きすれば、災害対応時に、
      男性に対する不当な人権軽視、人権無視の現れることが、十分に危惧される。
      私の印象から言えば、そうでなくても、災害対応や災害報道は、女性に対する配
      慮に傾く傾向があり、男性は不当なストレスを強いられることが多いのである。

       また、作成者は、文章の最後で、『一方、「特にない」は、女性8.2%、男性
      13.9%と、男性の割合が高くなっている。』と書いているが、このような小さ
      い数値を取り上げて、あえて『男性の割合が高くなっている』と表現するのは、
      作成者に、「はじめに結論(女性優先)ありき」の体質があるからではないか。
      もしもこの部分を文章化するのならば、『一方、「特にない」は、男女とも1割
      前後であり、大部分の人が、仮設住宅での生活に、何らかの不満を抱えている』
      のように表現するのが、妥当なのではないかと思う。

   【第1−特−19図からの引用数値】
        ・・・・ 仮設住宅での生活について困っていること(男女別・複数回答)(%)
                                 (男性) (女性)
      @ 「部屋が狭い」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50.3  55.3
      A 「空調設備が整ってなく、部屋の中が暑い」・・・・・・・・・・・ 40.0  47.9
      B 「部屋の中に虫が出る」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36.1  40.9
      C 「隣の部屋の物音が響く」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33.3  34.7
      D 「避難所生活に比べて、生活費がかかる」・・・・・・・・・・・・・ 20.9  25.7
      E 「病院など生活に欠かせない施設までの距離が遠い」・・・ 18.8  20.9
      F〜J・・・・・男女共、それぞれ11%未満・・・・・(略)       
      K 「その他」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17.6  22.6
      L 特にない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  8.2  13.9

                                  (4枚目に続く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                                   (4枚中の4)
                                   ( 翠 流 )

3.マイノリティ−に対する人権軽視・人権無視を回避するために。

  性的マイノリティ−の人たちだけではなく、「数の少ない人たち」すべてを、ここでは
 マイノリティ−と呼ぶ。「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の最後に、
 「男女別統計の整備」という項目があるが、統計結果をもとにして施策を考える場合、男
 女の違いばかりに注目すると、男女それぞれの平均的な特徴とは異なる人たちに対して、
 人権の軽視、人権の無視が現れ、マイノリティ−が非常につらい思いをする場合がある。
 そのようなことがないよう、内閣府男女共同参画局においては、充分な配慮のもとに、施
 策を考えていただきたいと強く思う。                         
  性的マイノリティ−の人たちに対しては、内閣府男女局は、その人権に配慮する視点を
 持っていると、私は認識している。例えば「防災・復興の取組指針」の中で、男女局は、
 性的マイノリティーの立場にも立って、ユニバーサルトイレ設置の必要性を述べているし、
 被災地で、一ヶ月もの間入浴ができなかった性的マイノリティーの存在を取り上げて、警
 鐘の発言もしていたと記憶する。
  しかし一方で、男性に対しては、配慮の不足する部分が非常に目立ち、実際にはマイノ
 リティ−ではなく、むしろマジョリティ−であるかもしれない「プライバシ−の確保を求
 める男性」に対する配慮は、くり返し述べてきたように、「防災復興の取組指針(案)」の、
 例えば「避難所の開設」等の項目については、皆無だったのである。それは、全く、私に
 してみれば、生涯、抗議し続けたくなるような驚愕の事実であった。この問題点は、5月
 31日に公開された「指針」では修正された。しかし「指針」に付属する「解説・事例集」
 の「避難所チェックシ−ト」については、既に、内閣府男女共同参画局総務課意見集約担
 当宛に発送した意見書(7月1日)で指摘させていただいたように、言葉をはなはだ不完
 全に修正しただけで、問題点を残したまま、全国に発送されてしまったのである。   
  内閣府男女共同参画局は、憲法第14条・13条、そして、男女共同参画社会基本法 第3
 条の直下にあり、既に、日本全国に根を張りつつある男女共同参画部局の頂点に位置して
 いる。その多大な影響力と責任のもとに、「すべての人が、等しく尊重されるべき人権を
 持つ」という視点に強く立ち、施策を考えてほしいと思う。       

  以上、よろしくお願い申し上げます。
          
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。