2013年09月26日

ショックだった、「女性だけへの物資配布」

(2020年7月:加筆)

 「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の「解説・事例集」には、既に述べた2種類の「チェックシート」以外にも、男性を捨象した女性限定配慮の記事が複数あり、私は大変ショックを受けた。今回はその中の一つ、解説・事例集p.38の「取組事例13」「女性のニ−ズに寄り添った物資の支援(宮城県登米市)」を取り上げる。

 東日本大震災の当時、登米市には、被災対応として、男女共同参画条例策定委員会有志で結成された「宮城登米えがおねっと」という団体があった。彼女たちは、避難所で暮らす女性(だけ)に対して、配慮の行き届いた「ニ−ズ調査」を行い、全国から物資を募り、「回答者一人一人のニ−ズに合った、基礎化粧品・メイクアップ用品・サイズに合った下着や生理用品、ハンドクリ−ム、裁縫箱など」を、「合計2回にわたって配布した」のである。この団体は、もともと「男女共同参画」関係者でありながら、「女性(だけ)を支援することを目的として結成された」もので、出発点から基本法三条:男女の人権の尊重(注1)と乖離しした集団だったのである。このような、男性排除でありながら男女共同参画と言う名の「偽りの仮面」を被った実践が、全国の至る所で、あたかも当然であるかの如く行なわれてきたし、今も行われている。その自己中心性が、もしも過去の女性差別への報復であるならば、それと同じ思いが、報復の連鎖の予感と共に、私の心の中に怨恨として蓄積するようになっている。
               (注1)記事「裏切りの男女共同参画」の(注1)を参照

 ところで、この「登米えがをねっと」の、男性を切り捨てた実践の不当性を訴えると、例えば「女性には生理があるから」というような反論が聞こえてきそうなのであるが、しかし、踏み込んではっきり書けば、男性に生理はなくても、排泄系の疾患を抱え、毎日下着が汚れる男性は決して少なくはなく、しかも男性には、そのような疾患に対応する下着類は全く販売されていないのである。女性は生理用品で対応できても、男性には対応用品が全くない。このような、男性に対する配慮の社会的不存在については、いずれまた別の機会に書きたい思いがあるが、仮にそのような疾患を持たない男性であっても、男性であるが故に下着の替えが支給されないのは、余りにもひどいジェンダーハラスメントではないのか。巷には、男性の人格に対する誹謗として「男はクサイ」などという表現があるが、しかもこの侮蔑に下着の女性限定配布が加われば、まさにそれは、ダブルスタンダードとしての男性差別、人権侵犯ではないのか。因みに私は、起床時も就寝前も、必ずシャワーを浴びて下着を替える。そのような男性にしてみれば、宮城登米えがをねっとの実践は、まさに、吐き気を覚える男性差別なのである。

 ハンドクリームの女性限定配布も理解の範疇を超える。あの東北の被災地で、男性は、被災者の性別を問わず、全ての人の暮らしを助けるために、ガレキの処理のような肉体労働を背負ったであろう。彼らの手荒れがどうであったかは想像に難くない。しかし、にもかかわらず、この「みやぎ登米えがおねっと」は、女性だけにハンドクリームを配ったのである。全く、そのような差別の処遇があってよいのだろうか? さらに加えて彼女たちは、全国から支援物資を募り、「回答者(女性)一人一人のニ−ズに合った、基礎化粧品・メイクアップ用品・・・・・」を配っている。しかしそれでは、彼女たちは、男性のニーズを調べたのか。彼女たちは、男性の日常を歪曲して評価しているのではないか。ニーズの事例として私事を書けば、私はもう長い間、全国でも有名な某エステサロンの、ジェンダーレスのエッセンスとローションとクリームを毎日使っているし、アイブローで眉を描いている。洗髪の時は、シャンプーだけではなくトリートメントを使うし、シャンプーは頭皮ケアのものを含めて2種類使っている。私は、男性専用化粧品は使わないが、市販の男性化粧品の多様さを見れば、そこにニーズのあることは明白であろう。勿論、毎朝、殆んどの男性が使うであろう用品を含めてである。

 もう一つ、裁縫箱の女性限定配布も非常に気になる。裁縫箱のない単身男性や父子家庭はどうするのか。綻びた衣類、破れた衣類、取れたボタンを、直せないではないか。一般的に言えば、男性は女性より生活のスキルが低く、裁縫も下手な人が多いだろう、ならば一層、手厚い配慮の裁縫箱が、男性には必要なのではないか?

 ところで、この、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の「解説・事例集」の「取組み事例13」について、もしも内閣府男女局が、その記事の末尾、或いは欄外に、「男女共同参画の視点から、男性に対しても同様の配慮が必要である。」というような一文を書けば、私は、「登米えがおねっと」は批判しつつも、「取組み事例13」の掲載については受容しただろう、しかし、指針案の修正期間があったにもかかわらず。そのような配慮は全く為されなかったのである。


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