2013年08月21日

男性の自殺 【T】・・・ はじめに

私には、自殺を企図した友人がいた。
しかしあれから月日は流れ、
遠ざかる日々は、彼の心を柔和にした。

しかし過去が 完全に消えるわけではなく、
時として、真上からあたる光の下で、
忌わしい陰影が、彼の眼窩に現れて、
暗い世界への、入り口へ誘う。

自殺を考えたことがあるかと人に聞けば、
誰もがあると、答えるのかもしれない。
しかし考えることと死ぬことの間には、
遙か遠い距離があると、
あの頃を振り返り、彼は言う。
もしも人が、その道を歩けば、
やがて初めて、断崖から身を投じる人の姿が見える。

自殺の道は、その人を断崖に招き、
その人は、深い淵に身を投げる。
それは、男性でも女性でも同じことだ。
だから私が、女性の自殺を取り上げなかったとしても、
自殺した女性の苦しみを、軽視しているわけではない。

しかし、自殺の性差を見れば、
それが男性に多いことは、
毎年変わることのない明らかな事実であって、
私はその数値を、この一連の記事の中で顕在化させたいと思う。

自殺の性差が、もしも逆であったなら、
日本中が、女性を救えと大騒ぎになっているような気がする。
女性団体も、社会の上層部の男たちも、男女共同参画も、
その現実を放置しないだろう。
救いを求める女性たち、それを受け入れられる女性たち、
しかし救いを求めることができずに、
男性であることを背負い、
孤独のうちに死んでいく男たちがいる。

男性の自殺が全く取り上げられないわけではない。
しかし、特に近年、例えば男女共同参画運動のように、
日本の社会に拡大する女性への手厚い配慮に比するなら、
男性に多い自殺の問題は、
それが死の問題であるにも関わらず、
余りにも取り上げられ方が弱い。

男性であることを背負いながら、
孤独のうちに、死んでいく男たち、
私たちは、彼らの苦しみに、
もっと目を向けなければならない。


posted by 翠流 at 19:36| Comment(4) | 自殺関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
今回、自殺ということがテーマですが。
これは、いじめにも言えることだと思います。
この国では、女の罪は軽く、男の罪は重い。
いじめ問題でも、男性の加害者、女性の被害者、
ばかりが、報道されていて
女性の加害者、男性の被害者は報道されていないと思います。
どうなんでしょうね。
Posted by アサート at 2013年09月20日 22:36
アサ−ト様。おっしゃるようなことは本で読んだことがありますが、私は実態を具体的につかんでいません。類似の現象につきましては、痴漢冤罪の問題について、本来なら「疑わしきは罰せず」が原則のはずなのに、「疑わしきは罰する」という、非常にひどい、それ自体が犯罪であると思われる処遇がなされたことがあるのは事実のようで、ネットで、ある女性弁護士さんも、そういう発言をしておりました。これは、無実の人間の人生を破壊する可能性を孕んだ、非常に危険な現実であって、実際に、関連する裁判が、今も進行中ではないかと思いますが、現状を把握できていなくて申し訳ありません。「疑わしきは罰する」という姿勢は、国民の批判にさらされ、糾弾され、是正されなければならないと考えますが、そういう正論が通らない現実がある。非常に恐ろしいと思います。自分が冤罪被害にあったら、発狂や自殺だけではすまないでしょう。なお、おたずねの件につきましては、具体的な事例をご教示いただきたく思います。
Posted by 翠流 at 2013年09月22日 05:11
本日、このブログを初めて読ませて頂きました。

私は30代前半の男ですが、気が小さく体力的にも弱いため、男性差別に苦しめられてきました。
男女平等といいながら「なぜ男にばかり強さを求めるのだろう」「なぜ男は我慢しないといけないのだろう」
「なぜ男は妻子を養わなければならないのだろう」と事あるごとに理不尽を感じてきました。

しかし、そんな事を誰かに言っても、「男らしくしろ」というように言われるだけまともに取り合ってくれないので、
普段はなるべく考えないようにしています。

自殺者、精神病者、平均寿命等の男女差を考えると、男性差別は私だけの問題ではないと思います。

なかなか私はこのブログのように発言する勇気も気力もありませんが、男性差別に苦しむ人にとって、
このブログのように男性差別を訴えることはとても素晴らしいと思います。今後の更新を楽しみに応援しています。
Posted by ひろきち at 2015年09月10日 20:55
ひろきち様

コメントありがとうございました。
女性優遇ばかりが拡大する日本。
私は、
男性差別とたたかう人たちが増えてほしいと、
毎日思いながら暮らしています。
Posted by 翠流 at 2015年09月11日 09:51
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