2013年07月09日

全国の男女共同参画へ・・・・・意見書・要望書の送付

(2020年7月:加筆)

◆ 既に、記事「裏切りの男女共同参画」に記したように、今年3月に公開された「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針(案)」は、その女性限定配慮、或いは男性への配慮の脆弱、不存在等が修正され、5月に「指針」として公開された。例えば「3 避難所 (1) 避難所の開設」の一部を、指針(案)と指針で比較すると、次のように修正されている。

  指針(案)・・・避難所の開設当初から、男女別トイレ、女性専用の物干し場、更衣室、
      授乳室、女性専用スペ−スを設けること。
  指針・・・・・・・避難所の開設当初から、授乳室や男女別のトイレ、物干し場、更衣室、
      休養スペ−スを設けること。

◆ ところが、この部分に対応する解説事例集の「避難所チェックシ−ト」の修正は、下記引用文【注1】のように為され、指針(案)から指針への修正内容は反映されなかった。【注1】の修正前後のチェック項目を併せ読むと、語句は「男性」を「異性」に変えてあるが、大項目は、【女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設】のままで、修正されていない。従って、チェック項目の「異性」は「男性」と理解され、発災時の避難所開設にあたっては、物干し場や更衣室や休養スペ−スは、全て女性専用のみ設置されるだろうと、私は、率直に言って強い不安を抱いたのである。
 因みに、私は、21年前から、ある地方都市の住宅街に住んでいるが、この21年間、私は、洗濯をして、ズボンの下に着けていた1枚の下着を、人に見える場所に干したことは唯の一度もなく、全て部屋干しなのである。そういう感受性の男性を、「男性である」という理由によって、避難所での配慮から疎外してよいのか。避難所では日常の再現は不可能であっても、物干し場は、せめて男女別に分け、女性専用だけではなく、男性専用も作ってほしいのである。

 【注1】 解説事例集「避難所チェックシ−ト」
   修正前・・・【女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設】
     □ 男性の目線が気にならない更衣室、授乳室、女性専用スペ−ス等
     □ 外から見えない女性下着等の洗濯物干し場
   修正後・・・【女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設】
     □ 異性の目線が気にならない物干し場、更衣室、休養スペ−ス等
     □ 授乳室

◆ この【注1】の修正について、ある人は、「被災時に現実的な意味を持つのは、指針ではなくチェックシ−トであって、その修正をこの程度にとどめたのは、男女局の担当者の作意ではないか」と言った。そして、記事「裏切りの男女共同参画」の最終節に書いたように、まさに、この彼の言葉を裏付けるかのように、3年後の熊本地震に際して、熊本市男女共同センターは、指針本文ではなくチェックシートの通りの女性限定配慮を展開したのであった。

◆ とりあえず私は、この「避難所チェックシート」の、男性への配慮不存在について、下記【注2】のような内容の文書を、内閣府男女共同参画局に対しては「意見書」として、全国各都道府県と政令指定都市の男女共同参画部局と防災担当部局に対しては「要望書」として、郵送した

◆ なお、この要望書には、解説事例集の「備蓄チェックシート」に関する要望も記されている。内容はお読みいただければわかるが、チェックシートの最終項目として、女性には下着の備蓄が記されているが、男性には記載がないのである。ひどい話である。女性には生理があると言うかもしれないが、男性でも排泄に関わる疾患があれば、常時、下着の汚れの不安に晒される。しかも、はっきり申し上げれば、女性には優れた生理用の下着があるが、男性には、そのような下着は皆無なのである。社会には、男性に対してはそのような配慮は不要であるかのような、ハラスメントの如き価値基準が存在する。ひどい話である。なお、男性にも綺麗好きな人はたくさんいる。因みに私は、朝起きればシャワーを浴びて下着を換え、就寝前にも、少なくともシャワーは浴びて下着を換える。避難所で、女性だけに新しい下着が配られ、男性には配られなければ、それは、男性に対する人権侵犯だろう。 関連して、3年後の熊本地震の時、私は、避難所での下着の配布について、熊本県内の、ある男女共同参画担当の女性と電話で話しをしたことがある。その時、彼女は私に言った。「そういえば翠流さんが仰るように、私たちのところに送られてきた下着は、全て女性用ばかりでしたね・・・・・」。全く呆れた話である。「男女共同参画」が、その美名と乖離した「女性限定支援センター」になっている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【注2】 全国発送文書 ・・・ 以下の文書は政令指定都市に発送したものを示す。

                                平成25年7月1日 
全国各政令指定都市
男女共同参画担当部局 様
防災危機管理担当部局 様                            
(        )                      ( 翠 流 ) 
                 要 望 書 (1)

     内閣府男女共同参画局により作成された、次の資料の扱いについて。

    1.男女共同参画の視点からの、防災・復興の取組指針(概要)
    2.男女共同参画の視点からの、防災・復興の取組指針
    3.男女共同参画の視点からの、防災・復興の取組指針(解説・事例集)
                      
 5月31日に公開された上記の資料につきましては、既に、内閣府男女共同参画局から
政令指定都市に向けて、その文書が発送されていることと存じますが、指針が「案」で
あった段階で行われた意見交換会(3月28日)と、その後の意見募集に、一国民として参
加させていただいた者として、上記の資料の扱いにつきまして、要望書を送付させてい
ただきます。
 私は主に、指針(案)に欠落していた、男性の人権・プライバシ−に対する配慮につ
いて発言をさせていただきましたが、幸いなことに、それが付け加えられる形で、指針
(概要)と指針が完成され、大変感謝しております。しかし、残念ながら、「解説・事例
集」には、「指針」の精神が反映されていない部分があり、各自治体の担当者が、「解説
・事例集」を用いて被災対応を考えた場合、避難所で、男性に対する、人権・プライバ
シ−の軽視あるいは無視の起こる可能性が高いと思われ、この要望書を送らせていいた
だくことにいたしました。今回は「解説・事例集 p.81避難所チェックシ−ト」及び「p.
79 備蓄チェックシ−ト」を取り上げさせていただきました。チェックシートの内容と、
それに対する意見は、以下の通りです。よろしくお願い申し上げます。

                   記

【避難所チェックシ−ト:解説・事例集 p.81】

   女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設
     □ 異性の目線が気にならない物干し場、更衣室、休養スペ−ス等
     □ 授乳室
     □ 間仕切り用パ−ティションの活用
     □ 乳幼児のいる家庭用エリア
     □ 単身女性や女性のみの世帯用エリア
     □ 安全で行きやすい場所の男女別トイレ(鍵を設置)・入浴設備の設置
      (仮説トイレは、女性用を多めにすることが望ましい)
     □ ユニバ−サルデザインのトイレ
     □ 女性トイレ・女性専用スペ−スへの女性用品の常備

◆ 問題点
      題が「女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設」となっているため、
     最初のチェック項目の「異性」が「男性」を指すこととなる。従って、
     内容が、女性だけに対する配慮となり、男性に対する配慮が欠落する。
  ◆ 意見
      題の「女性や子育て家庭に配慮した避難所の開設」を次のように変える。
      ・・・・・・・「男女の人権と子育て家庭に配慮した避難所の開設」

【備蓄チェックシ−ト:解説・事例集 p.79】
  ◆ 要望
      女性に対しては下着の備蓄が促されているが、男性に対しては記載がない。
     男性も清潔な下着がほしい。「男性についても下着を備蓄する」と付け加える。

  なお、上記以外の部分につきましても、追って、要望を追加させていただくことが
 あるかもしれません。申し添えます。



この記事へのコメント
「意見書」の提出、ご苦労様です。こういう地道な活動がなければ、差別はなくなりません。「どうせ、やってもやらなくても同じ」などと言う人がいますが、やらないで改善されることはありませんから(=「宝くじを買わなければ当たらない」のと同じ)、「やってもやらなくても同じ」は間違いですね。
Posted by ドクター差別 at 2013年07月09日 17:02
ドクタ−差別様。コメントありがとうございます。感謝です。差別ネットワ−クに支えられている自分を意識します。今日(正しくは昨日)、あるコンビニエンスストアの社員と、電話で、トイレの男性差別について長々と話をして、やや疲れておりましたので、ブログを開いてコメントに気づき、大変心が安らいだのでした。もう少したちましたら、昨年9月の中央防災会議決定の防災基本計画について、全国の防災危機管理部局に、要望書を送る予定です。発送の前に、私は部局に電話をします。しかし、なぜ、一国民の私がそんなことをしなければならないのか、全く、納得できないのです。国の担当者は、男性の人権を軽視しすぎる。その、担当者の「位置」を、私は理解できないのです。
Posted by 翠流 at 2013年07月10日 01:47
>なぜ、一国民の私がそんなことをしなければならないのか、全く、納得できない

これは、私も同じ思いです。「女性専用車両」にしろ、鉄道会社が、「任意です」、「男性も乗れます」と言えば、女性が暴挙に出て警察に突き出されることはありませんし、電車が遅延することもありません。ところが、鉄道会社が、それをしないがために、私らが、わざわざ、時間と労力とお金をかけて、「任意周知」を行っているのです。他の男性が「乗りたい車両に(自由に)乗れる」という当たり前のことが当たり前に行われるように、「任意周知」をしているのです。

要は、「割の合わないこと」をしているわけです。だからこそ、「選ばれし者」という自覚と誇りと使命感が不可欠なのです。「普通の人」には、こんなことはできません。他人のため、社会のために何かする、というのは、大変なことです。
Posted by ドクター差別 at 2013年07月10日 02:54
意見書の提出、素晴らしいことですね!見て見ぬふりをするのが一番楽なことだと思いますが、それでは
ただ逃げているだけだと僕は思って、京成電鉄に活動を仕掛けています。この活動はボランティアの究極の形態だと思っているので、できる人とできない人がいて当然だと思います。価値観は時代によって変わるものですから、今は男性差別を意識している人が少数かもしれないですが、近い将来に必ずおおきな流れがくると思っています。そのために今は、淡々と活動することも楽しんでみてはいかがでしょうか?他の人が気づくよりも気づくことができるのは、才能だとも思いますし、それこそが選ばれしものとも言われるゆえんだと思いますよ。また活動報告ぜひお願いしますね!!
Posted by 任意確認電話 at 2013年07月11日 21:48
ドクタ−差別様。任意確認電話様。
コメントいただき感謝です。「割の合わないこと」に、「今は、淡々と活動することを楽しみながら」、取り組めるようになりたいですね。理解できない理不尽さ、「男性差別」と、「楽観的に」たたかえるようになりたいと思います。今日は、今までの記事のいくつかをまとめて、地方の、ある小さな団体の、小さな機関誌に、投稿する準備をしたいと思います。暑すぎる夏、早すぎる夏に、ご自愛のほどを・・・・・。
Posted by 翠流 at 2013年07月12日 10:10
兵庫県への電話お疲れ様でした。最初は相手も頑固に反論してくると思いますが、繰り返し電話をすれば、仕事中の時間を奪われて冷静さも欠いてきますし、何より正しい主張をしているのはこちらなんで、「絶対に最後は伝わると思います」電話代もかかるでしょうから、FAXでやりとりをして、相手の主張を研究して潰していくのもいいと思いますよ。行政はFAXは無視できないので
Posted by 任意確認電話 at 2013年07月20日 10:10
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