2018年06月04日

看過できないポスター : 痴漢冤罪関連

痴漢撲滅キャンペーンに関わって、
愛知県警鉄道警察隊が、看過できないポスターを作成し、
批判の対象となっている。
記事は次の通り。
全文は後記する。

  「あの人、逮捕されたらしいよ。」痴漢撲滅の警察ポスターを弁護士が批判。なぜ?
     https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180603-00010006-huffpost-int
                       6/3(日) 17:54配信 ハフポスト日本版

「推定無罪の原則」を無視し、
あたかも「推定有罪」を是認するかのような表現に、
愛知県警の、男性の人権を無視したスタンスがよく現れている。

このポスターを批判しているのは、亀石さんという弁護士。
亀石さんが女性であることが、今の私には救いであった。
今の日本にも、このような女性弁護士がいてくださったのかと・・・。

亀石倫子弁護士は、
愛知県警鉄道警察隊が始めたこのポスターを、
次のように論評している。

   愛知県警のポスターでは、まだ裁判すら受けていない「逮捕」されただけの段階で、
  あたかもやったに違いないという、有罪前提のやりとりが書かれ、「性犯罪者じゃん」
  とすら言われています。こんなポスターが、県警の痴漢撲滅キャンペーンで使われて
  いれば、多くの人が「逮捕=有罪」だと誤解するし、偏見が強まることを危惧してい
  ます。県警は、当然「無罪推定の原則」を知っているでしょうが、あえて無視してい
  るのだろうかと、逆に勘ぐりたくなります。日本広告審査機構(JARO)に苦情を申し
  出ようかと思っているくらいです。

もっとも私は、彼女の発言を、すべて受け入れているわけではない。
疑義を抱くのは、記事最後の8行の部分。(「逮捕」に対する誤解とは別に・・・ 以降)
彼女は、女性たちの性的挑発傾向の強い服装の、男性に対する性的刺激を、
男性は我慢し、是認し、受け入れるべきと考えているのだろうか?

痴漢の加害対象は、むしろ派手な服装の女性ではなく、
地味で大人しそうな女性に向かう、という記事を、
私は読んだことがある。
しかしそれが事実であっても、
性的刺激の強い服装の女性に翻弄された痴漢の加害対象が、
抵抗されにくいと思われる「地味で大人しそうな女性」に向かうことは、
行動のパターンとして、あり得るのではないかと思う。

女性から与えられる性的刺激に男性が翻弄されるのは、
自然が与えた消去不能の反応様式であって、
社会生活の中で、挑発の役割を演ずる女性の服装を是とし、
翻弄される男性の感受性を非とする価値観がもしも是であるならば、それは、
男性の性的感受性に配慮しない、自己本位の、女性の傲慢さであると思う。

女性たちは、男性の性欲を知識として知っているが、
実感としてそれを理解することができない。
女性は、男性の性欲の闇を知らないのである。
年齢が高くなった私は、最近感じることがある。
男性の性欲の衰退は、これほどに楽なものかと・・・。

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【記事全文】・・・ 記事名・URLは上記の通り。

愛知県警鉄道警察隊が6月1日から始めた2018年度の「痴漢撲滅 キャンペーン」のポスターに載ったキャッチコピー「あの人、逮捕されたらしいよ。」が物議を醸している。

愛知県警はホームページで、「夏を前に軽装が増えるこの時期、列車での痴漢や盗撮などの悪質な犯罪を防ぐ」と狙いを説明しているが、「誤解を招き、偏見を助長する」という批判も出ている。どんな内容なのだろうか。

ポスターで目を引くのが、「あの人、逮捕されたらしいよ」という見出し。横にLINEのような形式で、女性2人のトークが続く。

◆「性犯罪者じゃん」◆

A「聞いた? あの人、痴漢で捕まったらしいよ。」
B「えwwwwwwwww」
A「本当本当!さっきネットニュースで見た!!そんな人に見えなかったわ」
B「気持ち悪 軽蔑だわ 性犯罪者じゃん」
A「仕事もクビになるよねー 家族も悲しむだろうなあ」
B「そりゃそうだわ 私は一生関わりたくない」
A「この先どうなっちゃうんだろう...」
B「そういえば......私先月あの人と電車で偶然会ったよ」
A「そうなんだ?! 変なことされなかった?」
B「あの時は何もなかったけど」
「なんかもう、あの人のこと思い出したくもない」
A「女性の私たちも被害に遭わないよう気をつけなきゃね」

このポスターの内容について、亀石倫子弁護士が Twitterでこう指摘した。

「これはひどい。推定無罪(裁判で有罪が確定するまでは無罪と推定される)が原則なのに、誤解を与え偏見を助長する。」

亀石弁護士に、ポスターの問題点を詳しく解説してもらった。

◆ 逮捕の段階で、すでに裁判で有罪が確定したかのような表現が使われている。◆

亀石弁護士:このポスターの一番の問題点は、逮捕の段階で、すでに裁判で有罪が確定したかのような反応をする表現が、あちこちで使われていることです。

説明すると、刑事裁判で有罪が確定するまでは、たとえ逮捕されても「罪を犯していない人」として扱わなければならないのです。これは「無罪推定の原則」と呼ばれ、世界の刑事裁判の大原則です。

「無罪推定の原則」があるので、被告人は証拠によって有罪であると認定され、その判断が確定するまでは「罪を犯していない」と見なされます。

有罪が確定すれば、自由や財産、場合によっては生命をも奪う刑を受けなければなりません。刑罰というのは、それだけ個人の人権を制限することなので、「無罪推定」をくつがえすだけの十分な証拠がそろったと、裁判官が判断することが不可欠なのです。

さらに、最初の裁判(一審)で「有罪」でも、被告人には、控訴、上告と計3回の裁判を受けることが保障されています。十分な証拠がなく、有罪であるとの確信が持てない場合は、「無罪推定の原則」に基づいた「疑わしきは被告人の利益に」の原則が適用され、無罪としなければなりません。そのくらい、「有罪」は厳しい審査を経ているのです。

ですが、愛知県警のポスターでは、まだ裁判すら受けていない「逮捕」されただけの段階で、あたかもやったに違いないという、有罪前提のやりとりが書かれ、「性犯罪者じゃん」とすら言われています。

こんなポスターが、県警の痴漢撲滅キャンペーンで使われていれば、多くの人が「逮捕=有罪」だと誤解するし、偏見が強まることを危惧しています。県警は、当然「無罪推定の原則」を知っているでしょうが、あえて無視しているのだろうかと、逆に勘ぐりたくなります。日本広告審査機構(JARO)に苦情を申し出ようかと思っているくらいです。

「逮捕」に対する誤解とは別に、このポスターでもう一つ、危惧している表現があります。それは、トークの最後にある、「女性の私たちも被害に遭わないよう気をつけなきゃね」という部分です。

痴漢に遭わないように気をつけなきゃ、と言いますが、何をどう気をつければいいのでしょうか。

性犯罪でしばしば「気をつけていなかった被害者にも落ち度がある」などという批判が被害者に向けられますが、それは「二次加害」に当たります。二次加害につながるような視点も、人権侵害を助長しかねないと思っています。

                 錦光山雅子/ハフポスト日本版ニュースエディター


posted by 翠流 at 01:18| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする