2016年11月02日

「小池百合子」 という人

 都政絡みで白日のもとに曝されている関係者の名前が、すべて男であるという、はなはだ
滑稽な事実を前にして、私は、自嘲のような諦念を意識しながら、小池百合子という人の施策
を、感嘆と敬意をもって見てきたが、同時に、彼女の中に、まだ顕在化していない自己中心的
なフェミニズムの存在があるのではないかと、懸念する思いもあった。政治意識の希薄な私は、
小池という人の過去を知らず、彼女の人となりなどわかるはずはないのであるが、その、私の
懸念を裏付けるような記述が、小池百合子政経塾、「希望の塾」の募集要項にあった。    

    受講料  一般男性           5万円
         女性応援特別価格       4万円
         学生応援特別価格(25歳以下) 3万円

 どのような狙いでこの受講料を設定したのかは知らないが、非正規・低所得に喘ぐ幾多の
男性の存在が明らかな時代に、このような設定をした小池百合子という人の 倫理観を疑う。
彼女には、男性が抱えている困難な現実を顧みることなく女性優遇を推進しようとする、自己
中心的な体質があるのではないかと思う。もしかすると彼女は、フェミニズム拡大を視野に、
この、受講料の女性優遇を受け入れる「一般男性」を集めようとしたのかもしれない。女性優
遇に引き付けられる女たちと共に。                      

 順風のままに、やがて、様々の女性優遇政策が顔を出すようになれば、小池塾に取り込ま
れた男たちは、それを是認せよという男性差別の性別観を、自らの中に、そして男性同士の
関係の中に強化させつつ、小池政策実現の推進者になっていくのではないだろうか。   

 ある男性は、彼のブログの中で、「フェミニズムは国家権力を手に入れた」と書いていた。
私はこの言葉に、内閣府男女共同参画局の施策と、それを政治の表舞台に登場させた 安倍
晋三の施策を思う。やがてこの流れに、小池都政の、これまた自己本位のフェミニズム運動
が合流して、日本の未来を決定づけていくとしたら・・・・・? それとも、こういう推測は、私の、
的外れの杞憂だろうか?                           

 ところで、小池百合子政経塾は追加募集を決定しているが、HPの「お問い合わせフォーム」
の質問欄は、発言の場として使用してもよいとのことであった。私は、下記のような文章を
小池塾に送信した。文章の末尾には、次の【資料】を添えた。             

【資料】「生活苦」・「失業」・「就職失敗」 を原因とする男女別自殺者数(2015年)    
        ・・・・・平成27年中における自殺の状況(内閣府自殺対策推進室)より引用  

 (年齢階級)  〜19 〜29 〜39 〜49 〜59 〜69 〜79  80〜 不詳
  生活苦  男性  3  66  131  202  258  223  103  14   1
       女性  0   5  13  39  32  37  29  12   0
  失業   男性  1  21  52  103  109  37   6   1   0
       女性  0   6   9   8   6   1   1   0   0
  就職失敗 男性  2  81  37  39  41   6   0   0   0
       女性  2   7  11   3   1   0   0   0   0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【送信文】

◆ 初めに小池都政に賞賛を送り、続いて、批判と要望を記します。

 今までの都政の過ちを白日の下に曝し、断罪し、是正する小池都政を、私は、感嘆と敬意
をもって見てきました。しかし、「希望の塾」の受講料の設定には、強い失望を感じています。
非正規・低所得に喘ぐ男性が非常に多い今の日本にあって、「一般男性5万円」「女性応援特
別価格4万円」という料金設定は、男性の置かれた状況を顧みない、ひどい男性差別ではな
いでしょうか? 小池さんも、結局は、男性の困難には目を向けない女性優遇の政治家であ
ったのかと、裏切られた思いを強くしています。料金そのものの問題だけではありません。こ
のような設定が、順風の中で支持を拡大する小池さんのメッセージとして社会に拡散し、女性
優遇・男性差別を是認する風潮を、増幅・拡大させると思います。女性差別があってはならな
いのと同様に、男性差別もあってはならないはずです。このような料金設定は直ちに撤回して
下さい。                                   
 今の日本の社会状況の中で、男性が抱える経済的困難を示す一つの指標として、今年の3
月に 内閣府自殺対策推進室が発表した自殺データの中から、「生活苦」・「失業」・「就職失
敗」を原因とする自殺者数(性別・年齢別)を、【資料】としてこの文章の末尾に掲載します。
このような現実も直視し、誰もが幸せになれる社会を目指して、真に「希望の塾」の名にふさわ
しい政治活動を展開してください。男性の非婚も増加しています。経済的基盤の脆弱化が男性
を追い詰めているのです。                          
 今の日本は、「かつて女性は差別されてきた」という言葉の、粗雑な、乱雑な使用を伴いな
がら、女性差別解消の域を逸脱して、男性差別拡大の方向に進んでいます。内閣府男女共同
参画局を発信基地とする様々な施策には、「男女の人権の尊重(男女共同参画社会基本法第3
条)」と乖離した施策、「初めに女性優遇・女性優先の結論ありき」の施策が多数存在します。
巷には、消費の世界の女性優遇戦略が溢れていますし、鉄道会社が設置してきた「痴漢対策
としての女性専用車両」は、「痴漢冤罪対策としての男性専用車両の不存在」によって、日本
の社会に、女性優遇是認、つまりは男性差別是認の風潮を、拡大・増幅させました。それは、
「憲法第14条」そして「男女共同参画社会基本法第3条」からの乖離です。このような社
会状況を是認するのではなくて、すべての人の人権が尊重され、誰もが幸福になれるような
社会の実現を目指してください。多くの男性は、今も、「男性は我慢するべきだ。女性優遇を
受け入れるべきだ」というような性別観、性別役割意識の中で生きています。それは、男性
を幸福追求から疎外します。そういう「生きづらさ」を抱える男性の現実にも目を向け、女
性だけではなく、男性の人権にも配慮した施策を展開してください。            
 以上、強く要望します。                            

(上記の【資料】を添付)