2016年02月22日

ある事件 (1)

重い結末の事件で、立ち入ったコメントはできないが、
DVに関わって、保存しておいたニュースを掲載する。
題は次の通り。

 【衝撃事件の核心】 「ええ身分やのう」の一言で夫がキレた
                    ・・・・・ 殴打暴行死事件の背後に“言葉の暴力”

昨年の6月3日配信のニュースで、やや時間は経過しているが、
今後も、今日的なメッセージを発し続ける記事のように思う。
文中に登場する長女は、証言台に立って、
「父だけが悪いようには思えません…」と涙を流した。
昨今の日本の風潮を考えると、
この「殴打暴行死事件」の背後にあった「長年に渡る妻からの言葉の暴力」のようなDVが、
今後、増え続けるように思う。

関連して、このニュースを掲載する前に、
ブログに記してきたDV関連の記事の中から一部を引用する。(下記@AB)
合わせて再読いただければ幸いである。

@「配偶者等からの暴力(DV)に関するアンケート調査及び被害実態調査:平成21年7月」
 ・・・・・(横浜市・市民活力推進局男女共同参画課・こども青少年局こども家庭課)・・・より
                       男性     女性          
       DV経験が何度もあった    11.0%   16.9%         
       DV経験が1,2度あった    30.8%   25.7%         
          (計)         41.8%   42.6%         

A 毎日新聞 本年2月7日(日) 21時13分 配信記事
 ・・・・・ <デートDV> 暴言や暴力・・・被害者は男子生徒、女子の倍以上。
    大阪府の高校生グループが府内の約1000人の中高生に「デートDV」に関する
   調査をしたところ、男子生徒の3割以上が「(彼女から)暴言や暴力を受けて傷ついた」
   経験があることが分かった。女子生徒が「(彼から)暴力を受けた」割合は12%で、
   男子の半分以下。交際相手に「暴言が嫌と言えない」割合も、男子(30%)が女子
   (22%)を上回った。

B 第4次男女共同参画基本計画:昨年12月25日閣議決定
 ・・・・・ DV対策を含む第7分野の題は「女性に対するあらゆる暴力の根絶」となっており、
   男性に対する暴力の根絶は、題として表現されていない。また、内容も、著しく女性
   側への支援に偏っており、これは、男女共同参画社会基本法第三条「男女の人権の尊
   重」、及び、上記@A、そして今回取り上げた事件のような現実と乖離している。

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記事 【衝撃事件の核心】 「ええ身分やのう」の一言で夫がキレた
                   ・・・・・ 殴打暴行死事件の背後に“言葉の暴力”

  URLを次に記すが、いずれネットから削除されることを考え、全文を下にコピーする。
  http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/150603/evt15060320000002-n1.html

【全文】

 「父だけが悪いようには思えません…」。証言台で涙を流した長女の姿に、被告人席の父親も苦しげに目頭を押さえた。妻=当時(54)=の頭を素手で殴って死亡させたとして、傷害致死罪に問われた男(57)の裁判員裁判が5月、大阪地裁で開かれた。「お前、ええ身分やのう」。妻にそうなじられた瞬間に頭に血が上り、拳を振り上げた。最初にして最後の暴力が、30年以上連れ添った妻を死に至らしめた。親族や友人が「温厚」「優しい人」と口をそろえる男に何があったのか。法廷では男が長年、妻からの「言葉の暴力」に堪え忍んでいた内情が明かされた。

■車内で頭殴りつけ

 事件は、男の長女が運転する車の中で起こった。判決や被告人質問によると、1月3日夜、男は友人の家族と、妻が切り盛りする居酒屋で新年会を楽しんだ。お酒もそこそこ入ったところで、近くのお好み焼き店で2次会をすることになり、男と妻は長女の運転する車に乗車。2次会会場へと出発した。しかし車が走り出してすぐ、助手席の妻が不機嫌そうにつぶやいた。
      「2次会は行かへん。お金もないし」
 せっかくの仲間との新年会。妻が機嫌を損ねれば、楽しい雰囲気に水を差してしまう。男は「正月くらいええやんか」と妻をなだめて誘ったが、次に返ってきた一言が我慢の限界を超えた。
      「2次会に行けて、お前、ええ身分やのう」
 男は激しい怒りがこみ上げた。「誰に言うてんねん!」。妻の座る助手席の背中部分を後部座席から殴った。「ただ黙ってほしかった。座席を殴れば怖がって黙ると思った」と、この時点ではまだ冷静さが残っていた。だが妻は気にする様子もなく、ぶつぶつと何か独り言を言い続けている。
 「まだ言うてんのんか」と頭に血が上り、拳で妻の右耳の後ろを殴りつけた。30年以上一緒に暮らしてきた妻に初めて振るった暴力だった。驚いた長女が母親をかばおうとしたが、両手で頭を押さえながらもなおつぶやき続ける妻を目がけ、拳を4〜5回突き出した。

■8日後、妻の体は冷たく

 結局、2次会には男だけが出席し、妻と長女はそのまま帰宅した。翌日から妻は「頭が痛い」「ふらふらする」と体調不良を訴えるようになり、6日から再開する予定だった居酒屋も一向に始めようとしない。気になった男は「大丈夫か、病院行くか」と毎日尋ねたというが、妻が受診することはなかった。
 そして、新年会から8日後の朝、妻に異変が起こった。男が起床して居間に行くと、妻が正座の状態で体を前に折り曲げ、頭を床につけるという不自然な格好でいびきをかいていた。
 「変な格好で寝てんな」と思いつつ、男は朝食を買いにコンビニへ。帰宅して妻と2人分のパンと卵を焼いたところで、まだ同じ格好でいる妻が気になった。「そんな格好してしんどないんか」と体を揺すったときには、すでに妻は冷たくなっていた。
 すぐに119番して病院に搬送されたが、妻は殴られたことによる亜急性硬膜下血腫で死亡した。

■「お前」は日常茶飯事

 男と妻はかつて一緒に買い物や旅行に行く仲のいい夫婦だった。弁護側の冒頭陳述などによると、男は約30年前、店長を務めていた焼き鳥店に客として来た妻と出会い、結婚。翌年には夫婦で居酒屋を始めた。2人の子供にも恵まれ、幸せな生活を送っていた。
 だが、数年前から店の赤字が続き、子供の学費を払うことが困難になった。男は夢として始めた「料理の道」を諦め、平成23年からは店を妻に任せてトラック運転手に転身した。未明の午前3時か4時に自宅を出て、夜に帰宅するハードな生活。給料はすべて妻に渡し、妻から渡される毎日千円の小遣いで昼食を食べたり、たばこを買ったりしていた。
 夫婦で力を合わせて困難を乗り切ろうとしたが、約2年前、妻の親友が亡くなったことをきっかけに、妻は変わった。精神的に不安定になり、下戸だったはずが、焼酎をロックで飲むようになった。そのころから、男に対して「お金がない」などと頻繁に文句をいうようになった。
 妻は普段から口調がきつく、「お前」と呼ばれることも日常茶飯事で、そのことも少なからず男のプライドを傷つけた。「口を開けば文句ばっかり。ボケやカスやむちゃくちゃ言われることもあった」(男)というが、普段は文句を聞き流していた。1〜2時間続くようであれば、自分からその場を離れ、けんかを回避していたという。
 自分なりの対処法も心得ていたはずの男が、なぜ事件当日に限って妻を殴ったのか。それも致命傷になるほどの強さで。
 男は公判で当時の心情について、「『お前』という言葉、2次会に行かないこと、お金のこと…いろいろ言われて、なんでこんなに一生懸命働いてんのにそんな言い方されなあかんねん!と今まで我慢していたものが全部切れてしまった」と述べた。その上で「車の中での出来事で、いつものように逃げ場がなかった。傷つけるつもりはなかった」とうなだれた。
 妻に対する男の我慢は、周囲の目にも明らかだったようだ。証人出廷した長女は「父だけが悪いようには思えない。重い処罰は望みません」と涙を流し、妻の弟も「義兄は温厚で優しい人。これは事件ではなく事故。刑を軽くしてほしい」と訴えた。

■モラハラ妻に悩む夫たち

 配偶者に暴力を振るう「ドメスティックバイオレンス(DV)」や、相手を侮辱するなどして心理的に追い詰める「モラルハラスメント」。被害者は必ずしも女性だけではない。
 内閣府の調査によると、25年度に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談は9万9961件。大半は女性からだが、男性からも1577件と全体の1.5%を占めた。問題を抱える夫婦をサポートするNPO法人「結婚生活カウンセリング協会」(横浜市)の結婚生活コンサルタント、大塚ガクさん(43)は「実は男性の被害者は多い。力の弱い女性と違い、男性は被害者と捉えられにくいので表に出ないだけだ」と指摘する。
 男性の被害者で特に多いのがモラハラだ。大塚さんは「女性の方が男性よりも感情的にものを言う傾向にあり、言葉がきつい」とし、女性から「給料が低い」「頼んだものを忘れた」などと事実をとらえて攻撃されるパターンが多いという。「被害男性は自分が悪いと思い込んで我慢してしまう」傾向にあるため、状況を変えるには「自分が被害者だと気付き、周囲に相談したり、ときには離婚を考えたりすることが大切だ」と強調する。
 妻からの攻撃に耐えるしかなかった男は、我慢の糸が切れた瞬間、被害者から加害者になった。大阪地裁は「被告の心情は同情できる一方、暴行に及ぶのは短絡的だ」として、懲役3年(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡した。
 法廷で妻への思いを問われた男の言葉には、深い後悔がにじんでいた。「若いときに知り合って好き同士一緒になって、いいパートナーやった。すまない気持ちでいっぱいです」


posted by 翠流 at 00:39| Comment(0) | DV・異性間暴力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月10日

デートDV ・・・・・ ついに ここまで

私の懸念していたことが現実となって顕在化したような記事を、
2月7日の夜、インターネットで読んだ。
それは、「毎日新聞 2月7日(日)21時13分配信」の、中高生「デートDV」のニュース。
「暴言や暴力」の被害は「男子生徒に多く」「女子の倍以上」という記事であった。
記事はやがてネットから消えるから、私はその本文を後記するが、URLは次の通り。

  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160207-00000059-mai-soci

 既に「近況報告8(題名は後日変更予定)」に記したように、私は、横浜市のDV被害
調査結果を根拠として、「第4次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方
(素案)」の、「第2部・U・7:女性に対するあらゆる暴力の根絶」について、次のよ
うな要望を送付した。

@ 上記(記事「近況報告8」参照)のような認識をふまえ、「素案・第2部・U・7」
 の題名を「女性に対するあらゆる暴力、及び、男性に対するあらゆる暴力の根絶」の
 ように変更すること。
A 上記(同上)のような現実をふまえ、男性の被害に対する配慮を、女性に対する配
 慮と同等に付け加えること。

 しかし、昨年12月に発表された「第4次男女共同参画基本計画(下記URL)」には、
「第2部・U・第7分野」の題名の修正はなく、その内容もまた、著しく女性側への支
援に偏ったものであった。

  http://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/4th/index.html

 この件を含め、第4次計画については、記事を書かなければという思いはあるが、結局、
内閣府男女共同参画局の常態としての、「男女共同参画」とは名ばかりの施策、つまりは、
男女共同参画社会基本法第3条「男女の人権の尊重」とは明らかに乖離した、あまりに
も自己本位のフェミニズム運動の如き施策の、批判されるべき汚点が、この「中高生・
デートDV」のニュースにも、明らかな現実として現れている。

 日本の社会を席巻する「女性優遇是認・女性の自己本位是認」の風潮、それは、「女性
差別の解消」を逸脱し、「男性に対する人権軽視・無視」の放置、或いは是認のままに、
「女たちの自己中心性」「女たちの特権意識」を膨張させている。この「中高生・デート
DV」のような現実は、今後、ますます拡大していくように思う。増幅する男性受難の時
代。憲法第14条・男女共同参画社会基本法第3条など、あって無きが如しなのである。

 ところで、記事中(下記)に、兵庫県立大の竹内和雄准教授という人の、「見えを張っ
て嫌といえない男子生徒の悩みがあるのかもしれない」という発言があるが、そういう心
理は昔からあっただろう。問題は、数値(%)として現れた現実をどう見るかであって、
その意味では、この記事の視座は、脆弱だと思う。

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【記事本文】

<デートDV>暴言や暴力…被害者は男子生徒、女子の倍以上
                      毎日新聞 2月7日(日)21時13分配信
デートDVを受けた経験

 ◇大阪府の中高生1000人調査

  大阪府の高校生グループが府内の約1000人の中高生に「デートDV」に関する調
 査をしたところ、男子生徒の3割以上が「(彼女から)暴言や暴力を受けて傷ついた」
 経験があることが分かった。女子生徒が「(彼から)暴力を受けた」割合は12%で、
 男子の半分以下。交際相手に「暴言が嫌と言えない」割合も、男子(30%)が 女子
(22%)を上回った。
  調査は昨年9〜11月に書面で実施。府内の105人の中学生(男子55人、女子
 50人)、886人の高校生(男子300人、女子586人)が回答した。
  男女ともに傷つけられた経験は暴言が最多。男子は暴力(31%)、無料通信アプリ
 「LINE(ライン)」のチェック(17%)、女子は性行為の強要(16%)、ライン
 のチェック(16%)が続いた。
  一方、暴力を嫌だと言えない男子は24%、女子は17%。「下着姿や裸の画像を求
 められると断れない」という高校生は男子が23%、女子が17%だった。
  男子の場合、女子に「『死ね』『デブ』と暴言を吐かれるが、好きなので別れられない」
 や「たたかれて嫌だが男として我慢せざるを得ない」との答えがあった。女子は「ライ
 ンにある男友達の連絡先をすべて削除するように強要されて困る」などと悩んでいた。
  生徒指導に詳しく、調査のアドバイスをした兵庫県立大の竹内和雄准教授は「見えを
 張って嫌といえない男子生徒の悩みがあるのかもしれない。教員にデートDVの被害を
 相談する生徒は少なく、実態がつかみにくい。学校で何らかの対策も必要になるだろう」
 と話している。【水戸健一、国本愛】

 ◇「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」

 交際中の相手から、身体的もしくは精神的、性的な暴力を振るわれること。2013
年のDV防止法改正で、保護命令の対象が配偶者や内縁関係から、同居中か同居していた
恋人まで広げられたが、親と暮らす中高生らへの法的救済はまだ整っていない。性交渉の
低年齢化、出会い系サイトなど安易な出会いで今後も増加する可能性がある。

                                   (以上)

posted by 翠流 at 22:30| Comment(0) | DV・異性間暴力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする