2015年09月28日

近況報告 (7) 第4次計画・意見書関連 No.2

「第四次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」に送付した4種類の意見
書のうち、今回は「第2部 政策編ーU 安心・安全な暮らしの実現ー6 生涯を通じた女性の健康支
援」に対する意見書を掲載する。「素案」の該当部分は、下記URLの、p.42〜47に記されている。
  http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_sakutei/yojikeikaku/ikenboshu.html

 なお、意見書の自殺関連部分、【A】の(b)、【B】のB、【資料U】の【表1】〜【表4】には、 
本年3月31日に掲載した記事、「自殺対策要望書」の内容を使用した。             

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

意見書                                         

  ◆ 日本国憲法第14条(法の下の平等)、及び、男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の
   尊重)に立脚して、「素案・第2部・U・6・生涯を通じた女性の健康支援」の問題点【A】
   を指摘し、続いて、要望【B】を記させていただきます。

【A】問題点                                       

 (a) 健康問題(「いのち」の問題)に関わる「男女の性差」については、男性の「短命(健康寿
   命を含む)」、そして、その原因としての「疾病に対する弱さ」「女性より明らかに多い自殺」
   「不慮の事故による死亡」等の、男性が抱える問題点が存在し、その「性差」を示す数値は、
   この意見書の末尾に示した【資料T】から、次のように要約されます。(自殺については、後
   半で、【資料U】を用いて、更に詳述します)                     

   ◆ 平成25年 厚生労働省人口動態統計(確定数)、「性別にみた死因順位(第10位まで)別
    死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合」を用いて集約した「死因別の性差」。    

     ★ 疾患による死亡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男性が 69,558 人 多い    
               特に、国民の死亡原因の第1位(約3割)である「悪性新生物」
              による死亡は、男性が 69,078 人 多い。          
     ★ 自殺による死亡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男性が 10,253 人 多い    
     ★ 不慮の事故による死亡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男性が  6,512 人 多い    
        (計) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男性が 86,323 人 多い    

     ★ 老衰(自然死)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 女性が 36,078 人 多い    

    これらの数値は、男性の「いのち」に対する支援の不足を示す客観的事実です。しかし、
   このような事実が存在するにも関わらず、素案・第2部・U・6の題名は「生涯を通じた女
   性の健康支援」となっており、「生涯を通じた男女の健康支援」になっていません。これは、
   「いのち」に関わる現実と乖離した「男性に対する人権軽視」であり、自己中心的な、女性
   優先・女性優遇の思想の反映です。題名は、理念の根幹を示す表現として、非常に重要です。
   素案の題名「生涯を通じた女性の健康支援」は、憲法第14条、そして男女共同参画社会基本
   法第3条と乖離した表現であり、しかもそれが「いのち」の問題であるだけに、非常に重大
   な男性差別であると考えます。                           
    <施策の基本的方向と具体的な取組>には、「生涯にわたる男女の健康の包括的な支援」と
   いう表現はあります。しかし、順序が逆なのです。まず、第2部・U・6の題名として「生
   涯を通じた男女の健康支援」という表現を与え、次に、<施策の基本的方向と具体的な取組
   >として、「男女別の健康支援」を書くべきなのです。人は皆、等しい重さの「いのち」を持
   っています。女性の「いのち」のほうが男性の「いのち」より重いわけではない。男性の「い
   のち」にも、女性の「いのち」と等しい重さがあるのです。それなのに、なぜ、男性の「い
   のち」を軽視した素案を作るのでしょうか ?                    
    素案 p.43「ア:推進体制の構築」の @〜Fを見れば、AからEまでの6項目には、女性に
   対する手厚い支援が記されています。しかし残りの2項目のうちの@は、男女を合わせた概
   括的な支援の方向であって、男性に対する支援はF1項目しかなく、しかも「推進体制の構
   築」としての踏み込み方は、女性に対するそれに比して、余りにも浅すぎるのです。どうし
   てそのように、男性の「いのち」の問題を軽視するのですか。強い憤りを覚えます。   
    「国民の健康支援」の施策を担う主役は厚生労働省であると思います。そして、その厚労省
   の幾多の施策の中から、既に母子保健課が平成8年から行ってきた施策、「生涯を通じた女性
   の健康支援」を、この「男女共同参画」という名の基本計画の素案に上乗せする形で、「第2
   部・U・6」の題名として与え、その内容は、恐らくは「初めに結論ありき」と思われる「女
   性優先・女性優遇」の視点に彩られています。要するに、男性が置かれている困難を見つめ
   る視座が、あまりにも脆弱すぎるのです。それでは、「男女の人権の尊重」に立脚するはずの
   内閣府「男女共同参画」局が、その「美名」と乖離した、自己本位のフェミニズム運動の拠
   点になってしまうではありませんか。憲法第14条の直下にあるはずの内閣府男女共同参画局
   が、それで良いのでしょうか ?                           

 (b) 自殺の状況と「性差」の再認識
    前述のように、全ての人は等しく尊重されるべき「いのち」を持ち、社会は、苦しみの中
   で自殺に向かう人に、救いの手を差し伸べなければならないと思います。勿論、この視点が
   日本の社会にないわけではなく、1998年に年間自殺数が3万人を越えて以降、国政レベルで
   は、「自殺対策基本法の制定、内閣府への自殺対策推進室の設置、そして自殺総合対策大綱の
   策定などが行われてきました。全国各地の取組みは、自治体により差があると聞きますが、
   私の居住県であれば、●●市の、自殺予防フォ−ラムに「結実した」と表現したくなるよう
   な取組みがありましたし、県としては、自殺対策アクションプランの策定に向けた取組みが
   ありました。そういう、全国に広がった自殺対策の成果であるのか、或いは、若干の好転と
   も言われる経済状況の変化の帰結であるのか等、主因は、自殺対策の担当者に聞いても定か
   にはなりませんが、2012年から、年間自殺者数は3万人を割りました。しかし、このような
   変化の中にあっても、変わらない事実があります。それは、自殺者が、明らかに男性に多い
   という、「明白な性差」なのです。                          
    ご存じのように、内閣府自殺対策推進室は、警察庁が集計した自殺データを整理し、「自殺
   の状況」としてホームページに掲載していますが、今回、この意見書を作成するにあたり、
   それを、特に性差に着目して、次のように整理し直し、【資料U】の【表1】〜【表4】とし
   て、末尾に掲載させていただきました。   

     【表1】年間自殺者数の推移と男女比(1978〜2014年:37年間)
     【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2014年:7年間)
     【表3】原因・動機(小分類:52項目)別自殺者数と男女比(2014年)      
     【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2014年:7年間)

    【資料U】の【表1】に示されたような自殺者数の性差は、既に周知のことと思われます
   が、1978年から2014年までの37年間、毎年例外なく、男性の自殺が女性を上回っていま
   す。それ以前も、恐らく同様ではないかと推測します。警察庁は、自殺の原因・動機を大き
   く7項目(表2)に分類し、更にそれを52の小項目(表3)に分類していますが、大分類で
   は、【表2】の通り、7項目全てで男性の自殺が女性を上回り、特に「経済・生活問題」では、
   男性の自殺が女性の8〜10倍、また「勤務問題」では7〜9倍に達しています。小分類では、
   【表3】のように、52項目中51項目で男性の自殺が女性を上回り、女性が男性を上回るのは
   1項目となっています。また、就職活動失敗による若者の自殺の増加が報道されています。
   その状況を、この7年間について性別と共に示せば、【表4】のように、自殺者の8割から9
   割を男性が占めているのです。                           
    このように、日本の社会には、長期に渡って、自殺者数の明らかな性差が存在します。男
   性には、より多くの「生きにくさ」があるのです。ですから私たちは、この事実を見つめ直
   し、男性に対する、更なる「支援の方法」を探し求める必要があると思います。そして、前回
   の「第三次男女共同参画基本計画」の、「第1部:基本的な方針」に記されていたように、「男
   女共同参画社会の実現は、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を作ることであり、
   政府一体となって取り組むべき最重要課題である」はずでしょう。ならば、内閣府男女共同
   参画局は、「第四次男女共同参画基本計画・第2部・U・6」に、この課題を、具体的に取り
   上げる責任があるのではないでしょうか。                       

【B】要望・・・・・上記【A】の認識をふまえ、次のC点を要望します。    

  @ 「素案・第2部・U・6」の題名、「生涯を通じた女性の健康支援」を、「生涯を通じた男女
   の健康支援」に修正し、<施策の基本的方向と具体的な取組>に、「男女別の健康支援を記載
   すること。                                    
  A 【A】問題点(a)に記したような、「男性が抱える困難」を直視し、【資料T】に記された
   ような事実に、具体的に踏み込んだ「第四次男女共同参画基本計画」を作成すること。  
  B 特に、自殺の問題については、【A】問題点(b)に記したような「自殺の性差」について、
   【資料U】のような現実に踏み込み、男性に対する、更なる「支援の方法」を検討し、記載す
   ること。その際、長い間社会に存在し続けてきた「男性に対する性別観、性別役割意識」が、
   男性を追い詰める要素を孕みながら、今も、私たちの日常に深く根を張っている事実に注目
   すること。例えば、「男性は強くなければならない。困難に耐えなければなない。孤独に耐え
   なければならない。弱音を吐いてはならない。」「男性は家庭を支える経済力を持たなければ
   ならない。家庭を守らなければならない。」「男性は女性を守らなければならない。女性のた
   めに自分を犠牲にしなければならない。男性だからという理由で人権を軽んじられても、差
   別されても、不満を言ってはならない。それが男らしさの規範なのだ・・・」というような、男
   性に対する呪縛が、男性を追いつめる現実を注視すること。              
  C 全編に渡って、日本国憲法第14条(法の下の平等)、男女共同参画社会基本法第3条「男
   女の人権の尊重」に立脚し、その理念と乖離しない「第四次男女共同参画基本計画」を作成
   すること。                                    

【資料T】 年間死亡者数:平成25年(2013年)

  ・厚生労働省人口動態統計(確定数)「性別にみた死因順位(第10位まで)別、死亡数・死亡
  率(人口10万対)・構成割合」 を使用。                        
  ・総数の死因順位が11位以下であっても、男女別の順位が10位以内に含まれる死因については、
  平成25年「年次別にみた死因簡単分類・性別死亡数及び率(人口10万対)」 から必要な数値を
  補足した。                                     
  ・表中の死亡者数に続く( )内の数値は死亡率(少数第一位四捨五入)を示す。     
  ・【 】内は死亡総数に占める割合(%)(少数第一位四捨五入)。 1%未満は【ー】で示す。 
  ・表中の@AB・・・・・の数値は、死亡順位を示す。順位が11位以下の場合は(ー)で示してある。
  ・「心疾患」は、「心疾患(高血圧を除く)」である。                   
  ・「自殺による死亡」は、厚労省のデータが「家庭からの申告」によるものであり、また、在日
  外国人を除いてあるため、警察庁発表のデータ【資料U】より数値が小さくなっている。  
  ・紙面の関係で、男女の合計は省略し、「性差」を中心に記す。              

          男          女          性差            
● 全死因   658,684(1077)  609,752( 945)  48,932(男性に多い)      

● 性別にみた死因別死亡数(死因10位まで)と「性差」                   

 ★ 疾患による死亡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・下表のように、男性が 69,558 人 多い       

  ◆ 死亡者が男性に多い疾患 (性差が大きい順に配列)                 
                 男             女         性差  
    悪性新生物    216,975(355)【33】@  147,897(229)【24】@   69,078 
    肺炎       66,362(109)【10】B   56,607( 88)【 9】C   9,755 
    慢性閉塞性肺疾患 13,057( 21)【 2】G   3,386( 5)【 1】ー    9,671 
    肝疾患      10,360( 17)【 2】I   5,570( 9)【 1】ー    4,790 
    大動脈瘤及び解離  8,400( 14)【 1】ー   7,705( 12)【 1】H     695
   (小計)    315,154(515)【48】   221,165(343)【36】    93,989 

  ◆ 死亡者が女性に多い疾患 (性差が大きい順に配列)                 
                男             女          性差  
    心疾患     91,445(150)【14】A  105,278(163)【17】A  13,833 
    脳血管疾患   56,718( 93)【 9】C   61,629( 96)【10】B   4,911 
    血管性等の認知症 2,700( 4)【ー】ー    7,292( 11)【 1】I   4,592 
    腎不全      12,003( 20)【 2】H   13,098( 20)【 2】F   1,095 
    (小計)    162,866(266)【25】   187,297(290)【31】   24,431 

  ◆ 合計      478,020(782)【73】   408,462(633)【67】   69,558 
                                     (男性に多い)

 ★ 自殺による死亡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次のように、男性が 10,253 人 多い
         男             女            性差       
    18,158( 30)【 3】E   7,905( 12)【 1】G  10,253(男性に多い) 

 ★ 不慮の事故による死亡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次のように、男性が  6,512 人 多い
         男             女            性差       
    23,043( 38)【 4】D  16,531( 26)【 3】E   6,512 (男性に多い) 

★ 老衰(自然死)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次のように、女性が 36,078 人 多い
         男            女            性差       
    16,821( 28)【 3】F  52,899( 82)【 9】D  36,078 (女性に多い) 


【資料U】 自殺関連資料 ・・・・・警察庁、及び、内閣府自殺対策推進室の自殺データを使用。   

  ・下記4種類の表は、全て、記事「自殺対策要望書」(本年3月31日掲載)の表に同じ。  

  【表1】年間自殺者数の推移と男女比(1978〜2014年:37年間)           
  【表2】原因・動機(大分類:7項目)別自殺者数と男女比(2008〜2014年:7年間)   
  【表3】原因・動機(小分類:52小項目)別自殺者数と男女比(2014年)        
  【表4】就職失敗による若者(20代)の自殺と男性の割合(2008〜2014年:7年間)


posted by 翠流 at 00:55| Comment(3) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月21日

近況報告 (6) 第四次計画・意見書関連 No.1

9月14日(月)の消印有効という、
「第四次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」に対する意見書を、
最近の私らしく、締切の直前に、
2回に分けて出した。
1回目は、東京の某郵便局から、13日の日曜日に、
2回目は、居住地の、深夜まで受け付けているという某郵便局から、14日の23時に。

発言をした項目は、次の通り。

  第2部 政策編
   U 安心・安全な暮らしの実現
     ◆ 6-生涯を通じた女性の健康支援
     ◆ 7-女性に対するあらゆる暴力の根絶
     ◆ 8-貧困、高齢、障害等により困難を抱えた女性等が安心して暮らせる環境の整備
   V 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備
     ◆11-男女共同参画の視点に立った防災・復興体制の確立

実は、このほかに、
ポジティブアクションに関わって、
女性優遇採用を批判する意見書を送りたかったが、
怠惰のために締切に間に合わなかった。
この件については、私が発言しなくても、
どこかの同志が意見を送ってくれるだろうなどと、
不確かな推測に身を委ねて、
自分の怠惰を許してしまったたのである。

その件について、具体的に取り上げたかったのは、
国家公務員採用に関わる安倍晋三の発言と行動であった。
彼は、周知のように、昨年、
「国家公務員採用者に占める女性割合30%」 を必ず達成すると発言していた。、
そして実際、そのようになったのである。(下表)

 ◆ 平成22年以降の「国家公務員採用者に占める女性割合」 を次に示す。
                  採用者に占める女性割合
    平成22年4月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26.1 %
    平成23年4月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26.6 %
    平成24年4月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25.8 %
    平成25年4月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26.8 %
    平成26年4月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26.7 %
    平成26年9月(27年度採用者)・・・・・ 31.5 %

御覧のように、昨年は急激な変化が起こっている。
これは、安倍晋三が、強制力によって、数値目標を達成させた結果であると推測する。
その女性優遇採用は、
人事院に保管される最終合格者名簿に登録された受験者が、
それぞれの希望の関係省庁で受けた最後の選考の段階で行われたのではないかと思う。
最後の選考は、基本的には面接であると、以前私は人事院の職員から聞いた。
いくらでも言い訳のできる面接のような機会を利用して行われた女性優遇採用によって、
本来ならば採用されたはずの男性が不採用になるという重大な事態が、
起こったのではないかと推測する。

不正採用が、首相の強制力によって、国策として行われたと考えられるのである。
それは、本来ならば法によって裁かれるべきはずなのに、
詭弁を弄して女権拡大をもくろむ自己本位のフェミニストたちは、
男女共同参画社会基本法第2条第2項(積極的改善措置)を論拠として、
女性優遇採用は不正ではないと主張する。

全く、自己本位の、巧妙で周到な策略として、
「積極的改善措置」の条文は導入されたのではないかと私は感じるが、
しかし、既にこのブログで発言してきたように、
その不当性を、まず、採用試験受験者が受けてきた学校教育について考えれば、
受験生に第2条第2項が適用されるような事実は存在しない。
教育の機会均等と、国家公務員採用試験受験の機会平等が保障されている日本の社会にあって、
更に、内閣府男女共同参画局が行った「学校教育の場における地位の平等感調査(平成24年)」の「20〜29歳」のデータを見れば、
男女の平等感に有意の差はないであろうと推察され、
学校教育の場での、地位の平等は確立したと判断されるのである。
従って、その、システムとしても内実としても「男女平等」が確立したと考えられる学校教育の一つの到達点としての採用試験の場で、女性優遇採用が行われるとすれば、それは、第2条第2項の入り込む余地のない不正そのもと考えられるのである。

また、もしも、受験者が受けてきた学校教育とは別の部分、広く言えば日本の社会、そして国家公務員の世界に、「過去の女性差別に起因する女性にとっての不利益が存在する」というような論理を持ち出して「女性優遇採用」を正当化しようとするならば、それは、仮にそういう不利益が存在したとしても、若い男性は過去の女性差別の加害者ではないからして、女性優遇採用は、無実の男性受験者に過去の女性差別の責任を取らせるという、理不尽極まりない「時空を越えた連座制」に他ならないのである。

以前、既にブログを閉じてしまった「やぐるまさん」が、
「優遇採用をすると言われれば、こちらから採用を拒否する」という意味の発言をしていたと記憶するが、
女性優遇採用を求める女たちには、
「やぐるまさん」のような、正義感に裏打ちされた気概など微塵もない。
全く、最たる甘えの人種というか、
いやそれよりも、採用される力のあった男性を、女性優遇採用で蹴落として、
自分が、国家公務員に採用されるなどとは、
全く話にならない話なのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

発言が、やや長くなった。
話を元に戻すが、
「第四次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」に対して、
送付した意見書の内容を、
次回から、何回かに分けて掲載する。


posted by 翠流 at 00:13| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月02日

近況報告 (5) 第四次計画素案公聴会

8月31日(月)に、
先回の記事で紹介した「第四次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(素案)」
 http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_sakutei/yojikeikaku/ikenboshu.html
の公聴会に参加してきた。
東京の日本教育会館で行われた公聴会である。
 http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_sakutei/yojikeikaku/kouchoukai.html
発言は、できても一人一回限りだろうと予測したが、その通りで、
しかも3分という、あまりにも短い時間であった。
幸いになことに指名はされたから、
昨年12月の福島でのシンポジウムの時のように、発言の機会を求めて叫ぶことはなかったが、
今回は、叫んでいれば追い出されていたかもしれない。
短い時間の中で、私が要求できたのは、次の2点だけであった。

 (1) 「生涯を通じた女性の健康支援」を「生涯を通じた男女の健康支援」 に直すこと。
 (2) DV問題については、男性の被害も付け加えること。

現実を、憲法第14条や男女共同参画社会基本法第3条の精神に則って見つめれば、
こんなことはあたりまえ、というより必須のことなのであるが、
なぜか男性の困難には目を向けず、
「男女共同参画」とは乖離した施策を平然と行うのが、
美名の「男女共同参画局」なのである。

(1)については、要求の根拠として、厚労省発表のデータ(国民の死亡原因:昨年)と、警察庁発表の自殺データを使い、下記のように数値を引用した。(老衰は自然死であり、発言から除外した。老衰は女性が男性より36,078人多かった。@〜Bは厚労省のデータ、CDは警察庁のデータによる。なお、死亡原因に関する厚労省のデータの詳細は、後日、このブログで紹介する)。
(2)については、横浜市(市民活力推進局男女共同参画課・こども青少年局こども家庭課)の調査結果から、Eのように発言した。この発言をした段階で、既に制限時間の3分を超えており、Fで発言を打ち切らざるを得なかった。

@ 国民の死亡原因の第一位である悪性新生物による死亡は、男性が女性より 69,078人(約7万人)多
 い。
A 死亡者数の差が次に大きいのは心疾患で女性に多く、差は 13,833人である。
B 次は自殺で、男性が 10,253人多い。
C 自殺者数には、長期に渡り、明白な性差が存在する。警察庁発表の年間自殺者数を過去37年間に渡っ
 て整理したが、自殺は毎年明らかに男性に多く、女性が男性より多かったことなどただの一度もない。
D 警察庁は自殺の原因動機を52項目に分けているが、昨年の場合、女性のほうが多かったのは1項目
 だけで、他の51項目はすべて男性が多かった。一昨年は、女性が多かったのは2項目、男女同数が1
 項目、他の49項目は、全て男性が多かった。
E 横浜市の調査結果によれば、DVの被害経験者数に男女差はない。(時間不足を理由に説明できな
 かったことに後悔が残るが、「DV経験が何度もあった(A)」と「DV経験が1、2度あった(B)」
 を合わせると、女性が 42.6%、男性が 41.8%で、差はほとんどないが、A・Bを分ければ、女性が、  A:16.9%、B:25.7%、男性は、A:11.0%、B:30.8% となっている)
F 男性も苦労してきたんですよ。・・・・・ この言葉を発する時、思わず語気が強くなってしまった。

 参加者の発言が打ち切られた後、登壇者からコメントがあった。その中の一つ、恐らくは私の発言に
関わってのコメントだと思うが、ある人が、「『男女の人権』を考えると、女性に対する支援が薄まって
しまう。ジレンマがある」などと言った。つまり、彼女の頭の中は「女性支援センター」であって、「男
女共同参画局」ではないのである。そういう、自己本位の「女性優先・女性優遇の視点」が、内閣府男女
共同参画局、そして、全国の男女共同参画部局に、はびこっている。「かつて女性は差別されてきた」と
いう言葉の、粗雑、乱雑な使用、そして、男性の困難を顧みない女性の自己中心性、更には、「男性は我
慢すべきだ」、「女性優先・女性優遇を受け入れるべきだ」というような、男性に対する加害性、不当な
性別観、不当な性別役割意識を持つ男たちの存在。それらが、男性に対する人権無視、人権軽視、つま
りは、男性差別を作り出している。

(追伸) このブログを読んでくださっている皆様へ。
   冒頭のURLからわかりますように、パブリックコメントの締め切りは9月14日です。まだ時間
  があります。それぞれのお立場から、できるだけ多くの発言を、内閣府男女共同参画局に届けてほし
  いと思っています。よろしくお願いします。


posted by 翠流 at 03:54| Comment(2) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする