2017年08月01日

「ルーツ」さんへの返信 : 「カフェ・ド・クリエ」の件

記事「ジェンダー・アイデンティティ(2)」のコメント欄に、
「ルーツ」さんという人が、下記のようなお便りをくださった。
消費の世界は勿論のこと、国や自治体・公的機関でさえ、
女性限定優遇の施策を平然と行う異常な時代にあって、
しかし、たたかえば男性差別の解消は可能なのだと、
そういう実例の提示と共に、
若い力を感じさせてくれるお便りであった。
カフェ・ド・クリエの件については、
私は、このブログに書いてきたような取組みを行ってきたという理由によって、
今後の個人的な行動については、
「返信」に記すような一定の制約があると意識しているが、
基本的なスタンスは「ルーツさん」への共感であって、
それが、拡散の意味も含めて、この記事の掲載を促すこととなった。

このブログに来てくださる皆さんはご存知であろうが、
今、ネットでは、男性専用車両設置を求める署名活動が進んでいる。
評価・スタンスは多々あろうが、
そのHPから、奥野さんという人のコメントを引用する。
私は彼の、女性の特権階級化を懸念する認識に、強く共感する。
女たちだけのために企図されている様々の利益誘導は、
紛れもない女の特権階級化であり、
それが既に、定着の気配を見せる時代になってしまった、と私は思う。

   【引用文】 冤罪はもはや下手をすれば尊い男性の命まで奪うものとなってしまいました。
      また、同じ料金をはらっていながら、乗車車両を名目上でも制限される事は、今後
      若年者の間で、女性は特別な権利を有しているとの意識付けになってしまう可能性
      があります。男女は同権です。これから日本を支えていく若い男性たちのためにも、
      男性専用車両導入を切に願います。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ルーツ」さんからの便りを記す。

   少し、記事の内容と乖離してしまうのですが、先日このブログで紹介されてた新宿サブナードの
  カフェ・ド・クリエに女性専用トイレだけしか設置されていないことについて電話で苦情を入れま
  した。しかし、電話に出た店員は上の人間に報告するとだけで、具体的な対応は何も無しとのこと
  で非常に憤りを感じました。
   先日、マクドナルド上大岡店にトイレの件で大量に苦情が届き 女性専用⇒共用トイレになった
  経緯もありますから、皆で協力して新宿サブナードのカフェ・ド・クリエに苦情を入れませんか。
  多くの人間が協力すればマクドナルドのように改善することが出来ると思うので、よろしくお願い
  します!

ルーツさんへの返信

  コメントありがとうございました。
  マクドナルド上大岡店の女性専用トイレの件、
  共用になったことは、ルーツさんのコメントで初めて知りました。
  以前、新宿の某レストランの男性差別のときも、
  同様の働きかけで、差別が解消したと記憶します。
  法務局(法務省)の判断や、男女共同参画部局の施策が、
  実質的には、「初めに女性優遇の結論ありき」の男性差別の時代にあって、
  「大量の苦情」の意義は非常に大きいと感じます。
  ただ、私「個人」の、カフェ・ド・クリエへの直接的な働きかけについては、
  このブログに書いてきましたように、
  私の取組みの結果が、法務局から届いた「人権侵犯事実不明確」の通知であったという事実から、
  今後、私が個人としてできることは、裁判しかないのではないかと思っています。
  そこでとりあえず、間接的な支援でしかありませんが、
  この返信を含めたブログ記事をアップすることにしました。
  今の私にできることはこの程度ですが、
  もしも発言の思いあれば、
  また、コメントをください。


posted by 翠流 at 03:06| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

ジェンダー アイデンティティー (2)

女性だけに与えられる美しさに、
羨望・嫉妬を抱きながら、今日までを生きてきた。
小学校6年の時からである。
「区別」という名の「性差別」、
私は社会から「不当な性的偏見に基づくジェンダーハラスメント」を受けながら、
長い年月を生きてきたことになる。

私の女性美羨望は、
本能と同等であるかのような重さをもって、
私の人格の底辺に存在し続け、
私の人生を呪縛してきた。

私はもともと小心であるから、
女性用衣料を身に着けて街を歩くことなどできるはずはなく、
職場ならそれはなおさらのことであった。
しかし美しさを求める執念のような感情は、常に心に巣食っていて、
私は、男性用衣料品の中の、つまりは女性的美しさを剥奪された衣料品の中の、
しかしできるだけ美しく私に似合うものを探して、
デパートの紳士洋品売り場を歩き回っていた。

ある日、淡いパープル系のハイネックの、
スタイリッシュなメンズのセーターを着て職場に行った時、
管理職のNo.2の男がそれを見て、当惑の表情を浮かべたが、
私は、文句を言われれば、開き直るつもりだった。

またある時、仕事で遠方へ向かう3泊の旅行の準備会で、
中間管理職の男が、「男性はスーツにネクタイにしましょうか」などと言い出したので、
私は感情を抑えきれなくなって語気を強め、
「そんなことしたらハラスメントじゃないですか」などと発言したのであった。
私の勤務先は、同系列の職場の中では締め付けが弱かったこともあって、
彼の提案は潰れ、私は、旅行の初日、きれいなエンジ色のハイネックセーターと、
ライトグレーのブレザーを着ていったのであった。

たぶん、そういう私の雰囲気が言わせたのであろうが、
ある日、職場の若い女の子が私のところへ来て、
「翠流さんって、女になりたいんでしょう ・・・・・」などと言うのであった。

その彼女が2年後に私の職場を去り、
翌年であったか、私もまた新しい自由を得て職場を去り、
やがて私は、秋から春にかけて、既述の如く、
メンズライクではあるがレディースの、
ロングカーディガンを着て街を歩くようになった。

新しい自由は、私を「自分らしさに」連れていった。
しかし、家庭があれば、ダメだったでしょうね。妻や子供が許さない。
私みたいな人間は、家庭づくりができなくて、一人が自分に合っている。
淋しさには、もう慣れてしまった。

ところで私には、最近、改めて意識したことがある。
それは私の衣料品のこと ・・・・・
私が持っている衣料品の、約3分の1は「男性用」なのであるが、
残りの3分の2の、約半分は、オーダーのダンス用品、
つまりは、男性用でも女性用でもない、私好みの「翠流用」。
そして残りは ・・・「女性用」なのである。

いやいや、ご安心ください。
くり返しますが、私が持っているレディースは、メンズライクですから・・・・・。
以前、東京のあるところで出会った MtoFの素敵な人が、
心配する私に、電話で言った。
「だいじょうぶ。だって、翠流さんは、そんな、変な恰好してないじゃない・・・・・」

レディースのタートルネックは、メンズのラウンドネックの下のアクセント。
暑さを感じさせる今頃から、
普段も着るようになったバレエ系ダンスのレッスン用の、
既製のハーフパンツとガウチョは、
レディースでも、色は、黒か紺か紫。
数少ないメンズと違ってラインがお洒落に出ますが、
私が着れば、一般の人たちは、メンズかレディースかわからないでしょうね。

以前このブログで紹介した渡辺恒夫の本、
「脱男性の時代(アンドロジナスをめざす文明学)」を思い出す。
彼はその「第2章ー3」で、
ベンジャミン(H.Benjamin)の「性指向尺度(Sex Orientation Sukale)を次のように紹介していた。
私は自分のことを、その「T型」だと思っている。

ベンジャミン(H.Benjamin)の「性指向尺度(Sex Orientation Sukale)」

  0型:正常男性(ノーマル・メイル)
  T型:仮性異性装嗜好(シュード・トランスヴェスティズム)
       ・・・・・ 定期的女装にまで至らぬ軽度の女装趣味。含変身空想。
  U型:フェティシズム的異性装嗜好
       ・・・・・ 定期的女装。特に下着への興味と自慰時の使用。
  V型:真性異性装嗜好(トゥルー・トランスヴェスティズム)
       ・・・・・ 可能な限り女装。女装時に女性の意識を持つ二重人格。
  W型:非手術性変性症(ノン・サージカル・トランスセクシュアリズム)
       ・・・・・ 可能な限り女装。性転換を願望するが転換手術の必要は認められず。
  X型:中等度真性変性症
       ・・・・・ 可能な限り女性としての生活。
  Y型:重度真性変性症
       ・・・・・ 女性として生活。
                                       (以上)


2017年06月06日

「ポジティブ・アクション」 の今

安倍晋三という、どこかの男が、
例えば「自殺の性差(注1)」に見られるような、
男性が直面し続けてきた「いのちの危機」、
特に、「経済・生活問題」・「勤務問題」をめぐる危機に対して、
「男性」を主語とした救済のメッセージを発することなどただの一度もなく、
唯々、フェミニスト面をして「光輝く女性」発言ばかりをくりかえしていた頃、
ある女性弁護士が、ネットの中で、
男女共同参画社会基本法第2条第2項:積極的改善措置(注2)を根拠として、
「女性優遇採用は違法ではない」などと主張していた。

  (注1) この記事の末尾に自殺データを掲載する。
  (注2) 男女共同参画社会基本法第2条:この法律において、次の各号に掲げる用語の
                     意義は、当該各号に定めるところによる。  
       1.男女共同参画社会の形成:男女が、社会の対等な構成員として、自らの
        意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、
        もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受するこ
        とができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。    
       2.積極的改善措置:前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するた
        め必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的
        に提供することをいう。                       

女性弁護士の発言は、
「初めに女性優遇の結論ありき」のフェミニストたちが、
様々の場面で使ってきた論理であって、
要するに、その根拠とされた「第2条第2項」の導入は、
憲法第14条に抵触する「女性優遇」を合法化するために、
自己本位のフェミニストたちによって企図された、計画的戦略だったのではないかと思う。

その戦略は、安倍晋三の「女性活躍推進法」によって結実し、
国家権力を手にした女たちは、
自身に内在する自己中心性を擁護されたままに、
特権階級として、優遇された社会進出を果たせるようになった。

彼女たちは言う、
「過去の女性差別の結果としての女性にとっての不利益が、日本の社会には存在する。従って、
それを解消するために行われるポジティブ・アクション(積極的改善措置)は違法ではない」と。
しかし、採用試験に関わって言えば、
彼女たちの言う「女性にとっての不利益」は、
既に、採用試験の準備段階としての学校教育の場には存在しない。
それは、内閣府が行ってきた「学校教育の場における男女の地位の平等感」調査の、
「年齢別グラフ 『20〜29歳』(注3)」に示されている。

  (注3) 「男女共同参画社会に関する世論調査 図4ー内閣府」(下記URL) の、
         ページ下方に示された、[年齢]別 グラフ:『20〜29歳』を参照。
           http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html

既に保障されてきた「教育の機会均等」・「受験の機会平等」に併せて、
学校での「地位の平等」が確立された今の時代にあって、
「差別のない学校教育」の到達点の一つとしての採用試験で、
女性が、「女性である」という理由によって優先的に採用され、
本来ならば採用されるはずの実力を持った男性が、
「男性である」という理由によって不採用になるとすれば、
それはまさに、憲法第14条を破壊する男性差別、不正採用そのものであって、
自己本位のフェミニズム運動の、裁かれるべき施策である。

女性弁護士は、続けて発言していた、
政府は既に、数値目標達成のために女性の積極的採用を行った企業や自治体に対して、
「優遇措置」を講じる計画を持っていると・・・。
そしてそれは今、下に掲載する記事のような形をとって、
既に現実のものとなった。

記事には、東京都の優遇措置も記されている。
小池百合子は、恐らくは私の危惧通りの、
自己本位のフェミニズム運動家としての体質を持つことが、
この施策によって、一層明らかになったと思う。
彼女は今、「都民ファースト」という言葉で、自分の顔を表現しているが、
内在する「女性ファースト」の顔が、
今後、更に顕在化していくのではないかと、私は強く危惧する。
もとより、彼女の本質に「女性ファースト」の顔がなければ、
非正規雇用に苦しむ男性の現実が顕在化した社会状況の中で、
政治塾入会金、男性50,000円、女性40,000円、などという設定が、
できるはずはなかったのである。

ところで、次に掲載する記事は、
久しぶりに訪ねたブログ、
「社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)」 http://blog.goo.ne.jp/grk39587  の、
「フェミニズム批判のニュース記事、フェミ権力に屈せず批判の姿勢を貫け」(2017-05-24 )からの
引用である。
管理者の「蜻蛉の眼鏡」さんは、
転載を希望する私の思いを快く受けとめてくださった。
この場で感謝申し上げる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆【引用記事】

『女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態』 (2017.5.22)
    https://www.news-postseven.com/archives/20170522_553461.html 

  ■ 堂々と女性を優先採用する企業が続出

     全国各地の政府系機関に次々と「女性優先採用」や「女性限定採用」が現われ、
    しかもそれを政府が推進している。国家主導の「女尊男卑」の時代ともいえるが、
    政府系機関に限った話ではない。

     民間企業でも「新卒・中途採用において、同程度の能力であれば女性を優先的
    に採用する」といった文言を掲げる企業が続出している。

     なぜこんなことが起きているのかというと、平成17年施行の「次世代育成支
    援対策推進法」や昨年4月施行の「女性活躍推進法」を根拠に、政府は企業に対
    し、子育て支援や女性採用の「行動計画」を作成させ、達成した企業を厚生労働
    大臣が優良企業として認定する制度を実施しているからである。

     実態は“強要”に等しいが、一方で「女性活躍加速化助成金」という助成制度
    では、企業が女性活躍に関する「数値目標」と「行動計画」を策定し、その目標
    を達成したら、助成金(30万円)が支給される。

     自治体でもこうした支援が盛んに行なわれており、例えば東京都では「女性の
    活躍推進人材育成研修」を開催。それを受講して社内に「女性の活躍推進責任者」
    を設置すると、奨励金30万円が支給される。

     さらに、その「責任者」が東京都の「フォローアップ研修」を受講した上で「行
    動計画」を届け出て、かつ行動計画の「社内向け説明会」を実施すると、さらに30
    万円(計60万円)の奨励金が上乗せされる。

     女性を優遇する企業に“アメ”を配って、女性採用を後押ししているのである。

     多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してき
    た経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用す
    るのは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。
                          ※週刊ポスト2017年5月26日号

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆ 続いて【自殺データ】を記す。
私のブログ記事、「男性の自殺(3)(4)」からの引用である。

 (A) 自殺者数と男女比(2008年〜2013年)

   (1) 「経済・生活問題」を原因・動機とする自殺
       年次別   自殺者総数   男性    女性   男性:女性  
     2008(H 20)   7,404   6,686   718    9.3:1  
     2009(H 21)   8,377   7,634   743    10.3:1  
     2010(H 22)   7,438   6,711   727    9.2:1  
     2011(H 23)   6,406   5,740   666    8.6:1  
     2012(H 24)   5,219   4,660   559    8.3:1  
     2013(H 25)   4,636   4,147   489    8.5:1  

   (2) 「勤務問題」を原因・動機とする自殺
       年次別   自殺者総数   男性    女性   男性:女性  
     2008(H 20)   2,412   2,120   292    7.3:1  
     2009(H 21)   2,528   2,270   258    8.8:1  
     2010(H 22)   2,590   2,325   265    8.8:1  
     2011(H 23)   2,689   2,347   342    6.9:1  
     2012(H 24)   2,472   2,182   290    7.5:1  
     2013(H 25)   2,323   2,069   254    8.1:1  

 (B) 「経済・生活問題」「勤務問題」に起因する自殺(2013年)を、更に細分化した原
   因別に、男女差の大きい順に配列。表中の項目末尾の K3 は「経済生活問題」を示し、
   K4は「勤務問題」を示す。

    (原因・動機)     (男性:女性)  (男性) (女性) (計) 
     倒産:K3         45.0:1    45    1    46  
     負債:連帯保証債務:K3  20.0:1    20    0    20  
     負債:多重債務:K3    15.8:1   647   41   688  
     事業不振:K3       15.8:1   568   27   438  
     失業:K3         14.7:1   411   28   439  
     職場環境の変化:K4    12.2:1   280   23   303  
     就職失敗:K3       10.9:1   251   23   247  
     仕事疲れ:K4        9.5:1   587   62   649 
     その他:K4         8.9:1   354   40   394 
     負債:その他:K3      8.5:1   773   91   864 
     借金の取り立て苦:K3    7.8:1    47    6    53 
     自殺による保険金支給:K3  6.7:1    60    9    69 
     生活苦:K3         5.5:1  1,081   196  1,277 
     職場の人間関係:K4     4.3:1   437   102   539  
     その他:K3         4.2:1   244   58   302 

 (C) 就職失敗による20歳代の自殺者数と男性の割合

       年次別    総数  男性  女性  男性の割合          
     2008(H 20)   86   69   17   80.2 %          
     2009(H 21)  122   98   24   80.3 %          
     2010(H 22)  153  138   15   90.1 %          
     2011(H 23)  141  119   22   84.3 %          
     2012(H 24)  149  130   19   87.2 %          
     2013(H 25)  104   95   9   91.3 %          

                                    (以上)
 
posted by 翠流 at 02:04| Comment(2) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

「東京防災:女性版」 に関わる要望書

小池百合子東京都知事発案の「東京防災:女性版」について、
都知事と総合防災部防災管理課に「要望書」を送った。
内容はどちらも同じである。
今回は、その要望書を掲載する。
なお、近日中に、東京都の男女平等参画部局に、
要望書の写しを送る。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                              平成29年4月5日
東京都知事 小池百合子 様
                                ( 翠 流 )
               要 望 書

            「東京防災:女性版」ではなく、
        男性にも配慮した「東京防災:改訂版」の刊行を。        

 平成23年(東日本大震災発災)以降の災害対応について、内閣府や被災自治体の男女
共同参画部局・防災部局・各種女性団体・ボランティア団体等の施策を見てきた一人の国
民として、小池百合子東京都知事発案の「東京防災:女性版」の刊行について発言させて
いただきます。この要望書の前半には、私の基本的な認識を記し、後半に、具体的要望を、
項目別に記します。

 東日本大震災であるにしろ、熊本地震であるにしろ、「女性の視点」という表現のもと
に、「女性への配慮」ばかりが強調される中で、男性が配慮から疎外され、「不当な我慢」
を強いられてきた事例が数多くあったと強く感じています。以下に述べる具体的事実、
例えば「着替え」等の問題を考えてもわかるように、「女性の・・・」として語られる視点
は、実際には「男性の中にも」存在します。同じ「男性」であっても、感受性や身体的
特徴は様々です。「男性」にも「多様性」が存在するのです。しかしそれを「男性は・・・」
「女性は・・・」という二項対立的視点によって単純化し、「女性の視点」の名のもとに「男
性を不当に疎外」した「女性限定・女性優先の配慮」が、東日本大震災にも熊本地震にも、
非常に多くあったと感じています。

 本来、尊重されるべき人権は女性だけにあるわけではなく、男性にもあるはずです。広
く言えば、人間には、単純にカテゴライズできない「多様性」があり、その「多様性の認
識」と「多様性をふまえた平等な人権尊重の視点」が、災害対応に限らず、全ての人権尊
重の基本的視点として据えられなければならないと思います。それは、倫理的な意味だけ
ではなく、法的にも保障されているはずです。憲法第13条には「個人の尊重」が謳われ、
14条には「法の下の平等」が、そして、男女共同参画社会基本法第3条には「男女の人
権の尊重」が謳われています。

 多様性に関わって、性的マイノリティーとしての「LGBT」の人たちへの配慮について
は、この要望書の最後に、該当団体等のニーズの把握を要望する旨を記します。ここでは
まず、小池都知事の「東京防災:女性版」という表現を受けて、私を含め、「男性」とカテ
ゴライズされる人たちの立場から発言します。

 今までの災害対応で、男性が配慮から疎外されてきた理由の一つとして、「男性に対す
る性別観」「男らしさの規範」「性別役割」の問題があると思います。時代の流れと共に
若干の変化があるとはいえ、男性は今も、過去からの性別観に強く縛られていると思いま
す。「男性は我慢しなければならない」・「男性は女性を優先しなければならない」・「男性
は強くなければならない」・「男性は一人で苦しみに耐えなければならない」・「男性は女性
を守らなければならない」・「男性は、男性に対する災害対応に不満があってもそれを口に
出してはならない」・・・等、要するに、このような「初めに女性優遇の結論ありき」の性
別観が、男性と女性の関係、男性どうしの関係、そして男性の社会的位置を規定し、災害
対応に強い影響を与えてきたと思います。

 加えて、このような性別観の呪縛の中で、それを背景として形成・増幅された「男性に
対する不当な性的偏見」が、男性を、配慮から一層強く疎外してきた現実があると思いま
す。例えば、避難所での着替えの問題。東日本大震災であるにしろ熊本地震であるにしろ、
避難所に女性専用更衣室だけが設置され、男性には更衣室が与えられない事例が多数あり
ました。その背景には、「羞恥心を持つのは男らしくない」というような、ジェンダーハ
ラスメント如き「性別観」・「男らしさの強要」だけでなく、実際には「羞恥心の強い、敏
感な男性」がいるにも関わらず、鈍感な男性の特徴だけがあたかも男性の一般的特徴であ
るかの如く歪曲された「不当な性的偏見」が、「男性は我慢しなければならない」という
性別観と相まって、男性を、更衣室設置の配慮から強く疎外してきたと思います。

 今回の「東京防災:女性版」のニュースの中に、小池都知事の、「避難所で着替えがし
にくいなど、女性の観点で考えなければならないことは多々ある」という発言がありま
した。しかし、実際には、着替えがしにくかったのは女性だけではない。男性更衣室のな
い避難所で、布団の中で着替えをしなければならなかった男性がいたことも確かな事実な
のです。更衣室は、性犯罪防止だけのために設置されるものではありません。それ以前に、
人間の尊厳に関わる羞恥への配慮として不可欠なもののはずです。男性にも羞恥心の強い
人はいます。鈍感な男性ばかりではないのです。人間としての尊厳を守るために、男性に
も更衣室が必要なのです。

 物資の配布についても同様です。東日本大震災の時、女性だけに新しい下着・ハンドク
リーム・裁縫箱・化粧品・生理用品等の生活用品を配布して、男性には生活用品を全く配
布しない団体(「宮城登米えがおネット」)がありました。本当にひどい男性差別だと思
います。熊本地震でも同様の現象がありました、昨年の秋、私が熊本市男女共同参画セン
ター(はあもにい)に問い合わせの電話をしたとき、館長は確かに言ったのです。「そう
いえば私たちのセンターに届いたのは女性用下着だけでした」と。「男女共同参画」なら
ば男女両方の下着が手配されるべきなのに、なぜ「女性用下着だけ」なのでしょうか。

 下着の配布に関わって言えば、確かに女性には生理があるでしょう。しかし男性の中に
も、「肛門疾患や排便障害をかかえて、女性の生理用品を使用している人がいる」という
ニュースが、一昨年の秋、インターネットで流れたのです。女性の生理用品が進化する一
方で、男性のQOL(生活の質)が、いかに「なおざり」にされてきたかが、このニュー
スから推察できるはずと思います。男性は、日常の中でもそういう扱いをされるのです。
泌尿器系の病気でも同様のことがありますし、たとえ健康な男性であっても、汗等の分泌
物を考えれば、男性の下着を軽視してよいはずはないでしょう。男性に下着を配布せずに
男性の体臭の悪口を言うなど、まさに、ダブルスタンダードの男性差別、ひどい人権侵犯
ではありませんか。更に踏み込んで、はっきり言えば、特に若い健康な男性が、夜、睡眠
中に下着を汚すことがあることは、女性も、中学や高校の保健の授業で習ったはずではな
いでしょうか。このような現実があるにもかかわらず、なぜ、女性だけに下着を配布する
のでしょうか。

 物干し場も同じです。性別の物干し場は、性犯罪防止だけのために設置されるものでは
なく、それ以前に、プライシーへの配慮の意味があるはずです。男性の中にもプライバシ
ーに配慮した物干し場を求める人がいます。例えば私は、現在の住宅街に居住して24年
になりますが、洗濯をして、ズボンの下に身につけていた下着を、人に見える場所に干し
たことはただの一度もないのです。全て部屋干しなのです。そういう男性もいるのです。
物干し場は、女性用だけではなく、男性用も必要なのです。

 トイレの問題も同じです。広島県にある「ピースウィンズジャパン」というボランティ
ア団体は、熊本地震に際して、益城町に12基の仮設トイレを送りました。しかし、その
うちの10基は女性用、2基は「身体に不自由のある方」用で、男性用は全くなかったの
です。男性は汚れたトイレを使うしか術がない。男女のトイレ使用時間の比は約3:5と
認識していますが、それを考慮しても、男性用が全くないのは、余りにもいどい男性差別、
人間の尊厳と健康に関わる重大な差別ではないでしょうか。

 「女性専用スペース」についても同じことです。性犯罪防止・プライバシーへの配慮だ
けではなく、そのスペースに様々の配慮を加えて、「女性専用の『幸せスペース』」とし
て、女性だけへの配慮を膨張させていった自治体が、東日本大震災の時、福島県にあった
(郡山市)。具体的な内容は後述しますが、男性に対しては、そういう配慮は皆無だった
のではないでしょうか。

 長期的な復興の過程も含めて、精神的なケアも男女両方に対して必要です。特に、男性
の「震災関連自殺」が気になります。平成24年版男女共同参画白書(全体版)によれば、
平成23年6月から24年2月までの、「東日本大震災関連自殺者」の、75.4%が男性
だったのです。加えて、男性のアルコール依存の増加、仮設住宅での孤立化傾向も指摘さ
れています。しかし、このような現実があるにも関わらず、内閣府男女共同参画局が行っ
てきた震災関連相談事業は、「被災地における女性の悩み・暴力相談事業」であって、男
性は相談の対象からはずされているのです。全国レベルで見れば、男性に対する相談体制
も、少しずつ整備される傾向はありますが、余りにも遅々としています。その背景には、
恐らくは、「男性は強くあるべき配慮不要の存在」という性別観が色濃くあり、男性の自
殺が毎年明らかに女性より多いという現実も、この問題と無関係ではないと思います。

 発災直後の避難に関わる対応も気になります。数年前でしたか、大地震を想定して、関
東地方のあるホテルが「女性を優先的に受け入れる」という発言をしたことがあります。
しかし男性は誰もが強いわけではない。身体的な、或いは精神的な弱さをかかえた男性も
いる。そういう男性は「男だから死んでもしかたがない」のでしょうか。「強い男性」で
あっても、都市が破壊される大地震の前には、無力ではないでしょうか。発災直後の避難
スペース、そして帰宅困難者の収容スペースを手配するとき、男性に対する配慮は、後回
しでもよいのでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【具体的要望】
 ◆ 以上のような認識をふまえ、「東京防災:女性版」の刊行ではなく、男性に対しても
  下記のような配慮を加えた「東京防災:改訂版」の刊行を、強く要望します。

1.備蓄・・・・・ 女性や乳幼児に必要な生活用品の備蓄については、非常に多くの場面で、
    その必要性が具体的に語られてきたが、男性については、配慮の文章を見たこと
    がない。男性は人間として扱われていないと感じる。ひどい男性差別である。声
    にならない声、隠されたままのニーズ、身体的な問題への配慮を含めて、次のよ
    うに要望する。

  @ 下着類・・・・・男性用下着も充分に備蓄しておくこと。男性に生理はないが、Aに
      述べるような疾患を持った男性がいる。健康であっても、発汗等の分泌物に
      よる汚れは、男性の場合、顕著であろう。男性が被災地で肉体労働の主役と
      ならなければならない現実等を考えれば、一層、充分な下着の備蓄が必要で
      ある。更に踏み込んで言えば、特に若い男性の場合、睡眠時に下着が汚れる
      こともある。女性だけでなく、男性にも充分な下着の備蓄が必要である。

  A 衛生用品・・・・・既に記したように、肛門疾患や排便障害をかかえる男性が、女性
      の生理用品を使用しているというニュースが、一昨年の秋に、インターネッ
      トで流れた。女性の生理用品が著しく進化する中で、このような疾患を持つ
      男性のQOL(生活の質)は、著しく軽視されている。排尿に関わる疾患も
      同様である。専門的な知識を持つ立場の人の見解も聞き、対応可能の衛生用
      品の備蓄が必要である。ただし、注意しなければならないことがある。特に
      男性医師の中には、このような配慮に耳を傾けない人がいる。男性に対する
      「不当な性的偏見」、「男性にそのような配慮は必要ない」という「ジェン
      ダーハラスメント」の如き性別観を持つ男性医師は珍しくない。男性患者は、
      このような医師から人権軽視・無視の扱いを受けるのである。

2.発災直後の対応 ・・・・・ 男性は「強い」・「強くあるべきだ」とされ、避難時の配慮か
    ら疎外される傾向にある。「弱い男性は死んでもしかたがない」と言うが如きで
    ある。弱者男性に対する残酷な、非人道的な対応である。強い男性であっても、
    都市が破壊される大地震の前に、その「強さ」は殆ど無力であろう。女性に対し
    てだけではなく、男性に対しても「安全」を確保すべきである。

  @ 避難スペース・帰宅困難者収容スペースの確保・・・・・この件について、各種施設
      と協定を結ぶ場合、女性だけではなく、男性に対しても、安全なスペースを
      確保すること。各種施設に対しては、男女共同のスペースだけでなく、プラ
      イバシーへの配慮・性犯罪の防止等を考慮し、男女別のスペースを確保する
      よう要請すること。今までの災害対応では、専用スぺ―スが女性だけに与え
      られ、男性には与えられないことがあったが、男性の中には、プライバシー
      への配慮がないと、非常に強いストレスを感じる人がいる。「男だから」と
      いう「不当な性的偏見」を捨て、男性にも専用スペースを確保すべきである。

3.避難所・・・・・各地域で避難所を開設するにあたって、更衣室・トイレ・物干し場・休
    養スペースの設置等について、女性に対する配慮ばかりが優先され、男性が不当
    な我慢を強いられることが非常に多くあった。授乳室は女性への配慮であろうが、
    その他は全て男女両方に配慮すべきである。男性の中にも、羞恥・プライバシー
    ・清潔等への配慮を強く求める男性がいる。鈍感な男性ばかりではないのである。
    「男性は我慢をするべきだ」というような「不当な性別観の強要」ではなく、男
    性の人権にも配慮した避難所の開設をするべきである。男性だけに我慢を強いて
    ストレスを増幅させる避難所運営はやめてもらいたい。

  @ 更衣室・・・・・必ず男女別更衣室を設置する。一つしかない場合は、男女交代で使
      用できるよう配慮する。

  A トイレ・・・・・ 必ず男女別トイレを設置する。所用時間については、男性と女性の
      比は約3:5と理解しているが、男性のトイレを不当に少なくするのはやめ
      てもらいたい。排泄は、健康だけでなく、人間の尊厳に関わる行為である。
      男性の小用にも必ずトイレを確保してもらいたい。

  B 衛生用品・・・・・ 上記1−Aに書いたように、肛門疾患・排便障害・排尿障害等を
      かかえた男性にも衛生用品が必要である。男女別のトイレに、それぞれの衛
      生用品を置くよう、配慮が必要である。

  C 物干し場・・・・・ 男性の中にも、例えば私のように、ズボンの下の下着は必ず部屋
      干しにする人がいる。性別の物干し場は性犯罪防止だけのために作られるも
      のではない。プライバシーへの配慮が必要である。女性用だけではなく、男
      性用の物干し場も設置する必要がある。

  D 休養スペース・・・・・ 女性専用スペースだけを設置し、男性には家族スペースしか
      与えられない避難所が目についた。福島(郡山)の例を「7枚中の3」に書
      いたが、熊本地震ではNHKラジオの報道の中にあったし、「青森被災地の
      地域コミュニティー再生支援事業実行委員会」や栃木県の男女共同参画が作
      成した「避難所のつくりかた」の冊子も同様であった。他の自治体は調べて
      いないが、同様の避難所はかなりあったのではないかと推測する。単身女性
      や女性だけの世帯への配慮としてだけではなく、福島の場合は、発災から半
      年近くの間に、女性専用スペースに、喫茶コーナー、料理会、手芸教室、弁
      護士相談、マッサージ等を導入し、「女性の幸せスペース」として膨張させ
      ていった。青森の場合も同様である。女性専用ルームだけを設置し、その説
      明文には「お茶・お菓子・ドライヤー・鏡付きの一角」を書き、チェック項
      目には「身だしなみセット・洗面器」から「アロマオイル」まで書いた。し
      かし、同等の配慮は、男性に対しては全くなされていなかったのである。例
      えば被災地で、肉体労働を背負う主役は男性になるだろう。それはそれでよ
      いと私は思う。しかし、肉体労働で衣服は汚れ、心身共に疲弊して避難所に
      返ってきた男性が、周囲に気兼ねなく休息できる部屋、身づくろいができ、
      心身に癒しを与えられるスペースを、なぜ男性には用意しないのか。その、
      女性たちの自己中心性が、私には全く理解できないのである。後述する精神
      的支援の問題にも関わるが、男性は苦しみを一人で背負いやすく、被災地で
      の孤立化傾向も指摘されてきた。男性どうしで心を通わせる場が、避難所の
      中にも必要である。休養スペース・専用ルームは、女性用だけではなく、男性
      用も設置する必要がある。

4.被災者に対する精神的支援・・・・・中央大学の山田昌弘氏は、ワレン・ファレルの著書
    「男性権力の神話」(久米泰介訳:作品社)の推薦文の冒頭で、次のように述べ
    ている。
         なぜ女性のつらさは問題にされるのに、
              男性の生きづらさは問題にされないのだろう。
                    (中央大学教授 山田昌弘)

     この山田昌弘氏の指摘は、まさに今までの災害対応全般にもあてはまっている。
    精神的支援の問題については、この要望書の「7枚中の3・4」で、男性に顕著
    な「震災関連自殺」・「アルコール依存の増加」・「孤立化傾向」について触れた。
    しかし、このような事実があったにも関わらず、内閣府男女共同参画局は、男性
    を相談事業の対象からはずしてきたのである(「被災地における『女性の』悩み
    ・暴力相談事業」)。これもまた、「現実との乖離」・「男性の苦しみの軽視」・「男
    女共同参画社会基本法第3条との乖離」として、私には受け入れることができな
    い事実なのである。日本の男女共同参画運動の範を示すべき内閣府男女共同参画
    局が、なぜ男性の危機と真摯に対峙しないのか、私には理解できない。男性は、
    男性に与えられた「性別観」・「男らしさの規範」・「性別役割」のゆえに、責任や
    苦しみを一人で抱えやすく、追い詰められやすい。全国の男性相談体制は、少しず
    つ整備され始めてはいるが、私の眼から見れば、自殺の現実と乖離して、余りにも
    遅々としている。「東京防災」については、震災という極限状況の中での男性の
    苦しみにも光をあて、全ての人に対する相談体制を整備してもらいたい。

5、性的マイノリティーへの配慮・・・・・最後に、男女の枠を越えて、「LGBT」の人たちへ
    の配慮について発言します。数年前、「日本性同一性障害と共に生きる人々の会
    (gid.jp)」が、文部科学省に対して、「学校での、性同一性障害の児童・生徒
    に対するトイレの配慮」について、要望を提出したことがありました。災害対応
    についても、「LGBT」の人たちは、それぞれの立場から要望を持っているはずで
    す。東京都としても、関連団体等からの情報収集を行い。必要な配慮を、「東京
    防災:女性版」ではなく、「東京防災:改訂版」に組み入れるよう要望します。

◆ 以上、小池百合子東京都知事発案の、「東京防災:女性版」の刊行について、主に、
 女性だけではなく男性の人権にも配慮する立場から、「東京防災:改定版」への修正を
 求める発言をさせていただきました。繰り返しますが、人権は女性だけにあるわけでは
 ない。男性にも人権はあるのです。既に述べたように、男性に対する過去からの「性別
 観」・「男らしさの規範」・「性別役割」には、男性に対する「不当な性的偏見」「耐える
 ことの強要」が、色濃く含まれています。それに呪縛されることなく、「男性」とカテゴ
 ライズされる人たちに内在する「多様性」・「様々の身体的特徴・精神的特徴・感受性」
 に目を向け、女性だけではなく、男性にも配慮した災害対応を展開してくださるよう、
 強く要望します。
                                   (以上)

posted by 翠流 at 00:36| Comment(0) | 災害対応・要望書(2016・17年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月28日

木更津市へのパブリックコメント

ある知人から情報をいただいて、
千葉県木更津市に、男女共同参画計画(第4次)(案)のパブリックコメントを送信した。
それを原文のまま掲載する。
私は、できるだけ具体的な事実を、情報源と共に挙げて発言するようにしているが、
今回は情報源を全て明記しないうちに、
締切1時間前の、3月15日23時になってしまった。
加えて、ポジティブアクションについては、
基本的な視点を最後に記しただけで、
各論に踏み込めていない。
そういう脆弱さは、
男性差別が拡大し続ける今の時代にあって、
私が疲弊している証しである。

理想的には、
2015年12月に閣議決定となった内閣府の第4次男共同参画基本計画を受けて、
全国各自治体で策定が始まったであろう第4次計画に対して、
男性の人権を守る立場から、
組織的な発言ができるような団体が必要であったと思うが、
それはまだ、遠い夢の話しのようで、
現状では、私や某知人のような数少ない人たちが、
個別にに声を挙げることが殆どのように感じている。
数少ない男性の活動家の中には、
卓越した状況対応能力を持つ人もいて敬服するが、
現状では稀有の人だと思う。

男たちが、そういう脆弱さの中にいる一方で、       
女たちは、日本中で増幅する女性優遇の波に乗って、
なぜか、男性の人権のことなど考えることなく、
したたかに、図々しく、盲目的に、ただ女たちだけのために、
自己中心的な利益誘導の活動を拡大し続けていると言って、
過言ではない時代になったと思う。
こういう、歯止めのない状況を見ると、
いずれ日本は、そう遠くないうちに、
今以上に、「女性は優遇されて当然」という価値観に彩られ、
男性差別と表現される現象は全て、合理性のある区別であるというような社会通念が、
形成されてしまうような気がする。

ところで、このような状況の中にあって、
このブログに来てくださっている人たちは、
皆さんそれぞれ、どのような活動をしているのだろうか ?
もしもしていないとするならば、それはなぜなのだろうか・・・?
などと、考えることがある。
ブログが、もっと生産的な場になればと思う。

送信したパブリックコメントは次の通り、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

木更津市男女共同参画計画(第4次) 
       〜きさらづ 共に輝くハートフルプラン〜(案) 
   URLは次の通り
http://www.city.kisarazu.lg.jp/resources/content/875/20170213-111149.pdf#search=%27%E6%9C%A8%E6%9B%B4%E6%B4%A5%E5%B8%82%E7%94%B7%E5%A5%B3%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%8F%82%E7%94%BB%E8%A8%88%E7%94%BB%EF%BC%88%E7%AC%AC%EF%BC%94%E6%AC%A1%EF%BC%89%27

パブリックコメント

第3章 課題別施策内容
 ● 基本目標T(人権の尊重と男女共同参画の意識づくり)
  ◆ 主要課題1(配偶者等からの暴力の根絶と人権の尊重に努めます。)について。
     「男性のDV被害が増加している現状」、更に、男性のDV被害は、「被害者が
    男性であるがゆえに表面化しにくく潜行しやすい」という現実をふまえ、p.17
    の表:具体的施策@ 「DV等を根絶するための広報・啓発」の、「事業内容及び
    具体的実施目標」について、次の2点を要望する。…【下記:要望(1)(2)】

      要望(1) 上から3段目 ・・・ 文中に「女性に対する暴力をなくす運動期間」
          という表現があるが、この文中の「女性」を「異性」に修正する。

      要望(2) 上から5段目 ・・・ 文中に「女性に対する暴力に関する講座」と
          いう表現があるが、この文中の「女性」を「異性」に修正する。

● 基本目標W(誰もが自立し、安心して暮らせる生活環境づくり)
 ◆ 主要課題1(生涯を通じた健康支援と福祉の充実を進めます。)
  ・施策の方向(1)(生涯を通じた男女の健康保持への支援)について。
     国民の死亡原因の第一位である「悪性新生物による死亡」は、下表1のように
    男性に多く、「自殺」も下表2のように男性に多い。しかし、このような「男性
    の『いのちの危機』」に対する具体的配慮が、(案)には記されていない。これ
    は「男女共同参画社会基本法第3条」との乖離、国民が置かれている『いのちの
    危機』の現実との乖離である。この件に関わって、下記の2点を要望する。
                                …【要望(3)(4)】
  【表1】悪性新生物(癌)による年間死亡者数(厚生労働省:人口動態統計)
                 男性    女性
     平成25年(2013年) 216,975  147,897
     平成26年(2014年) 218,397  149,706
     平成27年(2015年) 219,508  150,838

  【表2】自殺による年間死亡者数(内閣府自殺対策推進室:自殺の統計) 
                (注)自殺対策は平成28年4月より厚労省に移行。
                 男性    女性
     平成25年(2013年)  18,787   8,496
     平成26年(2014年)  17,386   8,041
     平成27年(2015年)  16,681   7,344

   要望(3)  男女両方に関わる「具体的施策」として、『がん予防の推進』を「事業
       名等」として掲げる。既に掲載されている「女性特有のがん予防の推進」
       は、下記【記載例】のように『がん予防の推進』の中に含めて」記載する。
       「がん検診」は、国が「死亡率減少効果」から推奨している5つのがん検
       診(胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がん)、及び、「死亡率
       減少効果」は明確になっていないが、男性の死亡率が高く、多くの自治体
       で行っている「前立腺がん検診(PSA検査)」を加える。

     【記載例】 
       「具体的施策」……『がん予防の推進』
       「事業名等」……『がん検診の推進』
       「事業内容及び具体的実施目標」…… 胃がん・肺がん・大腸がん・
         乳がん・子宮頸がん、及び前立腺がんの検診について周知します。
       「指標」……各種検診受診率の向上

   要望(4) やはり、男女両方に関わる「具体的施策」として、『自殺予防の推進』を
       「事業名等」として掲げる。「事業内容及び具体的実施目標」には、下記
       【記載例】のように『男性に自殺が多い』ことを明記する。

     【記載例】 
       「具体的施策」……『自殺予防の推進』
       「事業名等」……『相談体制の整備』
       「事業内容及び具体的実施目標」…… 各種相談事業は、男性よりも女性
        を対象に整備される傾向が強いが、自殺は男性に多く、平成27年の自
        殺者数は、男性が女性の 2.27倍 となっている。このような現実を鑑
        み、男性の相談体制も整備する。
「指標」……自殺者数(自殺率)の減少

 ◆ 主要課題3(防災分野における男女共同参画を推進します。)について。
     東日本大震災、及び熊本地震の災害対応に関して、内閣府や被災自治体の男女
    共同参画部局・各種女性団体・ボランティア団体等の施策を見てきた一人の国民
    として発言します。主要課題3の、題名の下から始まる文章には「女性への配慮
    の必要性が認識された」と記されていますが、今までの災害対応は、「女性への
    配慮」ばかりが強調される中で、男性が「不当な我慢」を強いられてきた現実が
    あると、強く感じています。配慮は女性だけに必要なのではなく、男性にも必要
    なはずです。男性にも「人権」はあるのです。男性の中にも色々な人たちがいま
    す。「多様性」があるのです。例えば、避難所での「着替え」に関わって、男性
    の中にも、人に見られず「更衣室」の中で着替えをしたい人がいます。それを「
    男らしくない」などと否定するのはやめてください。それは「不当な性的偏見に
    基づくジェンダーハラスメント」です。しかし、現実的には、女性だけが更衣室
    を独占し、男性は布団の中で着替えざるを得ないような避難所がありました。そ
    ういう男性に対する人権軽視・人権無視がおこらないような「計画」を作ってほ
    しいのです。更衣室は性犯罪の防止だけを目的として設置されるものではありま
    せん。それ以前に、羞恥への配慮、つまりは、男女を問わず「人間の尊厳」を守
    るために設置されるもののはずです。
     男性に対する配慮の欠落は、更衣室に限ったことではありませんでした。物資
    の配布にしても、新しい清潔な下着を女性だけに配布して、男性には配布しない
    女性団体が宮城県にありました。本当にひどい男性差別だと思います。男性も、
    新しい下着、清潔な下着を求めているはずです。確かに女性には女性の特質があ
    るでしょう。しかし男性の中にも、排泄系の病気で、日常的に下着の汚れる人が
    いる。汗等の分泌物を考えても男性の下着を軽視してよいはずはないでしょうし、
    はっきり申し上げれば、健康な男性が、夜、睡眠中に下着を汚すことがあること
    は、女性も、中学や高校の保健の授業で習ったはずではないでしょうか。「女性
    専用スペース」についても同じことです。性犯罪を防止するだけではなく、その
    「女性専用スペース」に様々の配慮を加えて、「女性専用の幸せスペース」とし
    て、女性だけへの配慮を膨張させていった自治体が、福島県にあった。男性に対
    しては、そういう配慮は皆無だったのです。物干し場も同じです。熊本市男女共
    同参画センターは、女性専用物干し場だけの写真を撮って、内閣府の男女局に送
    った。しかし、男性の中にも、プライバシーに配慮した物干し場を求める人もい
    るのです。ちなみに、私は、現在の住宅街に住んで24年になりますが、洗濯を
    して、ズボンの下に身につけていた下着を、人に見える場所に干したことはただ
    の一度もないのです。全て部屋干しなのです。トイレの問題も同じです。広島県
    にある「ピースウィンズジャパン」というボランティア団体は、熊本の益城町に、
    12基の簡易トイレを送りましたが、そのうち、10基は女性用、2基は「身体に
    不自由のある方」用で、男性用は全くないのです。男性は、汚れたトイレを使う
    しか術がない。男女のトイレ使用時間の比を3:5としても、男性用が全くない
    のは、余りにもいどい男性差別、人間の尊厳に関わる差別ではないでしょうか。
     以上、私が知り得た事実の中から、幾つかを書かせていただきました。このよ
    うな「男性に不当な我慢」を強いる施策が行われないように、計画(案)を修正
    してください。具体的には、次のような修正を要望します。…【要望(5)(6)】

   要望(5)  主要課題3の、題名の下から始まる文章を次のように修正する。
                 ……【 】内の文章を加える。 
        東日本大震災では、避難所生活における女性に必要な物資の配布をはじ
       めとし、様々な場面での女性への配慮の必要性が認識されたところです。
       【しかし、一方で男性に対しては、同様の配慮がなされないことが多く、
       男性が不当な我慢を強いられたことがありました。今後は、配慮が一方の
       性に偏ることのないように、】男女双方の視点に配慮した……(以下同文)

   要望(6) 施策の方向(1):「具体的施策@」の表、「事業内容及び具体的実施目
       標」の上段の文章中の「女性等」を「男女両方」に修正する。(次の通り)
       ・・・・・ 避難所における男女両方への配慮等を盛り込んだ避難所運営マニュア
         ルの作成を検討します。

● 順不動となりましたが、「基本目標U」に関わる要望を記します。
   要望(7) 職員の採用・昇進にあたっては、あくまでも「実力主義」に則った選考
       を行うようご配慮ください。数値目標達成を最優先と考えるあまり、「実
       力のある男性」が、「男性であるがゆえに採用されない」「男性であるが
       ゆえに昇進できない」というような事態が、絶対に起こらないよう、ご配
       慮ください。

以上です。


posted by 翠流 at 11:22| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月19日

「東京防災:女性版」

 「小池百合子という人が、『東京防災・女性版』を発行する」、というニュースが流れている。
(URLと本文は、この記事の末尾に記す)。私は、彼女が、「政治塾」の入会金を「男性5万円・
女性4万円」とした時から、彼女には、「初めに女性優遇の結論ありき」の、自己本位のフェミニ
ズム的体質があるのではないかと懸念し続けてきたが、それが、この「東京防災・女性版」に現
れるのではないかと、強く危惧している。もとより、私がこのブログを立ち上げるに至った契機は、
災害対応をめぐる、内閣府男女共同参画局の男性差別の施策にあったが、以後、今日に至るまで、
全国各自治体の男女共同参画部局や 各種団体を含めて、その施策に、「男性に対する人権軽視・
人権無視」を、強く感じ続けてきた。男性も、個人の特徴は多様であって、例えば、「羞恥に対
する配慮」を強く求める人、求めない人、「清潔に対する配慮」を強く求める人、求めない人、
配慮されるべき「身体的・精神的な弱さ」「疾患」を持つ人、持たない人、等のように様々で
あって、その特徴は、グラデーションを形成しながら「男性」という集団の中に存在している。
しかし、にもかかわらず、「男性であるが故に与えられる不当な性的偏見」、「『男らしさ』と
いう性別観・性別役割の強要」、「自己中心的なフェミ二ズム運動の拡大」等によって、男性は、
配慮不要の存在として画一化され、差別され続けてきたのである。私は、その理不尽に強い憤り
を感じている。私は、憲法第14条・13条、男女共同参画社会基本法第3条、そして、不当な性
別観によって耐えることを強要され続けてきた男性の不利益・困難に対する「積極的改善措置」
としても意味を持つはずの、男女共同参画社会基本法第2条第2項を立脚点として、「災害対応
の男性差別撤廃」を強く求めている。
 
 私は、「東京防災・女性版」に関わって、ある知人に、次のような内容のメールを送信した。

【知人への送信メール】

 小池百合子の「東京防災:女性版」について、東京都庁・総合防災部・防災管理課に、問い合
わせと発言の電話をしましたので報告します。電話を受けた職員によれば、今は「小池知事から、
東京防災:女性版の内容を検討するよう指示が下りた」段階で、「これから検討が始まる」との
ことでした。電話は、途中、私の都合で一時中断しましたが、合計で2時間程度だったと思います。
私の発言のスタンスは、以前 紹介させていただきました私のブログ(男性差別とたたかう者の
ブログ)の記事、熊本地震関連(1)(2)に示されていると言って、概ね、誤りはありません。
電話は、最終的には、私の発言を「課内で共有する」という担当者の発言で収束しましたが、途
中、私が感情的にならざるを得ないような場面もありました。電話だけでは不足ですから、私は、
後日、要望書を作成して郵送します。他に、メール・FAXによる方法もありますが、「都民の声
・総合窓口」の某職員によれば、できるだけ都知事に近い位置に要望を伝えるためには、下記の
宛名で要望書を送付するのがベスト、とのことでした。宛名には必ず「親展」を書き添えること、
とのアドバイスもいただきました。書くか書かないかで、行先が変わるとのことです。

    〒163−8001
      東京都 新宿区 西新宿 2−8−1
        東京都庁
          東京都知事 小池百合子様
               親展
 
 なお、「東京都庁総合防災部」と直接の関係を持てる部局ではありませんが、昨年、熊本地震
関連で、ある防災部局に電話をしたとき、たまたま、私のスタンスを、共感的に受け止めてくだ
さる人に出会えましたので、今回も電話をして、短時間、お話をさせていただきました。私の、
「『東京防災:女性版』が作られれば全国に波及する」という発言に対して、その人は、「全く、
その通りだ」と言っておりました。

 ところで私は、15日に、東京で行われた「LGBT成人式」に参加しましたが、会場には多数
の議員が来ておりました。彼ら彼女らは、「口々に」と言って過言ではないくらい、「多様性の認
識と人権の尊重」を趣旨とする発言をしていたという印象が残っていますが、今の日本の社会状況
を見ると、多様性は「女性・高齢者・子供・LGBT等」の存在について語られており、「男性」
という集団に内在する多様性には光が当てられていないと強く感じます。男性は未だに「男性は
こうである。こうあるべきだ」というような、「画一化・単純化された不当な性別観」、つまりは
「男性の多様性と乖離した性別観」に強く縛られる傾向が強いと思います。「避難所で着替えが
しにくい」というのは、「女性だけの観点」ではなく、私のような「男性の観点」でもあるのです。
以前「仙台いのちの電話」に電話がつながった時、その女性相談員は私に言いました。「私の夫も、
布団の中で着替えをしていました・・・」と。

【追記】 私は、「東京防災:女性版」について、東京都の男女平等参画部局にも電話をしている。
   時間は、1時間程度であったと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【時事ドットコムニュース】 2017/01/07-19:27

「東京防災」に女性版=舛添氏の施策継承−小池都知事
      http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010700227&g=soc

 東京都の小池百合子知事は7日、防災ブック「東京防災」の女性版を新たに発行すると発表
した。2017年度予算案に関連費用3億円を計上する。小池知事は予算査定後、都庁で記者団
に「避難所で着替えや授乳がしにくいなど、女性の観点で考えなければならないことは多々あ
る」と述べた。
 東京防災は、舛添要一前知事がスイスの取り組みを参考にして、15年に750万部を印刷、
都内の全戸に無償配布した。実用的な内容が反響を呼び、一般販売も始めた。小池知事は「都
民の間でも評価が高いので、切り口を変えてよりきめ細やかにしたい」と語った。
                              (2017/01/07-19:27)


posted by 翠流 at 03:12| Comment(0) | 災害対応・要望書(2016・17年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

「男らしさ」の呪縛 ・ 男の子の羞恥心

「男は作られる」と私は思う。
幼い頃から、「男らしさの規範」を押し付けられながら・・・・・。

今の時代、女たちは、
かつて女性に押し付けられていた規範から解放されて、自由となり、
女性優遇溢れる日常の中で、
自分らしく、いや、それ以上に、自己本位性を膨張させながら、
生きられるようになった。

それにひきかえ男たちは、
幾許かの時代の変化はあるとはいえ、
女たちに比べれば、
今も、「男らしさの規範」に強く縛られながら、
不器用に、脆弱な基盤の上で生きているように見える。
もしかすると男たちは、
「男であること」への臆病な従順さがあって、
押し付けられた「男らしさの規範」から、
逃れられないのではないかと思う。
そして女たちは、
そういう男たちの、足元を見ている。

尤も、与えられた「男らしさの規範」が、
その男性の本質と乖離していなければ、
外部注入そのものに問題はあるとしても、
その人の同一性は確保されるのだろう。
しかし、「男らしさの規範」は、男性の多様性を否定し、
規範とは異質な個性を持つ男性の人権を、
暴力性を持って侵犯する。

まだ幼い男の子の場合も、それは同じことだ。
ある日、保育園から帰った4歳の男の子が言った。
「赤は女の色だよ・・・・・」
母親は笑みをもって、その男の子の言葉を受容した。
しかし、その、保育士によって男の子に与えられた規範は、
私のような男性にとってみれば、
「美を求める自由の剥奪」という、
人権侵犯としての「暴力」なのである。
私は、その被害者として、
小学校6年の時から今日までを生きてきた。

「羞恥心」も同じことだろう。
「羞恥心は男らしさに反する」、「男は羞恥心など持つべきではない」、
「男性にはプライバシーへの配慮は不要である」、
そういう、不当な性的偏見に基づく人権侵犯の性別観が、
東日本大震災をめぐる災害対応、
特に、男女共同参画部局の施策に顕著であった。
そしてその、人権侵犯の視点は、今春の熊本地震にも引き継がれてしまった。

男性の中には、失礼ながら鈍感な人もいる。
しかし、そういう男性ばかりではないのである。
以前、別の記事に書いたことがあると記憶するが、
私が今、定期的に検査を受けている消化器系専門施設の男性更衣室には、
10数個のロッカーがあるが、
天井からは、ランダムにカーテンが下がっている。
同性にも更衣を見られないようにする配慮である。
それが、本来、羞恥に対してなされるべき配慮なのである。
羞恥は人間の尊厳に関わる感情である。
配慮されるべき主役は、敏感な男性の感受性である。

ところで、男性の羞恥心に関わって、
私は、男の子の感受性にも関心があったが、
情報源がなく、実情が不分明であった。
ところが過日、あるブログの中に、以下のような記事の紹介があって、
貴重な情報を得ることができた。
感謝と共に、その記事のURLと本文を記す。
引用元は、よく知られた「発言小町」である。
質問者(トビ主)の母親は、私のような男性にとっては、
紛れもない「人権侵犯の女」である。
私が子どもなら、彼女を一生怨むだろう。
しかし、回答者には質問者に批判的な人が多く、
ひと時ではあるが、ストレスが緩和される思いであった。
人権尊重の発言に、感謝申し上げる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

引用元:【発言小町】
   ・・・・・ ホーム>大手小町>発言小町 >妊娠・出産・育児
      ・・・・・ http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2013/0518/593259.htm?g=05

◆ 5歳の男の子。着替えを恥ずかしがります。
                         ミルフィーユ 2013年5月18日 1:36
5歳の年長の息子がいます。習っているスイミングは、着替えの際ロッカーが大変混むので、ス
クールが小部屋を設けていて、幼稚園ぐらいまでの子はそこで男女関係なくパッパと着替えてし
まいます。
女の子でも堂々と着替えていて、ましてや、男の子なんかはパンツも履かない状態でもへっちゃ
らです。
なのに、息子はタオルで体を隠そうとしたり、モゾモゾ着替えようとします。そんな状態の息子
を見ていると、イライラしてきて「男の子なんだから、恥ずかしがらない!恥ずかしがってる方
が逆に恥ずかしいよ!」と言ってしまいます・・・。
まだ5歳で、むしろ周りの子よりも幼い息子なのに、そんなところ?だけ恥ずかしがるようにな 
り、もっと男らしく?堂々としてほしいなとイライラします。
同じように、幼いころから恥ずかしがるお子様をお持ちの方いますか?
                              ユーザーID:6235609745

◆ 恥ずかしいと思う心は優先してあげた方がいいような
                            くろ  2013年5月18日 11:17
恥ずかしがってもぞもぞモタモタやってたら余計悪目立ちするから、
堂々とパパッとやっちゃった方が絶対良い!
分かります。その通りです。
でも、男だろうが女だろうが恥ずかしいものは恥ずかしいので、
その感覚を無理に抑えつけさせるのもあんまり良くないような。
ゴムの入ったてるてるボーズタオルでも持たせて上げたらどうでしょうねえ。
最近は、男子でも、てるてるボーズ使ってる子が結構多くないですか?
明らかに男の子向けのてるてるタオル、たくさん売ってますし。
                              ユーザーID:9218172512

◆ こんにちは。携帯からの書き込み
                        はる&はうる  2013年5月18日 12:16
現在小学生3年生と2年生のふたり息子の母です。
我が子も恥ずかしがり屋ですよ。
園のプールでは基本全裸でしばらく入りたがらなかったですが、仕方なく入って遊ぶ感じにな
りました。
園では構わないのですが、家で家族意外の人前ではパンツ姿も見せたくない様で、陰に隠れて
こそこそと着替えます。
男の子なんだから、もっと堂々として欲しいと思いますが、恥ずかしという感情を覚えたのは
成長だと考える様にしています。
                             ユーザーID:0044308771

◆ 恥ずかしがるのは成長の証
                          spoon  2013年5月18日 12:34
私にもトピ主さんと同い年の息子がいますが、やはり5歳位から家族以外がいる所で着替える
のを嫌がるようになりました。
以前は誰の前で着替えても全然平気だったし、一つ年上の従兄弟と一緒にトイレに行ったりも
していたのに、今では彼の前で替えるのが恥ずかしいみたいです。
まだまだ子供と思っていたけど、男女の性別や、人前で裸を見せる事が恥ずかしいと分かるよ
うな年齢になってきたんだな〜と息子の成長を感じました。
とは言っても、家では素っ裸で走り回ってふざけていたりするので、公私の区別も付くように
なったんだな〜とも思っています。
恥ずかしがるのは成長の証ですから、叱らないで暖かく見守ってあげましょう。
うちの子は普段はやんちゃ坊主なので、恥ずかしがっている姿はむしろ可愛く思えて愛しいで
す。                            ユーザーID:7586109432

◆ 長男がそうです
                         ヨクアール  2013年5月18日 13:00
長男がやはり3歳くらいから既に「恥ずかしい」と思うタイプでした。もちろん家ではフリチン
ダンスするし、そろそろお風呂はいってというとまだお湯も張っていないうちから素っ裸です。
その格好のまま本も読んでます。でも人に見られるのは恥ずかしいそうです。
次男と比べると神経質なところは他にもあり、食べかけの物を食べるのを嫌がったりもします。
部屋も定期的に片付けたりするし、忘れ物もあまりしません。事前準備が好きな方です。周り
の状況が良く理解できて、優しい、デリケートなタイプです。
そういえばお遊戯もずっとキライでしたね。ピラピラした衣装を着て人前で踊るのはずっと嫌
がってました。彼の中で何か線引きがあるのでしょうね。
男らしさとは何の関係もないと私は思うので気にしなくて良いのではないでしょうかね。ちなみ
にうちは女児もいますが、こちらが逆に心配になるほど無頓着で、全く平気で人前で全身着替え
るのでうちはこっちの方が困りました。
                              ユーザーID:3729606270

◆ 息子さんの気持ち分かります携帯からの書き込み
                            ネコ  2013年5月18日 13:58
私も5歳位から、親以外に裸を見られるのが嫌になりました。息子さんが嫌がるのは、まわりに
比べて精神年齢が高いからじゃないですか?逆に主さんの旦那さんが、女性の前で平気でパンツ
を脱いで着替えていたら、気持ち悪いですよね。子どもだから恥ずかしくないっていう固定観念
は捨てた方がいいですよ。
                              ユーザーID:5560288713

◆ 人それぞれ
                          めりっさ  2013年5月18日 18:18
5才児でも、恥ずかしいと思う感覚があっても何の不思議はないと思いますよ。
だって、そう言う感覚って、人それぞれ違うでしょ。
皆の前で着替えるのが嫌なら、行きだけでも着替えた状態で行けば良いのでは?
下に水着着て、上からズボンはいて、着いたら脱ぐだけみたいに。
うちの長男はいつもそうしていましたよ。
そうすれば、皆の前で裸になる回数が一回で済みますよ。
あまり言いすぎてしまうと、プール嫌いになってしまいますよ。
                              ユーザーID:7487228056

◆ 普通にいますよ。
                            え?  2013年5月19日 0:19
うちの子は普通に着替えます。ただ、小学校1年生になった長男は恥ずかしがるようになりま
したので、巻きタオルを使う着替え方をそろそろ教えようかと思っています。それだけ成長し
たんだなあ…と母は若干複雑。
はやければ5歳くらいの子は恥ずかしがりますよ。なぜにイライラする?
                             ユーザーID:9642537705

◆ 精神年齢が他の子より高いんだと思う
                            ある  2013年5月19日 9:53
うちは長男がそのタイプでした。
小さな頃からすごく「大人な」子でした。
次男は、精神年齢がいつまで経っても幼い子で、高校生になった今でも、たまに素っ裸で家の中
をウロウロして叱られてます。
>恥ずかしがってる方が逆に恥ずかしいよ!
これって、成長しつつある息子さんの自我を、思いっきり否定していることになりませんか?
相当、傷ついていると思いますよ。
                              ユーザーID:0964930557

◆ 繊細な子もいます
                           プリン  2013年5月19日 11:31
いとこが、そんな感じで風呂上がりに、親戚などがいたら恥ずかしがって泣いていました。チビ
なのに大丈夫かと心配していましたが、案の定、思春期までは、とても無口で、傷つきやすい子
になりました。
親が離婚したときに、不登校になり、しばらくしたら、北海道の学校に行くといいだし、寮生活
をはじめ、その後は、世界中を放浪する男になりました。
嫌がるという事を否定したら、心が曲がってしまうので、そこは配慮してあげたほうがいいと思
います。
                              ユーザーID:7655464095

◆ 恥ずかしいは本能
                          カエル君  2013年5月20日 13:08
恥ずかしいと感じる根本は「無防備」危険な状態を人間は恥ずかしいと感じる。
ちなみにここでいう「恥ずかしい」は恥を知るとは違い野生時代の名残り本能としての話です。
寝ているとき、排泄する時、物を食べているとき、これが現代に残るの三大「はずかしい」。
(でも若い女性でも乗り物で大口開けて寝ているのを観る、必ずしも法則としての話ではない。)
底から考えるとトピ主さんのお子さんは着替えと無防備が結びついてしまったのでしょう。
あまりイライラせず結びつきを解く気持ちで接してあげましょう。
                              ユーザーID:0762807118

◆ 普通だと思います
                       子羊ひつじ大羊  2013年5月20日 22:17
うちの息子も5歳くらいから恥ずかしがるようになりました。
まだこんなにチビなのに恥ずかしいという感情を持つようになったんだなぁ、成長したなぁと思
っていました。
私や夫に対しては全然気にならないようでお風呂前など素っ裸で家の中をうろつきますが、あん
なにオムツを替えてもらっていた大好きなお婆ちゃんには、裸を見られまいと「キャ〜」と言っ
て逃げていきます。
プールでは、どなたかが書かれていましたが、片側にゴムが入っているてるてるボーズタイプの
タオルを使っています。
これだと気になる部分は隠れますし、これから一人で着替えるようになった時、特に最初は着替
えやすくて本人が楽だと思います。
恥ずかしいと思う気持ちが芽生えてきたのは、息子さんのせいではありませんし、極自然な感情
だと思いますので、「恥ずかしいのね。そっかそっか」とさらっと受け止めてあげたほうが良い
かと思います。
恥ずかしいという感情を持たないでスッポンポンでいるのが男らしいとは全く思いません。
                              ユーザーID:5072256884

◆ 精神年齢が高いのでは?
                          ありゃま  2013年5月21日 16:04
恥ずかしがるということは、年齢の割に、精神年齢が高いのではないかと思います。成長の証
ではないでしょうか。
                              ユーザーID:3842813462

◆ 野生からの脱出だ!
                          ICHICO  2013年5月21日 16:50
そう我が家では盛り上がりました場面ですね(笑)。
うちの娘は3歳くらいから「ハズカシイ」が出てきましたねぇ。
ジジババのオウチでお風呂に入る時、いつもだったら居間で洋服をポイポイ脱いでいた(脱がせ
ていた)のが「や〜よぉ〜」と言って脱衣所に行こうとせがんでましたっけね。
「恥ずかしいの?」と聞きましたこっくり「ウン」と頷いていましたっけ。
今まではスッポンポンで走り回ってキャーキャーいってたのにねぇ。
近年では甥っ子がハズカシデビューしてましたね。
彼は年長さんでそれが出てきたっけ。
パパと一緒に「お?野生からの脱出か?」とニヤニヤしてみていましたっけ。
「知」がついてきた証拠です。
                             ユーザーID:4419459902

◆ 二度目です携帯からの書き込み
                           ネコ  2013年5月23日 14:28
主さんの思考だと、皆の前で裸で堂々と着替えるのが男らしいのですか?それなら、大人でも
男女別の更衣室は不要ですね。ちなみに、主さん自身も、見知らぬ男性の前で羞恥心なしに平
気で着替えられるのですか?見知らぬ成人男性が、主さんの前で裸になっても、「男らしいわ」
で終わるのでしょうか?それなら、息子さんの気持ちは永遠に分からないし、一般的に相当ズ
レていると思います。考えを改めた方がいいですよ。
                             ユーザーID:5560288713

◆ 逆に携帯からの書き込み
                           ガーゼ  2013年5月24日 7:48
私が学童で働いている時、1年生の男の子がロッカーの前で着替え出した時はびっくりしまし
た。指導員みんなであの子は幼いね、なんて話したり…
他の男の子は上を着替えるだけでも女子や指導員の前では嫌がりましたよ。
だから普通の成長です。
大丈夫です。                        ユーザーID:5884619681


 
posted by 翠流 at 23:47| Comment(3) | 男性の羞恥心 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月04日

男性の羞恥心 (3)

 やはり学生時代のことであるが、私は、「男性の羞恥心(2)」の下宿に入る前に、都
心からもう少し離れた、中央線沿線の住宅街に下宿していた。その家は、やはり大学の紹
介で、家主もその妻も親切な「いい人」だったのであるが、初めてその家を訪ねたとき、
私には、一つの違和感があった。下宿部屋は二階に三つあり、すべて男子大学生。二階に
通じる外階段にはもちろん共通の鍵があったが、各部屋の入口は鍵がかからない造りにな
っていたのである。私は、ためらいを覚えたが、「まさか他人の部屋に無断で入る者はい
ないだろう」と自分に言い聞かせ、契約をしたのであった。「いい時代」だったのである。

 私の部屋は、東側と南側に窓のある日当たりのよい部屋で、南側は狭い庭を隔てて道路
に面していた。通勤・通学の歩行者がよく利用する道路で、車の往来は少なかったが、窓
のところに洗濯物を干すと、道路からは丸見えだったので、私は、下着やパジャマは、い
つも室内に干していた。もちろんそれは、私の、はなはだプライベートな営みであった。
ところがある日、私の部屋に無断で入り、私の洗濯物をいじった人間がいたのである。そ
の日は確か休日であったと思う。私はパジャマを洗濯して部屋に干し、外出したのである
が、帰宅して部屋を開けたとたん、畳の上の、たたんだジャマが目に入ったのである。私
は初め何が起こったのかわからなかった。そんなことがあるはずはなかったのである。

 部屋に入ったのは家主の妻であった。彼女にそのような行動をとらせた彼女自身の感情
は、たぶん単一ではないと私は思う。しかし彼女が、通俗的に言えば「いい人」であった
ことを単純に受け止めて、それを「親切なおばさん」の好意であると評価する人はいるだ
ろう。しかし私は、それで済む人間ではなかった。私はその時から、ちょうど「むち打ち
症」を患った時のように、後頭部から首の後にかけて重い重圧を感じるようになってしま
った。彼女は、私の表情から私の感情に気付いて、「ごめんなさい」などと言ったが、状
況は既に「覆水盆に返らず」であった。私は、すぐに大学の学生課に赴いて新しい下宿を
探し、軽トラックを手配した。そして入ったのが、「男性の羞恥心(2)」の下宿だった
のである。

 似たようなことが別の場所でもあった。私は、長い間、ダンス(ソシアルではない)を
習ってきたが、ある日、レッスンの後、掃除のときに、フロアーや廊下を拭いた後で、や
や年齢の高い一人の女性が、男性更衣室の戸を開けて中の床を拭き始めたのであった。私
はその、私にとっては全くの想定外の出来事について、今も適切な言葉が見つからない。
私は、彼女に、自分の下着を見られたのではないかと、強い不安を感じた。私は脱いだ衣
服を丁寧にたたんで重ね、更衣室壁面の棚に置いたのであるが、もしかすると、彼女に下
着の端が見えているかもしれないと思ったのである。掃除が終ってから、私は、不安なま
まに男性更衣室の戸を開け、左側の棚を見た・・・・・。よかった・・・・・。下着は完全に内側に
隠されていた。

 以前、災害対応の記事に書いたことがあると記憶するが、私は、20数年前に今の居住
地に転居してきた。そして、その時から今日に至るまでの間、私は、洗濯をして、スラッ
クスの下に着けていた下着を、人に見える場所に干したことは唯の一度もないのである。
すべて部屋干しである。上の記事にパジャマのことを書いたが、私は今、就寝時には、あ
るバレエ系ダンスショップで購入したレッスン用のハーフパンツをはき、上はTシャツを
着ている。既成のパジャマは着ない。


posted by 翠流 at 22:48| Comment(0) | 男性の羞恥心 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月29日

山崎 元 の文章

理不尽な女性優遇ばかりが拡大する日本にあって、
ある知人から紹介された山崎元(経済評論家)という人の文章に、
ひと時の安らぎを与えられた。
たぶん私だけではなく、
女性優遇社会の生づらさを抱える男性たちの中には、
山崎さんの文章を、自分の思いの代弁として捉える人も多いのではないかと思う。

昨今のネット上で、男性評論家の発言を読むと、
なぜか、女性優遇の肯定や、推進論が目立つような状況があって、
私は、その背後に、評論家やマスコミの、
時流に乗ろうとする自己中心性や、
女性優遇是認が、男として背負うべき規範であるかのような、
男性差別の価値観の存在を意識するが、
仮にそれが、私の穿った見方であったとしても、
女性優遇ばかりが増幅し続ける日本の社会は、
既に、女性差別解消の域を逸脱して、
女たちを特権階級にしてしまっている。

企業の、女性をターゲットとした優遇戦略は、
例えば、法務省の「人権侵犯事実不明確」の判断に見られるように、
法の網の目をくぐることを許され、
営利のために、平等な人権尊重という倫理を破壊し続けているし、
痴漢対策と称した女性車両に「専用」という法律違反の名称を与えた鉄道会社は、
男性の人生を破壊する痴漢冤罪被害については、
全く対策を講じてこなかったと言って過言ではく、
この、糾弾されるべき男性差別の持続は、
日本を女性優遇列島に変えるための、重大な役割を演じてしまっている。

内閣府男女共同参画局を発信基地とするフェミニズム運動は、
男女共同参画社会基本法第三条(注1)とは乖離した自己本位性のままに、
様々の施策を講じてきた。
例えば、女性の社会進出であるならば、
男女共同参画社会基本法第二条二項(注2)は、
数値目標達成を最優先とした女性優遇採用・昇進の正当化のための詭弁に、
法的根拠を与えることを目的として、計画的に導入されたと私は感じているが、
その周到な策略は、安倍晋三の擁護を得て、
実力主義に背いた悪花を咲かせるようになった。

  (注1) 第三条(男女の人権の尊重) 男女共同参画社会の形成は、男女の個人とし
     ての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、
     男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が
     尊重されることを旨として、行われなければならない。

  (注2) 第二条(定義)  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、
               当該各号に定めるところによる。
    一 男女共同参画社会の形成  男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思
     によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって
     男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、
     かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。
    二 積極的改善措置  前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため
     必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供
     することをいう。

災害対応については、既に、東日本大震災を中心として、
男女局の、男性に対する人権軽視・人権無視の施策を繰り返し取り上げてきたが、
先般の熊本地震に関わっても、
内閣府男女共同参画局がHPで発したメッセージは、
2013年に、男性への人権上の配慮も加えて(案)が修正された「男女共同参画の視点からの防災・
復興の取組指針」と乖離したまま修正されなかった「指針の【解説事例集】」からの引用、具体
的には、初めに女性優遇の結論ありきの「取り組み事例」や「避難所チェックシート」が目立つ
のである。(この件については、後日改めて取り上げたい思いがある)

第4次男女共同参画基本計画の「健康支援」についても、既に発言をしてきた。
基本計画に記された題名は、「生涯を通じた女性の健康支援」、
「男女共同参画」であるにも関わらず、そして、
「いのちの危機」に直面しやすいのは、女性より、むしろ男性であることが、
既述の通り、厚労省等のデータから明らかであるのに、
題名には女性しか存在しないのである。
本文に男性のことが全く書いてないわけではないが、
女性に対する手厚い配慮に比べれば、
男性に関する記述は、はるかに脆弱であって、
その内容は、形式的、表面的。
要するに男女局は、男性の危機とは、真摯に対峙しないのである。

           ◆

前置きが長くなってしまった。次に山崎さんの文章を掲載する。
URLと共に、全文を掲載する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

DIAMOND online  TOP  経済・時事
山崎元のマルチスコープ

  ◆ 社会に潜む「女性優遇」、日本の男子は微妙に生きにくい
         http://diamond.jp/articles/-/108988
              山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

【第453回】 2016年11月23日

東大女子の家賃補助に思う
日本の男子は肩身が狭い

 日本の「男子」は、生きにくいのではないか。漠然とそう感じてきたが、東京大学が遠隔地出
身の女子学生に月3万円の家賃補助を行うことを決めた、というニュースを見て、「本当に、そ
うかもしれない」とあれこれ考え始めるに至った。

 東京大学の女子学生比率は近年伸び悩んでいる。学部入学者の比率で見て2004年の21%に
及ばないばかりか、近年は20%を切る水準での推移になっている。

 その理由として、地方の女子の場合、東京大学に入学できる学力があっても、親元を離れて東
京で一人暮らしをすることの、危険、心細さ、経済的負担などを嫌って、自宅からの通学が可能
な大学を受験するケースがあるのは分かる。

 また、東京大学が、いかにも通俗的だが、学生に「多様性」を求めたいと希望していることも
分からなくはない。例えば、男子校の進学校出身のよく似たタイプの学生が多数入学して来るこ
とは、想像に難くない。

 しかし、一見画一的に見えても、素材としての人には個性がある。大学で学問をはじめとする
多様な経験を積ませることによって、「多様性」は後から教育で引き出すべきものなのではない
か。男女比率などといった表面的な属性にこだわること自体が、世間の後追い的でイケていない
が、加えて表面的な目標達成のためにカネを使おう、というのは何ともいただけない。

 仮に、入学試験を受ける年代の男女の数と能力差がほぼ同じで、東京大学が「極端に魅力的」
な大学であるとすれば、男女はほぼ同数集まってもいいのではないか。要は、東京大学が提供す
る教育に十分な魅力がないことが、真の問題なのではないだろうか。

 それにしても、地方出身の男子東大生が可哀想ではないか。学費と生活費のために、例えば、
時給1000円として3万円に相当する30時間の貴重な時間を、ただで貰える女子学生を横目に、
アルバイトに費やさねばならない苦学生はまことに気の毒だ。

 余談だが、気の毒な男子学生諸君のために、初歩の金融知識を伝授しよう。現在、奨学金は有
利子のものでも年率0.1%といった大変低い金利で借りられる(無利子のものもあれば、有利子
のものも複数の条件がある)。学生諸君が卒業後に就職すると、数年で500万円程度の年収を稼
ぐようになることは珍しくないはずだが、500万円の年収は時給に換算すると2500円だ。時給が
1000円から1500円といったアルバイトになど時間を費やさずに、奨学金を得て、将来の時給で
現在の時間を買う方が「投資として得」だ。奨学金でなく、親から借りてもいい。

 もちろん、「買った時間」は、勉強(これが一番無難な投資だ。勉強の出来ない東大出ほど無
意味な生き物はいない)、人脈形成、有意義な経験、社会貢献、など将来の人材価値につながる
ものに無駄なく使うべきだ。学生時代の「時間」は、人生に対する(より正確には「将来の人材
価値」に対する)投資の元手として、まことに貴重だ。

電車内や社内に潜む
男性不利のバイアス

 さて、本題に戻ろう。男子で不利なのは、地方出身の東大生だけではない。

 例えば、地下鉄に乗ってオフィスを目指そうとすると、「女性専用車両」が目に入る。この車
両を避けて乗るとしても、「オヤジ」(30代から上の男は皆「オヤジ」の自覚を持つべきだ)は
汚いものであるかのような目で女性から見られ、汚いだけでなく、いつ痴漢を働くか分からない
危険な生き物のように避けられ、甚だしきに至っては痴漢のえん罪の対象になることさえある。

 相手の立ち位置が邪魔で腹が立っても、「オバサン、よけてよ」というような不用意な言葉を
吐くと、場合によっては電車の中でも問題化するリスクがあるし、オフィスの中であれば、「セ
クハラ」という、認定された場合にはサラリーマンとして致命的とも言える状況に陥るリスクが
ある。

 もちろん、痴漢の犯人は男性が圧倒的に多かろうし、軽微な痴漢なら許せと言いたいわけでは
ないが、同じことをしても、男性が女性に何かする方が、女性が男性に何かするよりも、「大事」
になりやすいバイアスが存在するように思われる。

 オフィスのセクハラも同様だ。女性が、男性の薄毛を「ハゲ」と言ってもその場の暴言で済ま
されそうだが、男性が同僚女性の体型を揶揄する言葉を発すると、セクハラとして「大問題」に
なりかねない。いずれの「不適切さ」も本質的には同等であるように思われるのだが、扱われ方
に、「男性不利」のバイアスがあるのではないか。特にセクハラについては、オフィス内の駆け
引きにあって、ライバルや敵を陥れる罠に使われることがあるので、特に男性のサラリーマン読
者は幾重にも注意されたい。

 少し前に(ソチ五輪の頃だ)、国会議員でかつある競技団体の会長だった女性が、パーティで
ご贔屓の男性選手に強引にキスをした一件が世間で問題になった事があったが、その後批判はさ
れたものの、議員も会長も辞任には至らなかった。加害者・被害者の男女関係が逆だったら、こ
の程度では収まらなかったのではないだろうか。

 痴漢もセクハラも悪い。このことに異議はない。しかし、その認定と実質的な処罰にあっては、
男性が不利になっているのではないだろうか。そして、このことは、実際に罪を犯さない男子に
対しても、微妙なプレッシャーをかけている。

 加えて、今日でも多くの組織人の主たる関心事である「出世」にあって、女性を明示的に優遇
するケースが多発している。企業では、役員・部長の登用に女性を優遇したり、甚だしきに至っ
ては幹部社員における女性の目標比率を定めたりしている。女性の活用に光が当たる一方で、こ
こでも男子は、じんわりと圧迫を受けている。

 「人事は公平・公正なものである」という建前は、現実には建前に過ぎないことが多いが、
これをないがしろにすると組織は澱む。

男子にプレッシャーを与える
大黒柱の呪縛

 社会の制度にも、日本男子へのプレッシャーが見える。

 近年、安倍内閣が目指す女性の参画を巡って、よく話題になる、「103万円の壁」(超えると
給与所得控除がなくなる)、「130万円の壁」(国民年金保険料の支払い義務が発生。大企業勤務
者は106万円に引き下げの案が審議中)の、いわゆる「壁」問題は、働く女性と、専業主婦との
間の有利・不利の問題として語られることが多いが、共稼ぎの妻が「壁」に阻まれてそれ以上に
働く意思を持たなくなる場合、家計を同じくする夫も理不尽な不利の被害者だ。

 また、夫が働き、妻が専業主婦で、子供が二人いるような、いかにも昭和な「標準家庭」の想
定は、現在の社会保障を考える上ですでに実態に合っていないが、世間が想定する、このような
「当たり前の家庭像」は、妻子を養う経済力のない男性に対して「あなたは一人前ではない」と
いう無言のプレッシャーとなっている。そして、こうした男性が結婚に消極的になることが、晩
婚化、さらには少子化に拍車を掛けているように思える。

  「控除」に関わる制度の周りを見るだけでも、女性間の差別(「差別」と呼ぶに十分な理不
尽だろう)、晩婚化、少子化、さらに目立たぬながらも、専業主婦の夫に対する不利や、夫たる
男は一家の「大黒柱」たれ、という制度的・世間的なプレッシャーが男子に加わることの問題が
見える。

 「男らしく(あれ)」と言うのも、「女らしく(あれ)」という発言と同程度に不適切であり、
相手の男女を問わずにセクハラでもある、ということは理屈では理解できるとしても、なかなか
世間に浸透しない。

 「経済力」あるいは「肉体的な強さ」などを持たない「弱い男子」にとって、現在の日本の社
会は、ひどく「生きにくい」環境なのではないだろうか。

「男女平等」の追求に
「女性優遇」を使うべきではない

 政府が目指す女性の労働参加を促進する上でも、また家計がいわゆる「ライフ・シフト」、す
なわち人間の長寿化に適応していくためにも、夫婦は夫と妻とが分け隔てなく稼ぐ「平等な共稼
ぎ」こそを、標準家庭と考えることが望ましい。

 「壁」に制約されずに、妻も稼げるだけ稼ぐことは、当面の家計を助けるだけでなく、「現役
期間の延長」をサポートするし、夫の就業不能等のリスクに対する「保険」にもなる。

 また、社会的にそうした家庭像を「当たり前」とすることは、専業主婦という今や贅沢品を長
期保有する経済的自信を持たない男性へのプレッシャーを緩和することになるだろうし、なにが
しか晩婚化・少子化への歯止めともなる可能性がある。

 「男は強くあらねばならない」という価値観を社会が緩やかに捨てることが望ましいのではな
いか。個人的な「好み」として捨てることを強制しなくてもいいが、この価値観を他人に押し付
けることは慎むべきだ。

 経済的に、あるいは肉体的に、または精神的に、「弱い男子」に対して社会はもっと優しくあ
ってもいいのではないだろうか。付け加えるなら、若い男子ばかりでなく、経済的にも体力的に
も上がり目を失い、異性から好感も持たれない「オヤジ」の多くは、間違いなく「弱者」だ。も
っと優しくして欲しい。

正直に言って、筆者も、レトリックとして「男らしく」といった表現を使ってしまうことがあ
るが、これは良くない。気を付けねばなるまい。

 もっとも、「弱い男子にも気を遣うべきだ」とする社会が、今よりも居心地のいい社会をもた
らすか、単に気を遣う対象が増えて窮屈さを増すだけなのかは、筆者にとっても今一つ定かでは
ない。

 ただし、国立大学が女子学生だけに限った家賃補助を行うことや、人事における女性の優先登
用、専業主婦だけを優遇し労働市場を歪めているアンフェアかつ非効率的な各種の控除のような
ものは、さっさと止めることがいいに違いあるまい。

 「男女平等」の理想を追求するに当たって、一時的にではあっても「女性優遇」を手段として
使うことは不純であり、弊害を生む。真っ直ぐ理想を目指すべきだろう。


posted by 翠流 at 02:06| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月15日

東京大学 男性差別

昨晩、あまりにもひどい男性差別のニュースに、

強いショックを受けた。

皆さんもご存じでしょう・・・・・。

東京大学 男性差別。

記事は次の通り。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 東大、女子学生に月3万円の家賃補助 来春に初めて導入
                 
                     朝日新聞デジタル 11/14(月) 17:51配信

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00000074-asahi-soci

(本文) 
  東京大学は来年4月から、一人暮らしの女子学生向けに月額3万円の家賃を補助する
 制度を初めて導入する。志願者、在籍者ともに約20%にとどまる女子学生の比率を高
 める狙いで、「まずは女子の志願者増につなげたい」(同大)という。

  対象は、自宅から駒場キャンパス(東京都目黒区)までの通学時間が90分以上の女
 子学生。主に1、2年生が過ごす駒場キャンパスの周辺に、保護者も宿泊でき、安全性
 や耐震性が高いマンションなどを約100室用意。家賃を月額3万円、最長で2年間支
 給する。

  保護者の所得制限もつけない。東大は現在、女子学生の40%が自宅以外から通って
 いる。東大は、多様な人材による研究や教育力の向上を目指し、高校訪問や女子高校生
 向けのイベントを開くなど女子の受験を呼びかけてきたが、ほとんど増えなかったとい
 う。地方の入試説明会などで、女子の安全な住まいについて心配する保護者が多かった
 ため、こうした支援に乗り出した。