2018年04月28日

女性専用車両問題:NHK 記事批判

◆ NHKは、男性の痴漢冤罪被害と対峙しない ◆

  ・ご存知の方が多いかと思うが、NHKは、3月26日(月)に次のような記事を掲載した。  
     ・記事名:「もし、あなたの大切な人が … 女性専用車両を考える」
                      (NHK NEWS WEB 3月26日)
       https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180326/k10011378781000.html
                      (全文は、この記事の末尾に掲載する)

  ・私は、この記事について、翌日(3月27日)に「NHKふれあいセンター」に電話を入れ、 
  コミニュケーターの女性と管理者(SV)の男性に、次のような内容の要望を伝えた。
    @ 記事は女性の痴漢被害に対する配慮ばかりを強調し、男性の痴漢冤罪被害の深刻さや、
     その対策としての、男性専用車両の必要性に言及していない。これは余りにも一面的で、
     人権上の配慮として適切さを欠く。男性の危機に言及しないのは、男性に対する差別で
     ある。この記事を削除し、修正した記事を掲載してもらいたい。
    A 記事の修正ができないのであれば、今後、同様の記事を掲載する場合、@に配慮し、
     男性の痴漢冤罪被害の深刻さを、例えば原田信助さんの自殺のような具体的事実と共に
     必ず取り上げ、その対策として、男性専用車両の必要性に言及してもらいたい。
    B 今後、同様の問題について、テレビ・ラジオ等の番組を作成する場合は、必ず、上記@A
     の配慮のもとに作成してもらいたい。

◆ 以下に掲載する散文は、上の要望の背景となった私の思いや、現状認識を記したものである。痴漢
冤罪被害の深刻さは、実例と共に、かなり広く認識されるようになったはずと私は思うが、にもかか
わらず、鉄道会社は、男性専用車両を、まだ一両も導入していない。女性専用車両は「今や首 都圏を
中心に80を超える路線で導入されている」とNHKの記事にはあるが、この、人権上の配慮のアンバラ
ンスを、どのように理解すればよいのか? このような男性差別を作り出した最大の責任は、「初めに
女性優遇の結論ありき」の鉄道会社幹部にあると思う。彼らは本来、社会によって糾弾されるべきな
のである。

◆ 散文は、以下の通り。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

危機や困難への配慮は、女性に対しては手厚く、
男性に対しては軽んじられる傾向にあると、
私は以前にも書いた。
社会が与える配慮の性差は、
既に何回か引用した山田昌弘さんの言葉の通り(下記)であって、
社会には、初めに女性優遇の結論ありきの、男性差別が存在する。

   なぜ女性のつらさは問題にされるのに、
        男性の生きづらさは問題にされないのだろう。
                  (中央大学教授:山田昌弘)

このような「配慮の性差」が作り出される背景には、
男性が、いつの間にか背負わされる男らしさの規範、たとえば、
「男性は強くなければならない。困難に耐えなければならない。危機を表に出してはならない」とか、
社会的な男女関係であれば、
「男は女を守らなければならないが、女は男を支えなくてよい」とか、
特に近年一層の顕著となった女性優遇に対しては、
「男性は不満を言ってはならない」というような、
男性に、「耐えること」や「犠牲になること」を強いる性別役割の強要がある。
時代に幾許かの変化があるとはいえ、
女性が、かつての性別役割から解放されたほど、
男性は解放されてはいないし、
女性優遇拡大の時代にあって、男性は、既に幼い頃から、
新しいストレスにも晒されるようになっている。

このような、男性が背負わされる性別役割は、
女性から男性への身勝手な要求としても、勿論存在するが、
それよりもむしろ、男性同士の人間関係の中で、
女性優遇を好む男たちからの押しつけによって強固となり、
結果として、「女性だけを守る傘」ができる。
女性優遇を好む男は、男性には配慮しない。
そして、社会の上層部に、そういう男は多い。

今回取り上げたNHKの記事であれば、
後半に登場する、明治学院大学の澤野雅樹という教授が、そういう男である。
彼の発言には、痴漢被害対策としての女性専用車両の肯定だけがあって、
男性の痴漢冤罪被害に対する配慮は存在しない。
私は、彼を前にして問い質したい。
あなたは、痴漢冤罪被害で鉄道自殺をした原田信助さんの悲惨を、どう捉えるのかと・・・。
もしも彼に、それを受け止める心がなければ、
彼自身が痴漢冤罪被害にあい、発狂するほどに苦しみ、
死の淵をさまよい歩くべきなのである。

ところで、勿論、すべての女性がそうだと言うわけではないが、
昨今の、女性優遇ばかりが拡大する社会状況にあって、
上に述べた「女性だけを守る傘」の下に安住して、
自分たちの安心、安全、利益ばかりを求める女たちが、非常に多くなった。
彼女たちは、男性の危機や困難、不利益には、
全くと言ってよいほど関心がなく、(意識的に無視している?)
男性への配慮など存在しない。
仮に配慮するような言葉があっても、それは、表面的、形式的、自己弁護的で、
後述の例もあるが、真摯な対峙は存在しない。
(もしかすると彼女たちは、男性の不利益を喜んでいるのかもしれない。)

要するに、今の日本で拡大する女性優遇、女性限定配慮は、
本来あるべき女性差別解消とは異質であって、
女性を、あたかも特権階級であるかの如く扱うことによって、
彼女たちに内在していた自己本位性を、
無分別に、したたかに、解放してしまったと、私は強く感じている。
例えば、男女共同参画運動などは、まさにその最たるものと思うが、
それは別の記事として書いてきたことであるし、今後も書くことになるだろう。

今回取り上げたNHKの記事に戻れば、
「ネットワーク報道部」は、女性専用車両を巡る17年間の動きを辿りつつ、
痴漢被害対策としての女性専用車両の意義を強調する。
それはそれで、それ自体については、私は異論を挟むスタンスではなく、
「専用」という言葉が「任意性」を隠蔽してきた偽りの言葉であることは、
周知されるべき事実と思うが、
今のところ、女性(専用)車両以上に有効な痴漢被害対策は、まだ誰も提示できていないと、
(私には)思われる現状にあっては、
私も、女性(専用)という名の車両の、存在を是認する立場に立つのである。

しかし、たとえそうではあっても。
専用車両問題を論評する時、
NHKの記事のように、痴漢被害ばかりに光をあて、
痴漢冤罪被害の悲惨を取り上げないのであれば、それは、
紛れもなく、男性に対する人権無視、男性差別なのであって、
その視野狭窄を放置するわけにはいかないである。

記事は、女性専用車両が設置された契機の一つとして、
大阪市地下鉄御堂筋線事件を、痛ましい事件として取り上げている。
しかし、ならばなぜ、
原田信助さんを自殺に追いやったような痴漢冤罪事件を、
そして、「それでもボクはやってない」として映画化されたような人権侵犯告発のメッセージを、
なぜ、この記事で取り上げないのか、
女性専用車両が、「今や首都圏を中心に80を超える路線で導入されている」にもかかわらず、
痴漢冤罪被害対策としての男性専用車両を一両も導入してこなかった鉄道会社の姿勢に、
なぜ、疑義を呈さないのか ?

しかも呆れたことに、NHKは、
「民間の鉄道会社で作る団体の担当者」の、
「女性専用車両は ・・・(中略)・・・ 男性のえん罪を防ぐ意味もあると考えています」などという、
「女性専用車両だけの設置」の、正当化を企図するかのような、自己弁護の詭弁までもを、
無分別に引用しているのである。
自意識過剰の女性であろうが、被害者意識過剰の女性であろうが、
どのような女性が女性専用車両に乗ろうとも、
一般車両が男女混合であることに変わりはなく、
「偶然の接触」「犯人間違い」「示談金目当て等の犯罪被害」の可能性は常に存在する。
だから男性は、冤罪の危機を回避するために、
両手を挙げて乗車するのである。

NHKの記事には、男性の痴漢冤罪被害と真摯に対峙する姿勢が存在しない。
NHKは、冤罪が、男性(とその家族)の人生を破壊する現実を書かないのである。
担当者は、記事の最後に、痴漢被害だけを取り上げて、次のように書く。
「今まさに痴漢の被害にあっているのは、あなたの大切な娘や妻、恋人、友人かもしれません・・・・・」
しかし、この記事には、次のような文章は存在しないのである。
「今まさに痴漢冤罪の被害にあっているのは、
          あなたの大切な息子や夫、恋人、友人かもしれないのです・・・・・」

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◆ NHK 記事全文 ◆  「もし、あなたの大切な人が … 女性専用車両を考える」

 17年前の3月27日、電車の新しい車両に関するニュースが一斉に報じられました。「のぞみ」?
「はやぶさ」? いえいえ違います。東京の京王電鉄で女性専用車両の定時運転が始まったのです。
今や首都圏を中心に80を超える路線で導入されている女性専用車両ですが、ある出来事をきっかけ
に、その存在を改めて問い直す動きがあります。これは、あなたの大切な人のことを思い浮かべなが
ら考えてほしい問題です。 (ネットワーク報道部)

女性専用車両は男性差別?

 2月16日、東京メトロ千代田線の「女性専用車両」に乗り込んだ男性3人が乗り合わせた客と言
い争いになり、結果として電車がおよそ15分遅延しました。
 男性たちは「女性専用車両は鉄道会社の任意のお願いであり、男性が乗っても法的に問題がないの
で乗車した。すべての男性を痴漢とみなして車両から排除しようとするのは、不当な差別だ」と、鉄
道会社の対応をブログなどで批判しています。

当時から反対の意見も

 女性専用車両に対する否定的な意見は導入当初からありました。導入を前に京王電鉄が行ったアン
ケートでは、女性専用車両に「賛成」と回答したのは女性が82%、男性は56%と、男女で大きな開き
があります。アンケートには「女性だけを優遇する差別だ」という意見も寄せられたということです。
 民間の鉄道会社で作る団体の担当者は「今も昔も反対意見があることは承知しています」としたう
えで、「女性専用車両は、あくまでも利用者の皆様にご協力をいただいて成り立っているもので、痴
漢被害から一時的に女性が守られる場所であると同時に、男性のえん罪を防ぐ意味もあると考えてい
ます」と話していました。

導入された背景は

 そもそも、日本でなぜ女性専用車両ができたのでしょうか。1988年、大阪市の地下鉄御堂筋線で
男2人組に痴漢を注意した女性がその後、2人から性的暴行を受けるという痛ましい事件が起きまし
た。この事件をきっかけに痴漢を許してはいけないという機運が高まり、それまで見過ごされていた
電車内での性被害の実態が広く認識されるようになりました。(御堂筋線では2002年11月から女性
専用車両を導入)。2001年に警視庁が公表したアンケートの結果では、回答した女性の6割が「被
害にあったことがある」というのです。「電車内での痴漢は増える傾向にあり、警察と鉄道会社が協
力して対策にあたる必要がある」として、警視庁が女性専用車両の導入を進めるよう鉄道会社に申し
入れました。増え続ける痴漢対策に有効な手が打てず、いわば窮余の策として、運行が始まったので
す。その春、京王線で女性専用車両の定時運行が始まり、やがて各地でも導入されるようになったの
です。

日本だけじゃない イギリスの議論は

 痴漢など電車内での性被害は世界の大都市に共通する問題です。女性専用車両をめぐる議論がある
のは日本だけではありませんが、その結論は国によって異なります。イギリスでは、電車や地下鉄で
の性被害の報告が2016年度に1448件あり、4年前に比べて倍近くに増えています。痴漢被害の多
くが通報されない状況はイギリスも同じで、巨大な地下鉄網を運営するロンドン交通局は車内での性
的嫌がらせや性犯罪の9割は表面化していないとしています。

女性専用車両は英国でも議論に

 こうした事態を受けてイギリス議会の野党議員が去年、女性専用車両の導入について「検討する価
値がある」と発言し、議論を呼びました。インターネットのアンケート調査では、賛成23%、反対58
%。男女別で見ても、女性で賛成したのは28%、男性だと18%にとどまりました。「女性の居場所
を制限する」とか「すべての男を性犯罪予備軍のように扱う」として男性だけでなく、女性からも強
い反発が出たのです。イギリスの新聞は、提案した議員の事務所に「女性が職場でハラスメントを受
けたら、男女別にフロアを分けるのか」という意見が寄せられたと報じています。これは「女性専用
車両を作ることが果たして『性犯罪をなくす』という根本的な問題への解決方法なのか」という、社
会全体への問いかけでもありました。

被害は記者の周りでも

 かたや女性専用車両が定着した日本。導入から17年たった今、状況は変わったのでしょうか。犯
罪白書によりますと、電車内以外で行われたものを含む迷惑防止条例違反の痴漢の検挙件数と電車内
における強制わいせつの認知件数は、平成18年はそれぞれ4181件、420件だったのが、平成27年
には3206件、278件とやや減少傾向ですが、3000件を超えています。被害を申告できない人もい
て実態はさらに多いと見られていて、単純に減ったとは言い切れません。
 今回の取材にあたって、まず職場の身近な人たちに痴漢被害を受けたことがあるか聞いてみました。
すると、同僚の5人ほどに声をかけただけでも「満員電車の乗ってから降りるまで体を触られ続けた」
「精液をかけられた」といった被害体験を聞きました。ある女性は「私は“2回しか”被害を受けた
ことがないから話はあまり参考にならないかも…」と前置きをしてから話し始めたのです。性被害を
受けるのは人生に1度だって多すぎるはずです。周りにいる女性の多くが痴漢の被害経験があるとい
う、「ありふれた犯罪」であることに記者は衝撃を受けると同時に悲しくなりました。

シェルターの役割がある

 女性専用車両の導入が、痴漢被害を大きく減らす効果があったのか、実のところ、よく分かってい
ません。ただ犯罪社会学が専門の明治学院大学の澤野雅樹教授は「女性専用車両は痴漢被害に遭わな
いためのシェルター・避難場所としての役割がある。ほぼ確実に被害に遭わなくて済む車両があるこ
とは、女性の安心感につながります」と話していて、専用車両の導入の意義を強調しています。

あなたの大切な人かもしれない

 女性専用車両が導入されたことを伝える当時の日本経済新聞の記事は「男女を分断することで女性
を“守る”という不自然な姿は、ニッポン社会の病巣を映し出しているかもしれない」と伝えていま
す。話を聞いたある同僚の女性は、中学・高校の6年間、電車通学をしていたときに「最低でも月に
1回は被害に遭った」と言います。この女性は「体を触られるとパニックになり、静まり返った電車
内で“やめてください”なんて声は出せない。でも、それ以上に怖かったのは数え切れないほど被害
に遭っているのに、周りの人たちは見て見ぬふりをして、誰も助けてくれなかったこと」と話してい
ました。
 今まさに痴漢の被害にあっているのは、あなたの大切な娘や妻、恋人、友人かもしれません。そし
て、被害者は女性に限りません。車内に、もし痴漢被害を受けているとみられる人がいたら、声をか
ける、席を譲る、怪しい者との間に入るなどして、どうか被害者を孤立させないでほしいと思います。

                                         (以上)

2018年03月05日

女性専用車両問題 : 男性専用車両の設置を求めて。

                     ※ 題名を上記のように変更(3月6日)。

◆ 女性専用車両問題は、様々の微妙な問題を含み、私はこのブログで発言を控える傾向に
 あった。しかし最近の社会状況の中で、改めて自分のスタンスを整理し、明示する必要が
 あると考えるようになった。以下、それを明文化して記す。 

◆ なお、私は、2014年4月8日にブログ記事として掲載したように、同月、「女性専用車
 両に反対する会」に入会を申し込んだが、担当者とのトラブルが原因となって、入会を断
 わられている。
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【1】 鉄道会社が「痴漢対策」と称して女性専用車両を導入してから17年が過ぎました。
  この間、原田信助さんの自殺の問題も含め、男性の「痴漢冤罪被害」の深刻さが社会的
  にクローズアップアップされたにもかかわらず、鉄道会社は、女性だけへの配慮に終始
  し、痴漢冤罪被害対策を全く行ってきませんでした(注1)。これは、男性の危機には
  配慮しないという、人権を無視した男性差別であって、鉄道会社、特にその幹部は、社
  会的に糾弾されなければならないと考えます。鉄道会社は、「女性専用車両」という名
  の車両を存続させるのならば、早急に「男性専用車両」も設置しなければならないはず
  です。
    (注1)女性専用車両は痴漢冤罪被害の防止にもなるなどと、あきれた論理を振り
       かざす人がいるようですが、男女が共存すれば痴漢冤罪被害の可能性は常に
       あります。だからこそ、男性は両手を上げて乗車するのです。

【2】 利用料金と利用空間の平等性を考えれば、それだけでも、女性専用車両の不当性、
  男性に対する差別性は明らかです。男性は、女性と同じ料金を払っていながら、利用で
  きる車両が女性より少ないのです。このような主張に対して「男のくせに器が小さい」
  とか「男ならそれくらい我慢すべきだ」という論理が横行しますが、そういう性別観、
  性別役割の強要が、今の日本の社会の様々な男性差別の拡大(後述:項目【4】)に、
  非常に大きな役割を演じてきたと思います。概括的に言えば、かつての固定的な性別役
  割・性別観からの解放は、女性において顕著であって、男性は今も「男らしさの規範」
  に強く縛られ、不当な我慢を強いられる傾向が強く、それは、様々の社会事象の中に、
  男性差別の原因として広く根深く存在していると思います。
   利用空間の不平等に関わって、男性の不利益の一例をあげれば、一般車両の混雑時に、
  体調が悪くても着席できない男性は、女性専用車両がすいていて着席可能であっても、
  現実的には、そこに移動することができないのです。それは、男性に対する人権侵犯
  ではないでしょうか。

【3】 痴漢被害の回避とは別の、女性の我儘を是認して、「男性とは同じ車両に乗りたく
  ない女性のお客様もいらっしゃいますから」などと、平然と発言する駅員がいるようで
  すが、それならば、痴漢冤罪被害の回避とは別の理由で「女性とは同じ車両に乗りたく
  ない男性のお客様」への配慮もまた、なされなければならないはずです。例えば、近年、
  とみに顕著となった「女性の服装の性的挑発傾向」に翻弄され、強いストレスを感じる
  男性がいます。そういう男性は、女性と同じ車両には乗りたくないのです。そういう男
  性の避難所としての「男性専用車両」もまた、是認されなければならないはずです。

【4】 今の日本は、日々、男性差別が拡大する状況にあります。例えば、内閣府を発信基
  地とする男女共同参画運動は、「男女共同参画」という美名を使いながらも、その内実
  は、「初めに女性優遇の結論ありき」の自己中心的なフェミニズム運動であって、災害
  対応・健康支援・ポジティブアクション等、様々な場面で、男性差別を拡大させてきま
  した。また、消費の世界での、女性をターゲットとした優遇戦略は、例えば、レディー
  スデーのような女性限定サービスや、施設の女性優遇のような男性蔑視の施策によって、
  これもまた男性差別を拡大させてきました。そして、このような、いわば女性の特権階
  級化の流れの中で、「女性専用車両」は、「女性優遇社会」「女性専用化社会」を是認
  させる象徴的存在として、男性差別の拡大を助長してきたと思います。この17年間、痴
  漢冤罪被害対策としての「男性専用車両」は存在しなかったのです。このような女性専
  用車両の社会的影響力から、その罪性は非常に大きいと考えます。女性専用車両は、憲
  法第14条(法の下の平等)、そして男女共同参画社会基本法第3条(男女の人権の尊重)
  を、形骸化させる役割を果たしてきたと思います。

【5】 一般に、危機や困難に対する社会の配慮は、女性に対して手厚く、男性に対しては
  軽んじられる傾向があります。男性と女性の間には、与えられる配慮に「格差」つまり
  は「差別」が存在するのです。そして鉄道会社は、その「格差」を、「女性専用車両」
  として公共交通機関に持ち込み、男性への配慮(痴漢冤罪被害対策)を欠落させたまま
  に、「専用」という「偽りの言葉(注2)」を、あたかもそれが絶対であるかの如く、
  女性だけへの配慮として使い続けてきたのです。そして、このような状況の中にあって、
  「専用」の「偽り」を日常の中に顕在化させ、社会に周知させる役割を果してきたのが、
  「女性専用車両への任意確認乗車」であったと思います。そして、その活動の中で、女
  性専用車両にまつわる様々な問題点が炙り出されてきた。それが「差別ネットワーク」
  のブログや動画によって、社会に提示されてきたのだと思います。

    (注2) 女性専用車両に関わる裁判の判決文には、次のように記されている。
      ・・・「男性が女性専用車両に乗車しても、運送契約違反になることはなく、 
       一般車両に移動する義務もないうえ、何らの罰則もない。」

【6】 「痴漢対策」として導入された女性専用車両の効果は、はなはだ不分明です。  
  例えば、Wikipediaの「日本の女性専用車両」には、次のように記されています。  

   ◆ 痴漢行為の抑制を目的に導入された制度であるが、導入の前後で痴漢被害の 
    件数に変化があったのかどうか、多くの鉄道事業者では数値を発表していない。
    発表された一部の路線では、御堂筋線や埼京線のように犯罪の減少が報告され 
    た路線もあるが、中央線快速や京王線のように導入後も痴漢被害の件数が増加
    しているケースも見受けられる。

   実際、私も、この件について、JR東の「ご意見承りセンター」に問合せをしまし
  たが、数値を明らかにしませんでした。本来ならば鉄道会社は、実態を、数値として国
  民に提示し、施策の是非や問題点を問うべきと考えますが、恐らくは保身のための隠蔽
  工作として、数値を明らかにしないのだろうと推測します。このような対応は、国民と
  の信頼関係の放棄だと思います。私は、男性専用車両(痴漢冤罪被害対策)不存在の問
  題と相まって、鉄道会社、特にその幹部に、強い猜疑と憤りを感じています。

【7】 女性専用車両問題は、様々の問題が絡み合って複雑です。しかし、何を原点として
  対峙すべきかを改めて問われれば、それは「痴漢被害」と「痴漢冤罪被害」への対策だ
  と思います。なぜなら、どちらも、被害者に深刻な傷を与えるからです。「痴漢被害」
  で深い傷を負えば、それはトラウマ(心的外傷)として、被害者の生涯を呪縛するでし
  ょうし、「痴漢冤罪被害」は、原田信助さんの自殺のように「いのち」までもを奪う。
  仮に自殺に至らないとしても、職場を解雇され、経済基盤を失い、消えることのない忌
  まわしい噂に生涯苦しめられることになるのです。本人だけではない。子供も妻も父も
  母も、すべて「加害者の家族」として苦しみ続けるのです。
   「痴漢冤罪被害」を軽視する人が、その理由として、発生頻度が「痴漢被害」より低
  いことを挙げる場合があります。しかし、「冤罪被害」の深刻さを考えれば、たとえ1
  件であっても、それはあってはならないことに気付くはずです。もしもあなたが気付か
  ない人ならば、あなたが「痴漢冤罪被害」にあってみればよい。そしてあなたが発狂す
  るほどに苦しみ、死の淵をさまよい続ければよいのです。
   「痴漢被害」と「痴漢冤罪被害」の対策については、色々な意見がありますが、実効
  性が最も高いのは、言葉の選択に迷いつつも、やはり「女性専用車両」と「男性専用車
  両」の設置だと思います。「専用」という言葉の問題点については、「任意性の周知と協
  力依頼」を、様々の方法で拡散させることくらいしか思いつかない非力さが私にありま
  すが、まずは、被害対策として「男女両方の専用車両」を設置し、その後に、状況を踏
  まえて、問題点については新たな議論の場を設けることが良策ではないかと考えます。
   「男性専用車両」の設置は、「痴漢冤罪被害対策」として急務ですが、同時に、上記
  【4】の観点から、「女性優遇社会」「女性専用化社会」の抑止力としても、必須の事
  項であると考えます。近年の日本社会の男性差別については、このブログで多数の例を
  取り上げてきましたが、その異常な拡大、女性の特権階級化を阻止する端緒のためにも、
  「男性専用車両の設置」は、非常に重要な意義を持つと考えています。
                                    (以上)

2018年02月05日

女子を嫌う小中高男子

日本の社会に蔓延る(はびこる)女性優遇は、
女たちを特権階級化し、
彼女たちの持つ、したたかな自己中心性を、
是認、解放してきた。
大切なのは愛より自分。
大切なのは女たちの利益。

彼女たちは、その感情の機微と巧みな言葉の能力を、
女たちの優越のために使い、
男女関係のありかたを規定する。
したたかな自己中心性を携えて、
女だけに与えられた美への特権を享受しながら、
我が物顔で街を歩く女たち。
その手のひらの上で、下を向き、
ただ不器用に歩く男。

半年ほど前、
私は、ある場所で、ある女の、
凄まじい発言に出会った。
私がこういう活動をしていることなど、
全く知らない女である。
彼女は、臆することなど微塵もなく言った。

   今、女の子が生まれたら、みんなでおめでとう。
   でも男の子だったらそうじゃない。
   男の子だったら、みんなで、ご愁傷様 ・・・・・

凄まじすぎて、私は思わず笑ってしまう。
しかし彼女の言葉は、
今の社会の男と女の位置を、
非常によく表しているのではないかと思ったりする。

社会の変化は、様々な形をとって、
子供たちの世界にも影を落としているだろう。
昨年の6月、私は、インターネットの「excite.ニュース」で、
小中高生に現れている「少子化要因」を、危惧する記事を読んだ。
(URLと全文を、後半に掲載する。)

男性が直面する危機に、支援の言葉を贈ることなく、
鼻の下を長くして「光り輝く女性」発言を強調してしてきた安倍晋三は、
非婚・小子化・離婚の問題に、歯止めをかけることはできないだろう。
その原因はすでに、取り返しのつかない深さにまで浸潤を始めていると思う。
例えば、昨年報道された生涯未婚率、
男性 23.4%、女性 14.1%という数値の背景にあるのは、
男性の非正規雇用の問題だけではないだろう。

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記事は次の通り。
URLと全文を記す、

【excite.ニュース】
  『女子はズルいと小中高男子に蔓延する「女子キライ」症』
     投信1 2017年6月8日 07時15分 (2017年9月4日 22時36分 更新)
   https://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170608/Toushin_3419.html

【全文】
  ■ 少子化問題の根源はここまで低年齢化しているのか

    非正規雇用、保育園不足が解消されただけでは、少子化問題は解決しそうもない。
   見えないところで蔓延しつつある少子化要因をご存じだろうか。

  ■ 男子と女子の戦い今昔

    問いかけたのは、都内の学習塾に勤める女性。回答者は、小学6年生男子だ。

    「一番キライなモノ、何」
    「女子!」

    このやりとりを傍で聞いていた中学1年男子が、小6男子の肩にやさしく手をのせ、
   「気持ちはわかるけど、敵にだけは回すな」となぐさめるように声をかけた。

    2人とも、かなりの成績優秀者。テレでも、皮肉でもなく、どこまでもシリアスな
   光景であり、深刻さえただよわせていたという。

    小学校時代に、男子 vs. 女子の対立は昔もあった。大抵は男子が女子に暴力を 
   ふるった。

    男子が掃除をさぼる、デリカシーのない男子に、心を傷つけられて泣く女子という
   構図が通り相場だった。

  ■ 女子の横暴に泣く小学男子

    ところが最近は、デリカシーのない女子の横暴に泣く男子という構図が多い。

    「僕はちゃんと『山本さん』と呼んでいるのに、女子は『おい、ノボル』と呼び捨
   てにしてくる」と訴える。

    ちょうどそのとき、件の「山本さん」が通りかかった。

    「ノボル、教室で待ってるぞ」と力強く背中をたたいて教室内に走り去っていく。
   「山本さん」は、「ノボル」より背が高く、声も大きく歯切れもいい。

    おとなから見ると、微笑ましく映る光景でも、小学生にとっては憂鬱のタネ。
   ノボルの表情はくもり、眉間にはシワが寄る。こみ上げる不愉快さを持て余すように、
   ノロノロとノボルは教室に入っていった。

    女子小学生をもつ母親に、この様子を話してみた。

    「男子は弱いよ」という話は女子間に飛び交っているそうだが、「キライ」という
   のは聞いたことがないとのこと。異性ギライはどうやら、男子小学生だけに起きて
   いる症状のようだ。

  ■ 男子から見て女子のどこがズルいのか

    「女子のどこがキライなの?」
    「ルールを守れないとこ」

    男子同士には、これだけは言ってはいけない暗黙のルールがあり、ケンカして
   負けそうになっても、このルールは絶対に破らないのだそうだ。

    しかし、女子は負けそうになると何でも言う。ケンカの原因とは全く関係のない
   ことでも持ち出して攻めてくる。「だから、ケンカする気もなくなるんだ」と、口を
   尖らせた。

    「おまけに負けそうになると、陰で悪口言いまくって、関係のない女子まで巻き込
   む。こっちが忘れたころになって、集団でかかってくるんだ……、女子とはなるべく
   口をきかないようにしてる。女子はほんとにズルイよ」

    男子の言い分は、尽きることなく続く。女子のいない学校に行きたい一心で、男子
   私立中学校をめざして受験勉強にいそしむ毎日だと付け加えた。中学受験の動機に
   「女子のいない学校に行きたい」というのは、そう珍しいことはないそうだ。

    一方で無事、男子中学校に入学した男子からは、「女子がいないから、とりあえず
   『学校行きたくない』ってのはなくなったな」という感想が聞こえてくる。

  ■ 「オレ一生、女いなくていいよ」

    女子の話題で盛り上がる光景もないではない。男子校に通う高校生だ。ようやく
   健全な姿に出合えたようで、ホッとした気分になる。だが少し踏み込んでみると、
   耳を疑うような高校生活があった。

    「女に関心のあるフリをしていないと、同性愛と間違われるから女の話をしてる
   だけだよ。誘われてから断ると、カドが立つ。女はキライじゃないけど、好きでも
   ないし、めんどくさいってのはあるな」

    「それで困らない?」

    相手は、高校生。オトナの質問を向けてみる。

    「オレ一生女いなくていいよ。二次元の女で十分だもん」

    この男子高校生も、有名大学に多数の合格者を出す高偏差値私立高校に通っている。
   しかもジャニーズばりのイケメン。モテないはずはない。

    見えないところで、少子化問題の新たな原因は着実に浸潤しているようだ。


2018年01月29日

生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件

インターネットの「お気に入り」に保存しただけで、
ブログ記事にできていないニュースが多数あるが、
保存の作業をくりかえしながら、
以前にくらべれば、男性の危機に目を向けた記事に、
出会うことが多くなったような気もする。
それがもしも、男性の危機を抑制的に表現する風潮の、改善の兆しであればと、
女性への配慮ばかりが目立つ日常に疲弊しつつも、
期待する自分がいる。

例えば、昨晩立ち上げた「YAHOO! ニュース」の中に、
次のような記事があった。(全文は末尾に掲載する)

  ◆ 生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件 ◆
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180128-00010002-fukui-l18

私は、いつものように、
怯えにも似た感情を抱きながらこの記事を読み始めたが、
それは私の杞憂であった。
福井新聞の記者は、珍しく、男性の自殺の実態に光をあて、
16歳の息子を投身自殺で失った西尾裕美さんの言葉を引用しながら、
記事を次のように結んでいた。

    池田中や大貫さん、西尾さんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは
   圧倒的に男子が多い。

    「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を
   選ぶっていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

    西尾裕美さんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたち
   は大切な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。

男性は、「筋力の強さ」や「体躯の大きさ」を自然から与えられ、
その見えやすい「強さ」と、「強くあるべき」という、義務づけられた性別役割によって、
内在する弱さや、脆さや、苦悩や、叫びや、涙を、
表現することを禁じられている。
「禁じられている」という言葉は、決して強くはないと、私は現実と照らし合わせて思う。
この私の認識が誤りならば、例えば自殺率の性差の問題は、
既に解消の方向に向かっていたはずだろう。
危機に対する配慮、支援は、性別に対して平等ではなく、
男性は今も、社会に潜在する「男らしさの規範」に呪縛され、
救いを求める術を、女性のようには与えられていない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次に、上の記事の全文を記す。

  ◆ 指導契機に自殺 思春期の心 ◆
         生きる力奪われ…指導死の現状 平成に入って全国73件
                    1/28(日) 18:22配信 福井新聞ONLINE

   担任、副担任の厳しい指導叱責にさらされ続けた生徒は、周囲の理解、協力が得られ
  ないとの孤立感、絶望感を深め、ついに自死するに至った−。昨年3月14日、福井県
  池田町立池田中の当時2年生だった男子生徒が校舎から飛び降り自殺した問題で、調査
  報告書をまとめた第三者委員会はこう結論づけた。

   生徒指導をきっかけにした子どもの自殺は「指導死」と呼ばれる。

   「指導死」親の会共同代表の大貫隆志さん(61)=東京都=は18年前、中学2年生
  の次男陵平さん(当時13歳)を自宅マンションからの飛び降り自殺で失った。学校で
  友達からもらったお菓子を食べたことで、他の生徒と一緒に12人の教師から厳しい指
  導を受けた末だった。

   「コップいっぱいに“生きる力”という水がたまっている。それが『お前はだめだ』
  と言われるたびに減る。最後の一滴まで絞られ空っぽになってしまい、『生きている価
  値がないんだ』と感じてしまう」。大貫さんは指導死に至るまでの子どもたちの心の揺
  れをこう例え、池田中のケースは「典型的だ」と話す。

     ■  ■  ■

   2002年3月23日未明、進学校の兵庫県立伊丹高1年生、西尾健司さん(当時16歳)
  は、自宅近くのマンション屋上から身を投げた。校内のトイレで喫煙が見つかり、校長
  室で5人の教師から「特別指導」を受けてから9時間後のことだった。

   「君は親も教師も裏切った。人を裏切ることが一番悪いことや」「1年に2度も処分を
  受けるなんてわが校始まって以来の不祥事」

   同席を求められた母裕美さん(59)の前で、直立不動の健司さんを校長や学年主任
  らは厳しく叱責した。前年12月に続き2度目の特別指導。無期家庭謹慎を言い渡され
  た。裕美さんが涙ぐむと、健司さんのすすり泣きが聞こえた。

   前年12月の特別指導は期末試験での出来事だった。級友に答案を見せたことがカン
  ニングと認定され、8教科が0点。7日間の家庭謹慎を受け、3学期が終わるまで反省日
  記を提出することが課された。

   健司さんは仲の良かった弟に冷たく当たったり、物思いにふけったりするようなこと
  が多くなっていったという。

   1月の終わりごろから家でたばこを吸うようになった。学校で喫煙が見つかった直後
  の反省文には「ストレスがたまっていて、吸ったら、それが少し和らぐかと思った」と
  書き、その後、命を絶った。

   裕美さんは、自分の涙が息子を苦しめたのではと悔いる一方で、「軍隊のような高圧
  的な指導」は間違っていると話す。「子どもなんて、周りが勝手にしている期待を、裏
  切って裏切って成長していくもの」だと思うからだ。

     ■  ■  ■

   教育評論家の武田さち子さんの調べでは、平成に入ってから昨年10月までの29年間
  で、指導死は73件(9件は未遂)起きている。73件目が池田中の事件だという。

   池田中や大貫さん、西尾さんのケースをはじめ、指導をきっかけに命を絶つのは圧倒
  的に男子が多い。

   「思春期の男の子って、すぐ溶ける氷のような存在。普通ではあり得ない。死を選ぶ
  っていうのは。でも、『なぜ』に対する答えはない。生きる死ぬは紙一重やから」

   西尾裕美さんはこう話し、両の手で氷を優しく包み込むしぐさをみせ、「子どもたち
  は大切な氷」という気持ちで教師は接してほしいと涙を浮かべた。
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2017年12月31日

男性の自殺(7) 2016年の状況

実はもう、半年ほど前のことになるが、
自殺絡みの報道に関わって、
男性の危機に目を向けた女性の文章(後述)に出会った。
それは、私にしてみれば、はなはだ珍しいことなのであって、
自殺対策に限らず、「初めに女性優遇の結論ありき」の風潮が、
日々強まる日本の社会にあって、
男性の危機や人権に関わる配慮など、皆無と言っても過言ではないような女に、
出会うことが多くなってしまった。
誠実な女性には、大変失礼な発言にはなるが、
社会の上層部を含め、今の日本の多くの女性たちは、
女性解放・女性優遇が拡大する社会の中で、その自己中心性までもを、
無分別に解放してしまったかのようで、
彼女たちは、ただひたすら自分たちを、
弱者、被害者、配慮されるべき存在、特権階級とすることを好み、
女性優先・女性限定の利益誘導を企図、或いはそれを当然の如く主張するか、
或いはまた、そこまで悪辣ではなくても、
女性優遇を単純に喜ぶだけの存在であると、
私は、捉えるようになってしまった。
その背景となった具体的な事実については、
既にこのブログに書いてきた通りである。

時には、このような風潮を憂慮する女性に出会うことも、稀にはあるが、
彼女たちの疑義は、ひと時の呟きでしかないように、
今の日本を席捲する自己本位のフェミニズム運動の奔流の中に消えてゆく。
法に謳われていることが明白なはずの、人権尊重の平等の理念は、
例えば、巧みに仕組まれた、名ばかりの男女共同参画運動の中で、
既に指摘してきたように歪曲され、
「いのち」への支援であるにしろ、災害対応であるにしろ、
男性の人権への配慮は、著しく、なおざりにされてきた。
施策決定の過程に関わった男たちは、
恐らくは、このような問題点を指摘しなかっただろう。
すれば「男らしさの規範」に反するという自己規制があるだろうし、
女たちに嫌われたくないという、保身もあるだろうし、
目の前の現実を認識できない見識不足の男たちや、
自分の鈍感さを男性の感受性として不当に一般化した男たちもいただろう。

男たちの中には、客観的事実としての男性の不利益を、仮に認識した場合でも、
それを不利益と言わずして女性への配慮を優先させなければならないと、
そういう性別観を、男性に対して強要する人物は多い。
それが、男性差別を、社会の中に、温存、増幅させている。
もしも、そういう男たちの性別観を批判する女性が増えれば、
男たちも変わるかもしれないと私は思うが、
それはまた・・・・・夢のまた夢・・・・・・?

自殺対策も同じことだろう。
2016年の自殺も、例年の如く、明らかに男性に多くなった。(注1)
   (注1)データの詳細は後半に掲載するが、自殺率は男性が女性の 2.3倍となっている。
もしもこの性差が、男女逆であったなら、
日本中が、女性を守れと大騒ぎになっているだろうと、
私は、そういう意味の文章を、以前、記事の中に書いたことがある。
男らしさの規範が、自殺対策にも影を落とし、
男性の自殺の実態を国民に知らせる情報発信や、
男性が置かれている状況への、自殺対策としての配慮が、
現実と乖離して弱いのである。

過日私は、ある自殺絡みの講演を聞いた。
その講師となった男、某自治体の自殺対策の責任者の医学博士の男は、
もっともらしい顔をして、女性の自殺の一部を取り上げ、それを強調し、
会場の女性は、頷くように、それを聞いていた。
しかしその医学博士の男が、
男性の自殺の実態を、「男性は・・・」という表現で語ることは、
ただの一度もなかったのである。
私が、事前に、次のデータを添えて、
自殺の性差に関わる質問5項目(略)を、
彼に提出しておいたにも関わらずである。

 ◆ 自殺者数・自殺率の年次変化と男女比 (昭和53年〜平成28年:39年間)
 ◆ 自殺の「原因・動機特定者」と「原因・動機不特定者」 (平成53年〜28年)
 ◆ 原因・動機(7項目)別データと男女比 (平成20年〜28年)
    ・9年間の概括的特徴と男女比
    ・9年間の年次別データと男女比
 ◆ 原因・動機(52項目)別データと男女比
    ・就職失敗による若者(20代)の自殺者数と男性の割合(平成20年〜28年)
    ・年次別・原因動機(52項目)別データと男女比(平成25年〜28年)

その後、数週間たって、あるグループの中で、その講演のことが話題になった。
二人の女性は、それを「いいお話だった」と言った。
私は、その講師を務めた医学博士の男を、「普通の男だ」と言った。
普通の男は、男性の危機を、危機通り表現しない。
表現する場合でも、それは抑制的であって、
現実と乖離するのである。

この文章の冒頭で私は、
珍しく、男性の危機に目を向けた女性の文章に出会った、と書いた。
その女性は、「河合 薫」さんである。
記事の題名とURLは、下に記す。
私は、現実を踏まえて発言してくださった河合さんに、感謝申し上げる。
記事は、全文を読むにはログインが必要である。
お読みいただける方には、各自でログインをお願いしたいと思う。

【河合薫さんの記事】
  「白書もスルー? 40、50代男性の自殺率の高さ」 
       幸福度は内乱国並み、男の幸せはどこにある (日経ONLINE)
                   2017年6月6日(火)掲載 
   http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/060200107/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆ 続いて、今年3月に公表された自殺データ(2016年の状況)をもとに、例年通り整理
 した結果を掲載する。ご覧いただければおわかりのように、概括的傾向に変化はなく、
 性差の問題は改善されていない。なお、今回は、下記の項目Wの冒頭に、52項目の4年間
 の性差を、数値として掲載した。

【 2016年 自殺データ 】 ・・・ 項目は次の通り。
      T.自殺者数と男女比
      U.自殺の「原因・動機特定者数」と「原因・動機不特定者数」
      V.原因・動機特定者の「原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)」と男女比
      W.原因・動機特定者の、「原因・動機別の自殺者数(52項目)」と男女比
      X.就職失敗による若者(20代)の自殺者数と男性の割合

T.自殺者数と男女比:(  )内は自殺死亡率(自殺率)を示す。
           自殺率は人口10万人あたりの自殺者数を意味する・
     総 数        男        女     男女比【男/女】
   21,897(17.3)  15,121(24.5)  6,776(10.4)  2.23(2.35)

U.自殺の「原因・動機特定者」と「原因・動機不特定者」 
     総 数     原因・動機特定者     原因・動機不特定者
     21,897     16,297(74.4%)     5,600(25.6%)

V.原因・動機特定者の「原因・動機別自殺者数(大分類:7項目)」と男女比。
  ・・・ 遺書等の、自殺を裏付ける資料により、明らかに推定できる原因・動機を、自殺者
   一人につき3つまで計上可能としているため、原因・動機特定者の、原因・動機別自
   殺者数の和と、原因・動機特定者数(17,981)とは一致しない。

    (原因・動機)  (計)  (男性) (女性) 【男性 : 女性】
     家庭問題     3,337  2,111  1,226  【1.72 :1】
     健康問題    11,014  6,427  4,587  【1.40 :1】
     経済生活問題   3,522  3,113   409  【7.61 :1】
     勤務問題     1,978  1,759   219  【8.03 :1】
     男女問題     764   522    242  【2.15 :1】
     学校問題     319   244    75  【3.25 :1】
     その他      1,148   819    329  【2.48 :1】

W.原因・動機特定者の、「原因・動機別の自殺者数(52小項目)」と男女比。

   ・下記【表A】の男女比は、少ない方を1として示してある。
   ・各項目が属する大項目は、表中の語尾に次の略記号で示した。
       健康問題:A  経済生活問題:B  家庭問題:C  勤務問題:D
       男女問題:E  学校問題:F    その他:G
   ・下記【表@】は、平成25年以降4年間の性差を、項目数の差として示した。

  【表@】                H25   H26  H27  H28
     男性の自殺が女性より多い項目   49    51   49   49
     女性の自殺が男性より多い項目    2    1    3    2
     男女同数の項目           1    0    0    1
        計             52   52   52   52
  【表A】
    (順位)(原因・動機)      (男 女 比)    (人 数)
                     【男性:女性】  男性  女性   計
    1 負債(連帯保証債務):B     【  ー  】   17   0   17
    2 失業:B             【14.0:1】  294   21  315
    3 負債(多重債務):B       【13.0:1】  561   43  604
    4 その他:D            【11.6:1】  269   23  292
    5 事業不振:B           【11.6:1】  337   29  336
    6 負債(その他):B        【10.0:1】  535   53  588
    7 仕事疲れ:D           【9.2:1】  534   58  592
    8 職場環境の変化:D        【8.8:1】  221   25  246
    9 自殺による保険金支給:B     【8.7:1】   35   4   39
   10 倒産:B             【8.6:1】   26   3   29
   11 借金の取り立て苦:B       【8.2:1】   33   4   37
   12 仕事の失敗:D          【8.2:1】  329   40  369
   13 犯罪発覚等:G          【7.6:1】  138   18  156
   14 就職失敗:B           【6.2:1】  175   28  203
   15 子育ての悩み:C         【1:6.2】   14   87  101
   16 学業不振:F           【6.1:1】   99   16  115
   17 職場の人間関係:D        【5.5:1】  406   73  479
   18 その他:B            【4.9:1】  251   51  302
   19 生活苦:B            【4.9:1】  849  173  1,022
   20 入試に関する悩み:F       【4.8:1】   24   5   29
   21 病気の悩み・影響(アルコ-ル依存症):A【4.0:1】  141   35  176
   22 その他:E            【3.8:1】   57   15   72
   23 結婚をめぐる悩み:E       【3.6:1】   47   13   60
   24 その他進路に関する悩み:F    【3.4:1】   76   22   98
   25 近隣関係:G           【3.2:1】   39   12   51
   26 夫婦関係の不和:C        【3.1:1】  636  200  836
   27 その他:G            【3.1:1】  326  103  429
   28 失恋:E             【2.5:1】  187  73  260
   29 家族からのしつけ・叱責:C    【2.4:1】   76   31  107
   30 その他:A            【2.1:1】  182   84  266
   31 病気の悩み(身体の病気):A   【2.0:1】 2,315 1,112 3,427
   32 いじめ:F            【2.0:1】   6   3   9
   33 教師との人間関係:A       【  ー 】   2   0   2
   34 その他交際をめぐる悩み:E    【1.8:1】  155   82  237
   35 その他:C            【1.7:1】  207  116  323
   36 家族の将来悲観:C        【1.7:1】  335  188  523
   37 病気の悩み・影響(薬物乱用):A  【1.7:1】   21   12   33
   38 孤独感:G            【1.7:1】  285  163  448
   39 身体障害の悩み:A        【1.6:1】  164  100  264
   40 その他:F            【1.5:1】   22   14  36
   41 その他家族関係の不和:C     【1.5:1】  207  135  342
   42 介護・看病疲れ:C        【1.5:1】  151  100  251
   43 犯罪被害:G           【1.5:1】   3   2   5
   44 家族の死亡:C          【1.3:1】  253  189  442
   45 病気の悩み・影響(他の精神疾患):A【1.3:1】  738  566  1,304
   46 親子関係の不和:C        【1.2:1】  232  179  411
   47 不倫の悩み:E          【1.2:1】   76   59   135
   48 後追い:G            【1:1.1】   28   31   59
   49 病気の悩み・影響(うつ病):A   【1.0:1】 2,330 2,166  4,496
   50 病気の悩み・影響(統合失調症):A 【1.0:1】  536  512  1,048
   51 被虐待:C            【  ー  】   0   1   1
   52 その他学友との不和:F      【1 : 1】   15   15   30


X.就職失敗による若者(20代)の自殺者数と男性の割合

        年次別     総数  男性   女性   男性の割合
      2008(H 20)   86   69   17    80.2 %
      2009(H 21)  122   98   24    80.3 %
      2010(H 22)  153   138   15    90.1 %
      2011(H 23)  141   119   22    84.3 %
      2012(H 24)  149   130   19    87.2 %
      2013(H 25)  104   95    9    91.3 %
      2014(H 26)  110   95   15    86.3 %
      2015(H 27)   88   81    7    92.0 %
      2016(H 28)   80   64   16    80.0 %


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2017年11月07日

表現を変えた「日本対がん協会」

危機や困難は、女性の場合、強調して報道されることが多いが、
男性の場合は、報道されないか、されたとしても抑制的である。
というようなことを、私は、日本の社会の様々の事象に感じ、
このブログの記事としても取り上げてきた。
社会は、特に、女たちを選んで、優しさを供給する。
それが当然であるかのような価値観が社会には存在し、
近年それは、一層の膨張を続けながら、女たちの特権階級化に拍車をかけている。
災害対応然り、女性専用車両然り、ポジティブ・アクション然り、営業戦略然り、
そして、「いのちの支援」も、また然りである。

女性専用車両については、
上のような現実を示す典型的な会話が、
以前、「差別ネットワーク」のブログに記されていた。
ある男性が、女性専用車両に疑問を持ち、
男の駅員(助役であったか?)に発言をするのであるが、
受けた駅員は、その頃すでに男性の痴漢冤罪被害が顕在化していたにも関わらず、
その深刻さを顧みることなど全くなく、
次のような、男性に対する人権侵犯発言をしたのである。
  「女性は社会が守らなくちゃ。男は自分で自分を守らなくちゃ」・・・・・。

しかし周知のように、原田信助さんは、
痴漢冤罪被害から身を守り切れずに、自らの命を、鉄道自殺で絶った。
信助さんの苦しみを、無念を、悲惨を思えば、
上の発言をした男駅員は、
自分も痴漢冤罪被害にあって、発狂するほど苦しめばよい。
そして、苦しんで、死ねばよい。

「いのちの支援」については、
既に、このブログの記事として、
明らかに男性に多い「自殺」や「悪性新生物による死亡」を取り上げ、
警察庁や厚労省のデータと、マスコミ等を通じて流されるメッセージを含む社会的支援との関係、
つまりは、「いのち」をめぐる「危機の現実」と「性別支援」の間に存在する乖離について、
第三次・第四次男女共同参画基本計画(生涯を通じた女性の健康支援)や、
自殺対策・ガン対策に関わる社会的なメッセージ等を取り上げ、
支援の女性側への傾斜、要するに、「男性のいのち」が軽視される現実を指摘してきた。
私の発言は、客観的事実としての数値を踏まえており、
今の日本を席捲している自己中心的なフェミニズムの、
「初めに女性優遇の結論ありき」の自己本位性とは異質である。

ところで私は、昨年9月に掲載した記事、「健康支援」の末尾に次のように書いたが、
あれから1年以上もの間、その記事をアップすることができなかった。

   ・・・・・、今年(2016年)の5月末のことであるが、
   私は、あるネットニュースがきっかけとなって、
   「日本対がん協会」が使っている「主要5大がん」という表現を気にするようになった。
   この表現にもまた、同様のメッセージが含まれているからである。
   この件については、後日、機会を改めて書きたいと思う。

この件について、私は昨年、関係機関に働きかけをしていたのであるが、
にもかかわらずそれを記事にできなかったのは、
私の弱さ故の疲弊と、自分らしく生きるための別の活動の呪縛のせいで、
私は、その後、「日本対がん協会」のHPを、むしろ避けるようになってしまっていた。
ところが、つい最近、半ば気紛れにそのHPを開いたところ、
驚いたことに、私の要望が受け入れられる形で、表現が修正されていたのである。

実際には、私の働きかけとは無関係の修正であったのかもしれないが、
改善への期待が裏切られることが殆んどのこの種の活動の中で、
幾許かの安らぎを与えられる出来事ではあった。
取組みの経過は、もしも、昨年の記録をたよりに後日報告できるようならば幸いと思うが、
今回は、昨年私が、「日本対がん協会」に伝えた要望と、
その後の、協会HPの修正点を報告する。

【「日本対がん協会」への要望】・・・・ 電話で要望を伝えた。

 @ HPを通して発せられるメッセージは、国民の意識を形づくり、ガン対策に影響を与える。
  メッセージが現実(死亡率・罹患率等)と乖離していれば、国民の意識も現実と乖離し、
  日常生活の中で、ガン対策に関わる配慮に、現実との乖離が現れる。日本対がん協会は、
  国が公費負担の検診対象としている5つのガン【肺がん・大腸がん・胃がん・乳がん・子宮
  がん】を「主要5大がん」と表現しているが、もしも死亡の実態(末尾掲載【表1】)を指標
  とするのならば、【肺がん・大腸がん・胃がん・膵臓がん・肝臓がん】を「主要5大がん」と
  すべきであろうし、併せて、死亡・罹患の性差(【表2】【表3】)、例えば、男性の肝臓がん・
  前立腺がん、女性の子宮がん等の実態を考慮すれば、協会の「主要5大がん」という表現は、
  現実との乖離、配慮の女性側への傾斜、男性のガンの軽視であり、メッセージとして適切さ
  を欠く。表現を修正してもらいたい。

 A HP左側の欄外に「女性のガン」という項目があり、クリックすると「鋭意作成中」となっ
  ている。これは女性への支援のメッセージである。しかし、ガンによる死亡・罹患が、明らか
  に男性に多いにも関わらず、「男性のガン」というメッセージがない。これは男性が置かれた
  現実の軽視である。実態に即したメッセージが必要である。
  
【「日本対がん協会」HPの修正点】

 @ 「主要5大がん」という表現は、昨年、「がんの部位別統計」で使われていたが、この語句は
  削除され、代わりに、「5つのがん」という表現が使われるようになった。(下記【注T】)

  【注T】 「5つのがん(厚労省が指針で検診を勧める5つのがん)- 日本対がん協会」のURL
      http://www.jcancer.jp/about_cancer_and_checkup/%e3%80%8c%e3%81%8c%e3%82%93%e3%80%8d%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/5%e3%81%a4%e3%81%ae%e3%81%8c%e3%82%93

 A 「女性のがん」だけが記されていた「欄外」は、今年のHPにはない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★ 昨年、私の電話を受けたのは事務局長(男性)で、上記@の要望については、初めから感触は
 悪くなかった。しかしAについては、彼は初め、こう言ったのである。「ガンが男性に多いことは
 周知の事実であり、ガン対策そのものが男性に対する対策であることから、あえて『男性のがん』
 と表記する必要はない」と。しかし、この彼の発言に対して、「私の認識からすれば、周知は、さ
 れているとしても医療従事者の間であって、一般市民には『ガンが男性に多い』こと、そして、
 その『性差の実態』など周知されてはいない。だからこそ、『男性のがん』というメッセージで、
 その実態知らせることが重要なのである。実際、私自身も、この活動に入るまでは、男性のガン
 がこれほど多いとは知らなかった」という私の発言には、多少、心が動いたようであった。
  また、「『女性のがん』という表現が、生殖系(乳がん・子宮がん・卵巣がん)を意味するのな
 らば、男性の「前立腺がん」の死亡率・罹患率の高さ(下表1・2・3)から、『男性のがん』とい
 う項目も、当然作るべきであろう」と、そういう発言も付け加えた。彼の返事は「検討する」で
 あった。因みに、昨年の、前立腺研究財団事務局長の言によれば、「2015.4/28 の統計白書で、
 前立腺がんの罹患は、男性の胃がんを抜いて、全がん中、1位になった」とのことであった。

★ 大腸がんについては、私のノートに質問の記録がなく、書き忘れのようにも思うが、昨年9月
 のブログ記事「健康支援」で取り上げた死亡の性別順位と死亡実数の関係については、今年の「日
 本対がん協会」のHPには、性別順位だけではなく死亡実数も記載されており、実態がわかるよう
 になっている(該当ページは下記【注U】を参照)。しかし私に言わせれば、下記【表2】の事実
 から、大腸がんによる死亡は『全ガン中、男性で3位、女性で4位』という表現に収め、加えて、
 男女別の対策を提示するのが公正なのである。『男性では3位、女性では1位』という表現は、「女
 性の危機の強調、女性に対する配慮の優先」であり、「男性の危機は抑制的に表現しても構わない」
 或いは「抑制的に表現すべきである」という「潜在的な男性差別意識」の存在を示す証左である。

  【注U】・・・ 上記【注T】のページ下方の「大腸と大腸がん」、または左側欄外の「大腸がんの
       基礎知識」をクリックすれば、該当ページ右下の「大腸がんで亡くなる人の数は?」
       の項目中に、死亡実数も記されている。

★ 以上、とりあえず、今年の「日本対がん協会」のHPの、昨年の私の要望に関わる部分について、 気付いたことを書いた。HP全体を丁寧に読み終えているわけではない。
 
★ 今の日本の「がん対策」に関わる報道に接していて感じるのであるが、特に、女性の乳がんを
 めぐる支援が大きく拡散する中で、男性のがんに対する支援の、「現実と乖離した弱さ」が気にな
 っている。健康支援に限らず、東日本大震災をめぐる支援でもそうであったが、女性団体、或い
 は女性たちは、「女だけのため」に支援を組織し実行する傾向が強く、社会の上層部の男たちは、
 それを受け入れ、追随する。既に何回か引用した山田昌弘さんの言葉のように、男性の危機は、
 女性の危機に比べ、「なおざりに」される傾向が強いのである。

   なぜ女性のつらさは問題にされるのに、                   
         男性の生きづらさは問題にされないのだろう。
                   (中央大学教授 山田昌弘)
             ・・・・・ ワレン・ファレル著「男性権力の神話」(久米泰介訳.作品社)
               に掲載された山田昌弘氏の推薦文から引用

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【資料:悪性新生物による死亡、及び罹患の状況】

  ・日本対がん協会の昨年(2016年)のHP(がんの部位別統計)に合わせ、死亡に関する
  データは 2014年(H26)、罹患に関するデータは 2011年(H23)の数値を示す。
  ・男女を合わせた全人口の死亡率(2014年)は、厚労省・人口動態統計から引用した。

 @ 全人口の死亡率、及び死亡者数(2014年)・・・下記【表1】に示す(厚労省人口動態統計)
    ・表の死亡率は、全人口10万人あたりの死亡者数を示す。ただし前立腺は男性10万人、
    子宮は女性10万人あたりの死亡者数を示す。
    ・乳癌は男性にも見られるが、下表は女性10万人あたりの死亡数を示し、
    男性の死亡率は( )内に参考として記した。
    ・表は死亡率の高い順に配列してある。「肺」は気管・気管支を含む。「大腸」の数値は、
    結腸と直腸の和を示す。「胆のう」は胆管を含む。

  【表1】 (部位)    (死亡率)   (死亡者数)
        肺       58.5     73,396
        大腸      38.6     48,485
        胃       38.2     47,903
        膵臓      25.3     31,716
        肝臓      23.6     29,543
        乳房(女性)  20.6     13,240 (男性:0.1 83)
        前立腺(男性) 18.9     11,507
        胆のう     14.4     18,117
        子宮(女性)  10.0      6,429
        食道       9.2     11,576
        悪性リンパ腫   9.2     11,480
        (以下:略)

 A 男女別死亡率、及び死亡者数(2014年)・・・ 下記【表2】に示す
                ・・・ 厚労省人口動態統計 及び 日本対がん協会2016年HP
     ・男性は早死傾向により女性より人口が少ないため、死亡者数が女性より少なくても、
     死亡率が女性を上回る場合がある。(表中の★)

  【表2】  (部位)     (死亡率)    (死亡数)
        男性:肺      86.0      52,505
        男性:胃      51.6      31,483
        男性:大腸     47.4      26,177
        女性:大腸     34.6      22,308
        女性:肺      32.4      20,891
        男性:肝臓     31.5      19,208
        男性:膵臓     26.9      16,411 ★
        女性:胃      25.5      16,420 ★
        女性:膵臓     23.8      15,305
        女性:乳房     20.6      13,240
        男性:前立腺    18.9      11,507
        女性:肝臓     16.1      10,335
        男性:食道     15.8       9,629
        男性:胆のう・胆管 14.8       9,052 ★
        女性:胆のう・胆管 14.1       9,065 ★
        男性:悪性リンパ腫 10.5       6,427 ★
        女性:子宮     10.0       6,429 ★
        (以下:略)           

 B 男女別罹患率、及び罹患者数(2011年)・・・ 下記【表3】に示す
                      ・・・ 日本対がん協会:2016年HP
     ・罹患率の定義は死亡率と同様、10万人あたりの罹患者数を示す。
     ・罹患率は全人口に対するデータがなく、男女別罹患率を上位から記した。
     ・死亡率と同様、男性は早死傾向により女性より人口が少ないため、罹患者数が
     女性より少なくても、罹患率が女性を上回る場合がある。(下表★)

  【表3】 (部位)    (罹患率)   (罹患者数)
       男性:胃     144.9     90,083
       男性:前立腺   126.6     78,728
       男性:肺     121.3     75,433
       男性:大腸    115.9     72,101 ★
       女性:乳房    110.5     72,472 ★
       女性:大腸     80.5     52,820
       女性:胃      63.9     41,950
       女性:肺      55.5     36,425
       男性:肝臓     46.9     29,192
       女性:子宮     40.8     26,741
       男性:食道     31.7     19,728
       男性:膵臓     27.6     17,173
       男性:膀胱     24.7     15,345 ★
       女性:膵臓     24.3     15,922 ★
       女性:肝臓     22.3     14,648
       男性:悪性リンパ腫 22.1     13,766
       男性:胆のう    19.7     12,250
       (以下:略)

(以上)

posted by 翠流 at 01:05| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月27日

コメント返信:「未入力」様

匿名希望の「未入力」様
    (勝手に、そう呼ばせていただきます。)
2016/11/2 の記事:『「小池百合子」という人』に、
コメントをくださり、ありがとうございました。
返信が遅れて申し訳なかったのですが、
思いを同じくする人の、便りに感謝しています。

ご存知のように、最近、私は、
記事のアップが、たいへん滞っていますが、
しかし、活動への思いが消えたわけではなく、
時には過激にもなりながら(←合法の範囲で)、
電話や集会の場で、発言をしています。

先日も、ある団体の集会で、
壇上に立った男役員の自殺絡みの発言が、
まるでNHKニュースの剽窃のようで、
自殺の少ない「女性」については支援を語るくせに、
自殺が明らかに多い「男性」に対しては、「男性は」として支援を語らないので、
私は堪えられなくなり、質問の時間に、
厚労省自殺対策推進室のデータを踏まえて、
彼のメッセージを批判させていただきました。

彼も本質的には悪い人ではないようで、
答弁の途中で言い訳はしましたが、
最終的には謝罪しました。
しかし、「いのちの重さ」に関しても、
社会的なメッセージには、「初めに女性優遇の結論ありき」が多いようで、
日々、理不尽を感じ続けています。
特に、女性の「したたかさ」まで解放されてしまった今の時代にあっては・・・・・。

ところで、小池百合子という人については、先日、
次のような記事がネットで流れ、印象的でした。

 ◆ 小池知事「鉄の天井があった」。世界の反応は? | ホウドウキョク
              https://www.houdoukyoku.jp/posts/20350
  ・・・・・ こうした中、23日付のフランス紙「ル・フィガロ」は、希望の党について、「共通
  理念ではなく利己的な計算に基づいて作られた党」と評し、「小池都知事は最大の敗者で、
  まるで亡命中の女王のようだ」と皮肉を込めて報じている。
  また、別のネットメディアは、小池知事について、「カリスマ性があり、テレビ的な挑戦
  者だったが、あまりにも多くの計算違いを犯した」と手厳しく伝えている。

 彼女が「鉄の天井」と「ガラスの天井」を、並列しながら発言している部分が、報道文中に
はありますが、もしもそういう使い方をするのならば、「鉄の天井」は、今の日本の社会には
存在せず、彼女の中に存在する弱点・欠点と捉えるべきだと思いますね。「ガラスの天井」と
は無関係に、「男女共通の壁」と捉えるのなら受け入れることができますが・・・・・。

 小池百合子という人にも色々な面があるのでしょうが、都知事選の時は、都議会の暗部を
白日のもとにさらけ出して「正義」の顔を見せつつも、彼女の人格の根底には、自己中心的な
「自分ファースト」の顔、そして、女性差別解消を逸脱した「初めに女性優遇の結論ありき」
の「女ファースト」の顔が存在しているのではないかと、私は、強い危惧を抱いています。

(以上)

posted by 翠流 at 16:12| Comment(0) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

「ルーツ」さんへの返信 : 「カフェ・ド・クリエ」の件

記事「ジェンダー・アイデンティティ(2)」のコメント欄に、
「ルーツ」さんという人が、下記のようなお便りをくださった。
消費の世界は勿論のこと、国や自治体・公的機関でさえ、
女性限定優遇の施策を平然と行う異常な時代にあって、
しかし、たたかえば男性差別の解消は可能なのだと、
そういう実例の提示と共に、
若い力を感じさせてくれるお便りであった。
カフェ・ド・クリエの件については、
私は、このブログに書いてきたような取組みを行ってきたという理由によって、
今後の個人的な行動については、
「返信」に記すような一定の制約があると意識しているが、
基本的なスタンスは「ルーツさん」への共感であって、
それが、拡散の意味も含めて、この記事の掲載を促すこととなった。

このブログに来てくださる皆さんはご存知であろうが、
今、ネットでは、男性専用車両設置を求める署名活動が進んでいる。
評価・スタンスは多々あろうが、
そのHPから、奥野さんという人のコメントを引用する。
私は彼の、女性の特権階級化を懸念する認識に、強く共感する。
女たちだけのために企図されている様々の利益誘導は、
紛れもない女の特権階級化であり、
それが既に、定着の気配を見せる時代になってしまった、と私は思う。

   【引用文】 冤罪はもはや下手をすれば尊い男性の命まで奪うものとなってしまいました。
      また、同じ料金をはらっていながら、乗車車両を名目上でも制限される事は、今後
      若年者の間で、女性は特別な権利を有しているとの意識付けになってしまう可能性
      があります。男女は同権です。これから日本を支えていく若い男性たちのためにも、
      男性専用車両導入を切に願います。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ルーツ」さんからの便りを記す。

   少し、記事の内容と乖離してしまうのですが、先日このブログで紹介されてた新宿サブナードの
  カフェ・ド・クリエに女性専用トイレだけしか設置されていないことについて電話で苦情を入れま
  した。しかし、電話に出た店員は上の人間に報告するとだけで、具体的な対応は何も無しとのこと
  で非常に憤りを感じました。
   先日、マクドナルド上大岡店にトイレの件で大量に苦情が届き 女性専用⇒共用トイレになった
  経緯もありますから、皆で協力して新宿サブナードのカフェ・ド・クリエに苦情を入れませんか。
  多くの人間が協力すればマクドナルドのように改善することが出来ると思うので、よろしくお願い
  します!

ルーツさんへの返信

  コメントありがとうございました。
  マクドナルド上大岡店の女性専用トイレの件、
  共用になったことは、ルーツさんのコメントで初めて知りました。
  以前、新宿の某レストランの男性差別のときも、
  同様の働きかけで、差別が解消したと記憶します。
  法務局(法務省)の判断や、男女共同参画部局の施策が、
  実質的には、「初めに女性優遇の結論ありき」の男性差別の時代にあって、
  「大量の苦情」の意義は非常に大きいと感じます。
  ただ、私「個人」の、カフェ・ド・クリエへの直接的な働きかけについては、
  このブログに書いてきましたように、
  私の取組みの結果が、法務局から届いた「人権侵犯事実不明確」の通知であったという事実から、
  今後、私が個人としてできることは、裁判しかないのではないかと思っています。
  そこでとりあえず、間接的な支援でしかありませんが、
  この返信を含めたブログ記事をアップすることにしました。
  今の私にできることはこの程度ですが、
  もしも発言の思いあれば、
  また、コメントをください。


posted by 翠流 at 03:06| Comment(1) | 人権擁護への思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

ジェンダー アイデンティティー (2)

女性だけに与えられる美しさに、
羨望・嫉妬を抱きながら、今日までを生きてきた。
小学校6年の時からである。
「区別」という名の「性差別」、
私は社会から「不当な性的偏見に基づくジェンダーハラスメント」を受けながら、
長い年月を生きてきたことになる。

私の女性美羨望は、
本能と同等であるかのような重さをもって、
私の人格の底辺に存在し続け、
私の人生を呪縛してきた。

私はもともと小心であるから、
女性用衣料を身に着けて街を歩くことなどできるはずはなく、
職場ならそれはなおさらのことであった。
しかし美しさを求める執念のような感情は、常に心に巣食っていて、
私は、男性用衣料品の中の、つまりは女性的美しさを剥奪された衣料品の中の、
しかしできるだけ美しく私に似合うものを探して、
デパートの紳士洋品売り場を歩き回っていた。

ある日、淡いパープル系のハイネックの、
スタイリッシュなメンズのセーターを着て職場に行った時、
管理職のNo.2の男がそれを見て、当惑の表情を浮かべたが、
私は、文句を言われれば、開き直るつもりだった。

またある時、仕事で遠方へ向かう3泊の旅行の準備会で、
中間管理職の男が、「男性はスーツにネクタイにしましょうか」などと言い出したので、
私は感情を抑えきれなくなって語気を強め、
「そんなことしたらハラスメントじゃないですか」などと発言したのであった。
私の勤務先は、同系列の職場の中では締め付けが弱かったこともあって、
彼の提案は潰れ、私は、旅行の初日、きれいなエンジ色のハイネックセーターと、
ライトグレーのブレザーを着ていったのであった。

たぶん、そういう私の雰囲気が言わせたのであろうが、
ある日、職場の若い女の子が私のところへ来て、
「翠流さんって、女になりたいんでしょう ・・・・・」などと言うのであった。

その彼女が2年後に私の職場を去り、
翌年であったか、私もまた新しい自由を得て職場を去り、
やがて私は、秋から春にかけて、既述の如く、
メンズライクではあるがレディースの、
ロングカーディガンを着て街を歩くようになった。

新しい自由は、私を「自分らしさに」連れていった。
しかし、家庭があれば、ダメだったでしょうね。妻や子供が許さない。
私みたいな人間は、家庭づくりができなくて、一人が自分に合っている。
淋しさには、もう慣れてしまった。

ところで私には、最近、改めて意識したことがある。
それは私の衣料品のこと ・・・・・
私が持っている衣料品の、約3分の1は「男性用」なのであるが、
残りの3分の2の、約半分は、オーダーのダンス用品、
つまりは、男性用でも女性用でもない、私好みの「翠流用」。
そして残りは ・・・「女性用」なのである。

いやいや、ご安心ください。
くり返しますが、私が持っているレディースは、メンズライクですから・・・・・。
以前、東京のあるところで出会った MtoFの素敵な人が、
心配する私に、電話で言った。
「だいじょうぶ。だって、翠流さんは、そんな、変な恰好してないじゃない・・・・・」

レディースのタートルネックは、メンズのラウンドネックの下のアクセント。
暑さを感じさせる今頃から、
普段も着るようになったバレエ系ダンスのレッスン用の、
既製のハーフパンツとガウチョは、
レディースでも、色は、黒か紺か紫。
数少ないメンズと違ってラインがお洒落に出ますが、
私が着れば、一般の人たちは、メンズかレディースかわからないでしょうね。

以前このブログで紹介した渡辺恒夫の本、
「脱男性の時代(アンドロジナスをめざす文明学)」を思い出す。
彼はその「第2章ー3」で、
ベンジャミン(H.Benjamin)の「性指向尺度(Sex Orientation Sukale)を次のように紹介していた。
私は自分のことを、その「T型」だと思っている。

ベンジャミン(H.Benjamin)の「性指向尺度(Sex Orientation Sukale)」

  0型:正常男性(ノーマル・メイル)
  T型:仮性異性装嗜好(シュード・トランスヴェスティズム)
       ・・・・・ 定期的女装にまで至らぬ軽度の女装趣味。含変身空想。
  U型:フェティシズム的異性装嗜好
       ・・・・・ 定期的女装。特に下着への興味と自慰時の使用。
  V型:真性異性装嗜好(トゥルー・トランスヴェスティズム)
       ・・・・・ 可能な限り女装。女装時に女性の意識を持つ二重人格。
  W型:非手術性変性症(ノン・サージカル・トランスセクシュアリズム)
       ・・・・・ 可能な限り女装。性転換を願望するが転換手術の必要は認められず。
  X型:中等度真性変性症
       ・・・・・ 可能な限り女性としての生活。
  Y型:重度真性変性症
       ・・・・・ 女性として生活。
                                       (以上)


2017年06月06日

「ポジティブ・アクション」 の今

安倍晋三という、どこかの男が、
例えば「自殺の性差(注1)」に見られるような、
男性が直面し続けてきた「いのちの危機」、
特に、「経済・生活問題」・「勤務問題」をめぐる危機に対して、
「男性」を主語とした救済のメッセージを発することなどただの一度もなく、
唯々、フェミニスト面をして「光輝く女性」発言ばかりをくりかえしていた頃、
ある女性弁護士が、ネットの中で、
男女共同参画社会基本法第2条第2項:積極的改善措置(注2)を根拠として、
「女性優遇採用は違法ではない」などと主張していた。

  (注1) この記事の末尾に自殺データを掲載する。
  (注2) 男女共同参画社会基本法第2条:この法律において、次の各号に掲げる用語の
                     意義は、当該各号に定めるところによる。  
       1.男女共同参画社会の形成:男女が、社会の対等な構成員として、自らの
        意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、
        もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受するこ
        とができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。    
       2.積極的改善措置:前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するた
        め必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的
        に提供することをいう。                       

女性弁護士の発言は、
「初めに女性優遇の結論ありき」のフェミニストたちが、
様々の場面で使ってきた論理であって、
要するに、その根拠とされた「第2条第2項」の導入は、
憲法第14条に抵触する「女性優遇」を合法化するために、
自己本位のフェミニストたちによって企図された、計画的戦略だったのではないかと思う。

その戦略は、安倍晋三の「女性活躍推進法」によって結実し、
国家権力を手にした女たちは、
自身に内在する自己中心性を擁護されたままに、
特権階級として、優遇された社会進出を果たせるようになった。

彼女たちは言う、
「過去の女性差別の結果としての女性にとっての不利益が、日本の社会には存在する。従って、
それを解消するために行われるポジティブ・アクション(積極的改善措置)は違法ではない」と。
しかし、採用試験に関わって言えば、
彼女たちの言う「女性にとっての不利益」は、
既に、採用試験の準備段階としての学校教育の場には存在しない。
それは、内閣府が行ってきた「学校教育の場における男女の地位の平等感」調査の、
「年齢別グラフ 『20〜29歳』(注3)」に示されている。

  (注3) 「男女共同参画社会に関する世論調査 図4ー内閣府」(下記URL) の、
         ページ下方に示された、[年齢]別 グラフ:『20〜29歳』を参照。
           http://survey.gov-online.go.jp/h24/h24-danjo/zh/z04.html

既に保障されてきた「教育の機会均等」・「受験の機会平等」に併せて、
学校での「地位の平等」が確立された今の時代にあって、
「差別のない学校教育」の到達点の一つとしての採用試験で、
女性が、「女性である」という理由によって優先的に採用され、
本来ならば採用されるはずの実力を持った男性が、
「男性である」という理由によって不採用になるとすれば、
それはまさに、憲法第14条を破壊する男性差別、不正採用そのものであって、
自己本位のフェミニズム運動の、裁かれるべき施策である。

女性弁護士は、続けて発言していた、
政府は既に、数値目標達成のために女性の積極的採用を行った企業や自治体に対して、
「優遇措置」を講じる計画を持っていると・・・。
そしてそれは今、下に掲載する記事のような形をとって、
既に現実のものとなった。

記事には、東京都の優遇措置も記されている。
小池百合子は、恐らくは私の危惧通りの、
自己本位のフェミニズム運動家としての体質を持つことが、
この施策によって、一層明らかになったと思う。
彼女は今、「都民ファースト」という言葉で、自分の顔を表現しているが、
内在する「女性ファースト」の顔が、
今後、更に顕在化していくのではないかと、私は強く危惧する。
もとより、彼女の本質に「女性ファースト」の顔がなければ、
非正規雇用に苦しむ男性の現実が顕在化した社会状況の中で、
政治塾入会金、男性50,000円、女性40,000円、などという設定が、
できるはずはなかったのである。

ところで、次に掲載する記事は、
久しぶりに訪ねたブログ、
「社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)」 http://blog.goo.ne.jp/grk39587  の、
「フェミニズム批判のニュース記事、フェミ権力に屈せず批判の姿勢を貫け」(2017-05-24 )からの
引用である。
管理者の「蜻蛉の眼鏡」さんは、
転載を希望する私の思いを快く受けとめてくださった。
この場で感謝申し上げる。

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◆【引用記事】

『女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態』 (2017.5.22)
    https://www.news-postseven.com/archives/20170522_553461.html 

  ■ 堂々と女性を優先採用する企業が続出

     全国各地の政府系機関に次々と「女性優先採用」や「女性限定採用」が現われ、
    しかもそれを政府が推進している。国家主導の「女尊男卑」の時代ともいえるが、
    政府系機関に限った話ではない。

     民間企業でも「新卒・中途採用において、同程度の能力であれば女性を優先的
    に採用する」といった文言を掲げる企業が続出している。

     なぜこんなことが起きているのかというと、平成17年施行の「次世代育成支
    援対策推進法」や昨年4月施行の「女性活躍推進法」を根拠に、政府は企業に対
    し、子育て支援や女性採用の「行動計画」を作成させ、達成した企業を厚生労働
    大臣が優良企業として認定する制度を実施しているからである。

     実態は“強要”に等しいが、一方で「女性活躍加速化助成金」という助成制度
    では、企業が女性活躍に関する「数値目標」と「行動計画」を策定し、その目標
    を達成したら、助成金(30万円)が支給される。

     自治体でもこうした支援が盛んに行なわれており、例えば東京都では「女性の
    活躍推進人材育成研修」を開催。それを受講して社内に「女性の活躍推進責任者」
    を設置すると、奨励金30万円が支給される。

     さらに、その「責任者」が東京都の「フォローアップ研修」を受講した上で「行
    動計画」を届け出て、かつ行動計画の「社内向け説明会」を実施すると、さらに30
    万円(計60万円)の奨励金が上乗せされる。

     女性を優遇する企業に“アメ”を配って、女性採用を後押ししているのである。

     多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してき
    た経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用す
    るのは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。
                          ※週刊ポスト2017年5月26日号

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◆ 続いて【自殺データ】を記す。
私のブログ記事、「男性の自殺(3)(4)」からの引用である。

 (A) 自殺者数と男女比(2008年〜2013年)

   (1) 「経済・生活問題」を原因・動機とする自殺
       年次別   自殺者総数   男性    女性   男性:女性  
     2008(H 20)   7,404   6,686   718    9.3:1  
     2009(H 21)   8,377   7,634   743    10.3:1  
     2010(H 22)   7,438   6,711   727    9.2:1  
     2011(H 23)   6,406   5,740   666    8.6:1  
     2012(H 24)   5,219   4,660   559    8.3:1  
     2013(H 25)   4,636   4,147   489    8.5:1  

   (2) 「勤務問題」を原因・動機とする自殺
       年次別   自殺者総数   男性    女性   男性:女性  
     2008(H 20)   2,412   2,120   292    7.3:1  
     2009(H 21)   2,528   2,270   258    8.8:1  
     2010(H 22)   2,590   2,325   265    8.8:1  
     2011(H 23)   2,689   2,347   342    6.9:1  
     2012(H 24)   2,472   2,182   290    7.5:1  
     2013(H 25)   2,323   2,069   254    8.1:1  

 (B) 「経済・生活問題」「勤務問題」に起因する自殺(2013年)を、更に細分化した原
   因別に、男女差の大きい順に配列。表中の項目末尾の K3 は「経済生活問題」を示し、
   K4は「勤務問題」を示す。

    (原因・動機)     (男性:女性)  (男性) (女性) (計) 
     倒産:K3         45.0:1    45    1    46  
     負債:連帯保証債務:K3  20.0:1    20    0    20  
     負債:多重債務:K3    15.8:1   647   41   688  
     事業不振:K3       15.8:1   568   27   438  
     失業:K3         14.7:1   411   28   439  
     職場環境の変化:K4    12.2:1   280   23   303  
     就職失敗:K3       10.9:1   251   23   247  
     仕事疲れ:K4        9.5:1   587   62   649 
     その他:K4         8.9:1   354   40   394 
     負債:その他:K3      8.5:1   773   91   864 
     借金の取り立て苦:K3    7.8:1    47    6    53 
     自殺による保険金支給:K3  6.7:1    60    9    69 
     生活苦:K3         5.5:1  1,081   196  1,277 
     職場の人間関係:K4     4.3:1   437   102   539  
     その他:K3         4.2:1   244   58   302 

 (C) 就職失敗による20歳代の自殺者数と男性の割合

       年次別    総数  男性  女性  男性の割合          
     2008(H 20)   86   69   17   80.2 %          
     2009(H 21)  122   98   24   80.3 %          
     2010(H 22)  153  138   15   90.1 %          
     2011(H 23)  141  119   22   84.3 %          
     2012(H 24)  149  130   19   87.2 %          
     2013(H 25)  104   95   9   91.3 %          

                                    (以上)
 
posted by 翠流 at 02:04| Comment(2) | ポジティブアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする